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衛星数100機時代へ:
マルチGNSSフル活用の超高精度測位

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2025年3月5日 掲載
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GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星数の増加に伴い、RTK(Real Time Kinematic)測位技術は大きく進化しています。従来は米国GPS中心でしたが、ロシアGLONASSや欧州Galileo、日本の準天頂衛星「みちびき」など複数の衛星システムを同時利用するマルチGNSS RTKが主流となりつつあります。

全世界で稼働する測位衛星の数は合計で100機を超える“100機時代”に突入し​、あらゆる場所で安定したセンチメートル級測位が可能となるポテンシャルが生まれています。

本記事では、マルチGNSS活用によるRTK超高精度化の技術動向と、建設・測量業界への影響、さらには先進サービスであるLRTKとの関連性について解説します。

GNSS測位システムの進化とRTK精度向上

現在運用中の主要なGNSS測位衛星には、米国のGPS、ロシアのGLONASS、欧州のGalileo、そして日本の準天頂衛星システム「みちびき」などがあります(中国のBeiDouも含めれば全世界で120機超が稼働)。マルチGNSS対応の受信機ではこれら複数システムの信号を同時に受信でき、測位に利用可能な衛星数が大幅に増加します。結果として測位ジオメトリ(衛星配置)の改善により精度が向上し、都市部や山間部など一部衛星が遮蔽される環境でも必要な衛星数を確保しやすくなりました。

特にRTK測位では、マルチGNSS化によって初期化(整数アンビギュイティ解決)に必要な時間が短縮され、より迅速に固定解(Fix解)を得られます。実際、できるだけ多くの衛星・周波数に対応した受信機ほど、測位の可用性・精度・耐環境性が向上することが報告されています​。加えて、日本の準天頂衛星「みちびき」はセンチメータ級補強サービス(CLAS)によって単独受信機でもセンチ級測位を可能にする信号を提供しており​、今後のRTK精度向上に大きく寄与しています。

RTK超高精度化がもたらす業界への影響

マルチGNSS対応による衛星測位 精度向上とRTKの超高精度化は、建設・測量分野の作業スタイルを変革しつつあります。例えば建設現場の測量では、従来より少ない基準点で効率よく出来形計測や設置作業が行えるようになり、重機のマシンガイダンスも高精度化することで施工の自動化・省人化が進みます。測量士が1人でGNSS受信機を持ち現地測量を完結できる“一人測量”も一般化し、業務の省力化につながっています。またインフラ管理においては、構造物の変位モニタリングや埋設物の高精度位置記録などにRTKが応用され、精密農業ではトラクターの自動走行や播種の制御にセンチメートル単位の位置情報が不可欠です。自動運転車両やドローンでも、高精度な自己位置推定の一要素としてRTK-GNSSが活用され始めています。さらに通信分野でも追い風があります。日本では5G通信網と連携した高精度測位サービスが大手通信キャリアにより開始されており​、リアルタイム補正情報の高速伝送やネットワーク基準局の共有が進むことで、RTKの利用範囲が都市部から山間部まで一層広がるでしょう。

LRTKと次世代RTK技術の融合

こうしたマルチGNSSによるRTK超高精度化の流れの中で登場したのが、レフィクシア社のLRTKシリーズです。LRTKは小型のRTK-GNSS受信機デバイスで、GPS・GLONASS・Galileo・みちびき(CLAS対応)といったマルチGNSS信号を活用することで、スマートフォンやタブレットと連携しながら容易にセンチメートル級測位を行えます​。

例えば「LRTK Phone」はスマホ背面に装着するアンテナ一体型受信機で、専用アプリを通じてネットワーク型RTK(Ntrip方式)やみちびきのCLAS信号を受信し、屋外で即座に高精度な位置座標を取得できます。さらにLRTKシリーズはクラウドサービス(LRTKクラウド)と連携している点が大きな特徴です。現場で取得した測位データや写真・点群をその場でクラウドへアップロードし、データはグローバル座標系で統一管理されます​。

クラウド上では関係者と測位結果や3次元モデルを即時に共有でき、遠隔のオフィスからリアルタイムに進捗確認や指示出しを行うことも可能です​。

LRTKクラウドは今後、国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU」データとの連携やAR表示機能など、次世代のスマート施工を支援するプラットフォームへと発展しています​。

このようにLRTKはマルチGNSS高精度測位技術とIoT/クラウドを融合することで、専門技術者でなくともスマートデバイスで簡便にcm級測位を扱える環境を実現しており、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)のキーデバイスとなりつつあります。

未来のRTK測位とGNSS技術の展望

今後の衛星測位技術はさらなる進化が予想されます。ひとつは次世代測位方式の融合(PPP-RTK)です。PPP(Precise Point Positioning:精密単独測位)は全球の精密な衛星軌道・時計誤差情報を用いて単一点で数センチ精度を出す技術ですが、初期化に時間がかかる課題がありました。そこで各地の基準局ネットワークからの局所誤差補正情報と組み合わせ、RTK並みに速い初期化を可能にした手法がPPP-RTKです​。

例えば日本の準天頂衛星みちびき(静止軌道)から配信されているCLASはPPP-RTKの考え方に基づくもので、地上インフラが整っていない地域でも衛星からの補強信号受信だけで高精度測位が可能です​。

今後は欧州Galileoの高精度サービス(HAS)や中国BeiDouの補強信号など、世界各地で衛星通信による補正配信が充実し、グローバルに均質なセンチメートル級測位が実現していくでしょう。また、自律移動ロボット(AMR)やドローン、スマートシティの位置情報サービスなど、GNSSを利用する新産業分野が拡大しています。GNSSチップの低価格化・小型化も進み、スマートフォンにも複数周波数GNSSが搭載され始めました。こうした中、“100機時代”の恵まれたGNSS環境をフル活用することで、屋内外シームレス測位やより高度な位置ベースサービスの開発など、新たな可能性が生まれると期待されています。

LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

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