電線共同溝の工事では、掘削、埋戻し、仮舗装、舗装復旧、資材搬入、発生土搬出などの工程が続くため、路面に土砂や粉じんが残りやすくなります。なかでも雨天後や散水後、交通開放中の車両通行によって泥水が歩行者、店舗、住宅、自転車、停車車両へ飛散すると、泥はね苦情につながります。泥はねは単なる清掃不足として見られがちですが、実際には施工計画、排水管理、仮設動線、交通規制、近隣対応が重なって発生する現場管理上の課題です。この記事では、電線共同溝の実務担当者に向けて、路面清掃計画の段階で泥はね苦情を減らすための5つの工夫を、現場で使いやすい視点から解説します。
目次
• 電線共同溝工事で泥はね苦情が起きやすい理由
• 工夫1 清掃範囲を作業帯の外側まで広げて計画する
• 工夫2 雨天前後と交通開放前の清掃タイミングを固定する
• 工夫3 土砂を出さない仮設動線と搬出管理を組み込む
• 工夫4 排水ますと側溝まわりを重点清掃箇所にする
• 工夫5 写真記録と近隣説明で苦情対応を早める
• 電線共同溝の路面清掃計画を現場で定着させるポイント
• まとめ 泥はね対策は清掃だけでなく計画品質で決まる
電線共同溝工事で泥はね苦情が起きやすい理由
電線共同溝方式は、道路の地下空間を活用して電力線や通信線などをまとめて収容する無電柱化の手法です。工事では、管路部、特殊部、引込管路、関連する地上設備まわりなどを現場条件に合わせて整備します。道路上または道路に近接して行われるため、作業帯のすぐ横を歩行者や自転車、一般車両、沿道利用者が通行します。掘削を伴う工事でありながら、生活道路、商店街、幹線道路、駅周辺など、周辺利用者の目に触れやすい場所で進むことが多い点も特徴です。そのため、土砂のわずかな流出や泥水の飛散でも、利用者にとっては大きな不快感になることがあります。
泥はね苦情が発生しやすいのは、現場の路面状態が日々変化するからです。掘削時には発生土が出ます。埋戻し時には細かな土粒子が路面に残ります。仮舗装後 も段差や継ぎ目に土砂がたまり、雨が降ると泥水になって車両のタイヤに巻き上げられます。さらに、交通開放をしながら夜間や昼間に区間を分けて施工する場合、清掃の完了状態が日ごと、時間ごとに変わります。前日は問題が目立たなかった場所でも、翌朝の雨や搬出車両の通行によって泥はねリスクが高まることがあります。
電線共同溝工事では、施工範囲が縦断的に長くなることもあります。短い掘削区間だけを見て清掃していると、実際には運搬車両が通った先、作業員が歩いた先、資材を一時置きした周辺、側溝に沿って流れた泥水の先で苦情が起こる場合があります。つまり泥はね対策は、掘削箇所の清掃だけでは足りません。土砂がどこから出て、どこへ運ばれ、雨水や車両通行でどこへ広がるのかを想定した路面清掃計画が必要です。
また、泥はね苦情は発生後の印象が悪くなりやすい問題です。歩行者の衣服が汚れた、店舗前の路面が汚い、来店客の車に泥が付いた、玄関前に泥が流れてきたという声は、工事全体への不信感につながります。電線共同溝は景観、安全で快適な通行空間、防災などに関係する無電柱化の一手法ですが、日々の現場管理が不十分に見えると、沿道住民や事業者の協力を得にくくなります。だからこそ、路面清掃は単なる後片付けではなく、工事品質と近隣対応を支える重要な管理項目です。
泥はねを減らすには、清掃車や散水だけに頼るのではなく、清掃範囲、清掃頻度、土砂流出防止、排水管理、記録と説明を一体で考えることが大切です。次の章から、電線共同溝の路面清掃計画に組み込みたい5つの工夫を具体的に見ていきます。
工夫1 清掃範囲を作業帯の外側まで広げて計画する
泥はね苦情を減らす第一の工夫は、清掃範囲を作業帯の中だけに限定しないことです。電線共同溝工事では、カラーコーン、仮囲い、規制材などで作業帯を明示しますが、土砂や泥水はその境界で止まるわけではありません。掘削箇所から出た細かな土砂は、作業員の靴底、資材運搬、一時置き場、工事車両のタイヤ、雨水の流れによって作業帯の外側へ移動します。歩行者や自転車が通る路肩、店舗前、車道のわだち、交差点の停止線付近まで広がることもあります。
そのため、路面清掃計画では、施工範囲だけでなく影響範囲を設定することが重要です。たとえば掘削箇所を中心に、車両の出入口、土砂積込み場所、残土搬出車両の待機位置、仮置き資材の周辺、歩行者通路の端部、交差点の流入部までを確認します。泥はねは車両が速度を落としたり、停止と発進を繰り返したりする場所で起きやすいため、交差点手前や車道端部も重点的に見ておきたい箇所です。
実務上は、施工区間図に清掃対象範囲を明記しておくと管理しやすくなります。掘削範囲、仮舗装範囲、車両出入口、歩行者動線、排水方向を重ねて確認し、日常清掃範囲と重点清掃範囲を分けます。日常清掃範囲は毎日の作業終了時に確認する範囲です。重点清掃範囲は雨天後、交通開放前、土砂搬出後、苦情が出やすい時間帯の前に追加確認する範囲です。こうして範囲を言語化しておくことで、担当者による清掃漏れを減らせます。
特に注意したいのは、歩行者通路と沿道出入口です。仮設歩道や通路は安全確保を優先して設置されますが、路面に泥が残ると滑りやすくなり、靴や車いす、ベビーカーの車輪にも付着します。店舗や住宅の出入口付近に泥が残ると、工事範囲外に汚れが持ち込まれたと受け止められることがあります。清掃計画では、歩行者が実際に歩く線を意識し、見た目だけでなく通行後に泥が付着しにくい状態を目指すことが大切です。
また、作業帯の外側を清掃する際は、交通管理との連携が欠かせません。車道側の清掃を行う場合、通行車両との接触リスクがあります。歩道側の清掃では、歩行者の誘導や一時的な通路切替が必要になることがあります。清掃作業そのものが危険作業にならないよう、誘導員との役割分担、清掃する時間帯、使用する道具、作業員の立ち位置をあらかじめ決めておきます。
清掃範囲を広げるというと作業量が増えるように感じますが、苦情対応に追われる時間を考えれば、最初から影響範囲を計画に含めたほうが効率的です。泥はねは、目立つ掘削箇所ではなく、その少し先で起こることが少なくありません。現場の境界ではなく、泥が移動する範囲で清掃を考えることが、電線共同溝工事における苦情予防の基本です。
工夫2 雨天前後と交通開放前の清掃タイミングを固定する
第二の工夫は、清掃のタイミングを作業員の判断任せにせず、計画の中に固定しておくことです。泥はねは、土砂があることに加えて、水分と車両通行が重なることで発生します。乾いているときには粉じんとして目立たなかった細粒分も、雨が降ると泥水になり、車両のタイヤで跳ね上げられます。したがって、雨天前後と交通開放前の清掃は、泥はね苦情を減らすうえで特に重要です。
雨天前の清掃では、路面上に残った土砂をできるだけ減らします。雨が降ってから清掃しようとすると、土砂が水を含んで重くなり、側溝や排水ますへ流入しやすくなります。さらに泥水が広がった後では、清掃範囲が広くなり、歩行者や車両への影響も出やすくなります。天気予報で降雨が見込まれる場合は、作業終了時の通常清掃に加えて、路肩、仮舗装の継ぎ目、車両出入口、排水ます周辺を確認する運用が有効です。
雨天後の清掃では、泥水がたまりやすい低い場所や、車両が水たまりを踏みやすい位置を重点的に確認します。仮舗装のわずかな不陸、既設舗装との段差、側溝 際の沈下、マンホールや特殊部周辺のくぼみには、水と土砂が残りやすくなります。水たまりが残ったまま交通開放すると、車両通行のたびに泥水が飛び、歩道側や沿道施設へかかるおそれがあります。雨天後は、単に表面を流すのではなく、泥が沈殿している箇所を取り除く意識が必要です。
交通開放前の清掃も重要です。電線共同溝工事では、昼夜の切替や規制解除に合わせて、仮舗装区間を一般車両へ開放する場面があります。この直前の状態が悪いと、短時間で泥はね苦情につながる可能性があります。特に朝の通勤時間帯、夕方の帰宅時間帯、店舗の開店前後など、交通量と人通りが増える前には、清掃完了確認を工程に組み込みます。作業終了後に清掃するだけでなく、交通が増える前に再確認する考え方が重要です。
清掃タイミングを固定するには、日々の作業手順の中に確認項目として入れる方法が有効です。朝礼で当日の降雨可能性、土砂搬出予定、交通開放予定を共有し、終礼や規制解除前に清掃責任者が確認します。夜間施工では、明け方に路面状態が見えにくくなることもあるため、照明を使って泥残りや水たまりを確認します。暗い時間帯に問題が見えなかったとしても、朝になって沿道利用者から指摘されることがあるため、確認時の照度にも配慮します。
散水清掃を行う場合は、水をかければよいという発想を避ける必要があります。水量が多すぎると、泥水を排水ますや側溝へ流すだけになったり、歩道側へ広げたりすることがあります。逆に水量が少ないと、細粒分が路面に残り、乾燥後に粉じんとなって再び苦情の原因になります。泥を集めて取り除く清掃、必要に応じて吸引や回収を行う清掃、仕上げとして路面状態を確認する清掃という流れを意識すると、泥はね対策としての効果が高まります。
清掃のタイミングを固定しておくと、担当者間の認識差も減ります。忙しい工程の中では、清掃はどうしても後回しになりがちです。しかし、雨天前、雨天後、交通開放前を重点確認点として設定すれば、清掃が工程管理の一部になります。泥はね苦情は、発生してから対応するより、起きやすいタイミングの直前に抑えるほうが現実的です。
工夫3 土砂を出さない仮設動線と搬出管理を組み込 む
第三の工夫は、路面に出た泥を清掃するだけでなく、そもそも土砂を路面へ出しにくい仮設動線と搬出管理を組み込むことです。泥はね対策というと清掃作業に目が向きますが、発生源の管理が不十分だと、清掃してもすぐに路面が汚れます。電線共同溝工事では、掘削土、埋戻し材、仮置き材、舗装切断時の汚泥、搬出車両のタイヤ付着土など、複数の発生源があります。これらを工程ごとに抑えることで、路面清掃の負担と苦情リスクを同時に下げられます。
まず重要なのは、工事車両の出入口管理です。車両が作業帯から一般車道へ出る位置は、土砂が最も外へ出やすい場所です。タイヤや車体下部に付着した土砂が車道に落ち、後続車両によって広がります。出入口付近には、路面保護材や仮設の乗入れ対策を設け、必要に応じてタイヤに付着した土を落とす作業を行います。土を落とした後の場所自体が汚れたままにならないよう、出入口周辺を重点清掃範囲に含めておくことが大切です。
残土搬出時には、積込み量と荷台周辺の清掃にも注意します。過積載でなくても、荷台の縁やあおり周辺に土砂が付着していると、走行中に落下 することがあります。搬出前に荷台外側や車両周辺を確認し、土砂の落下を減らす手順を決めます。発生土が湿っている場合は、車両通行で泥が広がりやすくなるため、搬出経路上の路面確認も必要です。現場の外へ出た直後の道路まで確認範囲に含めると、苦情の予防につながります。
仮置き場の管理も見落とせません。電線共同溝工事では、施工スペースが限られるため、資材や発生土を一時的に置く場面があります。仮置き場所が路肩や歩道に近いと、雨で土砂が流れ出し、歩行者通路や排水ますに広がります。仮置きする場合は、下に保護材を敷く、周囲への流出を防ぐ、雨天時に覆う、使用後すぐに清掃するなどのルールを設けます。短時間だから問題ないという判断が、雨や風によって苦情につながることがあります。
作業員の動線も泥はね対策に関係します。掘削箇所と資材置場、車両待機場所、休憩場所、歩行者通路の近くを作業員が頻繁に往復すると、靴底に付いた土が広がります。狭い現場では完全に分離することは難しいものの、汚れやすい動線と清潔に保つべき動線を意識して分けるだけでも効果があります。歩行者通路を横断する必要がある場合は、横断箇所を限定し、そこを重点的に清掃します。
舗装切断や撤去の工程では、土砂だけでなく切断水や細かな粉じんが泥状になって残ります。この汚れは一見薄く見えても、乾燥すると白っぽい跡になったり、雨で再び泥水になったりします。切断後は発生した汚泥を広げず、早い段階で回収することが重要です。水で流すだけでは排水系統へ負担をかけることがあるため、現場条件、設計図書、発注者や道路管理者等の指示に沿って適切に処理します。
土砂を出しにくい管理は、清掃担当者だけで完結するものではありません。掘削班、運搬担当、交通誘導員、現場代理人、協力会社が同じ認識を持つ必要があります。たとえば誘導員が車両出入口の泥の広がりに気づいたら、清掃担当へすぐ共有する仕組みがあると、早期対応できます。現場代理人だけが清掃状態を確認するのではなく、土砂が発生する工程に関わる全員が、泥はねリスクを見つける目を持つことが大切です。
工夫4 排水ますと側溝まわりを重点清掃箇所にする
第四の工夫は、排水ますと側溝まわりを重点清掃箇所として扱うことです。泥はね苦情は路面上の泥だけが原因ではありません。雨水が流れる経路に土砂がたまると、水がうまく流れず、路面に泥水が滞留します。その水たまりを車両が通過することで泥はねが発生します。つまり、排水機能が落ちた状態を放置すると、清掃しているつもりでも泥はねリスクが残ります。
電線共同溝工事では、掘削や仮舗装の影響で路面勾配が一時的に変わることがあります。既設舗装との取り合い、仮復旧部分の沈下、切削跡、路肩の段差によって、水の流れが変わります。普段は水がたまらない場所でも、工事中だけ水が集まることがあります。路面清掃計画では、既設の排水ますや側溝位置だけでなく、工事中に水が滞留しやすい仮の低点を確認することが重要です。
排水ます周辺に土砂がたまると、雨天時に泥水が路面に広がります。ますの格子部分に落ち葉、土砂、舗装片、細かなごみが詰まると、流入能力が下がります。水が流れ込まないため、車道端に水たまりができ、車両が通るたびに歩道側へ跳ねます。店舗前や住宅前のますが詰まっている場合、沿道の人 からは工事の影響として受け止められやすくなります。実際に工事由来の土砂かどうかにかかわらず、工事中は現場側が丁寧に確認する姿勢が求められます。
側溝まわりも同様です。側溝の上に土砂が残っていると、雨水と一緒に流れて低い場所にたまります。側溝蓋の隙間や縁石際には細かな土が残りやすく、通常の掃き掃除だけでは取り切れないことがあります。特に仮設歩道を設置している場合、歩道端部と側溝の間に泥が残りやすくなります。歩行者が見える範囲はきれいでも、車道端の側溝際に泥が残っていると、雨の日に一気に広がります。
排水ますと側溝まわりの清掃では、泥を排水設備に安易に流し込まないことも重要です。泥を水で流してしまえば路面は一時的にきれいに見えますが、ますの中に土砂がたまると、後の雨で排水不良を起こす可能性があります。清掃時には、泥を集めて回収する、沈殿した土砂を取り除く、必要に応じてます周辺の状態を確認するという考え方が必要です。路面から見えなくなっただけで、問題が排水設備へ移動しただけにならないよう注意します。
また、排水方向を把握しておくと、重点清掃の精度が上がります。現場を見たときに、雨水がどちらへ流れるか、低い場所はどこか、歩道側へ水が向かう可能性はあるかを確認します。工事図面だけでは分かりにくい場合もあるため、雨天時や散水時に実際の流れを観察すると有効です。水の流れを把握できれば、泥がたまりやすい場所、泥はねが起こりやすい場所、苦情が出やすい沿道施設を事前に予測できます。
排水管理は、泥はね対策だけでなく、安全対策にもつながります。水たまりや泥が残ると、歩行者の転倒、自転車のスリップ、車両の視界不良、仮設通路の汚損が起こりやすくなります。電線共同溝工事は道路利用者と近い距離で行われるため、排水ますと側溝まわりを重点的に見ることは、苦情予防と事故予防の両面で意味があります。
工夫5 写真記録と近隣説明で苦情対応を早める
第五の工夫は、路面清掃の実施状況を写真で記録し、必要に応じて近隣へ説明できる状態にしておくことです。泥はね苦情は、発生時刻、発生場所、原因、影響範囲があいまいになりやすい問題です。苦情を受けてから現場を確認しても、すでに雨が止んでいる、車両通行で泥が広がっている、別の作業が進んでいるなど、当時の状況を把握しにくいことがあります。写真記録があれば、清掃実施の有無や路面状態を確認し、対応を早めることができます。
写真記録は、単に清掃した証拠を残すためだけのものではありません。現場の弱点を見つけ、翌日以降の清掃計画を改善するためにも役立ちます。たとえば、毎回同じ出入口に泥が残っている、雨天後に同じ側溝際へ土砂がたまる、仮舗装の継ぎ目に水が残るといった傾向は、写真を並べて見ると分かりやすくなります。清掃後の写真だけでなく、清掃前の状態、清掃作業中、清掃後の仕上がりを必要に応じて残すと、対策の効果を確認できます。
記録する場所は、苦情が起きやすい地点を中心に決めておくと効率的です。工事車両の出入口、歩行者通路、店舗や住宅の出入口前、排水ます周辺、交差点付近、仮舗装の段差部、土砂搬出経路などです。毎日すべてを詳細に撮影する必要はありませんが、雨天前後、交通開放前、土砂搬出後、規制切替後など、泥はねリスクが高いタイミングでは重点的に残します 。撮影位置をある程度固定すると、日ごとの変化を比較しやすくなります。
写真に歩行者の顔、車両ナンバー、店舗内の様子などが写り込む場合は、社内ルールや発注者の指示に沿って取り扱うことも必要です。記録の目的は、現場の状態を客観的に確認し、改善につなげることです。苦情相手を特定したり、説明のために不用意に共有したりしないよう、保存先や共有範囲もあらかじめ整理しておくと安心です。
近隣説明では、専門用語を並べるよりも、何をいつ行い、どのように再発を抑えるかを分かりやすく伝えることが大切です。泥はねが発生した場合、まず不快な思いをさせたことに対して丁寧に受け止める姿勢が必要です。そのうえで、発生場所の確認、清掃の実施、車両出入口や排水ますの点検、今後の清掃タイミングの見直しを伝えます。苦情を言った相手は、原因の詳細よりも、同じことが繰り返されないかを気にしています。再発防止策を具体的に示すことで、不信感を抑えやすくなります。
事前説明も有効です。電線共 同溝工事は一定期間、沿道に影響を与えます。工事のお知らせや現場掲示では、工事内容、期間、作業時間だけでなく、路面清掃や泥はね防止に配慮していることを簡潔に伝えると安心感につながります。特に店舗前、医療施設、学校周辺、駅周辺など、人の出入りが多い場所では、清掃の時間帯や雨天時の対応を説明しておくと、現場への理解を得やすくなります。
写真記録と近隣説明を連動させると、苦情対応はより早くなります。たとえば、朝の交通開放前に清掃後の写真を残していれば、昼に苦情が入った際、いつの時点で路面がどの状態だったかを確認できます。そこから、午前中の搬出作業で泥が広がったのか、雨水で側溝際から流れたのか、別の区間から車両が持ち込んだのかを考えやすくなります。記録がない場合に比べて、原因推定と追加対策が具体的になります。
ただし、写真記録は相手を説得するためだけに使うものではありません。清掃したはずだと主張する材料に偏ると、近隣対応としては逆効果になることがあります。大切なのは、現場管理の改善に使うことです。苦情を受けたら、記録を確認し、計画のどこに不足があったかを見直します。清掃範囲が狭かったのか、タイミングが遅かったのか、排水 ます周辺の確認が不足していたのか、車両出入口の管理が甘かったのかを検討します。この改善姿勢が、結果として信頼回復につながります。
電線共同溝の路面清掃計画を現場で定着させるポイント
5つの工夫を実際の現場で活かすには、路面清掃を一時的な注意喚起ではなく、施工管理の仕組みに落とし込む必要があります。電線共同溝工事では、工程が進むにつれて作業場所や規制形態が変わります。掘削中、管路布設中、埋戻し中、仮舗装中、舗装復旧中では、発生する汚れも泥はねリスクも異なります。最初に決めた清掃方法をそのまま続けるだけでは、現場の変化に対応できないことがあります。
まず、日々の作業打合せで清掃の観点を入れることが大切です。当日の作業内容が掘削中心なのか、土砂搬出が多いのか、舗装切断があるのか、雨が予想されるのか、交通開放の時間が早いのかによって、重点的に見る場所は変わります。清掃担当者だけでなく、各作業班が当日の泥はねリスクを共有すれば、汚れを出しにくい作業につながります。
次に、清掃完了の基準を曖昧にしないことです。見た目がきれい、ざっと掃いた、散水したという表現だけでは、人によって判断が変わります。歩行者通路に泥が残っていないこと、車道端に泥水がたまっていないこと、排水ますの流入口がふさがっていないこと、車両出入口から土砂が連続して引き出されていないことなど、確認すべき状態を具体化します。現場の規模に応じて簡易なチェック項目を作ると、清掃品質をそろえやすくなります。
清掃道具と人員配置も計画に含める必要があります。泥の状態によって適した清掃方法は異なります。乾いた土砂、湿った泥、切断汚泥、細かな粉じん、水たまりに沈んだ土砂では、必要な道具や作業手順が変わります。現場に必要な道具が不足していると、作業員はできる範囲の清掃で済ませざるを得ません。清掃範囲を広げるなら、それに見合う人員、時間、誘導体制も確保します。
協力会社との役割分担も重要です。土砂を発生させる作業班と清掃を行う作業班が別の場合、責任の境界が曖昧になることがあります。掘削後 の路面清掃は誰が行うのか、搬出車両の出入口確認は誰が見るのか、雨天後の再確認は誰が判断するのかを決めておかないと、忙しいときに抜けが生じます。泥はね苦情が起きた後に責任を確認するのではなく、事前に役割を共有しておくことが大切です。
さらに、苦情が出た場所を次の重点管理箇所に反映することも欠かせません。一度泥はねが起きた場所は、同じ条件で再発する可能性があります。沿道の形状、排水勾配、車両速度、歩行者の通行量、店舗の出入口位置など、場所固有の要因があるためです。苦情対応を単発で終わらせず、翌日以降の清掃範囲やタイミングに反映することで、再発防止の精度が上がります。
電線共同溝工事では、道路管理者、占用事業者、施工者、交通誘導、沿道関係者など、多くの関係者が関わります。路面清掃計画は、その全員にとって分かりやすい管理項目にできます。路面が清潔に保たれている現場は、安全管理や工程管理についても丁寧な印象を与えます。反対に、泥が目立つ現場は、実際の施工品質に問題がなくても、管理が行き届いていない印象を与えます。見える品質としての清掃を意識することが、現場全体の信頼につながります。
まとめ 泥はね対策は清掃だけでなく計画品質で決まる
電線共同溝工事における泥はね苦情は、路面が汚れた後に清掃するだけでは十分に抑えられません。重要なのは、土砂がどこで発生し、どの動線で広がり、どのタイミングで水と交通に接触し、どの沿道利用者に影響するのかを事前に想定することです。清掃範囲を作業帯の外側まで広げること、雨天前後と交通開放前の清掃タイミングを固定すること、土砂を出しにくい仮設動線と搬出管理を組み込むこと、排水ますと側溝まわりを重点的に見ること、写真記録と近隣説明で対応を早めること。この5つを路面清掃計画に取り入れることで、泥はね苦情の発生を抑えやすくなります。
泥はね対策は、現場の小さな気づきの積み重ねです。車両出入口に少し土が残っている、側溝際に泥がたまっている、仮舗装の段差に水が残っている、歩行者通路の端に湿った土が付いている。こうした小さな兆候を放置すると、雨や交通量の増加をきっかけに苦情へ発展します。逆に、早い段階で見つけて清掃し、原因を抑えれば、大きなトラブルを防ぎやすくなります。
実務担当者にとって大切なのは、清掃を作業終了後の付帯作業として扱わないことです。電線共同溝工事の路面清掃は、交通開放、安全確保、近隣対応、工程管理と直結しています。清掃計画を具体化し、現場の変化に合わせて見直し、記録を残して改善することで、沿道から信頼される現場づくりにつながります。
泥はね苦情を減らす現場管理は、特別なことを一度行うよりも、毎日の計画と確認を丁寧に続けることが効果的です。電線共同溝の施工区間が長い場合や、商店街、住宅地、交通量の多い道路での工事では、路面清掃計画の品質が工事全体の印象を左右します。現場ごとの条件に合わせて清掃範囲、タイミング、発生源対策、排水確認、近隣説明を見直し、必要に応じて発注者、道路管理者、占用事業者、交通管理の関係者と早めに相談しながら、泥はねの起きにくい管理体制を整えてください。
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