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RTK受信機2つで
​ローカル基地局RTKをしてみる

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この記事は平均4分で読めます
2022年7月2日 掲載
はじめに
こんにちは!レフィクシア株式会社の畑田です。
弊社はRTK-GNSS受信機の「LRTK」をはじめとした位置情報を使ったサービスを提供しています。手のひらサイズのRTK-GNSS受信機や、位置情報を利用したARアプリなど手がけているのでぜひこちらからチェックしてみてください!

さぁ本題ですが、今回することは「ローカル基地局RTK測量」です!
ローカル基地局ってなに?と思われた方も居るかと思いますが、必要な前提知識から勉強していくので安心してください!
今回もこのRTK-GNSS受信機を使用していきます。
スクリーンショット 2022-06-30 8.05.23.png
①アンテナ ②GNSSレシーバ ③無線機 ④バッテリ​
の全てが搭載されたRTK-GNSS受信機。

LRTKシリーズの中で最も人気のある製品です。
畑田の記事ではお馴染みの製品ですね、今回もお世話になります。
​LRTK Proを2台用意して...それではやっていきましょう!
まず初めに前提知識を勉強していきましょう!
とは言っても第一回&第二回の記事を読んでくださっている方は既にご存知の内容かと思います。
もう前提知識は大丈夫、という方は ローカル基地局RTKの利点 まで飛ばしてしまいましょう!
RTK&GNSSについておさらい
初めにGNSSとは?からおさらいします。
RTK測量に欠かせない電波ですが、一体何のことなのでしょうか...
GNSSとは
GNSSとは「Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)」の頭文字を取った言葉で、衛星測位システムの総称のことを指します。
米国のGPSをはじめ、ロシアのGLONASS、中国のBeiDou、日本のQZSSなど、様々な測位システムが含まれます。
GPSはみなさんお持ちのスマートフォンで地図アプリなどに使われていて身近ですね!
実は私生活でGPSを使用していると思っていても、このGNSSの他の電波を受信して位置情報を取得している場合もあるそうです。
次にRTKの仕組みについてです!
RTKとは
RTKとは「Real Time Kinematic」の頭文字を取った言葉で、相対測位と呼ばれる方式の一つです。
基地局と移動局の2つの受信機でGNSS衛星から4つ以上の信号を受信し、その2つの受信機間で位置情報のズレを補正することでより高精度な位置を算出します。そしてその誤差を数センチメートル以内に抑えられるのが最大の特徴です。
この高精度な測位によって、単独測位ではできなかったドローンや農業機械、建設機械の自動運転などが可能になります。また、土木建設業では既に測量用端末としてRTK受信機が導入されているようです。
おさらい
ローカル基地局RTKの利点
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RTKの説明で、「基地局と移動局の2つの受信機でGNSS衛星から4つ以上の信号を受信」と説明しましたが、この基準局のデータは「位置情報配信サービス」というものから得ることが出来ます。これは自分で基地局を用意してGNSS電波を得る必要がなく、代わりにインターネット経由で基地局データを得られるということです。つまり移動局のみ自分で用意すれば良いわけですね!便利!

ですが、これではインターネットの飛んでいない山の中では測量ができない!ということで登場するのが「ローカル基地局RTK測量」な訳です。インターネット経由で基地局データを集めるのではなく、自分で基地局を設置(ローカル基地局)して基地局データを集めるので「ローカル」と呼ばれています。
このローカル基地局RTKが出来れば、インターネットが飛んでいなくてもRTK測量が可能になりますし、RTK受信機をインターネットに接続するために携帯電話でテザリングしたりモバイルWifiを持ち歩いたりする必要がないというのも利点ですね!
利点
実際にやる
実際にやってみよう!
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​お待たせしました!実際にLRTK Proを2台設置してローカル基地局RTKを行ってみます!

①まずはLRTKアプリをダウンロード!

LRTK App
RTK測位モジュールLRTK専用アプリ
lefixea inc.

LRTKシリーズをセットアップするためのアプリです。毎度のごとくお世話になっています。
​こちらは無料アプリなのでぜひダウンロードして使ってみてください!Google Play ストア にて公開しています。

​②LRTK Proを設置

スクリーンショット 2022-07-02 9.42_edited.jpg
​LRTK Proの電源をつけて設置します。
今回は分かりやすく2台を近くに設置していますが、この2台の距離は最大2キロメートルまで離しても大丈夫です。
2キロメートル...これは東京駅から神田駅を越えて秋葉原駅までくらいですね、すごい!
これ以降の作業は全てLRTKアプリで行っていきます!少し手順が多いですが早足で進めていきましょう!

​③基準局をペアリングモードにする

① LRTKアプリと基地局にしたいLRTK端末を接続します。(詳しくはこちら)
② LRTKアプリの LRTKの設定 から L-Link をオンにします。
基準局を選択し、ペアリングモードを押します。※ペアリングモード時、LRTKは緑色に点滅します

基準局を​ペアリングモードに

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④移動局をペアリングモードにする

① 移動局にしたいLRTKの電源を入れる
② スマートフォンと移動局にするLRTKをBluetooth接続する
​③ 「基準局」を選択し、「ペアリング」を押す。
※移動局を基準局に近づけてください。一瞬でペアリングして完了音♪鳴りますが、場合によってはすぐにペアリングが成功しないことがあります。 移動局から1秒おきに音が鳴りますので、基準局との位置関係を調整する、別の場所に移動するなどしてみてください。30秒経過すると移動局のペアリングモードが終了し、ブブー♪と音が鳴ります。 ブブー♪と鳴ってペアリングに失敗してしまった場合は、基準局、移動局どちらも電源を切り、Step1からやりなおしてみてください。

移動局を​ペアリングモードに

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⑤基準局に座標を設定する

① 基準局にしたLRTKにBluetooth接続する
② L-Linkにて、「設定する※1」を選択し、緯度経度/平面直角座標系を選択する
​③ 基準局を設置する座標を入力する 4.「端末に送信する」を押すと、LRTK基準局に送信される(基準局に座標を設定すると、基準局のRTKランプが青に点滅します。)

※「設定する」は、F9PでのFixed modeのことです。「測量する」の自己測量(survey-in)も利用できますが、24時間以上その場で放置する必要があります。
放置しても地域によっては収束結果が悪い可能性もあるので、「設定する」の利用をおすすめしています。みてください。

基準局に座標を入力

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⑥移動局の情報を確認

空がよく見える場所ならば基準局からRTCMを送信していますので、移動局に接続してRTCM受信率をチェックしてみてください。
80%以上受信できていれば、移動局画面ではRover Fixという表示になっているはずです。

​移動局の情報を確認

画像8.png

これにて測量終了!!!
​移動局の座標が取れていることが確認できましたね、
お疲れ様でした!

まとめと次回
RTK測量いかがだったでしょうか、今回は作業が長かったので少し説明が難しくなってしまいましたが、以下の動画やサポートページではもっと詳しく説明しています。ぜひこちらもチェックしてみてください!
LRTK Pro デモ動画
LRTK&phone.JPG
LRTK Pro完全サポートページ
次回は記事内容は未定ですが、RTK測量を使って測量ではない遊びチックなことをしてみたいと思っているのでお楽しみに!
まとめと次回
​前回の記事はこちら! →
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