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公共測量対応の新基準:高精度GNSSで一人測量を実現

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

公共測量の新基準とは

従来の測量作業と人手の課題

GNSS測量技術の発展と利点

公共測量における高精度GNSSの導入

高精度GNSSによる一人測量が可能な理由

一人測量がもたらすメリット

一人測量が活躍する主なシーン

今後の展望:スマート測量への移行

LRTKによる簡易測量

FAQ


公共測量の新基準とは

近年、測量の世界で大きなパラダイムシフトが起きつつあります。公共事業に欠かせない公共測量の現場において、最新技術の導入による新しい基準が生まれようとしているのです。それが、高精度GNSS(全球測位衛星システム)を活用した一人でできる測量の実現です。 従来、公共測量といえば複数人のチームで行う作業が常識でした。また、少子高齢化による測量人材の減少や働き方改革の流れもあり、従来の大人数体制を見直す動きが出始めています。しかし、高精度なGNSS測位技術の普及により、測量士一人でも正確な測量作業を完結できる可能性が広がっています。国土地理院も令和7年(2025年)からGNSSを用いた新たな測量手法を公共測量に正式導入し、効率化と生産性向上を図る新基準を打ち出しました。本記事では、この公共測量対応の新基準について、従来の測量手法との比較や高精度GNSS技術の概要、そして一人測量がもたらすメリットを詳しく解説します。最後に、最新ツールであるLRTKを例に、誰でも簡単に実践できる一人測量の姿をご紹介します。


従来の測量作業と人手の課題

まず、従来の測量方法について振り返ってみましょう。長年、測量現場では複数人のチーム体制で作業を行うのが当たり前でした。たとえば、土地の境界や基準点を計測する場合、1人がトータルステーション(光波測距儀)などの測量機器を操作し、もう1人がプリズムを取り付けた標尺を持って観測点に立つという二人一組の作業が基本です。高低差を測る水準測量(レベル測量)においても、測量技師と標尺を持つ補助者がペアになり作業します。 このように、従来の測量では最低2名以上の人手が必要であり、人員の確保が課題となっていました。特に広い現場や険しい地形での測量では、人手不足による作業の遅れや負担増大が問題になることもありました。また、複数人での作業はコミュニケーションを取りながら進める必要があり、意思伝達の手間やヒューマンエラーのリスクも伴います。こうした課題を解決する手段として期待されているのが、最新のGNSS技術による一人測量なのです。


GNSS測量技術の発展と利点

人工衛星を利用した測位技術(GNSS: Global Navigation Satellite System)の登場は、測量の手法に革命をもたらしました。これまで測量機器とターゲットとの間で直線的に距離や角度を測っていたのに対し、現在ではGPSだけでなくロシアのGLONASSや欧州のGalileo、中国のBeiDouといった複数の衛星測位システムを同時に利用でき、衛星数が増えることで測位の安定性も向上しています。GNSS測量では上空の複数衛星からの電波信号を捉えて位置を割り出します。GPSに代表される衛星測位は、見通しの確保が難しい山間部や広範囲の測量にも有効で、短時間で多数の点を測ることが可能になりました。 特に、高精度GNSS測量ではRTK(Real Time Kinematic)と呼ばれる手法により、観測即時にセンチメートル単位の精度で位置を決定できます。RTKでは、既知の座標を持つ基地局(ベース局)と移動局(ローバー)との間でリアルタイムに補正情報を通信し合うことで、衛星測位の誤差を打ち消し高精度化しています。近年は、国土地理院の電子基準点網(全国約1,300か所のGNSS基準局から成るGEONET)や民間の基準局ネットワークを活用し、インターネット経由で補正データを取得するネットワーク型RTKも普及しています。これにより、現場に単体のGNSS受信機を持ち込むだけで高精度な測位が可能となりました。 また、日本の準天頂衛星みちびきが提供するセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)を利用すれば、周辺に基地局がなくても衛星から直接補正情報を受け取ってセンチ精度を得ることもできます。このようにGNSS技術は年々進歩しており、測位精度の向上と利用環境の拡大が続いています。従来の測量機器に比べ、GNSS測量は機動性が高く、広範囲を効率よく測れるという大きな利点を持っています。


公共測量における高精度GNSSの導入

高精度GNSSの利便性と精度は、公共測量の分野にも変革をもたらしつつあります。最新の技術動向として、国土地理院は公共測量でのGNSS活用に向けた基準整備を進めています。令和7年(2025年)4月には、GNSSを用いた水準測量(GNSS標高測量)が公共測量に正式導入されました。これは、新しいジオイド・モデル「ジオイド2024」と電子基準点データを組み合わせて水準点の標高を算出する手法で、従来の水準測量(3級水準測量)で課されていた一部の制限が緩和される内容になっています。 この新基準により、離れた地点間でも地殻変動の影響を受けにくい安定した高さ基準を効率よく求められるようになりました。例えば、離れた地点同士の高低差を求めるには、従来は多数の中継点を経由して水準測量を行う必要がありましたが、GNSS標高測量なら短時間で両地点を結ぶことができます。従来は長大な水準測量で蓄積していた誤差の問題も、GNSSによる直接測位と高精度なジオイドモデルの導入で解消されると期待されています。さらに、水平位置の公共測量でもGNSSは活用が広がっています。電子基準点を既知点(基準)とすることで、短時間の観測で公共座標系に合致した座標値を取得可能です。たとえば、現場でネットワーク型RTKを使えば、基準点測量(3級基準点など)も迅速に実施でき、従来のトラバース測量より省力化が図れます。 このように、高精度GNSSを取り入れた測量手法が公式に認められたことで、公共測量の現場でも一人で効率的に測量を行う素地が整いつつあります。新しい基準に対応した機器と技術を活用すれば、少人数でも公共事業に必要な測量成果を十分に得られる時代が到来しているのです。


高精度GNSSによる一人測量が可能な理由

それでは、なぜ高精度GNSSを導入することで「一人でできる測量」が実現するのでしょうか。主な理由を整理してみます。


測量補助員が不要になる: GNSS測量では、自身の現在位置を衛星電波によって直接測定できます。従来のようにもう一人がターゲット(プリズムや標尺)を持って測点に立つ必要がなく、補助員なしでも測点の観測が可能です。

リアルタイムで正確な座標が得られる: RTK-GNSSにより、その場で即座に高精度の測位結果を取得できます。観測結果を逐次確認しながら進められるため、一人でも計測ミスにすぐ気付き修正できます。複数人で逐一確認し合う手間を減らせます。

機動力が高く広範囲をカバー: 一人が受信機を携行して移動するだけで、広い測量範囲をカバーできます。測点間を移動する際に機器の据え直しや人員の移動調整を行う必要がなく、連続して効率的に観測できます。

データが自動記録・共有される: GNSS受信機やコントローラー端末(タブレット等)は観測データを電子的に記録します。手書きの野帳に数値を書き写す必要がないため、記録係も不要です。クラウド対応のシステムを使えば、一人で取得したデータを即座に事務所と共有することもできます。


一人測量がもたらすメリット

高精度GNSSの導入によって実現する一人測量には、現場運用や事業全体の面で様々なメリットがあります。その主要な点を挙げてみましょう。


省人化による効率向上: 測量を少人数で行えるため、人員手配にかかる時間や労力が削減されます。一人で複数の役割をこなせるため、現場の作業効率が飛躍的に向上します。

コスト削減: 人件費や出張費など、測量に関わるコストを削減できます。従来は2人以上必要だった現場に1人で赴けるため、日当や機材輸送費などの負担も軽減します。

迅速なデータ取得と意思決定: GNSSなら短時間で必要な測量データを取得できるため、測量成果のとりまとめや設計への反映がスピーディになります。これにより、工期短縮や迅速な意思決定が可能です。

小規模案件への柔軟な対応: 一人で気軽に測量に行けるため、測点の追加測定や突発的な現地調査にもすぐ対応できます。規模の小さい工事や補足調査でも、従来より気軽に正確な測量が実施できます。

デジタルデータの即時活用: GNSS測量では観測した座標データがその場で電子記録されます。紙の野帳を後でデジタル化する手間がなく、取得した数値データを即座にCAD図面やGISに取り込めます。現場とオフィス間でデータ共有もしやすく、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも寄与します。

作業負担と安全性の向上: 持ち運ぶ機材が軽量簡便になり、重い三脚や測量機を担いで歩き回る負担が減ります。危険な現場で長時間作業する必要も抑えられるため、作業員の安全面にもメリットがあります。

ヒューマンエラーの低減: GNSS機器が自動で数値を記録するため、手書きの写し間違いや読み取りミスなど人的な誤りを大幅に減らせます。観測結果のばらつきが減り、測量成果の品質安定にも寄与します。


一人測量が活躍する主なシーン

高精度GNSSによる一人測量は、さまざまな測量業務で威力を発揮します。いくつかの代表的なシーンを挙げてみます。


基準点測量・水準測量: 道路や土地造成に必要な基準点や水準点の測量では、GNSSにより効率的に座標や標高を求められます。一人で観測できるため、広範囲に点を設置する作業もスピーディです。

地形測量・出来形管理: 工事現場の地形測量や出来形(施工後の形状)測定では、GNSSローバーを持って歩くだけで多数の地形点を取得できます。従来は複数人で行っていた出来形確認も、一人で必要な箇所を迅速に測定可能です。

災害調査・施設管理: 災害後の被害状況の測定や、インフラ施設の定期点検測量など、緊急性が高く機動力が求められる場面でも一人測量が有効です。現場に急行して即座に測量を開始し、データをリアルタイムで共有できるため、初動対応や維持管理に役立ちます。


今後の展望:スマート測量への移行

一人測量を可能にする高精度GNSS技術は、今後さらに進化し普及していくでしょう。建設業界全体で進むICT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)、国土交通省のi-Construction推進といった流れの中で、測量作業もよりスマートな形へ移行しつつあります。たとえば、ドローン空撮による写真測量やモバイルLiDAR(レーザースキャナー)による点群測量とGNSSを組み合わせれば、一人でも広範囲の詳細な三次元測量を行うことが可能です。すでに現場では、GNSS受信機とタブレット端末を携えて単独で地形測量を行ったり、重機にGNSSを搭載してオペレータ一人で施工と出来形測量を並行して進めたりする事例も増えています。 こうした技術革新に対応するためには、測量従事者も新しい機器やソフトウェアの習熟が求められますが、操作が簡便な製品が増えているため心配はいりません。むしろ、直感的に使えるスマートフォンアプリやクラウドサービスと連動した測量機器が登場したことで、若手だけでなくベテラン技術者にとっても扱いやすい環境が整いつつあります。今後は一人一台の測量機が当たり前になり、必要なときに誰もが測量データを取得できる時代が訪れると期待されます。


LRTKによる簡易測量

こうした新時代の一人測量を支えるツールの一つが、LRTKです。LRTKはスマートフォンと超小型の高精度GNSS受信機を組み合わせた画期的な測量システムで、専門の測量機がなくてもセンチメートル級の位置測定が可能になります。スマホに装着する薄型デバイスと専用アプリによって、測位から記録、さらには点群計測やARによる位置確認までオールインワンで実現します。 例えば、LRTKを用いればポケットに入る機材一つで現地に赴き、測りたいポイントにスマホをかざしてボタンを押すだけで、その地点の緯度・経度・高さを高精度に記録できます。取得したデータは即座にクラウドに保存・共有でき、オフィスに戻ってからUSBでデータを吸い上げるといった手間もありません。必要に応じて、写真撮影やメモの記録、さらにはAR技術を使った設計図との照合(出来形の確認や墨出し)も一台でこなせます。 このようにLRTKは、測量の専門知識がない人でも直感的に使える万能測量ツールとして設計されています。しかも機材コストは従来の測量機器に比べ非常に低く抑えられており、一人一台導入しても負担にならない価格帯です。高精度GNSSによる一人測量を現場に取り入れるなら、LRTKは有力な選択肢となるでしょう。公共測量レベルの精度にも対応可能なため、基準点測量や出来形管理など幅広い用途で活用できます。最先端のツールを活用して、測量作業のスマート化と効率化をぜひ実現してみてください。 測量分野は今、技術革新によって大きな転換期を迎えています。新たな基準のもと、高精度GNSSを活用したスマート測量を導入することで、一人でも高度な測量をこなせる時代が現実のものとなりました。ぜひ皆さんも最新技術を積極的に取り入れ、測量業務の生産性と安全性向上を実現してみてください。


FAQ

Q: 一人で測量することは法的に問題ないのでしょうか? A: 測量法上、作業自体を一人で行っても問題ありません。ただし、公共測量の成果を作成する場合は、定められた手順や精度管理基準に従う必要があります。GNSS測量であっても、観測方法(例えば一定時間の観測や複数回の再測など)や精度検証を適切に行い、基準を満たすことが求められます。状況によっては、安全管理の観点から補助者を配置した方が良い場合もあります。


Q: GNSS測量は天候や環境の影響を受けますか? A: 衛星測位は基本的に天候の影響を受けにくく、雨天や曇りでも問題なく測定できます。ただし、森林や高層ビル街など周囲を遮蔽物に囲まれた環境では衛星信号が受信しづらく、精度が低下することがあります。また、台風や強い太陽フレア(磁気嵐)の発生時には、一時的に測位が不安定になる可能性があります。


Q: 高精度GNSS測位にはどんな準備や機材が必要ですか? A: 基本となるのはRTKに対応したGNSS受信機と、その基地局情報を取得する通信環境です。移動局しか用意できない場合でも、ネットワーク型RTKを利用すれば、携帯通信を通じて国や民間の基準局データを受信できます。事前に観測地域の座標系(平面直角座標系の地域番号など)やジオイドモデルを設定しておくことで、得られた測位結果を公共測量の座標系に合わせることが可能です。また、予備電源の準備や、山間部では通信圏内の確保なども留意点となります。


Q: GNSS測量とトータルステーション測量はどちらを使うべきですか? A: 現場の状況によって使い分けるのがベストです。GNSS測量は視界の開けた場所で広範囲を効率よく測れる利点がありますが、森林の中やトンネル内、屋内など衛星信号が届かない環境では使用できません。一方、トータルステーション(TS)は視通さえ確保できれば、高精度で安定した測定が可能です。そのため、通常はGNSSで広域の基準点測量や出来形確認を行い、細部や難所はTSやレベルで補完するといった併用が行われています。両方の長所を活かすことで、効率と精度を両立できます。


Q: LRTKとは何ですか? A: LRTKはスマートフォンを用いた新しい測量システムで、ポケットに収まる小型のGNSS受信機と専用アプリから構成されています。スマホに取り付けた受信機が衛星からの信号を捉え、リアルタイムに高精度の測位を行います。得られたデータはスマホ上で管理でき、クラウドにアップロードして共有したり、写真に測位情報を載せて記録したりと多彩な機能を備えています。専門的なトレーニングなしでも扱いやすく、一人測量を支援する心強いツールです。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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