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電線共同溝の地盤沈下リスクを見逃さない5つの確認点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

電線共同溝の施工では、管路や特殊部を正しく設置することだけでなく、施工後に道路や歩道、民地境界付近へ沈下や段差を残さないことが重要です。地盤沈下は、完成直後には目立たなくても、交通荷重、降雨、地下水、埋戻し材の締固め不足などが重なることで、数週間から数か月後に表面化することがあります。特に電線共同溝は道路下に長く連続して整備されるため、一部の沈下が舗装段差、排水不良、歩行者のつまずき、車両走行時の振動、周辺施設からの苦情につながるおそれがあります。本記事では、電線共同溝の実務担当者が施工前、施工中、施工後に確認したい地盤沈下リスクの見落とし防止策を、5つの確認点に整理して解説します。


目次

電線共同溝で地盤沈下リスクを重視すべき理由

確認点1:既設地盤と地下埋設物の状態を施工前に把握する

確認点2:掘削底面と湧水・軟弱部の変化を見逃さない

確認点3:埋戻し材と締固め管理を施工幅全体で確認する

確認点4:舗装復旧後の段差・ひび割れ・排水不良を追跡する

確認点5:写真・測位・点検記録で沈下の兆候を残す

地盤沈下リスクを工程管理に組み込む考え方

まとめ


電線共同溝で地盤沈下リスクを重視すべき理由

電線共同溝は、電力線や通信線などを道路下に収容するための重要なインフラです。無電柱化や道路空間の安全性向上、景観改善、防災性の向上などを目的に整備されますが、施工現場では道路を掘削し、管路、特殊部、引込部、舗装復旧までを限られた施工帯の中で進める必要があります。そのため、施工後の地盤や舗装の安定性は、出来形や外観と同じくらい重要な管理対象になります。


地盤沈下が問題になるのは、単に舗装面が少し下がるからではありません。歩道であれば歩行者や自転車の通行に影響し、車道であれば車両の走行時に衝撃や騒音が発生します。マンホールや特殊部の周囲だけが沈下すると、蓋の周囲に段差が生じ、排水勾配が乱れたり、雨天時に水たまりができたりします。店舗前、住宅前、病院や学校の周辺では、わずかな段差でも利用者からの指摘につながりやすく、施工品質への信頼を損なう原因になります。


電線共同溝の地盤沈下は、施工直後に必ず分かるとは限りません。埋戻し直後は舗装面が整って見えても、雨水の浸入、交通荷重の繰り返し、埋戻し材のなじみ、路床や路盤の不均一な締固めによって、時間差で沈下が進むことがあります。特に掘削幅が狭く、既設埋設物が多く、締固め機械の作業範囲が制限される場所では、局所的な締固め不足が起こりやすくなります。


また、電線共同溝の施工では、既設の水道、ガス、下水、通信、電力などの埋設物が近接することがあります。これらを避けながら施工すると、標準的な施工断面どおりに締固めができない箇所や、手作業による埋戻しが必要な箇所が生じます。こうした場所は、見た目には問題がなくても、後から沈下が発生しやすい注意箇所として管理する必要があります。


地盤沈下を防ぐには、施工中の一時的な確認だけでなく、施工前の地盤条件の把握、掘削時の異常確認、埋戻しと締固めの管理、舗装復旧後の追跡、記録の一元化までをつなげて考えることが大切です。現場ごとの条件に応じて確認点を整理しておけば、作業員や協力会社、発注者、道路管理者との認識も合わせやすくなります。


確認点1:既設地盤と地下埋設物の状態を施工前に把握する

地盤沈下リスクを見逃さないための最初の確認点は、施工前の既設地盤と地下埋設物の状態を把握することです。電線共同溝は道路下に整備されるため、施工箇所の地盤は必ずしも均一ではありません。過去の道路掘削跡、既設管路の埋戻し跡、古い舗装の打ち替え範囲、側溝や集水桝の周辺、民地出入口の切下げ部など、沈下しやすい要素が混在していることがあります。


施工前調査では、設計図面や埋設物資料を確認するだけでなく、現地の舗装状態を丁寧に見ることが重要です。舗装に亀甲状のひび割れがある箇所、部分的に波打っている箇所、マンホール周辺だけが下がっている箇所、雨天後に水が残りやすい箇所は、既に地盤や路盤に弱点がある可能性があります。こうした場所で電線共同溝の掘削を行うと、既存の弱点を広げたり、復旧後に再沈下が発生したりするおそれがあります。


地下埋設物の確認も欠かせません。既設管が近接している箇所では、掘削幅や埋戻し幅が制約され、締固め機械を十分に入れにくくなります。また、古い埋設管の周囲には過去の埋戻し材が残っていることがあり、周辺の地山と密度や含水状態が異なる場合があります。施工前に埋設物の位置、深さ、管種、交差部の有無を把握しておくことで、沈下リスクが高い範囲を事前に洗い出せます。


特に注意したいのは、電線共同溝の管路が既設埋設物と交差する箇所や、特殊部の設置箇所です。交差部では掘削形状が複雑になり、管の下や側面に空隙を残しやすくなります。特殊部は構造物の重量があり、周囲の埋戻しとの境界ができやすいため、構造物際の締固め不足が沈下や段差につながることがあります。施工前の段階で、こうした箇所を図面上だけでなく現地写真と位置情報で整理しておくと、施工中の確認がしやすくなります。


既設地盤の確認では、周辺の排水条件も見ておく必要があります。側溝の詰まり、集水桝の沈下、道路勾配の乱れ、民地からの排水流入がある場所では、雨水が掘削範囲や埋戻し部に影響する可能性があります。水は地盤沈下の大きな要因の一つです。雨水が入りやすい場所、地下水位が高い場所、過去に水たまりができている場所を把握しておけば、施工時の排水計画や養生方法を検討しやすくなります。


また、施工前の現況写真は、後から沈下や段差が発生したときの比較資料として役立ちます。着工前から舗装にひび割れがあったのか、施工後に新たに発生したのかを確認できるよう、定点で撮影しておくことが大切です。写真は近景だけでなく、道路全体の勾配や周辺施設との関係が分かる中景、遠景も残すと、後日の説明資料として使いやすくなります。


施工前の確認で大切なのは、問題が起きそうな箇所を完全に排除することではなく、リスクの高い箇所をあらかじめ見える化することです。地盤条件は現場によって異なり、図面だけでは判断できない部分もあります。現地で違和感を拾い、施工計画に反映させる姿勢が、電線共同溝の地盤沈下対策の出発点になります。


確認点2:掘削底面と湧水・軟弱部の変化を見逃さない

二つ目の確認点は、掘削中に露出する底面や側面の状態を見逃さないことです。施工前調査である程度の地盤条件を把握していても、実際に掘削してみると、想定より軟らかい層、過去の埋戻し跡、湧水、空洞、異物混入などが見つかることがあります。電線共同溝の施工では、掘削後すぐに管路や基礎の施工へ進む場面が多いため、掘削底面の確認が形式的にならないよう注意が必要です。


掘削底面にぬかるみがある場合や、足を踏み入れると沈むような状態がある場合、そのまま基礎材や埋戻し材を投入しても、後から沈下が発生する可能性があります。底面が乱れた状態で施工を進めると、管路の支持が不均一になり、管のたわみ、勾配不良、周囲の空隙発生につながるおそれもあります。掘削底面は、設計深さに到達しているかだけでなく、支持地盤として安定しているかを確認することが重要です。


湧水の有無も大きな確認ポイントです。わずかなにじみ出しであっても、掘削範囲に水がたまり続けると、底面の土が乱れたり、細粒分が流出したりすることがあります。水が残ったまま埋戻すと、締固め時に十分な密度が得られない場合があります。特に細粒分を多く含む土や、雨天後に含水比が高くなった土では、締固めても表面だけが固く見え、内部が不安定なまま残ることがあります。


軟弱部を見つけた場合には、現場判断だけで安易に埋め戻さず、監督員や関係者と対応を確認することが大切です。必要に応じて不良土の置換、基礎材の厚さや材料の見直し、排水処理、施工順序の変更などを検討します。施工条件によって対応は異なるため、記事上で一律の方法を断定することはできませんが、少なくとも軟弱部を記録し、協議したうえで処置する流れを現場内で決めておく必要があります。


掘削側面の崩れやすさも沈下リスクに関係します。側面が崩れて余掘りが大きくなると、設計上想定していた埋戻し範囲より広い範囲を復旧することになります。余掘り部分の締固めが不十分だと、舗装復旧後に掘削線に沿って沈下が出ることがあります。特に舗装端部や歩車道境界、側溝際、民地境界付近は締固め機械の作業が制限されやすく、沈下が目立ちやすい場所です。


掘削時には、底面の高さだけでなく、掘削幅、余掘りの発生、地下埋設物周辺の空隙、湧水の位置、土質の変化を確認し、必要に応じて写真に残します。写真にはスケールや位置が分かる情報を入れると、後から状況を説明しやすくなります。現場で見た人だけが理解できる記録ではなく、後日別の担当者が見ても状況を把握できる記録にすることが重要です。


また、掘削底面の確認は一度だけで終わらせないほうがよい場合があります。電線共同溝は延長方向に施工が進むため、同じ路線内でも地盤条件が変わることがあります。ある区間では安定していても、交差点付近や旧道との接続部、暗渠や水路の近くでは急に条件が変わることがあります。一定延長ごと、構造物ごと、土質が変わった時点ごとに確認することで、見落としを減らせます。


掘削中に違和感を覚えた箇所は、後の埋戻しや舗装復旧でも重点管理箇所になります。つまり、掘削時の確認はその場限りの品質確認ではなく、施工後の沈下を予測するための情報収集でもあります。掘削底面と湧水・軟弱部を丁寧に確認することが、電線共同溝の長期的な安定につながります。


確認点3:埋戻し材と締固め管理を施工幅全体で確認する

三つ目の確認点は、埋戻し材と締固め管理です。電線共同溝の地盤沈下で特に多い原因の一つが、埋戻しの不均一さです。掘削した範囲を元に戻す作業は一見単純に見えますが、管路や特殊部、既設埋設物、狭い作業帯、交通開放までの時間制約がある中では、均一な締固めを確保することが難しい場面があります。


埋戻し材は、設計や施工条件に適した材料を使用することが前提です。発生土を利用する場合でも、含水状態、粒度、異物混入、粘性の強さなどを確認しなければなりません。水分を多く含んだ土や、塊が多い土、木片やがれきが混入した土をそのまま使用すると、締固め後に空隙が残り、時間の経過とともに沈下する可能性があります。良質な材料を選ぶことは、沈下対策の基本です。


締固めでは、層ごとの厚さと締固め回数を管理することが重要です。一度に厚く埋め戻すと、表面だけが締まって内部に緩い部分が残ることがあります。特に電線共同溝の管路周辺では、管の下側や側面に材料が十分に回り込まず、空隙が残りやすくなります。管路の周囲は、材料を丁寧に投入し、偏りなく充填されているか確認しながら進める必要があります。


特殊部や桝の周囲も注意が必要です。構造物の角部や側面は締固め機械が届きにくく、手作業による充填や小型機械での締固めが必要になる場合があります。構造物際に空隙が残ると、舗装面では構造物の周囲だけがリング状に沈下したり、蓋周りに段差が出たりします。このような沈下は通行時に目立ちやすく、補修が必要になりやすい箇所です。


既設埋設物が近接する箇所では、さらに慎重な管理が必要です。既設管の下側や側面は締固めが難しく、無理に機械を入れると既設管を損傷するリスクもあります。そのため、埋設物周辺では施工手順を事前に決め、材料の投入方法、締固め方法、確認者を明確にしておくことが望ましいです。現場の状況に合わせて慎重に施工し、必要な協議や立会いを行うことで、沈下と損傷の両方を防ぎやすくなります。


締固め管理は、施工した事実を記録するだけでは不十分です。どの範囲を、どの層で、どのように締め固めたのかを後から確認できる状態にしておくことが重要です。施工写真には、材料の投入状況、層厚の確認状況、締固め機械の使用状況、構造物周辺の処理状況を残します。写真だけでは伝わりにくい場合は、施工日報やチェックシートに補足を残し、沈下リスクの高い箇所を明確にしておきます。


また、締固めは施工幅の中央だけでなく、端部の確認が大切です。掘削端部、舗装切断端部、側溝際、歩車道境界、民地出入口の近くは、施工幅の中でも弱点になりやすい場所です。中央部は機械で十分に締め固められていても、端部が甘いと、舗装復旧後に縦方向の沈下やひび割れが発生します。電線共同溝の施工では延長方向に長い復旧範囲が生じるため、端部の連続的な弱点を作らないよう意識する必要があります。


交通開放のタイミングも沈下リスクに関係します。復旧直後に重車両が繰り返し通行する場所では、わずかな締固め不足が早期に沈下として表れることがあります。現場条件によっては、仮復旧の管理、段差の確認、交通荷重を受ける範囲の追加点検が必要です。工期や交通規制の都合だけで判断せず、埋戻しと舗装復旧の品質が確保されているかを確認したうえで次工程へ進めることが大切です。


埋戻し材と締固め管理は、地盤沈下対策の中心です。見た目が平らに仕上がっているだけでは安心できません。目に見えない地中の密度や空隙の有無が、数か月後の舗装面に現れます。施工中に手間をかけて確認することが、後日の手戻りや補修、利用者からの指摘を減らす近道になります。


確認点4:舗装復旧後の段差・ひび割れ・排水不良を追跡する

四つ目の確認点は、舗装復旧後の追跡確認です。電線共同溝の施工では、管路や特殊部を設置して埋戻し、舗装を復旧すると一区切りになります。しかし、地盤沈下リスクの管理は舗装復旧で終わりではありません。復旧直後は平坦に見えても、交通荷重や降雨を受けることで、後から段差やひび割れ、水たまりが発生することがあります。


舗装復旧後にまず確認したいのは、既設舗装との取り合いです。舗装切断線に沿って段差がないか、復旧範囲だけが沈んでいないか、マンホールや特殊部の周囲が浮いたり沈んだりしていないかを確認します。段差は目視だけでなく、歩行時や車両通過時の感覚でも分かることがあります。特に歩道や店舗前、横断歩道付近では、わずかな不陸でも利用者にとって支障となる場合があります。


ひび割れの発生状況も重要です。復旧範囲の中央にひびが入る場合、舗装構成や転圧状態に課題がある可能性があります。既設舗装との境界に沿ってひびが入る場合は、切断端部や路盤端部の処理、締固めの不均一さが関係していることがあります。ひび割れが発生したからといって直ちに大きな沈下につながるとは限りませんが、雨水が浸入すると路盤や埋戻し部に影響するため、早めに状態を把握することが大切です。


排水不良も沈下リスクのサインになります。復旧範囲に水がたまりやすい場合、舗装面の勾配が乱れているか、部分的な沈下が起きている可能性があります。雨天後に水たまりが残る箇所は、晴天時の目視点検だけでは分かりにくいため、降雨後の確認を工程に組み込むと有効です。側溝や集水桝への流れが変わっていないか、民地側へ水が流れ込んでいないかも確認します。


マンホールや特殊部の周囲は、電線共同溝の舗装復旧で特に注意したい場所です。構造物と舗装、構造物周辺の埋戻し部では、材料や剛性が異なるため、周囲だけが沈下したり、逆に蓋が高く残ったりすることがあります。車道上では走行時の衝撃や騒音につながり、歩道上ではつまずきの原因になります。蓋周りの段差は小さく見えても、利用者の安全に関わるため、重点的に確認する必要があります。


舗装復旧後の追跡では、施工直後、交通開放後、降雨後、一定期間経過後というように、確認のタイミングを分けると見落としが減ります。すべての現場で同じ頻度の点検が必要とは限りませんが、沈下リスクが高い箇所については、施工後の変化を追えるようにしておくことが望ましいです。たとえば軟弱部を処理した箇所、湧水があった箇所、特殊部周辺、交差点部、重車両の通行が多い箇所は、重点確認の対象になります。


追跡確認で異常を見つけた場合は、早期に原因を切り分けることが重要です。単なる舗装表面の不具合なのか、路盤や埋戻し部の沈下なのか、周辺排水の影響なのかによって対応が変わります。表面だけを補修しても、地中の空隙や締固め不足が残っていれば、再び沈下する可能性があります。補修を行う場合は、原因を確認したうえで、必要な範囲を判断することが大切です。


舗装復旧後の確認は、利用者目線も取り入れる必要があります。施工側が問題ないと感じる段差でも、高齢者、車いす利用者、自転車、ベビーカー、店舗搬入車両にとっては支障になる場合があります。電線共同溝は道路空間を安全で使いやすくするための整備でもあるため、完成後の道路利用に影響がないかという視点を持つことが重要です。


地盤沈下の兆候は、段差、ひび割れ、水たまり、蓋周りの不陸、舗装境界の沈み、路肩や側溝際のすき間など、さまざまな形で現れます。舗装復旧後の追跡確認を丁寧に行うことで、早期補修や再発防止につなげることができます。


確認点5:写真・測位・点検記録で沈下の兆候を残す

五つ目の確認点は、写真、測位、点検記録によって沈下の兆候を残すことです。地盤沈下は、発生した瞬間を目で確認できるとは限りません。少しずつ進行する場合もあり、担当者が変わると過去の状態が分からなくなることもあります。そのため、施工前、施工中、施工後の記録を連続して残し、変化を比較できる状態にしておくことが大切です。


写真記録では、撮影位置と撮影方向をできるだけそろえることが重要です。毎回違う角度から撮影すると、舗装面の高さや段差の変化を比較しにくくなります。定点撮影を行い、同じ地点から同じ方向を撮ることで、沈下やひび割れの進行を把握しやすくなります。近景ではひび割れや段差の詳細を、中景では周辺構造物との関係を、遠景では道路全体の勾配や排水状況を確認できます。


写真には、位置が分かる情報を合わせて残すと実務で使いやすくなります。道路の距離標、交差点名、施設名、施工区間の管理番号、特殊部番号などを記録しておけば、後から該当箇所を探しやすくなります。写真だけが大量に残っていても、どの場所のものか分からなければ沈下管理には活用しにくくなります。現場ごとに写真の命名ルールや整理方法を決めておくことが重要です。


測位情報を活用すると、沈下リスク箇所の管理精度を高めやすくなります。地盤沈下の疑いがある箇所、特殊部周辺、湧水や軟弱部を確認した箇所、舗装復旧後に水たまりが出た箇所などを位置情報付きで記録しておけば、後日の点検や補修計画に使いやすくなります。電線共同溝は延長方向に長い施工となるため、記憶や紙のメモだけでは位置の取り違えが起こりやすくなります。位置情報と写真を結びつけることで、情報の再利用性が高まります。


点検記録では、異常の有無だけでなく、異常がないことも残す意味があります。施工直後に段差がなかったこと、降雨後に水たまりがなかったこと、特殊部周辺にひび割れがなかったことを記録しておけば、後日変化が生じた際に発生時期を絞り込みやすくなります。反対に、異常があった場合は、発見日時、場所、状況、写真番号、応急対応、協議内容、今後の確認予定まで記録すると、対応漏れを防げます。


記録は現場担当者だけのためではありません。発注者、道路管理者、電線管理者、協力会社、近隣関係者への説明にも使われます。たとえば、施工後に舗装の沈下を指摘された場合、施工前の既設舗装状態、掘削時の地盤状況、埋戻しと締固めの記録、舗装復旧直後の状態、降雨後点検の結果が残っていれば、原因の確認や対応方針の検討がスムーズになります。記録がなければ、現場で適切な施工をしていても説明が難しくなります。


記録の質を上げるには、現場で使いやすい運用にすることが大切です。あまりに複雑な記録方法にすると、忙しい現場では継続しにくくなります。重要なのは、沈下リスク箇所を確実に残し、後から場所と状況を確認できることです。写真、位置、日付、施工段階、担当者、異常内容を最低限の情報として整理し、必要に応じて補足を加える形が現実的です。


近年は、現場で取得した写真や位置情報をその場で整理し、点検記録として共有する運用も広がっています。電線共同溝のように施工範囲が長く、関係者が多い工事では、現場情報を早く共有できるほど、沈下リスクへの対応も早くなります。紙の記録だけに頼ると、写真整理や転記に時間がかかり、異常箇所の共有が遅れることがあります。現場で記録し、関係者が確認しやすい形で残すことが、地盤沈下対策の実効性を高めます。


写真・測位・点検記録は、単なる書類作成のための作業ではありません。沈下の兆候を早期に見つけ、施工品質を説明し、補修や再発防止につなげるための重要な情報です。電線共同溝の施工では、記録を品質管理の一部として位置づけることが欠かせません。


地盤沈下リスクを工程管理に組み込む考え方

電線共同溝の地盤沈下リスクは、特定の担当者だけが注意していても十分に防げません。施工前調査、掘削、基礎、管路設置、埋戻し、舗装復旧、交通開放、施工後点検まで、複数の工程にまたがるため、工程管理の中に沈下確認を組み込むことが重要です。


まず、施工前の段階で沈下リスク箇所を一覧化します。既設舗装のひび割れ、過去の掘削跡、地下埋設物の密集箇所、特殊部の設置箇所、湧水が想定される箇所、排水不良がある箇所などを整理し、施工計画や打合せで共有します。この時点でリスクを共有しておけば、掘削時に現場作業員が注意して確認しやすくなります。


次に、掘削時の確認項目を明確にします。底面の安定、湧水の有無、軟弱部、余掘り、既設埋設物周辺の空隙などを確認し、異常があれば記録して協議する流れを決めておきます。現場では工程を進めることに意識が向きやすいため、確認のタイミングをあらかじめ決めておくことが大切です。


埋戻しと締固めでは、重点管理箇所を作業前に周知します。特殊部周辺、既設埋設物周辺、舗装端部、歩車道境界、出入口付近などは、施工方法や確認方法を具体化します。作業員によって判断がばらつくと、品質もばらつきます。どこを重点的に締め固めるのか、どの段階で写真を残すのか、誰が確認するのかを明確にしておくことが必要です。


舗装復旧後は、完了検査だけでなく、追跡確認の考え方を持つことが重要です。特に沈下リスクが高い箇所は、交通開放後や降雨後に確認することで、早期の変化を捉えやすくなります。施工後の点検予定を工程表や管理表に入れておけば、確認漏れを防げます。


関係者間の情報共有も重要です。電線共同溝の施工には、道路管理者、電線管理者、施工会社、協力会社、交通誘導、近隣施設など、多くの関係者が関わります。沈下リスクに関する情報が現場内だけで止まると、後工程で注意が引き継がれないことがあります。リスク箇所、処置内容、点検結果を共有し、必要な関係者が同じ情報を見られる状態にすることが望ましいです。


工程管理に組み込むうえで大切なのは、沈下対策を追加作業として扱わないことです。施工前確認、掘削確認、埋戻し管理、舗装確認、点検記録は、もともと品質管理に含まれるべき作業です。これらを沈下リスクの視点でつなげることで、現場の負担を大きく増やさずに管理精度を高めることができます。


地盤沈下は、発生してから対応すると補修範囲が広がり、交通規制や近隣調整が再び必要になる場合があります。小さな兆候を早めに拾い、原因を確認し、必要な対応を行うほうが、結果的に現場全体の負担を減らせます。電線共同溝の品質を守るためには、沈下リスクを工程の中で継続的に見る姿勢が重要です。


まとめ

電線共同溝の地盤沈下リスクを見逃さないためには、施工後の舗装面だけを見るのではなく、施工前から施工後までの一連の流れで確認することが大切です。既設地盤や地下埋設物の状態を把握し、掘削底面や湧水、軟弱部の変化を見逃さず、埋戻し材と締固めを丁寧に管理することが基本になります。そのうえで、舗装復旧後の段差、ひび割れ、排水不良を追跡し、写真や位置情報、点検記録として残すことで、沈下の兆候を早期に捉えやすくなります。


電線共同溝は、道路利用者や沿道施設の生活動線に近い場所で施工されることが多く、わずかな沈下や段差でも安全性や利便性に影響します。特に歩道、交差点、出入口、特殊部周辺、既設埋設物が密集する箇所では、施工条件が複雑になりやすいため、重点的な確認が必要です。完成直後の見た目だけで判断せず、時間の経過による変化を意識することが、実務上の大きなポイントです。


また、沈下リスク対策は、現場担当者の経験だけに頼るのではなく、記録と共有の仕組みに落とし込むことが重要です。どこで軟弱部が見つかったのか、どこで湧水があったのか、どの範囲を重点的に締め固めたのか、舗装復旧後にどのような状態だったのかを残しておけば、後日の点検や補修判断、関係者への説明がしやすくなります。


現場の写真、位置情報、点検結果を効率よく残すには、現地で扱いやすい記録手段を整えることも有効です。施工前後の比較、沈下リスク箇所の位置管理、特殊部周辺の追跡点検をスムーズに行いたい場合は、スマートフォンや位置情報付きの現場記録ツールを活用する方法もあります。電線共同溝の品質管理をより確実に進めるために、地盤沈下リスクの確認と記録を日々の工程に組み込んでいきましょう。


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