top of page

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分45秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

太陽光発電所で土量計算が重要になる理由

土量計算にドローン測量を使う前に押さえる基本

方法1 造成前の現況地形を点群として取得する

方法2 造成後や施工後の地形データを同じ条件で取得する

方法3 点群同士を比較して切土・盛土を確認する

方法4 断面図・等高線・標高データで土量の根拠を整理する

方法5 設計図面や施工範囲と照合して土量差を検証する

太陽光発電所の土量計算でよくある失敗

設計・施工・O&Mで土量データを活かす方法

現場確認と高精度測位を組み合わせた活用


太陽光発電所で土量計算が重要になる理由

太陽光発電所で土量計算が重要になる理由は、造成計画、施工範囲、排水計画、法面処理、管理道路、架台配置、工事進捗確認に大きく関係するからです。太陽光発電所は広い敷地にパネルや架台を配置する設備ですが、土地が常に平坦とは限りません。山林跡地、傾斜地、造成地、谷地形、法面を含む場所では、切土や盛土をどの程度行うかが、施工性や長期運用に影響します。


土量計算とは、簡単に言えば、土をどれだけ削り、どれだけ盛る必要があるかを把握する作業です。造成前の現況地形と、造成後の計画地形や実際の施工後地形を比較することで、切土量、盛土量、残土量、運搬量、地形変化を確認できます。太陽光発電所では、造成量が増えると、工期、施工手順、排水対策、法面対策、管理道路計画にも影響します。


従来の土量計算では、地上測量で取得した測点や断面をもとに計算する方法が使われます。しかし、太陽光発電所のように敷地が広く、起伏や法面が多い場所では、地上測量だけで全体を細かく把握するには時間がかかります。ドローン測量を使うと、広範囲の地形を上空から取得し、点群データや標高データとして整理できるため、地形全体を面で把握しやすくなります。


ドローン測量による土量計算では、造成前と造成後の点群データを比較する方法が基本になります。造成前の地表面を取得し、造成後にも同じ座標条件で地形を取得します。その2つの標高差を比較することで、どの範囲で土が削られ、どの範囲で盛られたかを確認できます。設計地形データがある場合は、現況地形と設計地形を比較して計画土量を把握することもできます。


太陽光発電所では、土量計算は単なる施工数量の確認だけではありません。排水や法面の安定性にも関係します。盛土が多い場所では沈下や排水不良に注意が必要です。切土や法面が大きい場所では、浸食や土砂流出のリスクがあります。管理道路の勾配や排水路の通り方も、造成地形と密接に関係します。


また、土量計算の結果は、発電所のレイアウトにも影響します。大きく造成しないと架台を置けない場所、法面に近く施工しにくい場所、水が集まりやすい場所を把握できれば、架台配置や設備配置を見直す判断材料になります。設計段階で土量の見込みを把握しておけば、施工後の手戻りを減らしやすくなります。


O&M段階でも、土量や地形変化の考え方は役立ちます。豪雨後に土砂が移動した場所、法面が削れた場所、排水路に土砂が堆積した場所を確認する際、過去の点群データがあれば変化を把握しやすくなります。施工時だけでなく、運転開始後の地形管理にもドローン測量データは活用できます。


「太陽光発電所 ドローン測量」で土量計算を検討する実務担当者にとって大切なのは、ドローンで撮影すれば自動的に正しい土量が出るわけではないという点です。必要な精度、座標条件、草木の状態、撮影時期、点群処理、比較範囲、設計図面との整合を確認する必要があります。この記事では、太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法を、実務で使いやすい流れで解説します。


土量計算にドローン測量を使う前に押さえる基本

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う前に、まず計算したい土量の種類を明確にします。造成前の現況地形と設計地形を比較して計画土量を知りたいのか、造成前と造成後を比較して実施工の土量を確認したいのか、災害前後を比較して土砂移動量を把握したいのかによって、必要なデータと精度が変わります。


土量計算では、高さの精度が非常に重要です。オルソ画像だけでは地表の見た目は分かりますが、土量を計算するには標高データが必要です。ドローン測量で作成する点群や数値標高データを使い、地形の高さを比較することで、切土や盛土の量を計算します。したがって、撮影時の位置精度だけでなく、標高精度を確保することが重要になります。


また、比較するデータ同士の座標条件をそろえる必要があります。造成前の点群と造成後の点群で座標系や標高基準が違うと、実際の地形変化ではなく、データのずれを土量差として計算してしまう可能性があります。土量計算を目的にするなら、初回測量から同じ座標条件で管理することが重要です。


RTKや標定点、検証点の活用も検討します。広い太陽光発電所で土量を計算する場合、位置や高さの精度を確保するために、RTKや標定点を使うことが多くなります。標定点を適切に配置し、検証点で精度を確認すれば、成果物の信頼性を説明しやすくなります。特に造成前後比較では、初回と2回目の測量条件をそろえることが大切です。


草木や植生の影響にも注意が必要です。造成前の土地に草や低木が多い場合、ドローン測量の点群は地表面ではなく、草や低木の表面を拾うことがあります。この状態で土量計算を行うと、実際の地盤より高いデータとして扱われる可能性があります。造成前の地表面を正確に把握したい場合は、草刈り後の撮影や地上測量との併用を検討します。


パネル設置後や既設発電所で土砂移動を確認する場合も、見えない部分に注意が必要です。パネル下や架台下、草で隠れている部分は、ドローンから地表面が見えにくい場合があります。土量計算の対象範囲がパネル下を含む場合は、データの限界を理解し、必要に応じて地上確認で補完します。


撮影範囲も重要です。土量計算の対象範囲だけでなく、切土や盛土が広がる可能性のある周辺、法面、排水路、土砂仮置き場、搬出入路まで含めるかを検討します。撮影範囲が不足していると、土量計算に必要な範囲が後から不足する場合があります。


さらに、土量計算では、どの境界で計算するかを決めます。施工範囲、造成範囲、法面を含む範囲、排水路周辺、管理道路を含む範囲など、対象範囲によって計算結果は変わります。オルソ画像上で対象範囲を明確に囲み、どの範囲の土量なのかを説明できるようにします。


ドローン測量による土量計算は、広範囲を効率よく把握できる一方で、精度管理と条件整理が欠かせません。計算したい土量、必要精度、座標条件、植生、撮影範囲、比較基準を事前に決めることで、実務に使いやすい土量データを作成できます。


方法1 造成前の現況地形を点群として取得する

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法の1つ目は、造成前の現況地形を点群として取得することです。土量計算の基準になるのは、造成前の地形です。造成前の地形を正確に記録しておかなければ、造成後にどれだけ土が動いたかを判断しにくくなります。


造成前の点群データは、現況地形を3次元で表す基準データです。どこが高く、どこが低いのか、どの場所に谷や法面があるのか、既存道路や水路がどこにあるのかを把握できます。この点群が、計画地形や造成後地形との比較に使われます。


ドローン測量で造成前の地形を取得する際は、まず撮影範囲を決めます。発電所予定地の内側だけでなく、造成に関係する外周部、法面、排水先、既存道路、土砂が流れ込む可能性のある周辺地形まで含めるかを検討します。造成範囲が後から変更される可能性がある場合は、少し余裕を持って撮影しておくと再撮影を防ぎやすくなります。


次に、精度条件を決めます。土量計算では、標高精度が重要です。RTKや標定点を使い、点群の位置と高さを現地座標に合わせます。標定点や検証点を適切に配置することで、点群データの信頼性を高められます。造成前のデータは後から同じ状態で取得できないため、初回測量の精度管理が特に重要です。


撮影時期にも注意します。草が伸びていると、点群が地表面ではなく草の表面を取得する場合があります。造成前の正確な地盤面を把握したい場合は、草刈り後や植生が少ない時期に撮影することが望ましい場合があります。山林跡地や草地では、ドローンだけで地表を完全に取得できない場合があるため、地上測量との併用も検討します。


造成前の点群からは、断面図や等高線も作成できます。これにより、架台配置、排水計画、管理道路、造成範囲を検討しやすくなります。土量計算だけでなく、設計検討の基礎資料としても活用できます。


点群データは、オルソ画像と合わせて確認すると分かりやすくなります。オルソ画像で現場の見た目や範囲を確認し、点群で高さを確認します。たとえば、オルソ画像で水路や道路、樹木の位置を確認し、点群で高低差や勾配を確認することで、造成計画に使いやすい資料になります。


また、造成前の点群は、竣工後やO&M時の比較基準にもなります。造成後だけでなく、豪雨後の土砂移動、法面変状、排水路周辺の変化を確認する際にも、基準データとして使えます。発電所の長期管理を考えるなら、造成前点群の保存と管理が重要です。


造成前の現況地形を点群として取得することは、ドローン測量による土量計算の出発点です。この基準データの精度と範囲が、後の土量計算や造成比較の信頼性を左右します。


方法2 造成後や施工後の地形データを同じ条件で取得する

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法の2つ目は、造成後や施工後の地形データを、造成前と同じ条件で取得することです。土量計算では、2つ以上の地形データを比較するため、比較対象となるデータ同士の条件がそろっていることが重要です。


造成後の地形データは、造成工事によって地形がどのように変わったかを確認するために使います。造成前の点群と造成後の点群を比較することで、切土、盛土、整地範囲、法面形状、管理道路、排水路の変化を確認できます。施工後のデータは、出来形確認や竣工記録としても役立ちます。


造成後の撮影では、造成前と同じ座標系、同じ標高基準でデータを取得することが重要です。座標や標高の基準がずれていると、実際の土量差ではなく、測量データのずれが計算結果に影響します。造成前に使った標定点や基準点を再利用できる場合は、同じ基準で測量しやすくなります。


撮影範囲もそろえることが大切です。造成前に撮影した範囲と造成後の撮影範囲が違うと、比較できない部分が出ます。造成工事によって範囲が広がった場合は、比較可能な範囲と追加範囲を分けて整理します。土量計算では、どの範囲の差分を計算しているかを明確にします。


施工中や施工後は、重機、資材、車両、仮設物が現場にある場合があります。これらが地表面を隠していると、点群に不要な高さ情報が入ることがあります。土量計算に使う場合は、可能な限り地表面が見える状態で撮影します。どうしても資材や車両が残る場合は、点群処理時に除去や補正が必要になることがあります。


造成後の地表面がぬかるんでいる、雨後で水たまりがある、土砂がまだ移動している状態で撮影すると、安定した出来形データとして扱いにくい場合があります。施工確認のタイミングと、地形が安定しているタイミングを考えることが大切です。


造成後だけでなく、施工後のデータも有効です。架台やパネル、管理道路、排水路、フェンス、PCSなどが設置された状態をオルソ画像や点群として残せば、竣工時の基準データになります。ただし、架台やパネルが設置されると地表面が見えにくくなる部分があるため、土量計算の目的では造成後の早い段階で地形データを取得しておく方がよい場合があります。


造成前と造成後のデータを比較するためには、初回から比較を前提にした測量計画を立てることが重要です。後から「造成前の精度が足りない」「造成後の範囲が違う」「座標が合わない」となると、土量計算の信頼性が下がります。


造成後や施工後の地形データを同じ条件で取得することで、土量計算の精度と説明力が高まります。切土や盛土の範囲を客観的に示し、施工管理や出来形確認に活用しやすくなります。


方法3 点群同士を比較して切土・盛土を確認する

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法の3つ目は、点群同士を比較して切土と盛土を確認することです。造成前の点群と造成後の点群、または現況点群と設計面を比較することで、地形がどのように変化したかを把握できます。


切土とは、地盤を削って低くすることです。盛土とは、土を盛って地盤を高くすることです。点群同士を比較すると、造成後の地形が造成前より低くなった場所は切土、高くなった場所は盛土として把握できます。差分を色分けして表示すれば、どの場所でどの程度地形が変わったかを直感的に確認できます。


点群比較では、まず比較範囲を決めます。発電所全体を比較するのか、造成対象範囲だけを比較するのか、法面や道路、排水路を含めるのかを明確にします。範囲の取り方によって、土量計算の結果は変わります。報告や施工確認に使う場合は、どの範囲の土量かを説明できるようにします。


次に、点群の前処理を行います。草木、重機、車両、資材、仮設物など、土量計算に不要な点が含まれている場合があります。これらをそのまま比較すると、実際の地形変化ではない差分が出ることがあります。地表面として扱う点を整理し、必要に応じてノイズや不要物を除去します。


比較する点群の座標と標高が合っているかも確認します。平面位置がずれていると、斜面や法面で差分が大きく出る場合があります。標高基準がずれていると、全体が切土または盛土のように見えてしまいます。検証点や既知点を使い、比較前に整合を確認します。


点群同士の差分を確認すると、切土と盛土の分布が分かります。たとえば、架台設置エリアの平坦化、管理道路の造成、排水路周辺の掘削、法面整形、設備基礎周辺の盛土などを把握できます。図面と比較すれば、計画通りに造成されているかを確認しやすくなります。


土量計算では、切土量と盛土量を分けて確認します。切土量と盛土量が近い場合でも、現場内でそのまま流用できるとは限りません。土質、含水、搬送距離、施工順序、仮置き場所などが関係します。ドローン測量で分かるのは地形変化に基づく数量であり、施工判断には現場条件も合わせて考える必要があります。


差分結果は、オルソ画像や断面図と合わせて確認すると分かりやすくなります。色分けされた差分図だけでは場所のイメージがつかみにくい場合があります。オルソ画像上に差分を重ねたり、主要な場所で断面を作成したりすると、関係者に説明しやすくなります。


点群同士の比較は、太陽光発電所の土量計算で中心となる作業です。造成前後の地形変化を可視化し、切土・盛土の分布と量を把握できるため、施工管理や出来形確認に役立ちます。


方法4 断面図・等高線・標高データで土量の根拠を整理する

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法の4つ目は、断面図、等高線、標高データで土量の根拠を整理することです。土量計算の結果は、数値だけで示しても、関係者が地形変化を理解しにくい場合があります。断面図や等高線を使うことで、どこがどのように変わったのかを説明しやすくなります。


断面図は、指定した線に沿って地形の高さ変化を示す資料です。造成前と造成後の断面を重ねれば、どの部分が削られ、どの部分に盛られたかを確認できます。架台配置、管理道路、法面、排水路の位置に沿って断面を作ると、施工や設計の判断に使いやすくなります。


太陽光発電所では、架台列方向の断面と、排水方向の断面が特に有効です。架台列方向の断面では、設置エリアの高低差や架台高さの変化を確認できます。排水方向の断面では、水が流れやすい勾配になっているか、低い場所に水が集まりやすくないかを確認できます。


法面の断面も重要です。造成によって法面が形成される場合、その勾配や高さを確認する必要があります。法面が急すぎる、排水が集中する、法尻に土砂がたまりやすいといったリスクを確認できます。点群から断面を作成すれば、地形変化を視覚的に説明できます。


等高線は、地形の起伏を平面的に確認するために使います。造成前の等高線と造成後の等高線を比較すれば、地形がどのように変わったかを把握できます。等高線の間隔が狭い場所は傾斜が急で、広い場所は緩やかです。造成範囲や排水計画の確認に役立ちます。


標高データは、土量計算の基礎になります。点群から標高モデルを作成し、比較対象となる地形データと差分を取ることで、切土や盛土を計算します。標高データの精度が低いと、土量計算の結果も不安定になります。そのため、標高データの品質確認が重要です。


土量の根拠を整理する際は、計算範囲も明確にします。どのポリゴン内で土量を計算したのか、法面を含むのか、道路や排水路を含むのか、仮置き土や資材を除外したのかを説明できるようにします。範囲の定義が曖昧だと、土量結果の意味が不明確になります。


報告資料では、土量の数値だけでなく、差分図、断面図、等高線、オルソ画像を組み合わせると分かりやすくなります。施工担当者、設計担当者、施主が同じ資料を見ながら、地形変化を確認できます。


断面図、等高線、標高データは、土量計算の根拠を説明するための重要な成果物です。ドローン測量で取得した点群を、分かりやすい形に整理することで、土量計算の信頼性と説明力が高まります。


方法5 設計図面や施工範囲と照合して土量差を検証する

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法の5つ目は、設計図面や施工範囲と照合して土量差を検証することです。点群同士を比較して土量を計算するだけではなく、その結果が設計や施工範囲と合っているかを確認することが重要です。


まず、設計図面上の造成範囲と、実際の施工範囲を比較します。オルソ画像や点群をCADデータと重ねることで、計画範囲内で造成が行われているか、施工範囲が広がっていないか、未施工部分がないかを確認できます。造成範囲が違えば、土量も計画と実績で変わります。


次に、設計地形と実測地形を比較します。設計上の計画面や造成計画と、ドローン測量で取得した造成後地形を比較すれば、出来形の確認ができます。計画より高い場所、低い場所、法面形状が異なる場所を見つけられます。土量差の理由を確認する際に有効です。


施工範囲の境界も重要です。どの範囲で土量を計算するのか、法面を含めるのか、道路や排水路を含めるのか、造成対象外の場所を除外するのかを明確にします。同じ点群を使っても、範囲の取り方で土量計算結果は変わります。設計図面の範囲と現場の実施工範囲が一致しているかを確認します。


土量差が大きい場合は、その原因を分解します。設計時の地形データが粗かった、造成範囲が変わった、法面形状が変わった、現場で追加施工があった、仮置き土や資材が点群に入っている、草木や残置物が影響しているなど、さまざまな理由が考えられます。ドローン測量データと現場確認を組み合わせて判断します。


施工中の段階で複数回ドローン測量を行うと、土量変化を段階的に追うこともできます。造成途中、造成完了時、架台施工後でデータを残せば、どの段階で地形が変わったかを把握できます。これにより、施工管理や出来形確認がしやすくなります。


また、土量差は排水や法面にも関係します。計画と異なる盛土や切土がある場合、水の流れが変わる可能性があります。道路や排水路の高さが計画と違う場合、排水不良につながることがあります。土量計算の結果を、単なる数量ではなく、地形と排水の検証にも使うことが重要です。


設計図面や施工範囲との照合には、座標付きのオルソ画像や点群が必要です。座標がずれていると、図面との比較が正しくできません。RTKや標定点を使い、図面と整合する成果物を作ることが大切です。


土量計算は、点群から数値を出すだけでは完了しません。設計図面、施工範囲、出来形、現地確認と照合することで、土量差の意味を正しく理解できます。太陽光発電所の施工管理では、この検証が重要です。


太陽光発電所の土量計算でよくある失敗

太陽光発電所の土量計算でよくある失敗の一つは、造成前データの精度が不足していることです。造成後に土量を確認しようとしても、造成前の基準データが粗い、座標が合っていない、標高精度が不明確という状態では、正確な比較が難しくなります。造成前の地形は後から取り直せないため、初回測量が重要です。


次に多いのは、草木や植生の影響を見落とすことです。造成前の土地に草や低木があると、ドローン測量の点群が地表ではなく植生の上面を取得する場合があります。そのまま土量計算に使うと、実際の地盤より高い地形として扱われる可能性があります。地形測量が目的なら、草刈りや地上測量との併用を検討します。


比較する点群の座標や標高基準がそろっていないことも失敗につながります。造成前と造成後で座標系や標高基準が違うと、地形変化ではなくデータのずれが土量差として出る場合があります。RTKや標定点、検証点を使い、同じ基準で測量することが重要です。


計算範囲が曖昧なこともよくあります。どの範囲を土量計算に含めるのか、法面を含めるのか、道路や排水路を含めるのか、造成対象外を除外するのかが曖昧だと、結果の意味が分かりにくくなります。土量値を示す際は、対象範囲をオルソ画像や図面上で明確にします。


仮置き土や資材、重機を除外しないことも問題です。施工中の現場では、仮置き土、資材、車両、重機が点群に入ることがあります。これらを地形として扱うと、土量計算結果がずれます。撮影タイミングや点群処理で不要物を除外することが必要です。


オルソ画像だけで土量を判断しようとすることも失敗です。オルソ画像は平面的な確認には有効ですが、高さ情報を正確に扱うには点群や標高データが必要です。土量計算には、標高差を確認できるデータが必要になります。


土量計算結果だけを見て、排水や法面の確認をしないことも注意が必要です。土量の増減は施工数量の確認だけでなく、地形の変化を意味します。盛土や切土によって水の流れや法面リスクが変わる場合があります。土量計算と合わせて、排水方向や法面形状も確認します。


太陽光発電所の土量計算で失敗しないためには、造成前後のデータ精度、植生条件、座標条件、計算範囲、不要物除去、断面や差分の確認を丁寧に行うことが重要です。ドローン測量は効率的な手段ですが、条件整理なしに使うと誤差や手戻りが発生します。


設計・施工・O&Mで土量データを活かす方法

ドローン測量で取得した土量データは、設計、施工、O&Mの各段階で活用できます。設計段階では、造成前の現況地形を把握し、切土や盛土の概算、排水計画、架台配置、管理道路計画に活用できます。地形データがあることで、設計初期から現場条件を反映しやすくなります。


造成計画では、どの場所を削り、どの場所に盛るのかを検討します。点群や標高データを使えば、現況地形と計画地形の差を把握できます。これにより、造成範囲や法面形状、排水路の位置を検討しやすくなります。


施工段階では、造成前後の差分を確認します。造成後の点群を取得し、造成前データと比較することで、切土量や盛土量を確認できます。施工範囲が計画通りか、法面や道路が設計通りに整えられているかを確認する材料になります。


出来形確認にも使えます。設計地形と造成後の実測地形を比較すれば、計画より高い場所や低い場所、勾配が異なる場所を確認できます。断面図や差分図を使えば、施工担当者や関係者に説明しやすくなります。


O&M段階では、土砂移動の把握に使えます。豪雨後や長期運用後に、法面から土砂が流れた場所、排水路に堆積した場所、管理道路が削れた場所を確認できます。過去の点群と比較すれば、変化量を把握しやすくなります。


災害後には、復旧計画にも活用できます。土砂がどこにどれだけ堆積したか、法面がどの程度変化したか、道路や排水路にどのような影響が出たかを確認できます。基準データがあると、被害範囲や復旧対象を説明しやすくなります。


発電量分析にも間接的に役立ちます。地形変化や排水不良によって泥はねや汚れが増えると、発電量に影響する可能性があります。法面や土砂移動によって影や保守性に影響することもあります。土量データや地形変化の記録は、O&Mや発電量低下の原因分析に使えます。


土量データを活かすには、初回測量からデータ管理を意識することが重要です。撮影日、範囲、座標系、精度、成果物形式、計算範囲を記録し、造成後やO&M時に比較できるようにします。太陽光発電所は長期運用する設備であるため、土量データも施工時だけでなく、長期管理に使える資料として残すことが大切です。


現場確認と高精度測位を組み合わせた活用

太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う際は、上空から取得した点群やオルソ画像と、地上で確認した情報を正確な位置で結びつけることが重要です。ドローン測量は広範囲の地形を効率よく取得できますが、草木、仮置き土、排水路、法面、地表面の状態などは、地上確認で補完することで精度と信頼性が高まります。


たとえば、点群上で盛土や土砂堆積が疑われる場所を見つけた場合、地上でその場所を確認し、土砂の状態、草木の影響、水の流れ、法面の変化を写真やメモで記録します。地上写真に正確な位置情報が付いていれば、オルソ画像や点群上でどの場所の情報かを確認できます。


太陽光発電所では、似たような斜面や架台列、管理道路が続くため、写真だけでは後から場所を特定しにくいことがあります。位置付き記録があれば、土量計算の対象範囲、切土や盛土の確認箇所、排水路の状態、法面の注意箇所を正確に管理できます。施工確認やO&M報告にも使いやすくなります。


また、設計図面やPVSystなどの発電量シミュレーションと連携する場合にも、現場の位置情報は重要です。造成範囲、架台配置、PCSや接続箱の位置、配線ルート、排水路、法面の位置が正確に分かれば、地形条件やWiring Loss、影条件の確認にも役立ちます。土量計算のために取得した地形データを、発電量評価やO&M改善へ再利用しやすくなります。


LRTKは、iPhoneに装着して使えるGNSS高精度測位デバイスです。現場で高精度な位置情報を取得しながら、点検写真や確認結果を記録できるため、太陽光発電所の土量計算とドローン測量を組み合わせる際に活用しやすい方法です。ドローン測量で造成前後のオルソ画像、点群、3Dデータを取得し、現場ではLRTKを使って切土・盛土の確認箇所、仮置き土、排水不良、法面注意箇所、管理道路、PCS候補位置を位置付きで記録すれば、上空データと地上確認を一体で管理できます。


太陽光発電所の土量計算にドローン測量を使う方法は、点群を作って数値を出すだけではありません。造成前後の条件をそろえ、計算範囲を明確にし、断面図や差分図で根拠を整理し、現地確認で補完することが重要です。そこにLRTKのような高精度測位を組み合わせることで、現場のどこでどのような地形変化が起きているかを正確に記録し、設計・施工・O&Mをより効率的に進めやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page