目次
‐ スタティック法とは何か ‐ スタティック法が向いている場面 ‐ 手順1 目的と必要精度を決める ‐ 手順2 基準点と観測点を選ぶ ‐ 手順3 機材設定と観測条件をそろえる ‐ 手順4 アンテナ設置とアンテナ高の管理を徹底する ‐ 手順5 必要時間の連続観測を行う ‐ 手順6 観測データを整理して基線解析する ‐ 手順7 網平均と成果確認で整合性を取る ‐ 基線解析で失敗しない ポイント ‐ スタティック法とほかのGNSS測位方法の違い ‐ スタティック法でよくある疑問 ‐ まとめ
スタティック法とは何か
スタティック法とは、複数のGNSS受信機を既知点や未知点に固定して、一定時間連続して観測し、その観測データを後処理して座標を求める方法です。観測中に受信機を移動させないことが前提になるため、静止した状態での測量という意味でスタティック法と呼ばれます。
この方法の中心にあるのが基線解析です。基線とは、二つの観測点を結ぶベクトルのことで、GNSSの観測データから点と点の相対的な位置関係を高精度に求めます。単独で緯度経度を読むのではなく、複数点の観測を比較しながら誤差を打ち消していくため、安定した精度を得やすいのが特長です。
スタティック法がよく使われるのは、基準点の設置、基準点の補強、地籍や境界に関わる測量、施工の基準となる点の整備な どです。観測後に解析するので、その場で結果を急ぐ用途よりも、成果の信頼性を重視する用途に向いています。
初心者がまず理解しておきたいのは、スタティック法は単に長く観測すればよい方法ではないということです。観測時間は大切ですが、それと同じくらい、基準点の選び方、空が開けた環境の確保、アンテナ高の管理、同時観測の成立、基線網の組み方が重要です。実務では、観測より前の準備が精度を左右するといっても過言ではありません。
スタティック法が向いている場面
スタティック法が向いているのは、まず精度と再現性が求められる場面です。たとえば、今後の測量や施工の基準になる点を決めるとき、単回のリアルタイム観測だけでは不安が残ることがあります。そのような場合、一定時間の観測データを残し、あとから基線解析や点検を行えるスタティック法は非常に相性がよいです。

