top of page

ドローン×LRTKで広範囲測量!土地家屋調査士のための最新点群活用術

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均4分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

はじめに

近年、ドローン(無人航空機)や高精度GNSS測位技術の発展により、測量の方法が大きく進化しています。土地家屋調査士をはじめ測量に携わる専門家にとって、これら最新技術を活用した広範囲の現地測量は、従来よりも迅速で精密、かつ安全・効率的に実施できるようになってきました。特に上空からの写真測量で得られる点群データ(多数の測点の集合体)と、RTK・LRTKといったセンチメートル級の位置補正技術を組み合わせることで、広大な土地の地形や構造物を短時間で正確に把握することが可能です。


本記事では、ドローン空撮による点群データ取得の特徴やメリット、高精度測位を実現するGNSSのRTK・LRTK技術の概要、そして土地家屋調査士の実務での具体的な活用例について解説します。さらに、点群データから作成できる成果物とその実務上の価値、最新技術導入による業務効率化や安全性向上の効果にも触れ、記事の最後にはLRTKを用いた簡易測量が広範囲測量や点群精度向上にどのように役立つかをご紹介します。最新の測量技術を把握し、日々の業務に活かすためのヒントとしてご覧ください。


ドローン空撮による点群データ取得とその特徴

ドローンを活用した写真測量では、上空から地形や建物を多数の画像として撮影し、それらを専用ソフトウェアで解析することで、高密度な3次元点群データを生成します。上空から面的にデータ収集できるため、人力では時間のかかる広範囲の現況把握も短時間で可能になります。例えば、山林や広大な造成予定地の測量では、ドローン空撮によって地形全体の点群を取得し、後から任意の地点の高さ・距離をデスク上で計測できます。これにより、従来は数日から数週間かかった大規模な現地測量が飛躍的に効率化されます。


ドローン写真測量で得られる点群データには、以下のような特徴とメリットがあります。


迅速なデータ取得: 上空から一度に広範囲を撮影できるため、大規模な土地でも短時間で現況データを取得可能です。人が立ち入れない密林や急斜面、災害現場であっても、遠隔操作によって安全に測量できます。従来は数日を要した測量作業が数時間〜半日程度で完了するケースもあり、プロジェクト全体の工期短縮に直結します。

高精度な測定: ドローンには高解像度カメラや測位装置が搭載されており、取得した画像から数cm程度の精度で各点の3次元座標を求めることが可能です。多数の写真を用いたSfM(Structure from Motion)解析により、地形を忠実に再現した詳細な3Dモデルや精密な正射(オルソ)画像を生成できます。従来の地上測量に匹敵する精度のデータを得られるため、信頼性の高い測量成果品として活用できます。

コスト効率の向上: 一度の飛行で広範囲をカバーできるため、測量のための人員配置や多数の測点(既知点)の設置作業を大幅に削減できます。特に広大な現場では、少人数で短期間に測量が完了することで人件費を含めたコスト削減効果が大きくなります。従来は手作業で数週間かかっていた土量計算や用地測量が、ドローンと解析ソフトの組み合わせで数日に短縮される例もあります。

安全性の向上: ドローン測量なら、崖や谷底、倒壊の恐れがある建物周辺など、人が直接立ち入ると危険なエリアも非接触でデータ収集できます。「測りたいが近づけない」場所の地形・構造物情報も漏れなく取得でき、現場作業の安全性が飛躍的に向上します。


こうしたドローンによる点群測量は、土地家屋調査士の業務においても大きな助けとなります。ただし、注意点としてドローンのバッテリー持続時間には限りがあるため、非常に広いエリアを撮影する際は複数回のフライトやバッテリー交換が必要になります。また、航空法などの規制により飛行可能な空域・時間の制約や、一定条件下では操縦ライセンスが必要となる場合もあります。それでも、適切な計画と技術をもって運用すれば、ドローン点群測量は従来手法を補完・代替し得る強力な手段となっています。


GNSS測位とRTK・LRTKによる高精度位置補正

ドローンや地上で取得した点群データを正確な位置座標に結び付けるには、GNSS測位(全球測位衛星システム)による高精度な位置情報が欠かせません。GNSSにはアメリカのGPSをはじめ、ロシアのGLONASSや日本の準天頂衛星システム「みちびき」など各国の衛星測位網が含まれます。通常の単独GNSS測位では、建物の反射や大気の影響により数メートル単位の誤差が生じます。スマートフォンやカーナビのGPSで現在地が5〜10m程度ずれるのはこのためですが、土地境界の特定や精密な測量ではこの精度では不十分です。


そこで利用されるのがRTK(Real Time Kinematic)と呼ばれるリアルタイム測位補正技術です。RTKは基準局と移動局の2台のGNSS受信機を使い、既知の座標に置いた基準局からの誤差情報を移動局に送り補正することで、瞬時に測位精度を飛躍的に高める仕組みです。具体的には、基準局が求めた誤差を無線やインターネット経由で共有し、移動局(ドローンや受信機)が自分の測位結果に補正を適用することで、位置の誤差を数センチ(水平2〜3cm、垂直数センチ程度)まで縮小できます。RTKでは衛星信号の搬送波位相という非常に短い波長の信号を利用し、電波の波長数(整数周期)を整合させることでセンチメートル級の精度を実現しています。


近年では、国土地理院の電子基準点ネットワークを利用した民間の補正情報配信サービスや、日本の「みちびき」によるセンチメータ級補強サービス(CLAS)など、ユーザー自身が基準局を設置しなくてもRTK補正情報を得られる環境が整ってきました。その一例がLRTKと呼ばれる最新の高精度測位ソリューションです。LRTK(エルアールティーケー)は、小型の高精度GNSS受信機と専用アプリ・サービスを組み合わせることで、スマートフォンだけでRTK測位を手軽に利用できるようにしたシステムです。LRTK対応の受信機はスマホに装着して使用し、Bluetoothやインターネット経由で補正データを受信してリアルタイムにスマホへ高精度な位置座標を提供します。さらに、日本の準天頂衛星から配信されるCLAS信号(サブメータ級〜センチ級の補正情報)にも対応しており、山間部など携帯通信が届かないエリアでも衛星から直接補正を受けることでセンチ精度を維持できるのが特長です。


RTK・LRTK技術の活用により、ドローンで取得した点群データやスマホで収集した測量データに正確な測地座標を紐付けることが可能となります。つまり、広範囲から得られる詳細な点群に、高精度な位置基準を与えることで、地図座標系に合致した測量成果を得られるのです。土地家屋調査士にとっても、これら位置補正技術は境界点の測定や図面作成の信頼性を飛躍的に高める強力なツールとなります。


土地家屋調査士の業務で活きるドローン点群活用例

ドローンによる点群測量とRTK・LRTKの高精度測位を組み合わせることで、土地家屋調査士が担当する様々な業務において大きな効果を発揮します。以下に、代表的な活用シーンを挙げてみます。


現況測量への活用

開発計画や土地利用検討の前提として行われる現況測量では、ドローン点群が威力を発揮します。広範囲の地形や既存構造物の状況を正確に把握できるため、従来は平面図や高さ測量に数日以上かかっていた現況調査を大幅に効率化できます。得られた3D点群から起こした現況図面には、地形の起伏や樹木・建造物の配置などが詳細に反映されるため、計画立案者や依頼者に対してより説得力のある資料を提供できます。また、点群データ自体を保存しておけば、後から追加の測定項目が出てきた場合もデスクワークで対処でき、再測量の手間を減らせる点でも有用です。


境界調査・境界確定の補助

土地の境界点の確認や境界確定業務にも、ドローン活用が補助的な役割を果たします。境界標の設置や隣接地所有者との立会いといった法的手続き自体は従来通り必要ですが、ドローンによる空撮画像や点群データを用いることで、境界付近の地形・工作物・植生状況を俯瞰的に把握できます。これにより、境界線と周辺物件との位置関係が一目で分かる詳細なオルソ画像を作成し、関係者間で境界位置の共通認識を得やすくなります。また、測量した境界点の座標を点群データ上に重ね合わせることで、境界線の直線性や隣地との高低差などを立体的に検証でき、境界確定図の作成精度向上に繋がります。難アクセスな境界杭周辺も空から把握できるため、調査士自身の現地確認作業の負担軽減にも寄与します。


造成設計前の資料作成への活用

宅地造成や開発行為の設計に先立って、現地の詳細な地形データを用意しておくことは極めて重要です。土地家屋調査士が提供する現況データとして、ドローンで取得した高精細な点群やオルソ画像を用いれば、設計者や土木技術者はオフィスにいながら現場の三次元モデルを確認できます。たとえば造成計画では、元の地形をどの程度切土・盛土するかの判断に点群から生成した等高線図や縦断面図が役立ちます。従来は測量図と現地踏査によって把握していた起伏や排水経路も、点群データであれば見逃しなくモデル化されているため、設計段階での検討精度が増します。こうした詳細資料を事前に共有しておくことで、造成設計の手戻り防止や施工計画の最適化にも寄与します。


点群データから生成できる成果物と実務価値

ドローン空撮やモバイル測量で取得した点群データは、そのまま三次元座標の集合として価値が高いだけでなく、加工・解析することで様々な成果物を生み出せます。土地家屋調査士の業務や関連分野で役立つ代表的な成果物には次のようなものがあります。


オルソ画像(正射画像): ドローンで撮影した多数の写真を合成し、幾何補正を行った真上からの見取り図(写真地図)です。オルソ画像はすべての点が地図上の正確な座標位置に対応しており、距離や面積の計測も可能です。境界線や測量図と重ね合わせて用いることで、現地の状況把握や説明資料として非常に有用です。

DSM・DTM(数値標高モデル): 点群から地表面や地物の高さを抽出して作成する標高データです。DSM(Digital Surface Model)は建物や樹木を含む地表面の起伏を表し、DTM(Digital Terrain Model)はそれらを除去して地形面のみにしたモデルです。これにより土地の高低差や勾配、水はけの状態などを把握できます。土量計算や造成計画、洪水シミュレーションなどにも活用されます。

横断面・縦断面図: 点群データ上に任意の線を引くことで、その線に沿った断面形状を描くことができます。道路や河川、造成予定地などで地形の断面図を作成すれば、盛土・切土の検討、擁壁の設計、周囲の土地との高さ関係の確認などに役立ちます。複数時点の点群があれば、施工前後の地形変化を断面で比較し、出来形の検査にも利用できます。

3Dモデル(三次元モデル): 点群をもとにポリゴンメッシュ化してテクスチャ(写真)を貼り付けたリアルな三次元モデルを生成することも可能です。建物や構造物のモデリングを行えば、登記申請用の図面作成や文化財記録、景観シミュレーションなど多様な用途に供せます。近年はBIM/CIMの流れもあり、設計・施工プロセスで三次元データを活用するニーズが高まっています。


これらの成果物は、従来の2次元図面では得られなかった視覚的な分かりやすさや詳細な情報を提供します。土地家屋調査士の業務でも、例えば境界説明の場でオルソ画像を提示したり、開発許可申請の添付資料に等高線図や断面図を活用するなど、点群由来の成果物が付加価値を生む場面が増えています。


最新技術による測量業務の効率化と安全性の向上

ドローン×点群データ活用とRTK・LRTK高精度測位の組み合わせは、土地家屋調査士の実務において効率化安全性向上の両面で大きなメリットをもたらします。


まず効率化の点では、現地作業時間の短縮と事務所内作業へのシフトが挙げられます。広範囲の測量を短時間で終えられるため、調査士自身の移動や測点設置に費やす労力が軽減されます。得られた点群をソフト上で解析することで、必要な測定項目(距離・面積・高低差など)を後から自在に算出できるため、現地での「取り忘れ」を心配して長時間粘る必要もありません。デジタルデータとして全て記録されているため、追加の依頼や設計変更が生じた際も、改めて現地に赴くことなくデータ再解析で対応できるケースが多くなります。また、点群やオルソ画像は関係者とオンラインで共有・検討しやすく、打合せの効率化やリモートワークによる業務継続にも寄与します。


安全性の向上については、前述の通り危険地帯への立ち入り削減が最大のポイントです。高所や軟弱地盤、災害後の被災地など、人に危害がおよぶリスクのある現場でも、ドローンと高精度測位の組み合わせにより離れた場所から安全にデータ収集ができます。作業員の負担軽減だけでなく、事故や怪我のリスクを低減できることは、企業の安全管理上も大きな利点です。また、データ計測の自動化・デジタル化が進むことで、人為ミスの減少や品質の均一化も期待できます。例えば、同じ地点を複数人が測って微妙に結果が異なるといった誤差も、点群データ上での計測なら誰が実施しても同一結果が得られます。これにより測量成果の再現性・信頼性が向上し、検査や納品時の品質担保が容易になります。


おわりに:LRTKが切り拓く広範囲点群測量の新時代

ドローンを用いた広範囲の点群測量と、高精度GNSSによる位置補正技術は、土地家屋調査士の業務に新たな可能性をもたらしています。中でも、スマートフォンと小型デバイスでセンチ精度測位を実現するLRTKの登場は、「手軽さ」と「精度向上」を両立する画期的なソリューションと言えます。LRTKを活用すれば、これまで高価な専用機器や熟練の技術が必要だったRTK測量をより身近な形で導入でき、広範囲にわたるドローン測量の精度管理や地籍調査の簡易化に大きく貢献します。


例えば、ドローンで取得した点群の位置合わせ(ジオリファレンス)も、LRTKで計測した数点の既知点を基準にすることで、高い精度で座標補正が行えます。また、広大な現場であってもLRTKなら携帯電波の届かない地域で衛星補強信号を受けつつ測位できるため、どこでも安定したセンチメートル級精度での測量が可能となります。その結果、山間部の境界測量やインフラ点検など、従来は測位環境の制約が大きかった業務領域においても、効率的かつ高精度なデータ収集が実現します。


今後、ドローン×LRTKをはじめとするICT測量技術はますます発展し、土地家屋調査士の役割を支えていくでしょう。最新の点群活用術を積極的に取り入れることで、業務効率やサービス品質の向上だけでなく、新たな案件への対応力や差別化にもつながります。伝統的な測量技術と最新テクノロジーを融合させ、これからの測量業務においてさらなる価値を創出していきましょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page