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初心者向けに「測量とは何か?初心者にもわかる基礎知識と最新技術」

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万能の測量機LRTKの説明

工事現場や道路脇で、三脚に据え付けた機械をのぞき込んでいる作業員を見かけたことはありませんか?実はあれこそが測量と呼ばれる作業で、土地の高さや距離を測定しているのです。しかし「測量」と聞いても具体的に何をするのかピンと来ない方も多いでしょう。本記事では、初心者の方向けに測量の基本知識と最新技術についてわかりやすく解説します。測量とは一言で言えば、土地や地形の形状・大きさ・高さ・位置関係などを詳しく調べて記録・図化する作業のことです。こうして作成された測量図やデータは、道路や建物の設計・施工、土地の境界確定など様々な場面で活用されます。言い換えれば、測量は私たちの暮らしを支える基盤として欠かせない重要な技術なのです。


測量の歴史と目的

測量の歴史は非常に古く、古代エジプトの時代からすでに行われていました。たとえばナイル川の氾濫後に失われた土地の境界線を引き直すため、縄を使って距離を測る専門技術者「縄張師」が活躍していた記録もあります。アジアの各地(中国や中東など)でも古代から測量術が発達していたことが知られています。日本において本格的な測量が始まったのは江戸時代後期の1800年頃で、伊能忠敬(いのうただたか)という人物が全国を歩いて測量し、日本全図を作成したのが有名です。伊能図は現代の測量技術と比べても驚くほど高精度で、彼の業績は現在でも語り継がれています。その後、明治時代以降に近代的な測量機器や手法が導入され、国土の地図作成やインフラ整備のための測量が本格化していきました。


では測量の目的は何でしょうか?測量の第一の目的は、正確な地図や図面を作成することです。国土の地形図や都市計画図、道路網や河川図など、社会基盤を築く上で地図は欠かせません。また測量は、土木建設や建築の計画・施工にも不可欠です。例えば道路や鉄道のルート選定、ダム・橋梁の建設位置の決定、土地造成や宅地開発の設計には、事前に詳細な測量データが必要となります。さらに、土地の権利や行政手続きの面でも境界の確定や地籍調査に測量が用いられます。つまり測量は、地図作成から建設工事、土地の法律的な区画に至るまで、社会の様々な場面で土台を支える役割を担っているのです。


測量の基本種類と手法

それでは、実際に測量では何をどのように測るのでしょうか?測量で測定する主な対象は、「距離」「角度」「高さ(高低差)」そして「位置(座標)」です。これらを組み合わせて、地球上の目標点の正確な位置を割り出します。ここでは測量の基本的な手法を順番に見ていきましょう。


距離測量(距離を測る)

2点間の距離を正確に測定するのは、測量の基本中の基本です。古くは鎖縄や巻尺(メジャー)といった道具を使い、人力で距離を測っていました。現在では電子技術の発展により、ボタン一つで距離が測れる光学測距機器が主流です。代表的なのがトータルステーション(TS)と呼ばれる機械で、これは目標地点に設置したプリズムに向かって光やレーザーを照射し、その反射光が戻るまでの時間から距離を割り出す仕組みです。例えば、トータルステーションから発射した光がプリズムで反射されて戻ってくるまでの時間を計測し、それに機械が測った角度の情報を加味することで、離れた測点の正確な位置を計算できます。巻尺での測定に比べ格段に速く精度も高いため、現在の測量では欠かせない存在です。


角度測量(角度を測る)

角度の測定も測量の重要な要素です。水平角(方位)や鉛直角(高さの傾斜)を測ることで、地形上の相対的な方向関係を把握できます。古典的な角度測定には経緯儀(けいいぎ)と呼ばれる望遠鏡付きの角度計が使われてきました。経緯儀やトランシットでは、地面に据え付けた本体を回転させて目標方向に照準し、水平目盛盤・垂直目盛盤で角度を読み取ります。現在では先述のトータルステーションに角度計測機能が内蔵されており、距離と角度を同時に測れるようになっています。角度と距離の両方のデータが得られれば、三角法によって離れた地点の座標を割り出すことができます。


高低測量(高さを測る)

地表面の高さ、つまり標高や高低差を測る手法を特に水準測量といいます。各地点の高さの差を正確に測定し、基準面からの標高を決定するための測量手法です。水準測量では、レベルと呼ばれる専用の光学機器(水平に据え付けた望遠鏡)と標尺(メモリの付いたスタッフ)を用います。やり方はシンプルで、レベルを三脚の上に水平に設置し、測りたい地点に立てた標尺の目盛りを望遠鏡越しに読み取ります。基準点に対する目盛りの差から高さの差を計算し、一連の測定によって目的の点の標高が求められます。水準測量はミリメートル単位の精度で高さを測定できる方法であり、道路の縦断勾配の設計や建物の基礎の高さ決めなど、高低差が重要となる場面で広く活用されています。熟練を要する地道な作業ですが、その精度の高さから現在でも基盤的な測量手法として用いられています。


GNSS測量(人工衛星を使った測量)

近年最も普及しているのが、GPSに代表される人工衛星を利用したGNSS測量です。GNSS(Global Navigation Satellite System)とはGPSを含む全ての全地球衛星測位システムの総称で、複数の人工衛星から発信される電波信号を受信し、それらの距離差から自分の位置(経度・緯度・高さ)を割り出す測位技術です。専用のGNSS受信機を用いることで、地球上の任意の地点の絶対座標を直接測定できるため、地形図作成から工事現場の測量まで幅広く利用されています。従来の光学測量と異なり、離れた2点間で視通し(直線的な見通し)がなくても測位できるのが大きな利点です。


GNSS測量の精度は観測時間や受信環境に左右されますが、一般にハンディGPSでは数メートルの誤差、測量用GNSS機器を使った静的測量(長時間観測)ではミリ単位まで高められます。また、衛星測位の精度を飛躍的に向上させる手法としてRTK測量(Real Time Kinematic)があります。RTK測量では、あらかじめ正確な位置がわかっている基準局から誤差補正情報を送り、それを移動局で受信してリアルタイムに位置を補正します。これによりセンチメートル級の精度を実現でき、まさにリアルタイムで高精度な測位が可能となるのです。近年はインターネット経由で基準局データを配信するネットワーク型RTKや、国が整備した電子基準点網を利用する手法も普及し、GNSS測量はますます手軽で高精度なものになっています。こうした衛星測位技術の発展により、広範囲の地形測量や離島・山岳地の測量など、人力では困難だった測量も効率的に行えるようになりました。


最新の測量技術動向

ここまで、伝統的な測量手法について説明しましたが、近年はデジタル技術の進歩によって測量の現場も大きく様変わりしつつあります。上記のGNSS利用に加え、写真測量(フォトグラメトリ)や3Dレーザー測量といった最新技術が実用化されています。例えばドローン(UAV)にカメラを搭載して空中から地表を撮影し、画像解析によって正確な地形図や三次元モデルを作成する技術は、広い範囲の測量を短時間で行える手法として注目されています。また地上設置型の3Dレーザースキャナーを使えば、建造物や地形をレーザー光で面的にスキャンして高密度な点群データ(三次元座標点の集合)を取得できます。これにより複雑な構造物の形状や出来形(施工後の形状)をミリ単位で計測することも可能になっています。


さらに、近年の人手不足や技術者高齢化の中で測量作業の効率化・省人化も大きな課題となっています。国土交通省はi-Constructionと呼ばれる建設DX(デジタルトランスフォーメーション)推進施策の一環で、ICT(情報通信技術)を活用した測量・施工の高度化を奨励しています。具体的には、先述したドローンや3Dスキャナーの導入、リアルタイムで測量データを共有して現場とオフィスを連携させる仕組み作りなどが進められています。そのような中、スマートフォンを活用した新しい測量技術も登場しています。後述する LRTK は、スマホを測量機器に変身させてしまう画期的なソリューションとして、近年大きな注目を集めています。


最新技術LRTKによるスマホ測量

 *スマートフォンに装着するLRTK Phoneデバイスの外観。アンテナとバッテリーを内蔵した小型端末で、スマホに取り付けるだけでセンチメートル級の測位が可能になる。* LRTK(エルアールティーケー)とは、スマートフォンに後付けすることで高精度GNSS測位(RTK測量)を可能にする革新的なデバイス、およびそれを中心とした測量ソリューションの名称です。レフィクシア株式会社が開発した製品で、スマホに装着する小型のGNSS受信機「LRTK Phone」や専用アプリ、クラウドサービスから構成されています。通常、スマホ内蔵のGPSでは誤差数メートル~十数メートル程度の精度しか得られませんが、LRTK Phoneを利用すれば数センチメートルの測位精度を実現できます。難しい設定は不要で、スマホにデバイスを接続し専用アプリを起動するだけで、自動的にRTK方式による高精度測位が開始されます。まさにスマートフォンが“一台完結の測量機”へと変身するわけです。


ではLRTKには具体的にどのような特徴やメリットがあるのでしょうか。その主なポイントを挙げてみます。


安価で手軽に導入: 専門の測量機器に比べ初期費用が抑えられており、デバイスをスマホに取り付けるだけで使える手軽さがあります。高額な機材や熟練の技術者を必要とせず誰でもセンチメートル級測位を実現できることから注目を集めています。

コンパクトで携帯性抜群: 重さ約165g・厚さ1cmほどのスマホサイズの端末で、ポケットにも収まる小型軽量設計です。現場へ気軽に持ち運べ、狭い場所や高所での測量も負担になりません。

リアルタイム高精度測位: GNSSによる測位精度を飛躍的に高めるRTK方式に対応し、誤差数センチの高精度な位置座標を即時に取得できます。さらに日本の準天頂衛星システム「みちびき」が提供するセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)信号を受信できるため、山間部など通信圏外でネット経由のRTK補正情報が得られない現場でも、高精度測位を継続できるのが大きな強みです。

一人で効率的に測量可能: 従来は2人1組で行うことが多かった測量作業も、LRTKならスマホを持った1人で次々と測点を巡って計測可能です。光学式機器のように相手と視通を確保する必要もないため、測量にかかる人手と時間を大幅に削減できます。

自動データ記録とクラウド共有: 測位と同時に得られる位置座標データや写真はリアルタイムでクラウドに同期・保存されます。手書きで記録した数値を後で入力し直す必要がなく、データの転記ミスも防げます。クラウド上で現場とオフィスのスタッフが常に最新の測量成果を共有できるため、離れた場所からの進捗確認や指示出しも容易です。

3次元点群の高速取得: スマホのカメラやLiDAR機能と連携し、現場を歩き回りながら高精度な3D点群データをその場で作成できます。従来は専門業者に委託したり高価な機器・ソフトが必要だった3D測量も、LRTKならば誰でも簡単に実施可能です。取得した点群からは面積・体積計算も即座に行えるため、例えば盛土や掘削の土量を現地で瞬時に算出するといったこともできます。

AR機能による活用: LRTKで取得した絶対座標付きの3Dモデルや設計データをスマホ上でAR表示することも可能です。これにより、現場で完成イメージを直感的に共有したり、地下に埋まった配管の位置を可視化して次回の掘削工事で損傷を防ぐ、といった活用が誰にでもできるようになります。歩き回ってもデジタル情報が実物とずれない高精度ARは、施工管理や安全確認の心強いツールとなるでしょう。


以上のように、LRTKはハード・ソフト両面から測量作業の効率と精度を飛躍的に高める最新技術です。実際に建設現場でLRTKを導入した例では、測量にかかる手間と時間が大幅に短縮されたことが報告されています。また、測点データの即時クラウド共有によって現場とオフィス間の情報伝達ロスが無くなり、リアルタイムな施工管理・遠隔支援が実現したとの声もあります。人手不足が深刻な昨今、経験の浅い作業員でも扱えるLRTKは、測量の省力化のみならず技術者育成や安全性向上の面でも大いに期待されています。今後は土木・建設業界のみならず、農業や環境調査、防災分野など様々なシーンでこのスマホ測量技術が活用されていくでしょう。


まとめ:LRTKで始めるやさしい測量

ここまで、「測量」とは何か、その歴史や基本手法、そして最新技術LRTKについて解説しました。かつて測量は熟練のプロだけの世界でしたが、技術の進歩によって今や誰にでも手が届く身近なものになりつつあります。特にLRTKの登場は、スマホひとつで正確な測量ができる時代の到来を告げています。実際にLRTKを使った測量手順はとても簡単です。専用デバイスをスマートフォンに装着しアプリを起動、測りたい地点で画面をタップしてデータを記録する——たったこれだけで、高精度な座標や距離・面積情報が自動的にクラウドに保存されます。難しい計算や煩雑な作業はすべてシステムが引き受けてくれるため、初心者の方でも安心して測量に取り組むことができます。測量というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、最新技術を活用すればここまで手軽で楽しいものになるのです。


最後に、測量は私たちの社会を陰で支える重要な仕事であり続けています。正確な測量データなくして、安全で質の高いインフラ整備やまちづくりは実現しません。そして今、その測量の世界に技術革新の波が起きています。この記事を読んで測量に興味を持たれた方は、ぜひ一度LRTKを使った簡単測量を体験してみてください。スマートフォン片手に、自分の足で土地を測り、地図を作り上げる——そんなワクワクする体験が、最新技術によってすぐ身近なものになっています。測量の基本を学びLRTKの力を借りれば、あなたも今日から測量士の仲間入りです。ぜひ最新技術とともに、未来の測量の世界へ踏み出してみましょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

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