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TS出来形の現場教育で新人に教える実務ポイント6つ

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

TS出来形は、単に測量機器を使って数値を取得する作業ではありません。設計データ、基準点、現場条件、施工管理、検査対応までがつながった実務であり、新人教育では機器の操作方法だけを教えても十分とはいえません。現場で必要になるのは、何を測るのか、なぜ測るのか、どの数値を根拠にするのか、どの段階で確認しておくべきかを理解したうえで、測定結果を施工管理や出来形確認に使える状態へ整える力です。


特に新人は、TS出来形を、測れば自動的に正しい成果が出る作業と捉えてしまうことがあります。しかし実際には、基準点の扱い、3次元設計データの確認、測点の選び方、現場での記録、帳票とのつながり、発注者や監督員への説明など、多くの確認と判断が必要になります。この記事では、TS出来形の現場教育で新人に教えるべき実務ポイントを6つに分けて整理します。


目次

TS出来形は測量作業ではなく出来形管理の一部として教える

基準点と座標の確認を最初に習慣化させる

3次元設計データの見方と現場との対応を理解させる

測定前後の記録と再現性を重視して教える

測定値の良否をその場で判断する視点を持たせる

検査や説明に使える成果として整理する意識を育てる

まとめ


TS出来形は測量作業ではなく出来形管理の一部として教える

TS出来形の新人教育で最初に伝えるべきことは、TS出来形は単なる測量作業ではなく、施工結果を確認し、出来形管理として説明できる状態にするための実務だという点です。新人が最初に機器操作だけを覚えると、測定ボタンを押すことや座標値を取得すること自体が目的になってしまうことがあります。しかし、現場で求められるのは、取得した数値が設計値や管理基準とどのように関係し、施工の確認や手直し判断にどう使われるのかを理解することです。


TS出来形では、設計上の位置や高さに対して、施工後の実測値がどの程度一致しているかを確認します。そのため、新人には、測点を取る前に、この測点は何を確認するためのものかを考えさせることが重要です。たとえば、法肩、法尻、中心線、幅員、構造物の端部など、現場で測る点にはそれぞれ意味があります。見た目では同じような点でも、管理上の意味が違えば、測る位置や記録の仕方も変わります。


教育の初期段階では、まず図面や設計データを見ながら、どの位置が出来形管理の対象になるのかを確認させると効果的です。いきなり機器の前に立たせるのではなく、現場全体の流れを説明し、施工前の設計、施工中の確認、施工後の出来形管理、検査時の説明が一つにつながっていることを理解させます。これにより、新人は測定作業を単発の作業としてではなく、品質管理の一部として捉えやすくなります。


また、TS出来形では、測定値だけでなく、その測定値がどのような条件で得られたのかも重要になります。どの基準点を使ったのか、どの測点を測ったのか、天候や視通の状態に問題はなかったか、測定中に機器の据え直しがあったかなど、あとから確認すべき情報は多くあります。新人には、測定結果だけを残せばよいのではなく、測定の前提条件も含めて管理する必要があると教えるべきです。


現場教育では、なぜこの作業をするのかを繰り返し確認することが大切です。TS出来形の目的を理解していない状態では、測点の取り違え、設計データの選択ミス、帳票作成時の混乱などが起こりやすくなります。逆に、目的が理解できていれば、作業中に違和感が出たときに自分で立ち止まりやすくなります。新人教育では、この違和感に気づく力を育てることが重要です。


TS出来形は、測量担当だけが完結させる仕事ではありません。施工担当、品質管理担当、職長、外注測量担当、監督員など、複数の関係者が測定結果を利用します。新人には、自分が測った数値が誰に使われ、どの場面で確認されるのかを意識させる必要があります。測定結果が現場の次工程判断に使われる場合もあれば、出来形帳票や検査資料の根拠になる場合もあります。このつながりを理解することで、測定作業の責任感が生まれます。


さらに、TS出来形の教育では、機器に頼りすぎない姿勢も教える必要があります。機器は正しく使えば便利ですが、設計データや基準点の設定が誤っていれば、表示される値も正しい管理値にはなりません。画面に数値が出ているから正しいと考えるのではなく、その数値が現場の実態や図面と合っているかを確認する姿勢が欠かせません。新人には、機器表示、現地状況、図面、施工計画を照らし合わせる癖を早い段階で身につけさせることが大切です。


基準点と座標の確認を最初に習慣化させる

TS出来形の実務で、新人に最も早く習慣化させたいのが、基準点と座標の確認です。TS出来形では、どれだけ丁寧に測定しても、基準となる点や座標の扱いを誤ると、成果全体の信頼性が低下します。現場では、作業を急ぐあまり、機器を据えてすぐに測定を始めたくなる場面があります。しかし、新人には必ず、測定前に基準点、後視点、座標系、標高の扱いを確認する流れを教える必要があります。


基準点の確認では、まず使用する基準点が現場で有効なものかを確認します。設計データや測量成果に記載された点名と、現地で確認できる点名が一致しているかを見ます。点名が似ている場合や、仮設の基準点が複数ある場合は、取り違えが起こりやすくなります。新人には、点名を見たつもりで作業するのではなく、図面、座標一覧、現地表示を照合することを徹底させます。


次に重要なのが、座標値の確認です。座標値は数字の並びとして見るだけではなく、現場の位置関係と合っているかを感覚的にも確認する必要があります。たとえば、隣り合う基準点の距離や方向が現地の見た目と大きく違っていないか、測定開始前に既知点を確認したときの差が不自然でないかを見ます。新人には、座標値の桁や符号、標高値の入力ミスが成果に大きく影響することを具体的に説明すると理解しやすくなります。


TS出来形では、機器の据え付け後に後視確認や既知点確認を行うことが一般的です。新人教育では、この確認を形式的な作業にしないことが重要です。画面に確認結果が表示されたから次へ進むのではなく、その差が現場の管理上問題ない範囲なのか、前回作業時と大きく変わっていないかを確認する必要があります。基準点のずれ、三脚の沈み、プリズムの設置ミス、器械高や目標高の入力間違いなど、測定前後で確認すべき要素を一つずつ教えます。


新人がつまずきやすいのは、平面位置と高さの扱いを一体で考えてしまうことです。平面位置が合っていても高さがずれている場合や、高さは合っていても水平位置に誤差がある場合があります。そのため、確認時には水平位置と標高を分けて見ることが大切です。出来形管理では、幅、延長、高さ、勾配など、それぞれ管理する項目が異なります。どの項目にどの誤差が影響するのかを教えることで、新人は確認結果の意味を理解しやすくなります。


また、座標系や現場基準の違いにも注意が必要です。工事ごとに使用する座標系、ローカル座標、仮設基準、高さの基準が異なる場合があります。新人には、過去に別現場で使った設定をそのまま流用しないこと、現場ごとに基準を確認することを教える必要があります。特に複数の工区や施工段階がある現場では、設計データや基準点が更新されている場合もあります。古いデータを使って測定すると、測定値そのものは整って見えても、管理資料として使いにくくなる可能性があります。


教育では、基準点確認の手順をチェックリスト化して教えると有効です。ただし、チェックリストを渡すだけでは不十分です。なぜその項目を確認するのか、確認を怠るとどのような不具合が起こるのかを併せて説明します。たとえば、器械点の入力を間違えると測定点全体がずれること、後視点を取り違えると方向が回転してしまうこと、高さの入力を誤ると出来形の高低差判断を誤ることなどを、現場の具体例に置き換えて説明します。


基準点と座標の確認は、経験者でも油断するとミスが起きる部分です。そのため、新人には、まだ慣れていないから確認するのではなく、慣れている人ほど確認するという考え方を持たせることが大切です。確認は初心者向けの補助作業ではなく、成果の信頼性を守るための基本動作です。この意識が身につくと、TS出来形だけでなく、ほかの測量管理や施工管理にも応用できます。


3次元設計データの見方と現場との対応を理解させる

TS出来形の現場教育では、3次元設計データの見方を新人に教えることも重要です。TS出来形では、設計データを基にして測定点の位置や出来形の差を確認するため、設計データの内容を理解しないまま測定すると、測っている場所の意味が曖昧になります。新人には、3次元設計データを単に機器へ読み込むファイルとして扱わせるのではなく、現場の形状や管理項目を表す情報として理解させる必要があります。


まず教えるべきなのは、3次元設計データと図面の関係です。平面図、縦断図、横断図、構造図などに示されている設計内容が、3次元の位置情報としてどのように表現されているのかを説明します。新人は、画面上の線や点だけを見ると、実際の現場のどの位置に対応しているのか分からなくなることがあります。そのため、図面上の測点名、中心線、横断方向、端部、勾配変化点などを、現地の地形や構造物と結びつけながら教えると理解しやすくなります。


次に、設計データには確認すべき前提があることを教えます。対象工種、測定範囲、施工段階、出来形管理に使う断面や点の設定が、現場の作業内容と合っているかを確認する必要があります。たとえば、現場では一部だけ施工が進んでいるのに、設計データは全体範囲を含んでいる場合があります。また、施工途中の仮設形状と完成形状が異なる場合もあります。新人には、今測るべき出来形が、どの設計状態に対するものなのかを確認させることが大切です。


3次元設計データを扱うときは、データの更新管理も欠かせません。設計変更、施工範囲の変更、協議による形状変更があった場合、古い設計データを使い続けると、現場の施工内容と測定基準が合わなくなります。新人には、ファイル名や更新日だけで判断せず、現場で正式に使うデータかどうかを確認する姿勢を教えます。特に複数人でデータを扱う現場では、最新版と思っていたデータが実は確認用データだった、という混乱が起きる可能性があります。


また、画面上で設計値との差が表示される場合でも、その差の意味を理解することが必要です。差が大きいからすぐに施工不良と判断するのではなく、測点の位置、測定対象、設計面の選び方、測定方法に問題がないかを確認します。新人には、測定結果に違和感が出たときに、現場を疑うだけでなく、データ、設定、測り方の順に確認する考え方を教えます。これは、誤った手直しや不要な再測定を防ぐためにも重要です。


現場との対応を理解させるには、実際に現地で設計データを見ながら説明するのが効果的です。机上で画面だけを見ていても、地形や構造物との関係はつかみにくいものです。現場で、この線が中心線、この点が法肩、この高さが設計高というように対応させることで、新人はデータを立体的に理解しやすくなります。特に土工や道路工事では、完成形が目に見えにくい段階もあるため、設計データを現場に重ねて考える力が重要になります。


新人教育では、3次元設計データを絶対視しすぎないことも伝える必要があります。設計データは管理の基準になりますが、入力や変換、設定に誤りがあれば、現場判断を誤る原因になります。そのため、設計データを使う前には、主要な位置や高さを図面と照合し、現場の既設物や基準点との関係に違和感がないかを確認します。新人には、データを信じることと、データを確認することは別だと教えることが大切です。


さらに、3次元設計データの教育では、専門用語を一度に詰め込みすぎない工夫も必要です。中心線、横断、縦断、設計面、オフセット、管理断面など、慣れない用語が続くと新人は理解しにくくなります。最初は、現場で測る点が設計上のどこに対応するのかを中心に教え、次に断面や面の考え方、最後にデータ形式や管理方法へ広げると定着しやすくなります。実務では、用語を覚えることよりも、用語が示す現場上の意味を理解することが大切です。


測定前後の記録と再現性を重視して教える

TS出来形の現場教育では、測定そのものと同じくらい、記録の取り方を重視して教える必要があります。出来形管理では、測定値が残っているだけでは不十分な場合があります。あとから確認したときに、どの場所を、どの基準で、どの条件で測定したのかが分からなければ、成果として説明しにくくなります。新人には、測定作業は数値を取る作業であると同時に、あとから再確認できる記録を残す作業でもあると教えることが重要です。


測定前の記録では、作業日、作業範囲、使用した設計データ、使用した基準点、測定対象、担当者、天候や現場状況などを整理します。これらは一見すると細かな事務作業に見えますが、後日、測定結果の確認や検査資料の作成を行うときに重要な情報になります。新人には、現場で忙しいときほど記録が曖昧になりやすいこと、記憶に頼った整理はミスの原因になることを伝えます。


測定中の記録では、測点名や測定位置の意味を明確にすることが大切です。測定値だけが残っていても、その点がどの施工位置を示すのか分からなければ、出来形資料として使いにくくなります。たとえば、同じ断面上に複数の測点がある場合、中心、左端、右端、法肩、法尻などを区別して記録する必要があります。新人には、測点名を適当に付けるのではなく、あとから見ても分かる名称や整理方法を使うよう教えます。


また、測定中に予定外のことが起きた場合は、その場で記録する習慣をつけるべきです。視通が悪くて測点を変えた、施工途中で測定位置が一部変更になった、基準点確認をやり直した、機器を据え直した、といった情報は、後から測定結果を確認するときに重要になります。新人は、こうした情報を大したことではないと考えて記録しないことがあります。しかし、出来形管理では小さな条件の違いが説明上の差になることがあります。


測定後の記録では、測定データをどのように保存し、誰が確認し、どの資料に反映したのかを整理します。データを機器や端末に入れたままにせず、現場の管理ルールに従って保存することが必要です。ファイル名の付け方、保存先、日付、測定範囲、改訂の有無を統一しておくと、後日必要なデータを探しやすくなります。新人には、測定が終わった時点で作業完了ではなく、データ整理と確認までが一連の作業だと教えます。


再現性という観点も重要です。TS出来形の成果は、別の担当者が確認しても、同じ考え方で追跡できる状態になっている必要があります。どの点を基準にしたのか、どの設計値と比較したのか、どの測点が帳票のどの項目に対応するのかが分かれば、担当者が変わっても確認できます。新人教育では、自分だけが分かる記録ではなく、現場の関係者が見て分かる記録を目指すよう教えます。


写真記録との連携も有効です。TS出来形では数値データが中心になりますが、測定位置や現場状況を写真で残しておくと、後から説明しやすくなります。特に、測点の位置関係、施工範囲、障害物、測定時の状態などは、写真があると理解が早くなります。ただし、写真だけに頼るのではなく、測点名や位置情報と対応づけることが大切です。新人には、写真を撮る目的を明確にし、測定データと結びつけて管理する考え方を教えます。


記録の教育では、失敗例を示すことも効果的です。測定値はあるが測点の意味が分からない、ファイル名が似ていて最新版が分からない、基準点の記録が残っていないため確認に時間がかかった、というような事例を説明すると、新人は記録の重要性を実感しやすくなります。記録は面倒な作業ではなく、自分自身と現場を守るための作業だと理解させることが大切です。


測定値の良否をその場で判断する視点を持たせる

TS出来形の現場教育では、測定値を取得するだけでなく、その測定値が妥当かどうかをその場で判断する視点を持たせることが重要です。新人は、機器に表示された数値や差分をそのまま受け取ってしまいがちです。しかし、実務では、測定値が設計や現場状況と大きく合わない場合に、施工側の問題なのか、測定条件の問題なのか、設定の問題なのかを切り分ける必要があります。


まず教えるべきなのは、測定値を見るときに単点だけで判断しないことです。ある一点だけが大きくずれている場合、その点の測定位置が違っている可能性があります。複数点が同じ方向にずれている場合は、基準点や設計データ、機器設定に原因がある可能性があります。周辺の測定値と比較することで、局所的な施工のばらつきなのか、全体的なずれなのかを判断しやすくなります。新人には、点ではなく流れで見る視点を教えるとよいです。


次に、測定値と現場の見た目を照合する習慣をつけさせます。たとえば、画面上では大きな高低差が出ているのに、現地の見た目ではそれほど差がない場合、測定位置や高さ設定に問題があるかもしれません。逆に、現地で明らかに段差やずれが見えるのに、数値上は問題が小さく見える場合も注意が必要です。新人には、数値と目視のどちらか一方だけで判断せず、両方を照らし合わせることを教えます。


また、測定値の良否を判断するには、管理項目ごとの意味を理解しておく必要があります。高さを確認するのか、幅を確認するのか、位置を確認するのか、勾配を確認するのかによって、見るべき数値は異なります。新人がすべての数値を同じ重みで見てしまうと、重要な異常を見落としたり、逆に大きな問題ではない差に時間をかけすぎたりすることがあります。教育では、今回の測定で最も確認したい管理項目は何かを作業前に共有します。


現場での判断では、すぐに結論を出さず、確認の順序を決めておくことも大切です。測定値に違和感がある場合は、まず測点位置を確認し、次に器械点と後視点を確認し、続いて設計データや対象面を確認し、それでも説明できなければ施工状態を確認する、というように段階的に見ます。新人には、慌てて施工が違うと判断したり、逆に機器の誤差だろうと流したりしないよう、確認手順を身につけさせます。


測定値の判断には、現場の工程も関係します。施工途中なのか、仕上げ前なのか、完成確認なのかによって、数値の見方は変わります。仕上げ前であれば調整の余地がある場合もありますが、完成確認であれば帳票や検査資料への影響が出ます。新人には、測定時点が工程のどの段階にあるのかを確認させることが必要です。これにより、測定結果を次の作業にどうつなげるかを考えられるようになります。


また、測定値の異常に気づいたときの報告方法も教えるべきです。新人が自分だけで判断して作業を進めると、問題が大きくなる可能性があります。一方で、何でもすぐに報告するだけでは、自分で考える力が育ちません。教育では、違和感がある数値を見つけたら、測点名、設計値との差、周辺点との関係、確認済みの項目を整理して報告するよう教えます。これにより、上司や経験者も状況を判断しやすくなります。


測定値の良否判断を教えるときは、正しい数値を覚えさせるよりも、おかしいと感じる基準を育てることが大切です。現場ごとに条件は異なるため、すべての場面で同じ判断はできません。だからこそ、図面、設計データ、現地状況、周辺測定値、施工段階を総合して考える力が必要です。この視点を新人のうちから育てることで、TS出来形の作業品質は安定しやすくなります。


検査や説明に使える成果として整理する意識を育てる

TS出来形の新人教育では、最終的に検査や説明に使える成果として整理する意識を持たせることが欠かせません。現場で測定したデータは、施工管理の確認だけでなく、出来形帳票、協議資料、検査時の説明資料などに使われることがあります。そのため、測定値が正しいだけではなく、第三者が見ても理解できる形に整理されていることが重要です。


新人には、測定データと帳票のつながりを早い段階で見せると効果的です。自分が現場で測った点が、どの出来形項目に反映され、どの表や図に整理されるのかを理解すると、測定作業の意味が明確になります。逆に、このつながりを知らないまま作業すると、必要な測点が不足したり、帳票作成時に測点の意味が分からなくなったりします。教育では、測定前に最終成果物の形を確認させるとよいです。


検査や説明に使える成果にするには、測定値の整理だけでなく、説明の順序も大切です。どの基準で測ったのか、どの範囲を対象にしたのか、どの管理項目を確認したのか、結果はどうだったのか、必要な手直しや確認は完了しているのかを順番に説明できる状態にします。新人には、数値を並べるだけではなく、相手が理解しやすい流れで整理することを教えます。


また、TS出来形の成果を説明するときは、専門用語だけに頼らないことも重要です。現場の関係者の中には、測量や3次元データに詳しくない人もいます。そのため、測点名や数値だけでなく、現場の位置、施工範囲、確認目的を分かりやすく伝える必要があります。新人には、この点はどこか、この差は何を意味するのかと聞かれたときに、現場の言葉で説明できるように教育します。


成果整理では、不要な情報と必要な情報を分ける力も求められます。測定データをすべて出せば丁寧というわけではありません。検査や協議に必要な情報が整理されていなければ、かえって分かりにくくなります。新人には、対象範囲、管理項目、設計値、実測値、差分、確認結果など、相手が判断するために必要な情報を中心に整理することを教えます。ただし、元データは後から確認できるように保存しておく必要があります。


さらに、成果の整合性確認も重要です。測定データ、帳票、図面、写真、施工記録の内容が食い違っていると、検査時に説明が難しくなります。新人には、帳票を作成したら終わりではなく、元データや現場記録と照合することを教えます。測点名、測定日、施工範囲、設計値、出来形値が一致しているかを確認するだけでも、多くの単純ミスを防ぎやすくなります。


この成果整理の教育では、現場内の役割分担と安全確認もあわせて教える必要があります。TS出来形は施工中の現場で行う作業であり、測量機器や端末の操作に集中しすぎると、周囲の重機、作業員、通行動線、足元の状態への注意が薄くなることがあります。測定前には、誰が機器を扱い、誰が測点を確認し、誰が記録し、誰が周囲の安全を見るのかを決め、作業の抜け漏れを防ぐことが大切です。


安全確認では、測定位置が施工中の重機動線や資材搬入経路と重ならないかを確認します。出来形を確認したい場所が、必ずしも安全に立ち入れる場所とは限りません。新人には、測りたい場所にすぐ入るのではなく、周囲の作業状況を確認し、必要に応じて職長や作業責任者に声をかけることを教えます。測定作業は現場作業の一部であり、単独で勝手に進めてよいものではありません。


また、TS出来形では視通を確保するために、機器や測点の位置を調整することがあります。このとき、足場の悪い場所、法面の近く、段差のある場所、車両の通行がある場所では特に注意が必要です。新人には、安定した場所に機器を据えること、三脚や機器が通行の妨げにならないようにすること、測定者自身が無理な姿勢で作業しないことを教えます。安全が確保できない場合は、測定方法や作業時間を見直す判断も必要です。


教育の場では、検査前の想定質問を使って練習するのも有効です。たとえば、この測点を選んだ理由、基準点の確認方法、設計データの更新状況、測定値が管理上問題ないと判断した根拠、再測定が必要になった場合の対応などを質問し、新人に説明させます。最初はうまく答えられなくても、説明を繰り返すことで、測定時に何を記録しておくべきかが分かるようになります。


TS出来形の成果は、現場の信頼性を示す資料でもあります。整理が不十分な成果は、実際の施工が適切であっても相手に伝わりにくくなります。新人には、測定の正確さと同じくらい、成果の分かりやすさと安全な作業手順が重要であることを教えるべきです。測って終わりではなく、説明できる状態にして初めて現場管理として完了するという意識を育てることが、実務教育の大きなポイントになります。


まとめ

TS出来形の現場教育で新人に教えるべきことは、機器の操作手順だけではありません。TS出来形は、設計データ、基準点、測定、記録、成果整理、検査説明までがつながった実務です。新人が早い段階でこの全体像を理解できれば、単に数値を取る作業者ではなく、出来形管理を支える担当者として成長しやすくなります。


まず、TS出来形は測量作業ではなく出来形管理の一部であることを教える必要があります。何を測るのか、なぜ測るのか、測定結果を誰がどの場面で使うのかを理解させることで、作業の目的が明確になります。次に、基準点と座標の確認を習慣化させることが重要です。基準が誤っていれば、どれだけ丁寧に測定しても成果の信頼性は保ちにくくなります。


また、3次元設計データの見方と現場との対応を理解させることも欠かせません。設計データを機器に読み込むだけでなく、現場のどの位置や形状に対応しているのかを説明できるようにする必要があります。測定前後の記録については、あとから再確認できる状態を意識し、測定条件、測点名、使用データ、作業範囲を整理する習慣を身につけさせます。


測定値については、表示された数値をそのまま受け取るのではなく、周辺点、現地状況、設計データ、施工段階と照らし合わせて判断する視点が必要です。異常値が出たときには、施工不良と決めつけるのではなく、測点位置、基準点、機器設定、設計データを順に確認する姿勢を教えるべきです。そして、最終的には検査や説明に使える成果として整理する意識を育てます。測定して終わりではなく、相手に分かりやすく説明できる状態にすることが、TS出来形の実務では重要です。


さらに、現場内の役割分担と安全確認をセットで教えることも忘れてはいけません。TS出来形は施工中の現場で行う作業であり、重機や作業員、資材、通行動線と関わります。安全に作業できる環境を整え、関係者と声をかけ合いながら進めることで、測定品質も安定しやすくなります。


新人教育では、一度説明して終わりにするのではなく、実際の現場で繰り返し確認させることが大切です。最初はチェックリストを使い、次に経験者と一緒に測定し、その後に新人自身が測定結果を説明する機会を設けると、理解が深まりやすくなります。TS出来形の教育は、知識の伝達だけでなく、現場で判断できる力を育てる取り組みです。


TS出来形を現場に定着させるには、新人でも迷わず扱える作業手順と、確認しやすいデータ管理の仕組みが必要です。測定、記録、共有、説明までを現場で扱いやすく整えることができれば、教育にかかる負担も抑えやすくなります。現場ごとの基準類、発注者の指示、使用する測量機器やソフトの仕様を確認しながら、自社の教育手順として整理しておくことが有効です。


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