top of page

法面工事の資材仮置きで荷崩れを防ぐ6ルール

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

法面工事では、吹付材、金網、アンカー材、鉄筋、排水材、型枠材、仮設足場材、ロープ、工具類など、多様な資材が限られたヤードに持ち込まれます。平坦な造成地とは違い、法肩や法尻、作業通路、仮設道路の周辺は高低差や勾配、雨水の流れ、重機の動線、人の通行が重なりやすく、資材の仮置き方法を誤ると荷崩れ、転落、滑動、通路閉塞、第三者災害につながるおそれがあります。 資材仮置きは、単なる整理整頓ではありません。どこに置くか、どの向きで置くか、どの高さまで積むか、どの順番で使うか、誰が確認するかまで含めた現場管理の一部です。特に法面工事では、上から下へ、奥から手前へ、施工段階に応じて資材の必要位置が変わるため、最初に決めた置き場が最後まで安全とは限りません。 この記事では、法面工事の資材仮置きで荷崩れを防ぐために、実務で押さえたい6つのルールを解説します。現場監督、職長、協力会社の作業責任者、巡視担当者が共通認識を持ち、毎日の作業前点検や搬入計画に落とし込める内容としてまとめます。


目次

法面工事の資材仮置きで荷崩れが起きやすい理由を理解する

ルール1は仮置き場所を勾配と水の流れで決めること

ルール2は資材の種類ごとに積み方と向きを分けること

ルール3は積み高さを抑え荷重を分散させること

ルール4は使用順と搬出入動線を先に決めること

ルール5は雨風と振動を前提に固定と養生を行うこと

ルール6は毎日の巡視で小さなずれを見逃さないこと

荷崩れ防止を施工管理と記録に結びつける

まとめ


法面工事の資材仮置きで荷崩れが起きやすい理由を理解する

法面工事の資材仮置きが難しいのは、現場そのものが安定した倉庫や平場ではないからです。法面の近くには高低差があり、法肩では落下の危険があり、法尻では湧水や雨水が集まりやすく、仮設道路では重機や運搬車両の振動が発生します。資材を一時的に置いただけのつもりでも、地盤がぬかるむ、敷き材が沈む、段積みした資材が片側に寄る、結束が緩むといった変化が重なると、荷崩れの危険は短時間で高まります。 また、法面工事では資材の形状がそろいにくい点も見逃せません。袋物の材料、長尺の鋼材、巻物の金網、円筒状の管材、板状の資材、細かな金物、仮設材が同じヤードに混在します。形状や重量が違う資材を同じ感覚で積むと、下段がつぶれたり、上段が転がったり、引き抜いた資材が周囲の資材を巻き込んで崩れたりします。見た目には整っていても、荷重のかかり方が偏っていれば安全な仮置きとはいえません。 さらに、施工の進行に伴って仮置き場の条件が変わることもあります。掘削や法面整形が進むと通路幅が変わり、排水経路が変わり、搬入車両の停止位置も変わります。朝は問題なかった場所が、午後には作業動線と重なって危険になることもあります。つまり、法面工事の資材仮置きでは、最初にきれいに並べるだけでなく、現場条件の変化に合わせて置き場を見直す管理が必要です。 荷崩れは、突然起きたように見えても、多くの場合は前兆があります。パレットの傾き、端部のはみ出し、ロープの緩み、シートのばたつき、資材下の水たまり、敷き角材の沈み込み、通路側へのせり出しなどです。こうした小さな変化を放置すると、作業員が資材を取ろうとした瞬間や、重機が近くを通過した瞬間に崩れるおそれがあります。荷崩れ防止の第一歩は、法面工事特有の不安定要因を理解し、仮置きそのものを危険源として管理することです。


ルール1は仮置き場所を勾配と水の流れで決めること

資材仮置きの安全性は、置き方よりも先に置き場所で大きく決まります。法面工事では、空いている場所に置くのではなく、勾配、水の流れ、地盤の状態、法肩や法尻との距離を確認したうえで仮置き場所を決める必要があります。特に荷崩れを防ぐうえでは、わずかな傾斜でも無視できません。長尺材や管材、巻物資材は、勾配方向に置くと転がりやすく、袋物やパレット資材は片荷重になって下段が崩れやすくなります。 仮置き場所を選ぶときは、まず資材の重心がどちらに逃げるかを考えます。地面が法面側へ傾いている場所に資材を積むと、荷崩れした際に下方へ流れ、作業員や通行者を巻き込む危険があります。反対に、山側へ傾いているように見える場所でも、雨水がたまって地盤が軟化すれば、資材の下だけが沈み、積み姿勢が崩れます。見た目の平坦さだけでなく、実際に水がどこへ流れるか、過去の降雨後にぬかるみが残っていないかを確認することが重要です。 法肩付近の仮置きも慎重に判断する必要があります。法肩は作業上便利に見えますが、荷重が集中すると地盤の緩みや小さな崩落を招くおそれがあります。法肩ぎりぎりに資材を置くと、資材の落下だけでなく、作業員が資材を扱う際の転落リスクも高まります。法肩付近に一時的に資材を置く必要がある場合でも、必要最小限にとどめ、長時間の保管場所として使わない判断が求められます。 法尻側では、排水の集まり方に注意します。法面からの雨水や湧水が流れ込む位置に資材を置くと、敷き材の下が洗掘され、パレットや角材が傾くことがあります。特に袋物や軽量資材は、水を含むと重くなり、移動時にも崩れやすくなります。仮置き場の近くに側溝、仮排水路、沈砂ますがある場合は、資材が排水経路をふさがないようにすることも大切です。排水が詰まると、仮置き場そのものが水に浸かり、安定性が低下します。 置き場所を決める際には、敷き鉄板や敷き角材を使って水平に近い状態をつくることがあります。ただし、敷き材を置いたから安全と考えるのは危険です。敷き材の下の地盤が軟弱であれば、荷重を受けて徐々に沈みます。敷き材同士の高さがそろっていない場合も、資材にねじれや片荷重が生じます。仮置き前には、敷き材が安定しているか、資材の端部が浮かないか、荷重が一部に集中しないかを確認します。 仮置き場所は、施工計画段階で大まかに決め、現場では日々見直すものです。搬入日、降雨後、掘削範囲変更後、重機動線変更後には、仮置き場所の再確認が必要です。資材置き場を固定したまま施工だけが進むと、いつの間にか危険な位置に資材が残ることがあります。法面工事では、仮置き場所を地形と水の動きで判断することが、荷崩れ防止の基本になります。


ルール2は資材の種類ごとに積み方と向きを分けること

荷崩れを防ぐには、資材の種類ごとに積み方を変える必要があります。形状、重量、滑りやすさ、転がりやすさ、変形しやすさが違う資材を同じ区画に混在させると、安定した積み姿を保ちにくくなります。法面工事では、施工の都合で資材をまとめて搬入することが多いため、搬入直後に分類せず仮置きしてしまうと、その後の取り出し作業で荷崩れが起きやすくなります。 袋物の材料は、下段にかかる荷重と水濡れに注意します。袋が破れたり、角がつぶれたりすると、上段が不安定になります。袋物はできるだけ平らな面をそろえ、段ごとに向きを変えて積むことで一体性を持たせます。ただし、高く積みすぎると下段が変形し、全体が外側にふくらむことがあります。見た目の高さだけでなく、下段の袋が押し広げられていないか、角が崩れていないかを確認します。 長尺材は、支持点の位置と端部のはみ出しが重要です。鉄筋、鋼材、支柱材、単管などは、端部が通路側にはみ出すと接触やつまずきの原因になります。支持点が少ないと中央部がたわみ、重ねた資材が転がりやすくなります。長尺材は長さをそろえ、敷き角材などで複数点を支持し、転がり止めを設けます。斜面方向へ向けて置くと滑動や転落につながるため、勾配方向を避けた向きで置けるかを確認します。 巻物の金網やシート類は、円筒形であるため転がり防止が欠かせません。軽いように見える資材でも、斜面や振動の影響で動き出すと止めにくくなります。巻物を積む場合は、下段を確実に固定し、上段を不安定に載せないことが大切です。作業員が一本だけ抜き取ろうとした際に、隣の巻物が動くこともあります。取り出し方向を決め、作業時に他の資材が連動して崩れない配置にします。 管材や排水材も同様に、転がりやすい資材として扱います。管材を段積みする場合は、下段の転がり止めが不十分だと上段の重みで外側へ広がります。管の径や長さが混在している場合は、径の大きいものを下に、軽く小さいものを上に置くという単純な考えだけでは足りません。接触面が少ない組み合わせでは安定せず、取り出す順番によって支えが失われることがあります。管材は同じ径、同じ長さごとに分け、無理な混載を避けます。 小物資材や金物類は、荷崩れとは無関係に見えますが、実際には足元災害や資材散乱の原因になります。箱やコンテナに入れた小物を不安定な上段に置くと、箱ごと落下するおそれがあります。重量のある金物を軽量資材の上に置くと、下の資材が変形し、積み全体が崩れます。小物は決められた容器に入れ、重量物は下段へ、頻繁に使うものは取り出しやすい高さへ配置します。 資材の種類ごとに置き方を分けることは、作業効率にもつながります。必要な資材がどこにあるか分かれば、無理に奥の資材を引き抜く作業が減ります。無理な引き抜きは荷崩れの典型的なきっかけです。資材仮置きでは、きれいに見えることよりも、使うときに崩れないことを優先する必要があります。


ルール3は積み高さを抑え荷重を分散させること

仮置き場が狭いと、どうしても資材を高く積みたくなります。しかし、法面工事の現場では、高積みは荷崩れの大きな要因になります。高さが増すほど重心が上がり、地面のわずかな傾き、振動、風、取り出し時の力に対して不安定になります。特に仮置きは恒久的な保管ではないため、専用ラックや倉庫のような安定条件が整っていないことが多く、高さを抑えることが安全管理の基本です。 積み高さを考えるときは、資材そのものの強度だけでなく、下段が耐えられる荷重を見ます。袋物、箱入り資材、軽量成形品などは、上からの荷重で変形することがあります。下段が少しつぶれるだけでも、上段の水平が失われ、全体が傾きます。変形した資材は、使用時の品質にも影響する場合があります。資材を保護する意味でも、積み高さを必要以上に上げない管理が重要です。 荷重の分散には、敷き材の使い方が関わります。パレットや角材を使う場合、荷重が地面に均等に伝わるように配置します。角材の間隔が広すぎると、資材の中央部がたわみます。逆に支持点が一部に集中すると、その部分だけ地盤が沈みます。法面近くの仮置き場では、地盤の締まり具合が均一でないこともあるため、置いた直後だけでなく、時間が経った後の沈み込みも確認します。 積み高さを抑えることは、作業員の姿勢にも関係します。肩より高い位置の資材を手で扱うと、引き出す力の方向が不安定になり、資材が手前に倒れてくるおそれがあります。上段の資材を取るために足場代わりに下段へ乗る行為も危険です。仮置き場は保管場所であると同時に、資材を取り出す作業場所でもあります。人が安全に手を伸ばせる高さ、視認できる高さ、無理なく玉掛けや手運搬ができる高さを考える必要があります。 荷重分散では、重い資材を下に置くことが基本ですが、それだけで十分ではありません。重い資材が下段にあっても、その上に転がりやすい資材を載せれば崩れます。重い資材の上面が不陸になっていれば、上に置いた資材は安定しません。重い資材を基礎のように使うのではなく、重い資材は重い資材として低く安定させ、別の種類の資材とはできるだけ分けて置く考え方が安全です。 また、仮置き量そのものを減らす工夫も必要です。一度に大量搬入して現場に積み上げると、仮置き場の管理負担が増えます。施工順に合わせて必要量を搬入し、不要になった梱包材や残材は早めに搬出することで、高積みや混在を避けやすくなります。法面工事では作業場所が限られるため、現場を資材置き場にしすぎないことも荷崩れ防止の重要な考え方です。


ルール4は使用順と搬出入動線を先に決めること

荷崩れは、資材を置いている間だけでなく、取り出すときに多く発生します。奥にある資材を無理に引き抜く、上の資材を仮にどける、通路側へ一時的に置く、搬入車両が近くで切り返すといった行為が重なると、きれいに積んだ資材でも崩れやすくなります。そのため、資材仮置きでは、置く前に使用順と搬出入動線を決めておくことが大切です。 法面工事では、施工段階ごとに使う資材が変わります。伐採や清掃、法面整形、金網設置、アンカー施工、吹付、排水処理、仕上げ、片付けなど、工程が進むにつれて必要な資材は移り変わります。後で使う資材を手前に置き、すぐ使う資材を奥に置くと、取り出しのたびに資材を動かすことになります。仮置きの段階で工程表と照らし合わせ、先に使うものを取り出しやすい位置に、後で使うものを邪魔にならない位置に置くことが重要です。 搬入車両の停止位置も事前に決めておきます。車両が仮置き資材の近くで急な切り返しをすると、接触や振動によって積みが崩れることがあります。荷下ろし時に資材を仮置き場の端へ雑に置くと、その後の積み直しが必要になります。搬入時点で正しい位置へ置けるように、誘導者、荷下ろし場所、重機の旋回範囲、人の退避位置を確認します。資材の受け入れを急ぐあまり、仮置き場の整理を後回しにすると、後から危険を直すために余計な作業が発生します。 搬出入動線では、人と重機の動きを分けることも大切です。作業員が資材を取りに行く通路と、重機や運搬車両が通るルートが重なると、資材置き場周辺が混雑します。混雑した場所では、資材を一時的に通路へ置いたり、端部をはみ出させたりしやすくなります。通路を確保するだけでなく、通路にはみ出さない積み方、取り出し時に通路をふさがない配置を考えます。 資材の取り出し方向も決めておくべきです。長尺材を横から引き抜くのか、上から吊るのか、どちら側から人が近づくのかが曖昧だと、作業員ごとに扱い方が変わります。取り出し方向が決まっていない資材は、周囲の資材を押したり、引っ掛けたりしやすくなります。仮置き時に取り出し面をそろえ、使わない面には立ち入りにくい区画を設けるなど、資材の動きを想定した配置にします。 残材や端材の扱いも動線管理の一部です。施工中に発生した端材を仮置き場の隙間に置くと、いつの間にか分類が崩れ、資材の安定性が失われます。残材置き場を別に決め、再使用するもの、廃棄するもの、確認待ちのものを混在させないことが必要です。荷崩れ防止は、新品資材だけでなく、日々発生する残材管理まで含めて考える必要があります。


ルール5は雨風と振動を前提に固定と養生を行うこと

仮置きした資材は、置いた瞬間の状態のまま保たれるわけではありません。法面工事の現場では、雨、風、直射日光、気温変化、重機振動、車両通行、破砕作業に伴う振動など、資材に影響する要因が多くあります。荷崩れを防ぐには、平常時だけでなく、天候や振動で状態が変わることを前提に固定と養生を行う必要があります。 雨は資材仮置きに大きな影響を与えます。地盤が緩む、敷き材が沈む、袋物が水を含む、梱包が破れる、金属材が滑りやすくなる、シートに水がたまるといった変化が起こります。雨が予想される場合は、資材を低い位置に安定させ、シート養生を行い、水がたまらないように勾配や掛け方を調整します。シートを掛けるだけでは不十分で、風であおられないように固定し、端部が通路や法面側へ垂れないようにします。 風も軽量資材やシート類に影響します。シート、軽量板材、空の容器、梱包材などは、風で飛散すると周辺作業に支障を与えます。飛散した資材が法面下へ落ちると、回収作業そのものが危険になることもあります。軽い資材ほど固定を後回しにしがちですが、風の影響を受ける資材は重さだけで判断せず、面積や形状を見て固定方法を決めます。 重機や車両の振動も見落とせません。仮設道路沿いの資材は、車両が通るたびに少しずつずれることがあります。特に管材、巻物、長尺材は、振動で転がり止めが緩んだり、端部が動いたりします。朝の点検で問題がなくても、搬入が続いた後には状態が変わることがあります。重機が近くを通る場所では、資材を高く積まない、通路側に余裕を持たせる、固定具の緩みを確認するなどの対策が必要です。 固定は、資材を縛ればよいというものではありません。結束の位置が悪いと、資材の一部だけに力がかかり、かえって変形やずれを招きます。長尺材は束の両端だけでなく、中央付近も安定するようにします。巻物や管材は、下段の転がり止めを確実にし、上から押さえるだけの固定に頼りすぎないようにします。袋物や箱物は、強く締めすぎると荷姿が崩れる場合があるため、積み姿勢を保つことを優先します。 養生では、資材の保護と周囲の安全を同時に考えます。水濡れを防ぐためにシートを掛けても、シート端部が作業通路に出てつまずきの原因になれば危険です。風でばたつくシートは、視界を妨げたり、固定ロープの緩みを誘発したりします。養生後には、資材そのものが安定しているか、養生材が新たな危険を生んでいないかを確認します。 天候の変化が予想される日は、作業終了時の片付けが特に重要です。翌朝に直せばよいという考えでは、夜間の雨風で荷崩れが起きる可能性があります。終業前には、仮置き資材の高さ、固定、シート、排水、通路の状態を確認し、翌日の作業開始まで安全な状態を保てるようにします。法面工事では、現場に人がいない時間帯も資材は斜面や風雨の影響を受け続けます。


ルール6は毎日の巡視で小さなずれを見逃さないこと

荷崩れ防止は、仮置きした時点で終わりではありません。法面工事の現場では、日々の作業、天候、搬入、搬出、人の出入りによって資材の状態が変わります。毎日の巡視で小さなずれを見つけ、早めに直すことが重要です。資材が大きく崩れてから対応するのではなく、崩れそうな状態を見つけることが巡視の目的です。 巡視では、まず積み姿勢を見ます。資材全体が傾いていないか、下段がつぶれていないか、端部がはみ出していないか、段積みの一部が外側へ膨らんでいないかを確認します。わずかな傾きでも、昨日より大きくなっていれば注意が必要です。現場では見慣れた資材ほど変化に気づきにくいため、正面、側面、通路側、法面側など複数の方向から見ることが有効です。 次に、資材の下を確認します。敷き材が沈んでいないか、水たまりができていないか、土砂が流出していないか、角材が割れていないかを見ます。荷崩れの原因は、資材の上部ではなく足元にあることも多いです。特に降雨後は、資材自体が動いていなくても、下の地盤が弱くなっていることがあります。水が引いた後でも、地盤の支持力が戻っていない場合があるため、見た目だけで判断しないことが大切です。 固定状態も毎日確認します。ロープや結束材が緩んでいないか、転がり止めが外れていないか、シートの固定がずれていないかを見ます。固定具は、一度締めれば永久に効くものではありません。資材の乾湿、振動、温度変化、作業時の接触で緩みます。固定が緩んだ状態で上から締め直すだけでは、資材の位置ずれが残ることがあります。必要に応じて積み直し、正しい位置に戻してから固定します。 巡視では、資材置き場の周辺も見ます。通路が狭くなっていないか、資材が作業範囲へせり出していないか、避難経路や昇降設備をふさいでいないか、表示や区画が見えにくくなっていないかを確認します。荷崩れそのものが起きていなくても、資材のはみ出しによって作業員が無理な姿勢で通行するようになれば、別の災害につながります。 巡視の結果は、口頭だけで済ませないことが望ましいです。写真や記録に残すことで、変化を比較しやすくなります。特に法面工事では、施工範囲が広く、複数の作業班が同時に動くことがあります。誰が見ても同じ状態を把握できるように、資材置き場の位置、異常の有無、是正内容、確認時刻を簡潔に残すと、次の作業者への引き継ぎがしやすくなります。 小さなずれを見つけたときは、すぐに直す判断が必要です。少し傾いているだけ、少しはみ出しているだけという状態を放置すると、現場ではすぐに日常化します。日常化した危険は、誰も危険と感じなくなります。荷崩れ防止の巡視では、異常を見つける力だけでなく、見つけた異常をその日のうちに是正する運用が大切です。


荷崩れ防止を施工管理と記録に結びつける

資材仮置きの荷崩れ防止は、現場の整理整頓だけでなく、施工管理全体に結びつけて考える必要があります。仮置き場が乱れる現場では、搬入計画、工程調整、作業動線、残材処理、巡視記録のどこかに無理が生じていることが少なくありません。資材の置き方だけをその場で直しても、搬入量が多すぎる、置き場が工程に合っていない、責任者が不明確であるといった原因が残れば、同じ状態が繰り返されます。 施工管理としてまず行いたいのは、資材置き場を図面や現場写真で明確にすることです。どの範囲を仮置き場とし、どの範囲を通路とし、どこを重機動線とするかを関係者で共有します。口頭だけの指示では、人によって解釈が分かれます。資材置き場の範囲を明確にし、法肩からの離隔、排水経路、車両停止位置、荷下ろし位置を分かりやすくしておくと、搬入時の混乱を減らせます。 工程との連動も重要です。今日使わない資材が現場に多くあるほど、仮置き場は圧迫されます。作業予定と資材搬入のタイミングを合わせ、必要な資材を必要な時期に入れることで、余分な積み上げを避けられます。工程変更があった場合は、資材の置き場も見直します。工事の進み方が変わったのに資材配置だけが古い計画のままでは、作業動線と仮置き場が衝突しやすくなります。 安全打合せでは、資材仮置きの状態を具体的に扱うことが大切です。単に整理整頓を徹底するという言い方では、何を直すべきかが曖昧です。どの資材の高さを下げるのか、どの端部を通路から引っ込めるのか、どの巻物に転がり止めを追加するのか、どの場所を雨前に移動するのかを具体的に共有します。具体的な指示ほど、現場で実行されやすくなります。 記録の取り方にも工夫が必要です。仮置き場の写真は、同じ方向、同じ距離、同じ範囲で撮ると変化を比較しやすくなります。写真だけでは分かりにくい場合は、資材名、数量、確認内容、是正内容を短く記録します。記録は書類作成のためだけではなく、現場の変化を見える化するために使います。昨日より傾きが増している、雨後に水がたまりやすい、搬入後に通路が狭くなるといった傾向が分かれば、事前対策につなげられます。 法面工事では、位置情報を含めた記録も役立ちます。広い現場や複数の法面がある現場では、写真だけではどこの仮置き場か分かりにくくなることがあります。資材置き場、危険箇所、是正箇所を位置と合わせて記録できれば、関係者間の共有がスムーズになります。現場で撮影し、位置を確認し、あとから管理図や記録に整理する流れをつくることで、荷崩れ防止の取り組みを日々の施工管理に組み込みやすくなります。 荷崩れ防止は、特別な日だけ実施する安全活動ではありません。搬入があった日、雨が降った日、工程が変わった日、作業班が増えた日には、資材仮置きのリスクが変化します。施工管理の中で仮置き場を継続的に見直し、写真と記録で状態を残すことが、再発防止と説明責任の両面で役立ちます。


まとめ

法面工事の資材仮置きで荷崩れを防ぐには、置き場、積み方、高さ、動線、固定、巡視を一体で管理することが重要です。法面周辺は勾配や水の流れ、地盤の緩み、重機振動の影響を受けやすく、平場と同じ感覚で資材を置くと危険が見えにくくなります。空いている場所に置くのではなく、資材が動いたときにどこへ向かうか、雨が降ったときに足元がどう変わるか、作業員が取り出すときに無理な姿勢にならないかを考える必要があります。 6つのルールを実務に落とし込むと、まず仮置き場所を勾配と排水で判断し、資材の種類ごとに積み方と向きを分けます。次に、高積みを避けて荷重を分散し、使用順と搬出入動線を先に決めます。そのうえで、雨風や振動を前提に固定と養生を行い、毎日の巡視で小さなずれを早めに直します。どれか一つだけを徹底するのではなく、現場条件の変化に合わせて組み合わせることが大切です。 荷崩れは、資材の量が多い現場だけで起きるものではありません。少量の資材でも、置き場所が悪い、下段が沈む、端部がはみ出す、固定が緩む、通路と重なるといった条件が重なれば事故につながります。特に法面工事では、崩れた資材が下方へ移動しやすく、作業員や第三者への影響が大きくなるおそれがあります。小さな乱れを早めに整えることが、大きな事故を防ぐ近道です。 資材仮置きの安全管理を続けるには、現場写真と位置情報を活用した記録が有効です。どこに何を置き、いつ状態を確認し、どのように是正したかを残せば、作業班同士の引き継ぎや管理者の確認がしやすくなります。法面の巡視、資材置き場の確認、荷崩れの前兆記録を現場で素早く残したい場合は、スマートフォンや現場記録ツールを使った写真記録と位置管理を組み合わせることで、日々の安全管理に反映しやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page