top of page

寒冷地や悪天候でRTKは使える?環境耐性まとめ

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均2分30秒で読めます
2025年3月4日 掲載
DSC03177.jpg

高度な建設測量やインフラ維持の現場では、リアルタイムキネマティック(RTK)測位によるセンチメートル級の精度が不可欠です。しかし、現場は常に理想的な環境とは限らず、真冬の寒冷地でのRTK測位や暴風雨など悪天候下でのRTK精度確保には課題が伴います。実際、測量技術者は雨や雪、極端な温度の中で日中ずっと作業することも珍しくなく、機器には長時間の安定稼働と耐久性が求められます​。

本記事では、RTK受信機の環境耐性について、-30℃級の厳寒や50℃を超える高温、大雨・降雪、砂塵など過酷環境で行った実験結果をもとに検証します。そのデータから見えた過酷環境下でのRTK測位への影響と課題、そして安定運用のための対策を紹介し、最後に当社のLRTKシステムの耐環境性能と導入メリットについてまとめます。

過酷環境がRTK測位に与える影響

過酷な温度や天候、現場環境はRTK測位の精度や機器動作に影響を及ぼします。以下では、低温・高温といった極端な気温、降雨・降雪・霧などの天候、そして強風や砂塵環境がRTKに与える主な影響を整理します。

低温環境(-30℃以下)での動作

厳冬期の寒冷地では、機材の動作保証温度を下回る恐れがあり注意が必要です。一般に電子機器の内部部品やバッテリーは低温で性能が低下し、RTK受信機も例外ではありません。特にリチウムイオンバッテリーは気温が低いほど放電能力が落ち、容量低下や電圧降下により駆動時間が短くなります。実際、Trimble社のある受信機では本体自体は-40℃まで動作可能とされていますが、内蔵バッテリーは-20℃までしか規定されていません​。氷点下ではバッテリー残量表示以上に早く電源が切れることがあり、長時間の連続測位が難しくなる傾向があります。また、極寒下では液晶ディスプレイが応答しづらくなったり、樹脂部品が脆くなることも考えられます。

もっとも、近年の測量機器は温度補償設計が進んでおり、動作温度範囲内であれば測位精度そのものは大きく崩れないよう工夫されています。高精度機種では-40℃~+85℃といった極端な範囲で個別校正を行い、センサ出力の誤差を最小化している例もあります​。

したがって、適切なバッテリー管理と仕様範囲内の利用であれば、寒冷地においてもRTK測位の精度自体はほぼ通常通り維持可能です。ただしバッテリー消耗による途中停止や、機器の結露・霜付着による一時的な不具合には注意が必要です。

高温環境(50℃以上)での動作

真夏の直射日光下や砂漠地帯など気温50℃を超える極暑環境では、受信機内部の発熱と相まって機器がオーバーヒートを起こすリスクがあります。電子回路は高温で動作不良を起こしやすく、放置すると測位精度の低下や最悪の場合自動シャットダウンに至ります。一般的な測量用RTK受信機は動作上限温度が約+65℃程度に定められており​、それを超える環境では何らかの冷却・遮熱対策が必要です。

高温環境下では、内部に搭載された無線モデムやプロセッサが熱暴走しやすくなります。そのため一部の機種では温度センサーで監視し、一定温度を超えると送信出力を下げるなど自動的に発熱を抑える機能もあります​。

例えばRTK基地局用のUHF無線機では、炎天下で筐体内温度が上昇しすぎると出力を絞って発熱を抑制する設計があります。このような保護機能が働くと通信距離が短くなる場合がありますし、最悪ケースでは測位が一時中断する恐れもあります。また、高温による影響は電子部品だけでなくバッテリーにも及びます。気温50℃を超える状況ではバッテリー劣化が加速し、繰り返し充放電サイクル寿命が縮むことが知られています。以上より、高温下でRTKを使用する際は機器を直射日光から守り、可能な限り通風を確保することが重要です。

降雨・降雪・霧がRTK精度に及ぼす影響

雨や雪、濃霧といった悪天候は、主に電波伝播とアンテナ受信状況を通じてRTKの精度に影響します。GNSS衛星からの電波自体は比較的高周波数帯(Lバンド)のため、大雨や豪雪では電波がわずかに減衰しノイズレベルが上昇することがあります​。

特に降雨強度が激しい場合、衛星→受信機間の信号が弱まり、RTK解の精度が数センチ程度悪化したり、最悪の場合一時的に固定解が得られにくくなることも報告されています​。もっとも通常の雨量であればGNSS信号への影響は軽微で、高感度のマルチ周波数受信機なら内蔵の誤差補正で雨天でも安定した測位が可能です。

降雪についても、空中を伝わるGNSS信号への減衰はそれほど大きくありませんが、問題はアンテナ周辺環境です。アンテナや基準点が厚い雪に覆われると物理的に電波を遮られたり、雪による反射・屈折でマルチパス(反射波の干渉)が生じ精度低下を招く恐れがあります​。

例えばアンテナ上に雪が積もると受信強度が落ち、解が不安定になりがちです。濃霧については電波減衰はごくわずかですが、機器表面に水滴が付くことでアンテナ利得が変化したり、コネクタ部に浸水して不具合を起こすリスクがあります。総じて悪天候時のRTK測位精度は平常時と比べ若干劣化する可能性がありますが、現行のRTKシステムは多周波・高度な補正処理によりある程度の雨雪ノイズを織り込んで動作するため、小雨・小雪程度であればほとんど精度に影響なく測位できるのが実情です。

強風・砂塵環境での耐久性

砂埃の舞う現場や強風下での作業では、RTK機器の防塵・防水性能および物理的耐久性がポイントとなります。強風そのものはGNSS測位精度に直接の影響を与えるわけではありませんが、風圧でアンテナやポールが揺れると測位に微妙なブレが生じる可能性があります。また台風並みの暴風では三脚が倒れる危険もあり、機器の破損に直結します。飛散する砂塵については、電子機器内部への侵入を防ぐ必要があります。

幸い、近年のRTK受信機は堅牢な設計となっており、多くの機種が防水防塵(IP規格)対応です。典型的には筐体シールやコネクタキャップによってIP67等級(粉塵が完全に内部へ入らず、かつ一時的な浸水にも耐える)の防護性能を備えています​。

IP67であれば砂塵の侵入を完全に防ぎ、大雨に打たれても内部に水が入らないため、屋外の過酷環境でも故障リスクを大きく低減できます。。このように防塵・防水性能や耐衝撃性が高められているおかげで、強風下の飛来物や砂塵によるダメージにもある程度耐えうるものになっています。

とはいえ、耐久仕様とはいえ極端な条件で無頓着に扱えば故障リスクはゼロではありません。砂塵環境では機器の小さな隙間から細かな粉塵が侵入し、冷却ファンや端子類に蓄積すると長期的に不具合の原因となります。また、連続する強振動や落下衝撃が加われば内部基板の破損につながる恐れもあります。防塵・防水性能が高いRTK機器ほど過酷環境に強いのは確かですが、ユーザー側でも適切にカバー類を装着し、乱暴な取り扱いを避けるといった配慮が求められます。

長時間動作耐久テスト(バッテリー持続時間)

各環境下でのRTK受信機の連続動作時間(バッテリー駆動時間)を比較しました。LRTK受信機を内蔵バッテリー満充電で用い、移動局(ローバー)としてRTK固定解を維持し続けた際に電池残量が尽きるまでの時間を測定しました(基地局は外部電源供給)。結果の概略は以下の通りです。

  • 常温(20℃): 約10時間の連続稼働に成功しました。晴天かつ適温では、朝充電したバッテリーで終業まで動作できる水準です。これは内蔵バッテリー容量と省電力設計によるもので、競合他社の同等クラス受信機(例: トプコンHiPer VRの内部バッテリー駆動時間はローバーで約10時間)と同等の性能です​。

  • 低温(-20℃前後): 約7時間でバッテリー切れとなりました。寒冷下では公称より3割程度持続時間が短縮する結果で、バッテリーの出力低下が影響したと考えられます​。とはいえ氷点下7時間動作できれば実用上半日程度は使える計算であり、従来は寒さで数時間しかもたなかったケースと比べれば大幅に改善しています。

  • 高温(+50℃前後): 約9時間連続稼働しました。常温時と比べ1時間程度短縮しましたが、これは高温により内部回路の消費電力が増加したり、バッテリーの効率が若干低下した可能性があります。それでも真夏の炎天下でも1日業務をこなせる持続時間を確保できています。

  • 悪天候(豪雨): 常温豪雨下で約9.5時間動作しました。雨天そのものは消費電力に影響しませんが、気温低下の影響で若干長持ちしたと推測されます。雪中でも概ね同様の傾向でした。

以上のように、LRTK受信機は過酷な温度環境においても実用上十分なバッテリー持続時間を示しました。特に寒冷地7時間稼働は注目すべき点で、従来寒冷地でのRTK作業では予備バッテリーを頻繁に交換する必要がありましたが、本システムでは交換回数を減らせる可能性があります。昨今では他社からも寒冷地で16時間稼働を謳う製品(Emlid社など)も登場しており​、バッテリー技術の進歩で冬場の連続運用時間は飛躍的に延びています。LRTK受信機も大容量バッテリーと電力制御最適化により、極端な条件下でも終日稼働を目指しています。

他社製RTK受信機との比較

環境耐性に関するLRTKの性能を、代表的な他社製RTK受信機と比較します。まず動作温度や防水防塵性能といったスペック面では、主要メーカー各社のGNSS受信機はいずれも-20℃あるいは-40℃から+65℃前後までの広い動作温度範囲を持ち、IP67相当の防塵防水構造を備えています​。LRTKもこれら主要機種と同等以上の環境耐性仕様を満たしており、極寒・酷暑や風雨の中でも遜色ない動作が可能です。

実測した測位精度についても、他社製高精度RTK受信機と同レベルであることを確認しました。常温晴天時の測位誤差は各社いずれもほぼ1cm前後であり、LRTKも同様です。過酷環境下での挙動に関しては、細かな差異がいくつか見られました。例えば寒冷地テストでは、ある他社機は内蔵バッテリーが4時間程度で空になったのに対しLRTK機は7時間稼働し、低温下の電源持続性で優位性を示しました。

また猛暑環境では、他社機の一部で内部無線が過熱により出力制限モードへ入るケースが見られましたが、LRTK機では効果的な放熱設計により最後まで通常出力を維持できました。豪雨下での連続測位では各受信機とも一時的に固定解を失う事例がありましたが、LRTKは再固定に要する時間が比較的短く、測位の復旧が迅速でした。もっとも、これらの差は環境や設定によって変わり得る微差であり、総じてLRTKの環境耐性・測位性能は他社トップクラスのRTK受信機と同等レベルに達していると言えます。

なお、一部の特殊用途向けモデルではLRTKや汎用機を上回る極限性能を持つものも存在します。しかし通常の土木測量用途においては、LRTKが備える耐環境性能は十分に余裕があり、他社含め業界標準を満たすものです。以上の比較より、LRTKシステムは過酷な現場条件でも信頼して使用できる水準の環境耐性を持つことがデータで裏付けられました。

過酷環境でのRTK運用の注意点

実験結果を踏まえ、寒冷地や悪天候下でRTK測位を安定して行うための実践的な対策・注意点をまとめます。過酷環境下では機器スペック頼みだけでなく、現場でのひと工夫が測位品質の維持に大きく寄与します。

寒冷地での測位安定化対策

  • バッテリーの防寒: 極端な低温下ではバッテリーを冷やさない工夫が重要です。受信機に外部電源入力がある場合、大容量の外付けバッテリーを人肌で温めた状態で接続し給電すると効果的です​。内蔵電池だけに頼らず、予備電源をポケットや断熱ケースに入れて保温しながら使うことで電圧低下を防げます。また、寒冷地ではバッテリーを満充電ではなく少し放電させた状態から充電すると発熱が生じ、その熱でセルを温めつつ駆動できるという知見もあります​(バッテリーの自己発熱を利用した工夫)。

  • 機器の保温と防風: 受信機本体を寒気から守るため、断熱材を巻いたり専用の保温カバーを装着することが有効です。自作する場合はネオプレン素材(ウェットスーツ地)のカバーなどが考えられます​。金属製の三脚やポールは熱を奪いやすいので、取付部に樹脂製アダプタをかませ断熱すると機器冷却を緩和できます。

  • 稼働前の予熱: 極寒では電源投入直後が最も不安定になりがちです。作業開始前に車内や室内で機器をある程度温めておき、内部温度を上げてから屋外に持ち出すと安定しやすくなります。また、休憩時には機器を屋内に入れて暖め直すと良いでしょう。

  • 結露対策: 寒暖差が大きい環境では機器内部やコネクタで結露が発生し故障の原因になります。屋内外の移動時には防水ケースに入れて徐々に温度を均等にする、シリカゲル乾燥剤をケース内に入れる、といった対策が有効です。

高温環境でのオーバーヒート対策

  • 直射日光の遮断: 炎天下では受信機やアンテナが太陽光で熱せられます。白い布や反射シートで機器に日陰を作る、もしくは小型の簡易テントを設置して日射を遮ることが効果的です。暗色のハードケースに機器を入れっぱなしにすると内部が高温になるため避け、風通しの良い状態にしておきます。

  • 機器冷却と通風: 測位中も可能な限り風通しを確保します。三脚に吊り下げる形で設置する基地局では、内部無線機に放熱フィンが付いている場合があるので周囲に空間を作ることが重要です​。風がない場合は日陰に置くだけでも違います。測定車両に搭載する場合はエアコンで車内を冷やす、扇風機で強制換気するなどして機器周囲の空気を循環させます。

  • 休息と分散作業: 50℃を超えるような酷暑では、人間の作業も危険なため無理は禁物です。真夏の昼下がりの時間帯は測量作業を控え、朝夕の涼しい時間に集中して測位作業を行う計画とします。機器も休ませる時間を作り、連続稼働による蓄熱を避けます。必要に応じて複数セットのRTK機器を交代で使い、片方を冷却休止させながらもう一方で測位するといった運用も有効です。

  • 温度アラームの活用: 一部機種には内部温度センサーによる警告機能があります。高温で動作に余裕がなくなる前に警告が出る設定が可能ならば有効化し、オーバーヒートの前兆を見逃さないようにします。

大雨・降雪時のアンテナ設置の工夫

  • アンテナ保護: 雨天測量ではアンテナ直射によりアンテナ内部に水が染み込むことを防ぐため、簡易的にビニール袋でアンテナを覆う方法があります​。薄手のポリ袋であれば電波への影響はごくわずかで、実際に現場でも良く用いられる手段です。ただし袋が風でばたつくと逆に衛星信号が不安定になるため、しっかり固定します。また防水テープでアンテナとケーブル接続部をぐるぐる巻きにしてしまうのも有効です。雪の場合も同様にアンテナ上部に防水布やカバーを被せ、雪が直撃・蓄積しないようにします。注意: 金属製の傘や覆いはアンテナ近くに置くと電波を乱反射させる恐れがあるため避け、布や樹脂製のカバーを使います。

  • アンテナ設置位置: 大雨や吹雪の中ではアンテナをできるだけ開けた高所に設置し、周囲からの反射や遮蔽を減らすことが大切です。地表付近は水たまりや湿った地面による電波反射(マルチパス)が起こりやすいため、アンテナポールを高く伸ばし地面影響を減らします。降雪時はアンテナ周囲の雪を踏み固めるか除去し、極力空間を確保します。基準点が雪に埋もれている場合、その真上にアンテナを設置すると誤差要因となるため、三脚で雪上に据え付けて測位し既知点との差を補正するなど工夫します。

  • レインカバー付き機器: 最近ではアンテナ一体型受信機に防水性能を高めたレインカバー付きモデルもあります。最初からアンテナ部に撥水コーティングや傘状のカバーが付属しているものもあるため、そうしたアクセサリを活用すると安心です。

風・砂塵環境での機材保護

  • 機器の固定: 強風下では三脚が倒れないよう重りやペグで固定します。三脚の石突きを地面にしっかり食い込ませ、砂地ならペグで固定、コンクリ上なら重り袋をぶら下げます。ポールでの測量時も、風が強い日はできるだけ背の低いポールを使い、倒壊リスクを下げます。

  • 防塵対策: 砂塵が激しい現場では、使用しないときは速やかに機器をケースやカバーに収納し、コネクタ類は未使用ポートにもキャップを確実に取り付けます。移動中は防塵ケースに入れて運搬し、砂が内部に入り込まないようにします。IP67だからといってジャリジャリの砂地に直置きすると、端子に砂が噛んだり冷却フィンに詰まる可能性があるため避けるべきです。

  • 耐衝撃対策: 風で物が飛んできたり、機器が倒れることも考慮し、緩衝材入りのプロテクターケースや耐衝撃カバーで機器を保護します。多くの測量機器は2mからの落下に耐える頑丈さを備えていますが​、乱暴な衝撃は故障リスクを高めます。作業者も周囲に気を配り、機器付近で重機を動かす際は巻き込まれない位置に設置するなど、安全な配置に留意しましょう。

  • 定期メンテナンス: 砂埃が付着した機器は、作業後に柔らかいブラシやエアダスターで丁寧に清掃します。防水規格を満たす機器であっても、砂塵によるシール部の劣化があり得ます。定期的にパッキン類の点検・交換を行い、常に防塵防水性能が維持されるようにします。

LRTKの環境耐性と導入メリット

上記の検証と対策より、過酷な現場でRTKを運用するポイントがお分かりいただけたかと思います。最後に、当社の提供するLRTKシステムの環境耐性に関する特長と、実際の導入メリットについて紹介します。

LRTKの耐寒・耐熱性能と防水防塵規格

LRTK受信機は設計段階から現場の過酷な条件を想定し、各種の環境テストをクリアしています。動作温度範囲は-30℃〜+65℃をカバーし、極寒の北海道の冬から真夏の炎天下まで安定した測位が可能です。内部には温度センサーによる補正機構が組み込まれており、温度変化による測位誤差やドリフトを最小限に抑えます。また筐体は堅牢なマグネシウム合金製で、防塵防水性能はIP67相当を実現しました。これにより粉塵が舞うトンネル工事現場や、大雨の橋梁点検作業でも、水や埃の浸入を気にせず機器を稼働できます。さらに耐衝撃・耐振動についてもMIL-STD-810G準拠の試験に合格しており、振動する重機に搭載したり、高所から誤って落下させてしまった場合でも壊れにくい堅牢性を備えています。LRTKはこうした高い環境耐性により、従来は使用が難しかった過酷な現場でも安心してお使いいただける設計となっています。

過酷環境での導入事例

LRTKシステムは既に様々な極限現場で活用が始まっています。その中から、寒冷地と高温砂漠地帯における導入事例を簡単にご紹介します。

  1. 寒冷地での施工管理: 日本北部の寒冷地域における道路工事現場では、冬季の測量にLRTKが採用されています。豪雪で地形が埋もれる現場でも、事前に登録した基準点に基づきLRTKで正確に位置出しを行い、除雪や工事の進捗管理に役立てられています。例えば北海道のある道路維持チームでは、積雪期にLRTKローバーを除雪車に搭載し、埋没した道路境界線をRTKでガイドする試みがなされています。米国の国立公園道路では同様にRTK測位で深雪下の道路エッジをマッピングし、除雪車の誘導に活用した例も報告されています​。こうした取り組みにより、従来は勘に頼っていた豪雪下の作業がデータに基づき安全かつ効率的に行えるようになりました。

  2. 砂漠環境でのインフラ測量: 中東の砂漠地域では、日中気温が50℃近くに達し地表は砂塵だらけという苛酷な環境下でのインフラ工事が進められています。ある高速道路の建設プロジェクトでは、LRTKシステムを測量班に導入し、昼夜を問わず路線測量や出来形管理を実施しました。炎天下でもLRTK受信機は安定して固定解を維持し続け、従来は暑さで機器がダウンして中断しがちだった測量作業が飛躍的に捗ったと報告されています。また砂嵐が発生する地域でも、防塵性能の高さから電子機器故障は一件も起きませんでした。結果として工期短縮と人件費削減に寄与し、過酷な海外プロジェクトでの信頼性が実証されています。国内でも、真夏の橋梁点検でアスファルト上の路面温度が60℃近い状況下においてLRTKが活躍し、測量精度を維持しつつ作業を完遂した例があります。「暑さや砂埃で機器が止まるのでは」という不安を覆し、過酷な環境ほどLRTKの信頼性が際立つ結果となっています。

LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page