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移動局の持ち運び術:
測量機器の運搬と現地セッティング

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2025年3月5日 掲載
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測量機器を現場に持ち込む際には、機材の重量や大きさが大きな課題となります。従来のRTK-GNSS受信機や測量機器はアンテナやバッテリーを含めると1台で数キログラムにもなり、運搬に労力がかかりました​。例えば高精度GNSS受信機の一例では、バッテリー込みで約1.1kgの重量がありました​。このような機材を毎回運ぶのは大変で、現場での迅速な測位作業の妨げにもなります。

そこで登場したのが LRTKシリーズ の移動局です。LRTKシリーズは測位に必要な機能を凝縮し、小型・軽量化を実現したRTK-GNSS端末です。ポケットに収まるサイズで重量はわずか約125g、厚さ13mm程度しかなくバッテリーも内蔵されています​。これは従来機器のわずか数分の一の重さで、スマートフォンに装着して片手で扱えるほどのコンパクトさです​。小型軽量化によって、測量機器を持ち運ぶ負担が劇的に軽減されます。

持ち運びやすさが向上すると、現場作業の効率も飛躍的にアップします。必要なときにすぐ測位機を取り出して使えるため、「ちょっと測っておきたい」という場面でも躊躇なく対応できます。作業員一人ひとりが自分専用の測量機を携帯できるイメージで、1人1台で常時測位が可能になれば、これまで測量班の到着を待っていたような作業も即座に行えるようになります​。結果として段取りが簡素化され、待ち時間の削減や人員配置の効率化など、現場全体の生産性向上につながります。

LRTK移動局の特徴と持ち運びのポイント

コンパクト設計でどこでも測量可能: LRTKシリーズ移動局の最大の特徴は、そのコンパクトさです。アンテナ、GNSS受信機、バッテリー、無線モジュールなど測位に必要な要素がすべて一体化されており、従来のように別々の機器をケーブルで接続する必要がありません​。

例えばスマートフォンと組み合わせるLRTK Phoneは、専用のスマホ用カバーにワンタッチで装着でき、スマホと一体化した“ポケットサイズの測量機”として機能します​。

重量約0.1kg程度の端末をスマホに付けるだけでセンチメートル級測位が可能となり、カバンやポケットに入れて現場のあらゆる場所に持ち運べます。狭い場所や高所での測量、徒歩での長距離移動を伴う調査でも、負担にならないサイズ感は大きな強みです。

バッテリー駆動時間と充電方法: 小型ながらLRTK移動局は内蔵バッテリーで長時間駆動します。最大で約12時間の連続稼働が可能で​、通常の作業であれば1日中充電なしで測位を行える十分なスタミナを備えています。充電は汎用のUSBケーブルで行えるため、現場へ向かう車中や移動オフィスでモバイルバッテリーやシガーソケット電源から手軽に充電できます。

バッテリー残量はスマホアプリ上で常時確認でき、必要に応じて早めに充電することでバッテリー切れを防止できます。予備のモバイルバッテリーを携行すれば、連続稼働時間をさらに延ばしたり、万一の電池切れ時にもすぐに再給電したりできるため安心です。

防水・耐衝撃などの耐環境性: 建設測量の現場は埃や雨、水たまり、衝撃など機器に厳しい環境です。LRTKシリーズはまさに現場使用を想定した堅牢なハード設計が施されており、過酷な環境下でも安心して利用できるようになっています​。

筐体は防塵・防水仕様(IP65/IP67相当)で、小雨や砂埃程度であれば気にせず使用可能です。また適度な耐衝撃性能も備えており、専用ケースに入れて持ち運ぶことで多少の落下や衝撃から機器を保護できます。極端な高温多湿や厳寒の下でも動作する温度範囲が確保されており、真夏の炎天下や冬季の早朝でも安定して測位を継続できます。現場で使う道具としてタフさは欠かせませんが、LRTKシリーズは小型軽量でありながら耐久性にも配慮されている点で技術者にとって心強い存在です。

移動局の運搬方法

LRTK移動局を安全かつ効率的に現場へ運ぶために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

専用ケース・バッグでの安全な持ち運び: 機器本体は精密機器でもあるため、移動中の振動や衝撃から守るために専用ケースやクッション付きのバッグを活用しましょう。購入時に付属するハードケースやソフトポーチがある場合は、必ずその中に収納して持ち運びます。ケース内部のスポンジや仕切りが機器を固定し、移動中にぶつかったり落としたりしても直接のダメージを軽減してくれます。特に他の荷物と一緒に運ぶ場合、ケースに入れておくことで機器表面の傷やスイッチの誤作動防止にもなります。現場についたらすぐ取り出せるよう、ケースは分かりやすい場所に入れておくとよいでしょう。

車両での移動時の注意点: 車やトラックで現場まで機材を運ぶ際も、LRTK移動局は丁寧に扱います。直射日光が当たる高温の場所に長時間放置しないことが重要です。夏場の車内ダッシュボードや荷台に置きっぱなしにすると、筐体が高温になりバッテリーや内部回路に負担がかかります。移動中はエアコンの効いた車内や日陰になる場所に保管し、必要に応じて日除けを使います。また走行中の振動で機器が転がったりしないよう、シートベルトでケースごと固定したり、シート下やラゲッジスペースの動かない位置に置いてください。誤って踏んでしまったり荷崩れで圧力がかからないよう、重い荷物の下敷きにしない配慮も必要です。

長距離移動(飛行機・船舶など)でのポイント: 遠方の現場へ空路や海路で機材を送る場合、リチウムイオン電池を内蔵した電子機器であることに注意します。飛行機での移動時は、国際航空運送協会(IATA)の規定によりリチウム電池機器は基本的に機内持ち込み荷物として運搬します。LRTK移動局は小型でバッテリー容量も100Wh未満のため持ち込み可能ですが、念のため航空会社に事前申告し指示に従いましょう。機内では電源を切り、衝撃を防ぐためケースに入れて頭上の荷棚など安定した場所に保管します。船舶輸送の場合も、高温多湿や塩害を避けるため防水ケースに乾燥剤とともに収納し、できるだけ船室内など安全な場所で管理します。長距離移動後に現地で使用する前には、一度機器の外観に損傷がないか点検し、バッテリー残量を確認して必要なら充電しておきます。このような事前チェックにより、いざという時に「電池が切れて使えない」「移動中に壊れていた」という事態を防げます。

現場でのセットアップ手順

いよいよ現場に到着したら、LRTK移動局を使って測位を開始します。その際の基本的なセットアップ手順を、初心者にも分かりやすいよう段階を追って説明します。

1. 設置場所の確認: まず測位に適した場所を選びます。上空がなるべく開けていて、衛星からの信号を遮る高い建物や樹木が少ない場所が理想です。GNSS測位は空が広く見渡せるほど安定した精度が得られるため、現場で可能な範囲で見通しの良い場所を確保しましょう。また電波環境も確認ポイントです。

ネットワークRTKを利用する場合はスマートフォンの通信圏内であること、LRTK独自の無線(920MHz帯)を使う場合は基準局との間に強い電波干渉源や障害物がないことが望ましいです。併せて地面が平坦で安定しているかもチェックし、機器を固定するポールや三脚が倒れにくい場所を選定します。

2. LRTK端末の展開・設置: 次にLRTK移動局端末本体を準備します。端末の電源がオフであることを確認し、必要に応じてアンテナやスマートフォンとの接続器具を取り付けます。LRTK Phoneの場合はスマートフォン用アタッチメントに端末を装着し、スマホ本体にカチッとロックして固定します​。

LRTK Proシリーズの場合はポール先端にネジ等で取り付け、しっかりと固定します。ヘルメット型の場合はヘルメット上に端末を装着しておきます。端末の設置ができたら電源をオンにします。電源ボタンを数秒長押しするとLEDインジケータが点灯し、起動を開始します。起動後、自動的にGNSS衛星の受信を始めるので、そのまましばらく空が見える状態で静置しましょう。

3. スマホアプリとの接続: スマートフォン側でLRTK専用アプリを起動し、端末と接続します。初回利用時はBluetooth設定画面で端末をペアリングし、一覧からLRTK端末(デバイス名)を選択します。一度ペアリングしておけば、アプリ起動時に自動で再接続されます。アプリ画面上で接続状態が「端末接続済み」となり、衛星捕捉数や端末バッテリー残量などのステータス情報が表示されればリンク完了です。わずらわしいケーブル接続は一切不要で、スマホとはワイヤレスで連携できるためセットアップがシンプルです​。端末をスマホから離した状態(ポールや三脚に固定した状態)で使う場合も、Bluetooth接続が途切れない範囲(数m程度)であれば問題なく通信できます。

4. 補正情報の設定: RTK測位には基準局からの補正データが必要です。LRTKアプリ上で補正情報の取得方法を設定しましょう。一般的にはネットワークRTKサービスを利用する場合、アプリ内の設定画面でNtripクライアントの接続先(補正サービスのURL、ポート、マウントポイント、ユーザID/パスワード)を入力します。一度設定しておけば次回から自動接続されます。補正サービスに接続できると、リアルタイムに基準局データが端末へ送られ始めます​。

一方、山間部などインターネットが使えない環境では、日本の準天頂衛星「みちびき」によるセンチメータ級補強サービス(CLAS)を活用します。幸いLRTK端末は3周波対応でCLAS信号(L6帯)の受信機能を備えているため、スマホが圏外でも衛星から直接補正情報を得ることができます​。

特別な操作をしなくても端末側で自動的にCLASを受信して高精度測位に切り替えてくれるモデル(圏外対応モデル)もあります。いずれの場合も、アプリ上で現在利用中の補正ソース(ネット経由かCLASか)が表示されるので確認しましょう。

5. 測位開始と測位モードの確認: 補正情報の受信が始まると、端末はRTK解(Fix解)を得るための演算を行います。数十秒ほど経過すると、測位精度が徐々に向上し、アプリ画面上に「Fix(固定解)」や「RTK Fix」といったステータスが表示されます。これはセンチメートル級の精度で位置が確定していることを意味します。測位モードがFixになったら、本格的にデータ収集を開始できます。念のため、アプリに表示される現在の誤差推定値(水平・鉛直方向の精度)を確認し、センチメートルオーダーになっていることを確認してください。もしまだ「Float(フロート解)」となっている場合は精度が不十分なので、衛星の捕捉数が増えるか補正データが安定するまで少し待ちます。

6. 測位設定と計測の実施: 測位が安定したら、実際に必要な測量作業に移ります。まずはアンテナ高や測定モードの設定を行いましょう。ポールに取り付けている場合は、アンテナまでの高さ(地上からアンテナ位相中心までの距離)を正確に測ってアプリに入力します。LRTKアプリではアンテナ高を入力すると自動で補正してくれるので、地表面や測点の正しい高さが取得できます​。

次に測定モードを選択します。単発のポイント測定(GNSS測量点の観測)を行う場合は、ポイント測位モードで測点ごとに記録します。一方、歩きながら連続的に点を取得していく連続測位モードも利用可能です​。連続測位にすれば1秒間に最大10点の頻度で位置を記録し、軌跡データを自動生成できます​。

これは地形の縦断測量や広範囲の現況把握に便利です。目的に応じて適切なモードを選びましょう。

7. スマホアプリでの操作とデータ保存: LRTKのスマホアプリ上で、画面の指示に従い測位開始ボタンを押すとデータ収集がスタートします。測りたい地点に端末(もしくはアンテナ)を移動させ、記録ボタンをタップするとその地点の座標が保存されます。連続測位モードでは一定間隔で自動記録されるため、ゆっくり歩きながら移動経路を取得できます。取得したデータはアプリ内に蓄積され、名称を付けてプロジェクトごとに管理できます。写真撮影機能を使えば、測点ごとにスマホで撮った写真に高精度な位置タグを付与して記録することもできます​。こうして得られたデータは、後で事務所に戻ってからCSVやPDF形式でエクスポートしたり、測量CADソフトに取り込んだりできます​。またLRTK Cloudと連携していれば、現場で取得したデータが自動的にクラウドにアップロードされ、リアルタイムに事務所と共有されます​。必要な測定が完了したら、端末の電源をオフにし、以上で現場セットアップから測位までの一連の作業は終了です。

現場でのトラブルシューティング

どんな優れた機器でも、現場では思わぬトラブルに見舞われることがあります。ここではLRTK移動局を現場で運用する中で起こり得るトラブルと、その対処法について紹介します。

通信が不安定な場合の対処法: ネットワーク型RTKを利用中に携帯通信が不安定になったり圏外になったりすると、補正情報が受信できず測位が不安定になることがあります。そんな場合でも慌てずに、LRTK移動局の特長を活かしましょう。まず圏外になった場合、LRTK端末(圏外対応モデル)であれば自動的にみちびき(CLAS)からの補強信号受信に切り替わり、高精度測位を続行できます​。

端末がCLAS対応でない場合や、どうしても通信圏内に戻る必要がある場合は、測位を一時中断し通信状況の良い場所まで移動します。建物陰で電波が悪いなら空が開けた場所へ、山間部であればより高所に移動するなど工夫します。また、スマホ側で機内モードON→OFFなどリセットを行い再接続を促すと回復することもあります。

もし自前の基準局(LRTK端末のもう一台)を運用している場合は、特小無線(920MHz帯)で補正情報をやりとりする手もあります。LRTK Pro2には「L-Link」という機能があり、1台を簡易基準局として複数の移動局へ無線で補正データを同時送信できます​。山奥など基地局ネットワークも携帯網も届かない現場では、あらかじめLRTK端末を2台用意して一方を基準点に設置し、もう一方を移動局としてペア運用することでローカルRTK環境を構築できます。このように複数手段を用意しておけば、通信トラブル時にも高精度測位を止めずに済むでしょう。

天候や気温の影響を最小限に抑えるコツ: GNSS測位は基本的に全天候で動作しますが、極端な天候や気温は機器や測位精度に影響を与える可能性があります。大雨や降雪時には、アンテナ上に水滴や雪が付着して信号受信の邪魔になることがあります。そんな時はこまめに払い落としたり、防水カバーを被せておくとよいでしょう(LRTK端末自体は防水でも、雪が積もっては信号が弱まります)。またスマートフォンが雨で濡れると操作しづらくなるため、雨天時はタッチ対応の手袋や傘を活用してスマホを守ります。

高温環境では、直射日光を避け機器の温度上昇を防ぎます。真夏の炎天下で長時間作業する際は、端末に日陰を作る工夫(小型のパラソルを立てる等)をしたり、測位の合間に端末を日陰に退避させて冷却するよう心がけます。端末が高温になりすぎると内部で熱保護モードが働き一時的に機能が低下する場合があります。低温環境ではバッテリーの性能が低下するため、予備バッテリーやモバイル電源を防寒対策としてポケットで温めておくと安心です。端末自体もウインドジャケットの内側で保温しながら持ち運び、使用時に外気にさらす時間を必要最低限にします。寒冷地では端末の液晶やLED表示が見えにくくなることもありますが、スマホ画面で状況を確認できるので問題ありません。

予備バッテリー・アクセサリー活用術: 長時間の測量や連日連続した作業には、バッテリー管理が鍵となります。LRTK端末は内蔵バッテリーで約12時間駆動しますが​、念のため予備の電源を用意しておきましょう。大容量モバイルバッテリーを携帯し、端末のUSB充電ポートに接続すれば測位を続けながら充電することも可能です。休憩時間にモバイルバッテリーで端末をフル充電しておけば、午後の作業も安心して臨めます。またスマートフォン側も長時間のBluetooth通信や画面操作で電池を消耗するため、スマホ用の予備バッテリーや車載充電器があるとベターです。

さらに現場状況に応じて各種アクセサリーを活用しましょう。例えばオプションの一脚や三脚を使えば、手で持たずに安定した測位ができます。三脚設置時には気泡水準器で水平を確認し、精度向上を図ります。LRTKヘルメットを活用すれば、両手がふさがっている状態でも頭に装着して歩くだけで連続測位が可能です​。これにより崖崩れ現場のように手で機器を持てない危険箇所でも測量ができます。現場ごとのニーズに合わせ、各種アクセサリーを組み合わせて使うことで、トラブル発生時にも柔軟に乗り切れるでしょう。

LRTKシリーズの活用事例

LRTK移動局はその持ち運びやすさと高精度を活かし、さまざまな現場で活用が広がっています。ここでは代表的な利用シーンと実用例を紹介します。

建設現場での活用: 建設業界では、測量作業の効率化と省人化が大きな課題です。LRTK導入により、現場監督者や作業員自らが必要な時にすぐ測量できる環境が整いました。​

実際に東京都内のある施工現場では、図面の位置出し(墨出し)作業にLRTKが使われています。従来は測量士のチームを呼んでトランシットやGNSSで位置出ししていたものが、今では監督者がiPadにLRTK端末を付けて設計図をAR表示しながら、自分で位置確認とマーキングを行っています。重量125gの端末一つで「スマホが万能測量機に変身する」手軽さは現場でも驚きを持って迎えられています​。

また、毎日の出来形管理にもLRTKは活躍しています。掘削や盛土の範囲を連続測位で歩いて計測し、そのままクラウドにアップロードすれば、事務所で即座に日々の進捗を平面図上で把握できます。測量専門職に頼らずとも現場の技術者自身で対応できるため、スケジュール調整の柔軟性も増し、工期短縮に寄与しています。

災害復旧・インフラ点検での運用: 大規模災害の現場やインフラ設備の点検業務でも、LRTK移動局の機動力が強みを発揮しています。2023年の能登半島地震の被災地調査では、倒壊した家屋や寸断された道路上でLRTK端末が大活躍しました​。

災害現場は大型の測量機材を持ち込むのが難しく、また通信インフラも麻痺しているケースが多々あります。そうした中、手のひらサイズのLRTK圏外対応モデルが1台あれば、衛星からのCLAS信号でオフラインでも正確な測位が可能です​。

実際、被災現場の状況記録において、撮影写真に高精度な位置情報を付加してクラウドで共有するといった使われ方がなされ、現地と遠隔支援者との情報共有が飛躍的にスピードアップしました​。「大きな機材は持ち込めない」「携帯も繋がらない」という悪条件でも、小さなLRTKが現場の目となり足となったのです。

インフラ点検分野では、高速道路や鉄道、橋梁など長大な構造物の維持管理にLRTKが活用されています。例えば高速道路の中央分離帯に設置された遮光板の点検では、作業員がLRTKヘルメットをかぶりつつ、点検箇所を歩いて巡回しました。各遮光板の位置と状態を写真付きで記録し、どの区間のどの板に異常があるかをセンチメートル精度で特定できます。従来は「あれ?何番目の板だったっけ?」と現場で悩むこともありましたが、LRTKで取得した正確な座標情報がクラウド上の地図にプロットされるため、オフィスに戻ってからでも問題箇所を見失うことがありません。橋梁の補修でも同様に、損傷個所を写真測量しながら座標記録することで、「どこを修理すればいいの?」という課題にピンポイントで答えを出せます。さらにLRTKの連続測位機能を使えば、道路や鉄道の線形を歩行しながら連続的に計測し、わずかな歪みや沈下を検知するといった応用も可能です。実際、鉄道会社の事例では保線担当者がLRTKヘルメットを着用して線路上を巡検し、走行しながら軌道中心の位置座標を取得する試みが行われました。両手が塞がった状態でも作業ができるハンズフリー測量​は、列車往来のある線路上や高所作業車の上など、安全第一の現場で真価を発揮します。取得データは即座にクラウド共有され、離れた監視室で技術者がリアルタイムに軌道のズレを確認し、無線で現場に指示を送るといった遠隔協調作業も実現しています​。

交通・鉄道業界での活用事例: LRTKシリーズはその携帯性から、交通インフラの維持管理や調査にも取り入れられています。例えば道路行政では、市街地の道路標識やガードレールの位置情報を一元管理するため、LRTKによる高精度位置データが役立っています。従来は地図上でおおまかに管理していた道路付属物も、LRTKで正確な経度緯度を記録してクラウドデータベース化することで、点検や更新計画に役立てています。また新規道路のルート選定調査では、測量担当者が山林に分け入ってLRTKで簡易測量を行い、短期間で多数のルート案の標高データを収集するケースもあります。鉄道分野では、線路周辺の法面(のりめん)点検にLRTKが活用されています。作業員が線路沿いを歩きながら崩壊の危険がある箇所を見回り、異常箇所の位置をLRTKで記録します。後日その正確な座標をもとにドローン空撮や詳細調査を行うことで、見落としなく安全管理を強化できています。このように、LRTKシリーズは建設・土木からインフラ保全、災害対応まで幅広い現場で「手軽で頼れる相棒」として活用され始めています。

LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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