top of page

法面緑化の維持管理で雑草と裸地化を防ぐ5つの手順

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

法面緑化は施工後の維持管理で表面保護状態が変わる

手順1 現地調査で雑草と裸地化の兆候を把握する

手順2 雑草の種類と繁茂状況に応じて管理する

手順3 裸地化の原因を特定して早期に補修する

手順4 排水と法面表面の状態を継続的に整える

手順5 点検記録を蓄積して維持管理を改善する

雑草対策と植生保護を両立させる考え方

季節や気象条件に合わせて管理時期を調整する

維持管理作業の安全性と効率を高めるポイント

法面緑化を長期的に維持するためのまとめ


法面緑化は施工後の維持管理で表面保護状態が変わる

法面緑化は、植物や緑化基盤で地表を被覆し、雨滴や表面流による表土、緑化基材の浸食を抑えるために行われます。ただし、植生が成立していることだけで法面全体の地盤安定が保証されるわけではありません。亀裂、段差、はらみ出し、湧水、落石、小崩壊などが見られる場合は、植生管理の範囲にとどめず、法面全体と関連施設を対象にした点検や専門的な判断が必要です。国土交通省の道路土工構造物点検要領でも、個々の施設だけでなく、のり面を構成する施設を含めて全体を俯瞰することが重視されています。


施工後に発芽して法面が緑色になっても、その状態が自動的に維持されるとは限りません。時間の経過とともに一部の植物が過剰に繁茂したり、乾燥や過湿で植生が衰退したりすると、植生の構成や地表の被覆状態が変化します。問題になるのは、植物の種類が増えたこと自体ではなく、目的とする地表保護、排水、点検、安全管理に支障が生じているかどうかです。


法面で管理対象となる雑草は、単に見た目を悪くする植物を意味しません。目的植生を広く覆って生育を妨げる植物、排水施設や点検通路を隠す植物、亀裂や浸食跡を確認しにくくする高茎植物、構造物へ絡みつくつる性植物などが対象になります。反対に、自然に侵入した植物でも、地表を安定して被覆し、設備や点検の支障になっていない場合は、一律に除去する必要がないこともあります。


裸地化は、植物が定着していない部分や、いったん成立した植生が消失して地表が露出した状態です。裸地では雨滴が直接地表へ当たりやすくなり、細粒分や緑化基材が移動する可能性が高まります。小さな裸地でも、斜面の上下方向へ細長く延びている場合や、降雨後に周縁が崩れている場合は、水みちの形成や表面浸食が進行している可能性があります。


維持管理では、雑草を減らすことだけを目的にしてはいけません。必要な植生まで地際から過度に刈り取ると、地表被覆が急に失われ、乾燥や雨滴の影響を受けやすくなります。重要なのは、地表被覆を保ちながら点検可能な状態を確保し、排水機能を維持し、変状の進行を早期に見つけることです。


また、同じ法面でも、法肩、中央部、法尻、方位、勾配、土質、日照、風当たり、湧水の有無によって生育条件は異なります。法面全体を一括して評価するのではなく、条件の異なる区画ごとに観察し、必要な場所へ必要な処置を行うことが、過剰な刈り取りと補修漏れの両方を防ぎます。


手順1 現地調査で雑草と裸地化の兆候を把握する

最初の手順は、作業前に法面の現状を把握することです。雑草が目立つからすぐに全面を刈る、裸地があるからすぐに種子を追加するといった対応では、原因を残したまま表面だけを整えることになりかねません。まず、どこで、どのような変化が起きているのかを確認します。


現地では、安全な位置から法肩から法尻までを見渡し、植生の色、密度、高さ、倒伏、地表の露出を確認します。全景を見た後で、立入りが安全に行える範囲に限り、変状箇所の近景を確認します。高い法面、急勾配、落石のおそれがある場所、雨後で滑りやすい場所では、無理に近づかず、適切な点検方法と安全設備を選定します。


裸地は面積だけでなく形状を見ます。点状や不規則な裸地は、局所的な乾燥、発芽不良、踏み荒らし、動物による攪乱などが考えられます。上下方向へ延びる筋状の裸地は、表面流が集中している可能性があります。法肩から連続する裸地、排水施設の流出口付近、法枠や構造物との境界に生じた裸地では、周辺からの流入水や段差の影響も確認します。


雑草は、本数だけでなく、目的植生をどの程度覆っているか、点検の視認性をどの程度低下させているかを確認します。草丈が高くても局所的で、地表被覆や排水に支障がなければ、直ちに全面処理が必要とは限りません。一方、つる性植物が広範囲を覆っている場合、高茎植物で亀裂や排水施設が見えない場合、同一種が急速に拡大している場合は、重点管理の対象になります。


樹木の幼苗や木本類が侵入している場合は、法面の管理目的と構造物への影響を確認します。自然植生への移行を許容する場所もありますが、根や幹の成長で排水施設、法枠、点検設備、視距などへ影響する場所では、早い段階で方針を決めます。すべてを一律に除去するのではなく、設計条件や管理計画との整合を確認することが重要です。


植生の状態と同時に、亀裂、段差、はらみ出し、浸食、湧水、軟弱化、落石、基材の浮きや剥離も確認します。植物の衰退が地表の水分条件や法面変状の結果として現れている場合があるためです。特に、雨が降っていない時期にも湿っている場所、乾燥部と湿潤部が隣接する場所、新しい亀裂が裸地の周辺へ続く場所は、経過観察だけでよいかを慎重に判断します。


点検は、同じ位置と方向から継続して行うと変化を比較しやすくなります。法面全景、変状箇所の位置関係、地表の近景を組み合わせて記録し、法肩、中央部、法尻、左右区画、排水施設周辺などの管理番号を付けます。国土交通省の点検要領でも、草木が目視の妨げになる場合の除草、区域全体を対象にした点検、浸食や湧水、排水閉塞などの確認が示されています。


この段階で大切なのは、緑色の多さだけで良否を決めないことです。植物が密生していても、単一種へ偏り、下層植生が衰退している場合があります。反対に、草丈が低く見た目がまばらでも、地表が連続して被覆され、浸食が進んでいなければ、直ちに不良とは限りません。地表被覆、変状の進行性、排水機能、点検性を合わせて評価します。


手順2 雑草の種類と繁茂状況に応じて管理する

2つ目の手順は、雑草の種類と繁茂状況に応じて管理方法を選ぶことです。全面的な一律刈りは分かりやすい方法ですが、地表被覆を急に失わせたり、残すべき植生まで弱らせたりする可能性があります。管理対象、作業範囲、刈り高さ、実施時期を区画ごとに決めます。


草刈りでは、地際まで一度に刈り込まないことが基本です。極端な低刈りは、葉や成長点を失わせ、回復を遅らせることがあります。地表が露出すると乾燥が進みやすくなり、強い降雨時には表土や基材が移動しやすくなる場合があります。目的は植生を消すことではなく、過剰な競合を抑えながら点検性と地表被覆を両立させることです。


草丈が高くなりすぎた場所では、状態に応じて作業範囲を分けたり、段階的に高さを調整したりします。暑い時期や乾燥が続く時期に広範囲を急に短くすると、地表温度や乾燥条件が大きく変わります。作業後に残る被覆量と回復の見込みを確認し、必要に応じて時期をずらします。


つる性植物は、表面だけを刈っても再び伸長することがあります。周囲の植生や緑化基材へ強く絡みついている場合、無理に引き剥がすと地表まで損傷するおそれがあります。根元、広がり、構造物への絡み方を確認し、設備を損傷しない範囲で部分的に処理します。


地下茎や根から再生しやすい植物も、地上部の一回の刈取りだけでは抑えにくい場合があります。ただし、法面を広く掘り返すと地表が緩み、裸地化や浸食を招くおそれがあります。再生状況を記録し、局所的な処理を繰り返すか、専門家や管理者と方法を検討します。


植物を特定できないまま刈草を運搬したり、種子が付いた植物体を周辺へ移動したりしないことも重要です。特定外来生物に該当する植物では、生きたままの運搬や栽培、譲渡などが原則として規制されるため、識別と処理方法を所管機関の情報や現場の管理基準で確認します。外来種対策は、見た目だけで判断せず、対象種、法令、周辺環境への拡散防止を踏まえて計画的に行う必要があります。([環境省][1])


刈草は、排水溝、点検通路、補修箇所へ残さないようにします。大量に厚く堆積すると、下層植生への光を遮り、蒸れや腐敗を招く場合があります。降雨で移動すれば排水施設を閉塞させる可能性もあります。少量を現地に残す判断をする場合でも、種子や再生可能な茎を含む植物では拡散リスクがあるため、植物の種類と管理方針を確認します。


作業の優先順位は、排水や点検を妨げている場所、目的植生を広く覆っている場所、拡大が速い場所、道路や設備へ影響する場所から設定します。見た目の均一さを目的に法面全体を同じように処理するのではなく、機能への影響が大きい箇所へ作業を集中させます。


刈取り後は、雑草だけが再生していないか、目的植生が回復しているか、地表が露出していないかを確認します。繰り返し刈っても目的植生が戻らない場合は、乾燥、過湿、日照、基材の不足、流水など別の原因が残っている可能性があります。雑草処理と植生回復、排水改善を分けずに検討することが必要です。


手順3 裸地化の原因を特定して早期に補修する

3つ目の手順は、裸地を見つけた時点で原因を整理し、拡大する前に補修することです。裸地へ種子や植生材料を追加するだけでは、乾燥、過湿、流水、表土の緩みなどが残っていると再び失敗します。補修方法より先に、裸地化した理由を確認します。


裸地化の要因には、発芽や定着の不足、夏季の乾燥、長期的な過湿、表面流による基材流亡、動物による攪乱、踏み荒らし、落石、周辺植物による被圧などがあります。複数の要因が重なることもあり、もともと植生密度が低い部分へ雨水が集中して基材が薄くなり、裸地が拡大する例も考えられます。


裸地の上方に流下跡や堆積物がある場合は、法肩、小段、排水施設から水が流入していないかを確認します。排水溝の越流、流出口からの直撃、水みちの形成が原因であれば、植生補修より先に水の流れを整えます。原因を残したまま補修すると、材料が再び流亡する可能性があります。


地表が硬く締まっている場合は、種子や植生材料がなじみにくく、根が伸長しにくいことがあります。反対に、地表が浮いている場合や基材が剥離している場合は、植物が定着する前に表面が移動します。周囲の安定した植生を傷めない範囲で表面状態を確認し、既存工法と適合する方法で整えます。


補修範囲は、見えている裸地だけで決めません。裸地の縁に変色した植生がある場合、亀裂や浮きが周辺へ続く場合、雨後に縁が崩れている場合は、変状が進行している可能性があります。補修境界を安定部まで広げる必要があるか、専門的な判断が必要かを確認します。


小規模な裸地では、周囲の植生を保護しながら地表を整え、現場条件と既存の緑化工法に合った回復方法を選びます。急勾配や流水の影響を受けやすい場所では、補修材が定着するまで表面を保持する対策が必要になる場合があります。ただし、材料や固定方法は、土質、勾配、既存基盤、設計条件との相性を確認して決めます。


補修面は、周囲との段差や隙間を残さないようになじませます。補修部が盛り上がると上側で水を受け、縁から剥離することがあります。くぼみが残ると水がたまり、過湿や再浸食の原因になります。補修後は発芽だけで完了とせず、地表被覆が連続し、降雨後も材料が安定しているかを確認します。


比較的大きな裸地、深い溝状浸食、法面の変形、継続的な湧水、落石、亀裂、はらみ出しを伴う場合は、単純な植生補修の対象を超える可能性があります。応急処置で表面を隠して終わらせず、管理者へ報告し、法面安定、排水、構造物を含めた調査と恒久対策の要否を判断します。


手順4 排水と法面表面の状態を継続的に整える

4つ目の手順は、法面へ流れ込む水と法面上を流れる水を管理することです。雑草の偏りや裸地化は植物だけの問題ではなく、水分条件の偏りが関係していることがあります。水が不足すれば植生は衰退し、水が集中すれば表土や緑化基材が流亡します。


法肩周辺では、上部の平場や斜面から雨水が直接流れ込んでいないかを確認します。法肩排水施設に土砂、落ち葉、刈草がたまると、本来の流路から水があふれ、緑化面へ流入する場合があります。水路の内部だけでなく、流入口、継ぎ目、流出口、放流先まで連続して確認します。


小段では、土砂堆積、水たまり、沈下、亀裂、排水方向の変化を確認します。小段上の高い草で排水施設や地表が見えない場合は、点検に必要な範囲を刈り、状態を確認します。小段から法面側へ水が越流している場合は、表面の補修だけでなく、排水機能の回復を優先します。


法尻では、上部から流れてきた水が滞留していないか、排水先が閉塞していないかを確認します。長期間湿った状態が続くと、植生構成が偏り、地表が軟化することがあります。法尻付近の浸食、軟弱化、湧水、小崩壊は、法面全体の変状と関連する可能性があるため、植生管理だけで処置しないことが重要です。


法面表面に細い流下跡がある場合は、雨の後だけ現れる浅い跡か、降雨ごとに深くなる進行性の浸食かを確認します。浅い段階でも、流入原因を除かずに土や基材だけを戻すと再発します。溝が深い場合や広い範囲で表面が流亡している場合は、排水計画と補修方法を見直します。


排水施設の清掃では、取り除いた土砂や植物を法面上へ放置しません。清掃物が移動すると、別の排水口を塞いだり、植生を覆ったりする可能性があります。閉塞物を除去する際は、たまった水や土砂が急に流れ出さないよう、下流側の安全を確認します。


国土交通省の点検要領では、側溝への落ち葉の堆積や水抜き部の草、泥砂利による閉塞など、通常の維持管理で機能回復できるものへの対応が点検効率化の観点から示されています。また、排水閉塞、溢水、浸食、湧水などは法面全体の健全性を判断する着眼点です。


乾燥部では、一時的な散水だけでなく、地表のひび割れ、基材の浮き、植生密度、方位、風当たりを確認します。常時湿潤している場所では、追加の植生材料を重ねる前に、湧水や排水不良の可能性を調べます。雨が降っていない時期にも湿潤状態が続く場合は、位置と範囲、水量の変化を記録します。


落ち葉や枯れた植物体は、適量であれば地表を覆うことがありますが、厚く堆積すると植生を圧迫し、排水を妨げます。全面的に除去するのではなく、排水施設、局所的な堆積部、点検を妨げる場所を中心に整えます。水がどこから入り、どこを通り、どこで滞留または放流されるかを把握することが、再発防止につながります。


手順5 点検記録を蓄積して維持管理を改善する

5つ目の手順は、点検と作業の内容を記録し、次回の判断へ反映することです。法面の状態は季節、降雨、気温、周辺植生によって変化します。1回の点検だけでは、裸地が拡大しているのか、雑草が一時的に伸びているだけなのかを判断しにくいため、時系列の比較が必要です。


記録には、点検日、天候、直前の降雨、確認区画、植生の被覆状態、雑草の範囲、裸地の位置と概略寸法、亀裂や浸食、湧水、排水施設の状態、実施作業を残します。必要に応じて、判断理由、次回確認時期、管理者への報告状況も記載します。


写真は、法面全景、変状箇所の位置関係、地表の近景を組み合わせます。毎回同じ場所と方向から撮影できるよう、法面端部、構造物、排水施設などを目印にします。撮影角度が大きく異なると、草丈や裸地面積が変化したように見えるため、定点管理が有効です。


変状箇所は、法面名だけでなく、法肩側、中央部、法尻側、左右区画、近接構造物などを使って特定します。位置情報を取得できる端末を利用する場合も、斜面地形、樹木、構造物などの影響で位置にばらつきが生じる可能性があるため、区画番号、写真、現況図を併用します。


作業記録には、何を行ったかだけでなく、なぜその方法を選んだかを残します。目的植生を守るため部分刈りにした、流水が確認されたため補修前に排水を整えた、外来種の可能性があるため処理方法を確認した、といった判断理由があれば、次回の担当者が結果を評価しやすくなります。


補修後は、施工直後、初期生育期、降雨後、乾燥期などの状態を確認します。発芽しても根が浅い時期は、乾燥や表面流の影響を受けやすいためです。再び裸地化した場合は、同じ方法を繰り返すのではなく、原因の見立て、作業時期、排水条件、材料の適合を見直します。


国土交通省の点検要領では、点検、診断、措置の結果を記録し、次回点検で前回からの変化を確認すること、記録を蓄積して注意箇所の絞り込みや点検精度の向上へ活用することが示されています。写真についても、経年変化が分かる同一アングルへの留意が例示されています。


記録を蓄積すると、毎年同じ時期に特定の植物が繁茂する区画、梅雨や台風後に裸地化しやすい区画、乾燥が続くと被覆が低下する区画など、現場固有の傾向を把握できます。変状が少なく安定している区画と、再発を繰り返す重点区画で点検頻度を変えることで、限られた人員を効果的に配分できます。


記録の目的は書類を増やすことではありません。現地確認、原因整理、作業、効果確認、記録という流れを繰り返し、その法面に合った管理基準を更新することが目的です。


雑草対策と植生保護を両立させる考え方

法面緑化の雑草管理では、見た目を均一に刈りそろえることが最善とは限りません。法面で優先すべきなのは、地表被覆、排水機能、点検性、安全性を保つことです。景観上の管理目標がある場合でも、地表を広く露出させない作業方法を選ぶ必要があります。


管理対象は、法面の目的や周辺環境によって異なります。低い草本植生を維持したい場所では、高茎植物や木本類を早めに管理することがあります。自然環境との連続性を重視する場所では、自然に侵入した植物を一定程度残す場合もあります。管理方針を先に定め、その方針に照らして植物の支障と役割を評価します。


雑草が増える背景には、目的植生の衰退が隠れていることがあります。乾燥、過湿、基材流亡、日照不足などで被覆が弱くなると、空いた場所へ周辺から植物が侵入します。侵入植物だけを除去しても、目的植生が回復しなければ裸地が残るか、別の植物が再び広がります。


そのため、雑草対策と裸地対策は一体として考えます。除去後に地表が露出する場合は、周辺植生の回復見込み、浸食リスク、補修の必要性を確認します。広範囲を一度に処理せず、区画を分けて作業後の回復を見ながら進める方法も有効です。


刈取り頻度が高すぎると、植物が葉を再生するために養分を使い、根系の生育が弱まる場合があります。反対に、長期間放置すると高茎化や倒伏で点検性が低下し、枯れた植物体が厚く堆積することがあります。現場ごとの適切な管理間隔は、作業後の回復と変状の見え方を記録しながら決めます。


植物の多様性があること自体は、直ちに不良を意味しません。複数の植物が異なる時期に地表を覆う場合もあります。ただし、特定の植物が急速に広がって他の植生を失わせている場合、排水や設備へ影響している場合、法令上の管理が必要な外来生物である場合は、目的と方法を明確にして対応します。


季節や気象条件に合わせて管理時期を調整する

法面緑化の維持管理は、年間を通して同じ作業を繰り返すものではありません。植物の生育、降雨、気温、日射、凍結、積雪は季節によって変化します。暦だけで作業時期を固定せず、現地の生育状態と気象条件に合わせて点検と作業を調整します。


春は、新芽の発生状況を確認し、冬季を経て残った裸地、亀裂、浸食跡を把握する時期です。高茎雑草が伸びる前であれば、地表や排水施設を確認しやすく、年間の重点区画を決める機会になります。


梅雨や雨の多い時期は、植生の生育が進む一方、表面流や基材流亡が起きやすくなります。大雨前には排水施設の閉塞を確認し、大雨後には水みち、新たな裸地、湧水、浸食、排水の越流を点検します。地表が軟らかい状態での立入りは、踏み跡や滑落を招くため避けます。


夏季は、高温と乾燥の影響を受けやすい時期です。全面を急に短く刈ると、地表が強い日射へさらされ、植生の回復が遅れる可能性があります。南向きや西向き、風当たりの強い法肩付近など、乾燥しやすい区画では作業範囲と刈り高さを慎重に決めます。


秋は、夏季の乾燥や豪雨による変状を確認し、寒期前の補修を検討する時期です。ただし、植生回復を行う場合は、発芽だけでなく根が定着する期間を確保できるかを確認します。地域、標高、使用植物によって適期は異なるため、一律の月で判断しません。


冬季は、地上部の休眠や枯れで被覆が減ったように見えることがあります。季節変化だけで直ちに施工不良と判断せず、地表被覆、根元、浸食の進行を確認します。凍結融解や融雪水の影響を受ける地域では、亀裂、浮き、表面流亡の変化に注意します。


台風、集中豪雨、地震、急な融雪などの後は、通常の点検時期を待たずに確認します。過去に裸地化した場所、補修直後の場所、排水施設周辺、湧水箇所、法肩と法尻は優先度が高い区画です。点検時期や頻度は、過去の被災履歴と現地条件を踏まえて管理者が設定します。


維持管理作業の安全性と効率を高めるポイント

法面緑化の維持管理では、作業者と第三者の安全確保を最優先にします。法面は傾斜があり、草、湿った地表、落ち葉で滑りやすくなります。雑草が繁茂していると、段差、穴、落石、排水溝、構造物が見えにくいため、作業前に立入経路、退避経路、危険箇所を確認します。


地上や安全な場所から確認できる範囲と、法面へ立ち入る必要がある範囲を分けます。高い法面や急勾配では、通常の平地の草刈りと同じ方法を用いず、必要な安全設備、作業資格、監視体制、作業手順を整えます。変状がある法面へ、植生確認だけを目的に無理に進入してはいけません。


草刈りでは、飛散物と機械の取扱いに注意します。小石、枝、金属片などが植生に隠れている可能性があります。道路、歩道、建物、車両、電気設備が近接する場合は、飛散防止、立入規制、誘導、作業時間帯の調整を行います。


排水施設の清掃では、閉塞物を除去した際に水や土砂が急に流れ出す可能性があります。下流側の作業者や第三者への影響を確認し、必要に応じて少しずつ通水を回復させます。除去物は安定した場所へ搬出し、法面や排水施設へ再流入させないようにします。


点検と軽微な維持作業を同日に行う場合でも、対応可能な範囲を明確にします。小さな落ち葉詰まりの除去と、深い浸食や湧水を伴う法面変状への対応は同じではありません。現場で判断できない変状は、簡易作業で隠さず、写真と位置を記録して管理者へ報告します。


作業前には、残す植生、除去対象、排水施設、補修箇所、立入禁止範囲を共有します。目的を共有しないまま作業すると、必要な植生を誤って除去したり、補修箇所を踏み荒らしたりする可能性があります。作業後は、刈草や土砂の残置、排水閉塞、補修面の段差、新たに見つかった亀裂や裸地を確認します。


法面全体を一度に管理するのではなく、排水周辺、裸地の進行箇所、点検設備周辺、過去の再発箇所から優先します。記録を基に区画と作業量を決めれば、人員、資材、安全設備を準備しやすくなり、見た目だけを整える過剰作業も減らせます。


法面緑化を長期的に維持するためのまとめ

法面緑化で雑草と裸地化を抑えるには、単発の草刈りや種子追加だけでは不十分です。現地の状態を観察し、雑草の支障と地表被覆への寄与を見極め、裸地化の原因を調べ、排水と法面表面を整え、作業結果を継続して記録する必要があります。


手順1では、法面全体を区画ごとに確認し、植生の被覆、雑草の繁茂、裸地の形状、亀裂、浸食、湧水、排水施設の状態を把握します。緑色の多さだけで判断せず、変状の進行性と点検性を確認します。


手順2では、雑草を一律に除去せず、目的植生への影響、排水や点検への支障、拡大速度、外来種としての取扱いを確認します。必要以上の低刈りを避け、地表被覆を残しながら管理します。


手順3では、裸地へ植生材料を追加する前に、乾燥、過湿、流水、踏み荒らし、基材流亡などの原因を整理します。深い浸食、湧水、亀裂、法面変形を伴う場合は、植生補修だけで済ませず専門的な判断へつなげます。


手順4では、法肩、小段、法尻、排水施設を一つの水の流れとして確認します。閉塞、越流、水みち、滞留、乾燥と湿潤の偏りを早期に把握し、原因を除いたうえで地表を補修します。


手順5では、写真、位置、変状、作業内容、判断理由、効果確認を記録し、時系列で比較します。記録を蓄積すれば、雑草が繁茂しやすい時期や裸地化を繰り返す区画を把握し、予防的な維持管理へ移行できます。


広い法面では、全景写真、変状箇所、排水施設、作業履歴を位置や区画と関連付けて管理すると、点検漏れや写真の取り違えを減らせます。使用する端末や管理方法は特定の製品名で決めるのではなく、現場の安全性、必要な位置精度、写真の比較性、データ共有、保存期間を基準に選びます。


法面緑化を長く維持する第一歩は、小さな裸地や排水の詰まりを早期に見つけ、原因に合った処置を行うことです。植生管理だけで解決できる変化と、法面全体の安定性を確認すべき変状を区別し、点検、作業、記録、効果確認を継続することが重要です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page