点群データとは何か?土木技術者向け解説

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2025年2月28日 掲載

点群データとは?
点群データとは、空間内の物体や地形を無数の点の集合で表現した3次元データのことです 。各点には位置座標(X, Y, Z)と場合によっては色や強度の情報が含まれます。例えばレーザースキャナーやカメラで物体を計測すると、表面上の多数の点の座標が取得できます。この膨大な点の集合(点群)を用いると、現実の形状をデジタル空間に精密に再現できます 。
写真が細かなドットの集まりで画像を構成するように、点群データも点の集まりで3D形状を構成しているイメージです。点群データは数百万~数億点にも及ぶことがあり、ミリ単位の精度で対象物の形状や寸法を捉えられるのが特徴です 。
取得方法(レーザースキャナ・ドローン測量など):
点群データを取得する主な手法として、近年は次のような方法が広く使われています :
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3Dレーザースキャナー: 三脚などに据え付ける地上型レーザースキャナで周囲にレーザー光を照射し、返ってくる反射光の時間差から距離を測定します。1秒間に数百万点もの座標を取得でき、建築物や土木構造物の詳細な点群を短時間で取得可能です 。レーザースキャナは現在最も一般的な方法で、建設・土木測量の現場で広く利用されています。
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ドローン(UAV)測量: 上空から対象エリアを計測する方法です。ドローンにカメラを搭載して複数の航空写真を撮影し、写真測量(SfM解析)によって3D点群を生成する方法と、ドローンにレーザースキャナーを搭載して空中から直接レーザー計測する方法があります 。航空写真測量は広範囲の地形把握や土量計算に多用され、レーザー搭載ドローンは森林や複雑地形の高精度測量に有効です。
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モバイルマッピングシステム(MMS): 車両にレーザースキャナやカメラ、GPSを搭載し走行しながら周囲を計測する方法です 。道路やトンネルの延長区間を高速に点群化でき、道路インフラの現況把握に利用されています。
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ハンディスキャナ・SLAM: 人が手で持つ小型3Dスキャナや背負うタイプのスキャナも登場しています。これらはSLAM(自己位置推定と地図同時作成)技術を使い、歩き回るだけで周囲の点群をリアルタイム取得できます 。屋内空間や狭所の計測に有効です。
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その他: 水中の地形や構造物には音響測深(ソナー)を用いて点群化することもあります 。また、国土地理院や国土交通省が公開している既存の点群データ(航空レーザ測量データなど)を入手して利用するケースもあります 。
以上のように、レーザースキャナやドローン測量技術の発達により、広範囲から高精度な点群データを取得できるようになっています。取得された点群データは、地形モデルの作成や設計・施工の下地資料など、土木の様々な場面で基礎データとして活用されます 。
点群データの活用事例
点群データは土木・建設分野で活用範囲が非常に広く、従来の図面や測量データでは得られなかったメリットをもたらしています。以下に主な活用事例を紹介します。
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設計図作成(既存構造物の図面化):
現場の既存構造物や地形を点群データ化することで、詳細な3Dモデルや2D図面を作成できます。例えば、古い橋梁やトンネルの改修設計では、現況の寸法が不明確だったり図面が残っていない場合があります。そうした際にレーザースキャンで点群を取得すれば、直接3Dモデルを起こしたり、平面図・断面図などのCAD図面を精度良く描き起こすことが可能です 。従来の手測りや単独測量より正確な図面を得られ、複雑形状の構造物でも漏れなく形状把握できます 。これにより設計精度が向上し、改修計画や増築設計の際も現況に即した検討ができるようになります。
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出来形管理(施工後の形状・寸法確認):
施工完了後の構造物や造成地を点群で計測し、設計通りにできているか検証する用途です。点群データから部材の寸法や勾配、平坦性などを測定し、設計モデルとの差分をチェックできます 。例えば、コンクリート打設後のトンネル覆工の厚みや、道路路盤の整形状況を点群で捉えれば、手作業では難しい微小な凹凸まで把握できます。ある事例では、鉄筋の出来形確認に点群を活用したところ、従来の実測に比べて作業時間・費用を73%削減できたと報告されています 。また点群から基準面を作成し各点のずれを色表示することで、コンクリート表面の膨らみや剥離、漏水箇所などの異常検知にも応用されています 。このように出来形管理で点群を用いると、施工ミスの早期発見ややり直し削減につながり、品質確保と効率化を両立できます。
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維持管理(インフラ点検・モニタリング):
橋梁・トンネル・道路などインフラ資産の維持管理にも点群データが活躍しています。構造物を定期的に3Dスキャンしておけば、経年変化をデジタルで蓄積・比較できます。例えば橋梁点検では、点群と高解像度画像を組み合わせてコンクリートのひび割れや部材の変位を検出したり、トンネル内空断面の経時変化を調べることができます。実際にある高速道路トンネル工事では、スマートフォン搭載LiDARで毎日施工箇所をスキャンしクラウド共有する仕組みを導入したところ、本社から現場への出張回数を減らしつつ、施工計画への反映までの時間を9割削減できた例があります。点群データをクラウド経由で共有することで、現地に行かずともリモートで現場状況を立体的に把握でき、関係者全員で進捗や問題箇所を確認できます 。さらに取得した点群と過去の設計モデルを重ねて比較すれば、変状の兆候を早期につかみ補修計画に役立てることが可能です。維持管理への点群活用は、インフラの長期的なデジタル記録を残しつつ、点検作業の省力化・高度化を実現するものとして注目されています。
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土量計算(盛土・掘削量の算出):
土工事における切土・盛土量の把握にも点群データが有効です。従来は現場で測量士が多角測量して数十点の標高データから断面図を作成し体積計算していましたが、ドローン写真測量やレーザースキャンで得た高密度点群から地形のメッシュモデルを生成すれば、盛土や堆積土の体積を迅速かつ高精度に算出できます。点群ベースの土量計算では、現地の起伏を隅々までスキャンしているため見落としが少なく、ソフト上で任意の範囲の体積を自動演算できます。ある建設現場の事例では、掘削土量の計算に点群データを用いても従来手法に比べ精度上問題なかったと報告されています 。加えて、危険斜面や大規模盛土でも、人が立ち入らずドローン等で安全に計測できる利点があります。点群による土量算出は出来高管理の効率化だけでなく、土砂災害時の流出土量推定など防災分野でも活用が進んでいます。
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インフラ点検・デジタルツイン:
点群データはインフラ点検やBIM/CIMの文脈でも注目されています。例えば鉄道や高速道路では、トンネル坑内を3Dスキャンして変位計測に使ったり、橋梁の点群モデルに亀裂や剥離の写真情報をひも付けて劣化箇所の記録を行う試みがあります。また都市規模で取得したレーザ点群を基に道路や建物の3Dモデルを構築し、災害シミュレーションや維持管理に役立てる「デジタルツイン」の構築も進んでいます 。点群は現実の現況コピーとも言えるので、それを土台にすれば設計から施工、維持管理まで一貫してデータ活用することができます。実際、清水建設の大規模地下駅工事ではBIMモデルと現場点群、360度写真をクラウドで統合し、「現場に行かない遠隔施工管理」を実現しました 。このように点群データは従来別個に行われていた測量・設計・点検業務をデジタルでつなぎ、土木DX(デジタルトランスフォーメーション)を支える基盤技術となっています。
点群データ活用のメリット
点群データを活用することで、土木の現場にはさまざまなメリットがもたらされます。主な利点を以下にまとめます。
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測量・施工の効率化とコスト削減:
点群計測は一度に広範囲の情報を取得できるため、作業の効率向上と人件費削減に直結します 。例えば、工事現場で設備の干渉チェックに点群を使った事例では、干渉回避の設計工数・期間が約80%削減できたという結果が報告されています 。また同じ事例で、点群を用いた掘削土量計算の精度にも問題がなかったことが確認されています 。これらはつまり、品質を担保しつつ業務の大幅な省力化が可能になることを示しています。従来は何人も動員して何日もかかった測量・計測が、点群なら短時間で完了し、そのデータを使って設計や施工検討を素早く行えます 。現地測量回数の削減や手戻り防止による工期短縮、重機稼働や人件費の節約など、トータルで見たコストメリットは非常に大きいです。工期遵守と予算管理が厳しい建設業界において、点群活用は強力な効率化ツールと言えます。
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安全性の向上(危険個所の無人測量):
点群データは、人が立ち入り困難または危険な場所の測量を可能にします。ドローンや長距離レーザースキャナを使えば、崖崩れの恐れがある急斜面や交通量が多い道路上部、老朽化した構造物の高所部分などでも、遠隔からデータ取得できます 。例えばUAVで上空から測量すれば、高所作業や急傾斜地での測点設置が不要になり、作業員の墜落リスクをゼロにできます。地上設置型レーザースキャナでも、離れた安全な場所から橋脚の高所やトンネル天井をスキャン可能です 。このように点群技術は無人化施工やリモートセンシングの一翼を担い、労働災害のリスク低減に貢献します。危険を冒して人力で測る時代から、機械計測による安全なデータ取得への転換が進んでいます。
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設計精度向上と施工ミス削減:
点群データを利用すると、現場の実測形状に基づいた精密な設計が可能となり、施工時の不整合やミスを減らせます。例えば古い構造物を改修する際、点群から起こした3Dモデル上で新設部材の取付位置を検討すれば、事前に干渉や寸法不備を発見できます 。実際、点群で設備の干渉チェックを行い設計修正したことで、高価な手直し工事を回避できたケースもあります。また点群により施工後すぐ出来形を検証することで、その場で是正処置が取れ、大きな瑕疵に発展する前に対処できます。現況に忠実な点群を用いることで「思った位置に合わない」「現場で調整」という属人的な勘頼みを減らし、施工の品質と精度を底上げできます。結果として、やり直し工事の削減や品質不良の低減によるコストセーブにもつながります。
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データの長期保存・再利用(資産化):
一度取得した点群データはデジタルな現場の記録として長期保存できます。これにより、将来の計画や維持管理に繰り返し活用できる資産データとなります。例えば竣工時に構造物全体をスキャンしておけば、数年後の補修設計時に改めて現地採寸する必要がなく、当時の点群を取り出して3Dモデル化するだけで現況図を得られます 。図面が紛失・散逸しても点群さえ残っていれば安心です。また大規模インフラでは、施工中・竣工時・定期点検時など時系列の点群データを蓄積することで、変形や劣化の進行を定量的に追跡できます。これは将来の維持管理計画の精度向上や、災害発生時の被害把握(被災前後の地形比較)にも役立ちます。点群データは紙図面と異なり劣化せず劣化もしないため、うまく管理すれば半永久的に残せるデジタル資産です。近年ではクラウド上に大量の点群を保存・共有するサービスも普及しつつあり、必要なときに必要な人が過去の3Dデータを取り出して活用できる環境も整ってきました。
以上のようなメリットから、点群データ活用は測量から設計・施工・維持管理まで幅広い工程で価値を発揮しています。特にi-Constructionなど国土交通省の推進する建設DXでも、点群による3次元化は重要な柱とされています 。もっとも、これらのメリットを最大化するには、後述する課題への対策も講じつつ現場に適合した形で導入することが大切です。
点群データ活用における課題と解決策
便利な点群データ活用ですが、一方で現場導入にあたってはいくつかの課題も指摘されています 。主な課題とその解決策について解説します。
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データ量の多さによる処理・管理の負担:
点群データは非常に高密度であるため、ファイルサイズが巨大になります。小さな現場でも数百MB、大規模なエリアでは数十GBに達することも珍しくありません。このためデータ処理用PCの高性能化や大容量ストレージの確保が必要になります。また点群は専用ソフトでないと開けない場合も多く、関係者間で共有・閲覧するにもハードルがあります 。例えばCADソフトではそのまま点群を扱えないため、中間形式へのデータ変換が必要になります 。さらに生の点群には人や車など計測対象外の点(ノイズ)が含まれることが多く、これを除去・整理する前処理にも手間がかかります 。こうした課題に対しては、近年クラウドサービスの活用が進んでいます。点群をインターネット上のプラットフォームにアップロードすれば、ブラウザ上で軽快に表示・計測できるよう自動処理してくれるサービスも登場しています。また、国際標準の点群フォーマット(LASやE57など)を使うことで異なるソフト間でもデータ共有しやすくする取り組みもあります。データ管理面では、プロジェクトごとに点群データの命名規則や版管理ルールを設け、必要な範囲にクリップしたデータを共有するなど、運用上の工夫で扱いやすくすることもできます。さらに不要部分を間引いて点数を減らすダウンサンプリングや、圧縮フォーマットの活用でデータ軽量化を図ることも有効です。最近はAIを使って点群から不要物(車や人物など)を自動検出し削除する技術も登場しており、今後ますます処理・管理の負担は下がっていくでしょう。
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高精度化のための工夫(測定誤差や位置合わせ):
点群計測で得られる精度は高いとはいえ、注意しないと誤差が蓄積する可能性があります。例えば地上レーザースキャナでは、一度に見えない死角部分を補うために複数拠点からスキャンして点群同士を位置合わせ(レジストレーション)しますが、この際にわずかなズレが出る場合があります。またドローン写真測量では、GPS精度や飛行高度によって絶対精度が数cm~数十cm程度ずれることもあります。このような位置精度の課題に対しては、既知の基準点やターゲットマーカーを現場に設置して計測し、点群をそれらに合わせて補正する手法が一般的です。あるいはRTK-GNSSのようなセンチメートル級測位を併用して、取得時から絶対座標を付与する方法も有効です(この点は次章で紹介するLRTKの技術が大きな解決策となります)。またノイズ点の除去も精度向上には不可欠です。人や機械の動き、ガラス面でのレーザー多重反射などで生じる不要点をソフト上でフィルタリングすることで、モデル精度を高めることができます 。計測計画の工夫も重要で、例えば橋梁内部を計るならアーチの上下で計測する、トンネルなら入口と内部から両方向でスキャンするといった具合に、死角を減らす配置を心がけます。さらにSLAM式ハンディスキャナでは経路が閉じるよう動いて誤差拡散を抑えるなどのテクニックがあります。機器の校正を定期的に行い、気温や湿度による機器誤差にも留意することも求められます。これらを実践すれば、点群データは測量級の精度で信頼できる成果が得られ、安心して設計・施工に利用できるでしょう。
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ソフトウェアとの連携(データ活用のハードル):
点群データは汎用CADやExcelのように誰でも扱えるフォーマットではないため、社内にノウハウが無いと「宝の持ち腐れ」になりかねません 。例えば点群から図面を描こうとしても、通常のCADソフトでは直接読み込めず専用の点群処理ソフトで一度メッシュやサーフェスに変換する必要があります 。この変換や編集には専門知識が要り、一から習得するハードルがあります。またソフト間の互換性も課題で、あるソフトで編集した点群データを別のシステムで開こうとすると対応フォーマットが違い手間取るケースもあります。解決策としては、まず目的に合ったソフトウェア選定を行うことです。近年は大手CADベンダー各社も点群対応を進めており、Autodesk社のCivil3DやRevit、Bentley社のContextCaptureなど土木BIM向けツールで点群を直接参照できるようになっています。あるいは国産の点群処理ソフト(例:TREND-POINT、ScanXなど)を導入し、ノイズ処理から図面化まで一貫して行う体制を整える方法もあります 。社内にスキルがない場合は、計測作業とあわせてデータ加工を外注する手もあります。実際、点群から2D/3D図面化を請け負うサービスも登場しており 、専門家に任せてしまうのも一つの手でしょう。いずれにせよ、点群を最大限活用するにはソフト・人材両面での環境整備が必要です。まずは小規模でも試行導入し、現場技術者が点群に触れる機会を増やすことで徐々に社内の活用スキルを醸成していくことが望まれます。 -
初期導入コスト:
高性能なレーザースキャナやドローン、点群処理ソフトは高額で、導入に踏み切れない企業もあります 。一般的な地上型レーザースキャナは数百万円~数千万円、ドローンLiDARも数百万円規模の投資となり、中小企業にはハードルが高いのが現状です。また担当者の教育にも時間と費用がかかります。この課題に対しては、最近登場した低コスト機器の活用が有望です。例えばiPhoneやiPadに搭載されたLiDARスキャナを利用して簡易的に点群取得する試みや、後述するスマホ装着型RTKデバイス「LRTK Phone」のように安価で手軽な測量ガジェットも出てきています 。レンタル機器を利用して初期投資を抑える方法もあります。国交省もi-Constructionモデル工事で新技術導入への補助を行っており、助成金の活用も検討すると良いでしょう。結果的に、高コストが理由で点群活用を敬遠していた現場にも、徐々に1人1台時代に向けた安価なソリューションが普及し始めています。
以上の課題はありますが、技術革新により解決策も整いつつあります。次に紹介するLRTKは、これら課題を一挙に解決し得る新しいツールとして注目されています。
LRTKの紹介
(点群計測の新しいソリューション)
最後に、点群データ活用をさらに手軽にする画期的なツール「LRTK」をご紹介します。LRTK Phoneはスマートフォンに取り付ける小型デバイスで、誰でも簡単に高精度な絶対座標付き点群を取得できるよう設計されています 。
LRTK Phoneデバイスをスマホに装着するだけで、RTK測位と3Dスキャンが可能になる。現場で手軽に使えるポケットサイズが特徴。
LRTK Phoneによる点群取得の効率化:
LRTK Phoneをスマホに装着するだけで、従来は別々だった測量機とスキャナの機能を一体化できます。具体的には、スマホ内蔵のLiDARスキャナやカメラで周囲をスキャンしつつ、LRTKデバイスのRTK-GNSS受信機によってセンチメートル級の位置座標をリアルタイムで付加することができます 。
これによりその場で絶対座標付きの3D点群データを取得できるのです。従来、点群に測量座標を与えるには後処理での基準点合致が必要でしたが、LRTKなら現地計測時から世界座標系の点群が得られるため、測後の位置合わせ作業が不要になります 。また専用アプリにより、取得直後に点群上で2点間距離を測ったり体積計算を行うといった解析もスマホ上で即座に可能です 。例えば盛土をスキャンすれば、その場で盛土量の計算結果が表示できるため、現場で迅速に出来形確認や数量算出ができます。
唯一無二の絶対座標付き点群取得ツール:
LRTKの特筆すべき点は、絶対座標付き点群を簡単に取得できる唯一のツールであることです。一般的なスマホやタブレットにもLiDARは搭載されていますが、それ単体では相対的な形状データしか取れず、精密な測位はできません。LRTK Phoneはこれに高精度測位を融合させたことで、従来は専門測量機器と高度なスキルを要した絶対座標点群計測を誰でも扱えるものにしました 。さらにLRTKは日本の衛星測位サービス「みちびき(QZSS)」のCLASにも対応しており、携帯電波の圏外でも衛星から測位補強情報を受信してRTK測位が可能です 。山間部やトンネル内でもアンテナを変えるだけで高精度測位を維持できる柔軟性も備えています 。これらの機能は現在LRTKにしか実現できないユニークなもので、まさに「唯一無二」の存在と言えるでしょう。
クラウド活用によるデータ処理の効率化:
LRTKはハードだけでなくクラウドサービスとも連携しています。計測した点群データや高精度写真は自動でLRTKクラウドにアップロードされ、ブラウザ上の地図にプロットして確認できます 。クラウド上では取得データの共有もワンタッチで行え、URL発行によって関係者と3Dデータや位置情報を即座に共有可能です 。またLRTKクラウドでは写真測量で作成した3Dモデルの自動処理・ダウンロードもでき、重い処理はクラウド側に任せてユーザーは結果を待つだけで済みます 。これにより、高性能PCが手元になくても大容量の点群処理が可能で、データ管理もクラウド上で一元化できます。セキュリティ面も考慮されており、共有リンクに閲覧期限やパスワード設定を付与できるなど安心して活用できる仕組みです 。現場で取得->クラウド保存->オフィスで活用という一連の流れがスムーズにつながることで、点群データ活用の効率は飛躍的に向上します。
LRTK Phoneの登場により、「1人1台」の高精度点群計測が現実味を帯びています。実際、建設現場の施工管理者や作業員がポケットにLRTKを忍ばせて必要な時にすぐ測量・スキャンを行うという新しいスタイルが生まれつつあり、生産性が大幅に向上するとの声も上がっています 。価格も従来の測量機器に比べて非常にリーズナブルで、導入ハードルが低いのも魅力です 。点群データ活用のメリットを享受しつつ、課題を解決するソリューションとして、LRTKはゼネコンから中小建設会社、測量業者、インフラ管理者まで幅広い層にとって強力なツールとなるでしょう。
まとめ:
点群データは、レーザースキャナやドローンによって取得できる無数の点で構成された3Dデータであり、土木業界における設計・施工・維持管理の現場で革命を起こしつつあります。設計図作成の高度化、出来形管理の効率化、インフラ点検の高度化、土量計算の迅速化など、その活用事例は枚挙にいとまがありません。点群活用により測量作業が安全・迅速になり、設計精度が上がり、施工ミスが減り、データ資産として長期に活用できるといった多くのメリットが得られます。一方で、大容量データの処理や専門ソフトの習熟といった課題も存在します。しかし、最新のソリューションであるLRTKに代表される技術革新がそれら課題を解決し、誰もが簡単に高精度点群を扱える時代が目前に迫っています。ゼネコンから地方の建設会社、JRや高速道路のインフラ担当者に至るまで、本記事で紹介した点群データの基礎と活用法、そして革新的ツールの情報が、皆様の現場DX推進の一助となれば幸いです。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
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