目次
• 河川沿いの法面工事で許可確認が先になる理由
• 許可前に見る項目1 河川の区分・管理者・区域境界
• 許可前に見る 項目2 工事内容と必要な許可・協議
• 許可前に見る項目3 治水・河岸・排水への影響
• 許可前に見る項目4 申請図書・工程・関係者調整
• 現地調査で押さえるべき実務ポイント
• 許可後の施工管理と完成記録
• まとめ 河川沿いの法面工事は区域確認から始める
河川沿いの法面工事で許可確認が先になる理由
河川沿いの斜面に亀裂、洗掘、表土の流出、落石、局所的な崩れが見つかると、建物、道路、駐車場、農地、設備などへの被害を防ぐため、早く法面工事を進めたいと考えるのが自然です。しかし、河川に近い法面では、工法を決める前に確認すべき事項があります。対象地がどの河川の管理区間に あるか、河川区域や河川保全区域に含まれるか、計画している行為に河川法上の許可や承認が必要かという点です。
一般の敷地内にある斜面であれば、土地の権利関係、地盤条件、周辺構造物、排水、施工ヤード、安全対策などを整理して工法を選びます。河川沿いでは、それらに加えて、洪水時の流れを妨げないか、河岸や堤防の安定を損なわないか、土砂や濁水を河川へ流出させないか、河川管理用通路や点検作業の支障にならないかという確認が必要です。
斜面が民有地に見えても、河川区域に含まれていたり、河川保全区域に指定されていたりすることがあります。一方で、川に近いという理由だけで、すべての法面工事に一律の許可が必要になるわけでもありません。区域指定の有無、土地の権原、工事の目的、構造、規模、河川管理施設との位置関係、法令上の例外によって必要な手続きは変わります。
河川区域内では、土地の占用、工作物の新築・改築・除却、土地の掘削・盛土・切土などが河川法上の許可対象になり得ます。 竹木の植栽や伐採、土石等の採取についても、行為の内容によって別の許可確認が必要です。河川保全区域内では、土地の形状変更や工作物の新築・改築が許可対象になり得ますが、政令で定める除外行為もあります。また、河川管理者以外の者が護岸の新築や改築など、河川の管理に属する工事を行う場合は、通常の占用許可等とは別に河川法第20条の承認が問題になることがあります。適用条文を申請者が一つに決めつけず、工事の目的と行為を河川管理者へ示して確認することが重要です。([中央防災会議][1])
したがって、自分の土地だから直してよい、水際から離れているから手続きは不要、小規模補修だから申請はいらないと自己判断するのは避けるべきです。河川管理者が公開する区域図や申請案内を確認し、位置図、現況写真、概略平面図、断面スケッチ、工事内容を用意して事前相談することが出発点になります。本稿は一般的な確認事項を整理したものであり、最終的な手続きは現場を所管する河川管理者の判断に従う必要があります。
許可や承認の確認を後回しにすると、設計が固まった後に法面勾配、構造物の位置、基礎の深さ、施工方法、排水計画、仮設計画を変更することになりかねません。河川側へ張り出 す足場、工事用通路、仮締切、仮排水、資材置場、重機の進入路なども、完成後に残る構造物とは別に確認が必要です。許可前に見るべき四つの項目を早い段階で整理することが、設計の手戻り、着工の遅れ、追加測量、関係者説明のやり直しを減らす現実的な対策になります。
許可前に見る項目1 河川の区分・管理者・区域境界
最初に確認するのは、河川の正式名称、区分、管理者、担当窓口です。国土交通省の案内では、一級河川は国土交通省または都道府県などが管理し、二級河川は都道府県など、準用河川は市町村が管理します。普通河川には河川法が適用されず、市町村の条例や法定外公共物の管理規定などに基づく手続きが必要になることがあります。河川名が地図に載っているだけでは担当機関を確定できないため、現場住所、河川名、最寄りの橋、左右岸、地番を整理して問い合わせます。([国土交通省][2])
一級河川では、同じ河川でも区間によって国、都道府県、政令指定都市など担当窓口が異なる場合があります。二級河川でも一部区間の事務を政令指定都市が担う例があります。担当を誤る と相談や申請のやり直しが生じるため、河川名だけでなく管理区間まで確認します。位置を説明するときは、川を下流方向に見たときの右側を右岸、左側を左岸として、流水方向と現場位置を図面に示すと認識差を減らせます。
次に確認するのが河川区域の境界です。平常時に水が流れている範囲、水際、護岸の天端、堤防の法尻、フェンス、地番境界が、そのまま河川区域境界と一致するとは限りません。堤防、河川管理施設の敷地、高水敷、管理用通路などを含めて河川区域が定められている場合があります。公図や登記事項証明書だけで判断せず、河川区域図、告示図面、河川台帳、境界確定資料などの閲覧可否を河川管理者へ確認します。
河川保全区域は、河岸または堤防などの河川管理施設を保全するため、河川区域に隣接する土地について河川管理者が指定する区域です。すべての河川、すべての区間に自動的に設定されるものではなく、指定範囲も管理区間によって異なります。全国共通の距離だけで対象内外を判断せず、所管機関が公開する図面や窓口回答で確認します。国土交通省の各河川事務所でも、管内ごとに異なる指定幅が案内されています。([中央防災会議][3])
区域確認では、完成する法面構造だけでなく、工事に使用する範囲全体を図面へ重ねます。斜面本体が河川区域外でも、足場の脚、重機の旋回範囲、仮設通路、排水管の吐口、仮設防護柵、土のう、資材置場、伐採範囲などが区域内に入ることがあります。完成後に構造物が残らなくても、掘削、仮置き、仮締切などで土地の形状や利用状態を一時的に変える場合があります。
地番境界と河川区域境界は分けて整理します。土地所有権の境界は誰が土地の権利を持つかを示し、河川区域境界は河川法上の管理範囲を示します。民有地であることと河川法上の手続きが不要であることは同じではありません。また、河川法上の許可や承認を得ることと、土地所有者、借地権者、道路管理者などから必要な同意を得ることも別です。
なお、河川法第24条の土地占用許可は、河川区域内の土地すべてに機械的に適用されるわけではありません。河川管理者以外の者が権原に基づいて管理する土地は条文上の対象から除かれています。ただし、その土地で工作物を設置したり、掘削等を行ったりする場 合は、第26条、第27条その他の手続きが問題になる可能性があります。土地の所有関係だけで結論を出さず、行為ごとに確認します。([中央防災会議][1])
実務では、最初から精密な測量図を作る前に、位置図、現地写真、地番図、簡易な平面図と断面図を使って予備相談し、その回答を踏まえて必要な測量範囲を決める方法が効率的です。ただし、区域境界が不明確なまま設計を確定してはいけません。構造物位置がわずかに変わるだけでも、区域内外、占用面積、掘削範囲、適用手続き、施工方法が変わる可能性があります。
許可前に見る項目2 工事内容と必要な許可・協議
二つ目の項目は、法面工事を斜面補修という一言でまとめず、具体的な行為へ分解することです。河川管理者が確認するのは工事名ではなく、どこを掘るのか、どこに盛るのか、何を新設・改築・撤去するのか、土地をどの範囲で使用するのか、樹木を伐採するのか、排水をどこへ流すのか、工事が河川管理施設にどのような影響を与えるのかという内容です。
河川区域内で土地を排他的かつ継続的に使用する計画では、土地の権原関係を確認したうえで河川法第24条の占用許可が問題になります。擁壁、法枠、柵、階段、排水管、集水施設、点検設備などの工作物を新築、改築、除却する場合は第26条、掘削、盛土、切土など土地の形状を変更する場合は第27条の確認が必要です。一つの工事に複数の行為が含まれる場合、複数条項をまとめて申請できる運用もあるため、窓口の指示に従って書類を整えます。([中央防災会議][1])
河川区域内の土石を採取する行為は、河川法第25条の許可対象になる場合があります。ただし、法面工事に伴って発生土を搬出する計画が直ちに土石採取に当たると一律に断定することはできません。掘削の目的、土石の扱い、土地の権原、他の許可との関係を示し、該当性を河川管理者へ確認します。([国土交通省地図情報提供システム][4])
河川保全区域では、土地の掘削、盛土、切土その他の形状変更と、工作物の新築・改築が河川法第55条の許可対象になり得ます。一方、耕うんや一定規模以下の行為など、政令で許可不要とされるものがあります。た だし、河川管理施設の近くでは除外が適用されない場合があり、河川管理者が別の距離を指定することもあります。小規模だから不要と決めず、構造、寸法、掘削深さ、河川管理施設からの離隔を示して確認します。([中央防災会議][1])
さらに、護岸の新築や改築、河道掘削など、工事の目的や内容が河川の管理に属する場合は、河川管理者以外の者が行う河川工事として河川法第20条の承認が必要になることがあります。河岸を守る構造物だから必ず第20条、民有地の補強だから必ず第26条というように外形だけで区分せず、誰が何の目的でどの施設を施工し、完成後に誰が維持管理するのかまで整理して相談します。([地域交通政策局][5])
恒久施設だけでなく、仮設計画も行為別に説明します。川側に足場を組む、河川敷へ重機を入れる、工事用通路を設ける、仮締切や仮排水を設ける、資材や発生土を一時的に置くといった行為は、河川利用、流下能力、維持管理に影響する可能性があります。仮設物は撤去するから手続き不要とは限りません。設置位置、使用期間、撤去方法、増水前の退避方法まで示します。
排水計画も見落とせません。法面上部の雨水や地下水を集めて河川へ放流する場合、排水管、集水桝、側溝、吐口、落差処理、河床保護などが工作物として扱われる可能性があります。既存吐口へ接続する場合でも、流量や流速の変化、吐口周辺の洗掘、逆流、維持管理への影響を確認します。工事中の仮排水と完成後の恒久排水を分け、集水範囲、排水経路、放流位置、濁水処理、点検方法を明らかにします。
樹木の伐採や植栽を伴う場合は、河川区域内の竹木の植栽・伐採に関する第27条の確認が必要です。ただし、草本の種子吹付けや植生基材の施工まで常に同じ扱いになるとは限らず、竹林伐採などには政令上の例外もあります。伐採、伐根、再緑化を一括して説明し、対象範囲、伐根の有無、地盤への影響、裸地を残す期間、処分方法を示します。([中央防災会議][1])
河川法だけで工事の可否が決まるとは限りません。場所によっては、砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地関係の区域、森林法上の規制、盛土規制法、道路法、農地法、文化財保護法、自然公園関係の規制など、別の許可や協議が必要になる場合があります。河川法上の許可は他法令の 許可や土地所有者の同意を代替せず、他法令の許可を得ても河川手続きが不要になるとは限りません。
変状の緊急性が高い場合は、まず人命確保、立入規制、避難、通行規制などの安全措置を優先し、自治体の防災担当、警察、消防、道路管理者、河川管理者などへ連絡します。応急的な養生や排水切回しが必要になる場合でも、緊急性だけを理由に恒久的な法面工事を無断で進めることは避けます。連絡先、応急措置の範囲、増水時の撤退基準を事前に確認しておくと、現場判断の遅れを減らせます。
許可前に見る項目3 治水・河岸・排水への影響
三つ目の項目は、計画した法面工事が洪水の流れ、河岸、堤防、護岸、排水にどのような影響を与えるかです。河川沿いの法面は、法肩から流れ込む雨水だけでなく、増水による水位上昇、流速の増加、地下水位の変動、河岸の洗掘、細粒分の吸い出しなどの影響を受けます。斜面内部の安定だけを見て工法を決めると、河川側から作用する外力を見落とす可能性があります。
まず確認するのは、法尻と流水の位置関係です。平常時の水際だけでなく、増水時に水が当たり得る高さ、河道の湾曲、上下流の護岸形状、橋脚や落差工による流れの変化、河床低下や局所洗掘の兆候を確認します。法尻にえぐれ、空洞、根の露出、護岸背面の吸い出し、湧水、沈下がある場合、表面を整形するだけでは再び崩れる可能性があります。
必要に応じて、河床高、護岸基礎の状態、土質、地下水、既設構造物の変状を調べ、法面保護と河岸保護を一体で検討します。ただし、必要な調査や計算の範囲は工事規模と現場条件によって異なります。小規模工事であっても、重要な堤防に近接する、強い流れが当たる、既設護岸が損傷しているといった場合は、早い段階で河川管理者と設計条件を確認します。
次に、河道断面を狭めたり、流れを不自然に集中させたりしない計画になっているかを確認します。法尻を河川側へ出す盛土、厚い構造物、張り出し足場、仮締切、残置物などは、流水が通る断面や流向に影響する可能性があります。突出が小さく見えても、下流側の洗掘や漂流物の捕捉につながることがあ ります。現況と計画を同じ平面図と横断図に示し、上下流との連続性を説明します。
堤防や護岸に近接する工事では、掘削による支持地盤の緩み、重機荷重、振動、地下水位の変化、排水の集中、基礎杭やアンカーの施工が河川管理施設へ影響しないかを確認します。特に、堤防法尻付近の掘削、堤体方向へ孔を設ける工事、既設護岸背面の掘削は、工法の強度だけでなく施工中の一時的な不安定状態も含めて検討します。
排水は法面工事の成否を左右します。法肩から流入する表面水、斜面内部の浸透水、湧水、道路や宅地からの集水、河川水位上昇時の逆流を分けて考えます。表面水は法面へ集中させず安全な経路へ導き、地下水は地盤条件に応じて処理し、吐口では河岸を洗掘しないようにします。ただし、水を河川へ流せば解決するわけではありません。新設放流の可否、既設施設の能力、放流先の洗掘、濁水、逆流、閉塞、維持管理を確認します。
工事中の濁水と土砂流出については、晴天時だけでなく降雨時を想定します。伐 採や表土除去後の裸地は、雨によって細粒土が流れやすくなります。仮排水溝、沈砂設備、濁水処理、土砂流出防止材、施工範囲の分割、早期被覆などを組み合わせ、河川へ濁水や資材が流出しない計画を作ります。コンクリートや地盤改良材を扱う場合は、洗浄水や余剰材を河川へ流さず回収する方法を決めます。
出水への備えは、施工計画書の付属的な項目ではありません。河川沿いでは、現場で雨が降っていなくても上流域の降雨で水位が上がることがあります。国土交通省の川の防災情報など、所管機関が案内する雨量・水位情報を確認し、作業中止基準、退避開始基準、資機材の搬出順序、仮設物の撤去時間、連絡体制を定めます。([河川情報サイト][6])
地域や河川によっては、出水期の施工制限、河川内作業が可能な水位条件、仮設物の撤去条件などが示されることがあります。全国一律の日付や水位を記事だけで決めず、所管河川の条件を工程へ反映します。水位が上がってから重機を動かすのではなく、予測情報の段階で退避を始められる計画が必要です。
完成後の維持管理も許可前に考えます。排水溝が落葉や土砂で詰まったときに清掃できるか、法面の亀裂やはらみ出しを安全に点検できるか、河岸の洗掘をどこから確認するか、補修時に再び河川区域へ立ち入る必要があるかを検討します。河川管理者が管理する施設と、申請者や土地所有者が管理する施設の境界も明確にします。
治水や河岸への影響を説明する資料は、必ずしも大規模な解析だけを意味しません。現況と計画の平面図、横断図、構造図、施工順序、排水経路、写真で説明できる場合もあります。一方、河道へ張り出す構造、流れが強い場所、重要な堤防に近接する工事、広い集水域からの放流では、水理検討、安定計算、構造計算、地質調査などを求められる可能性があります。必要な検討範囲は事前協議で確認します。
許可前に見る項目4 申請図書・工程・関係者調整
四つ目の項目は、申請図書、審査工程、関係者調整です。河川法の許可や承認では、申請書だけでなく、位置図、事業計画概要、実測平面図、横断図、構造図、工程表、現況写真、面積計算書、土地の権原を示す書類、他法令の許可書などが求められる場合があります。ただし、必要書類、縮尺、提出部数、電子提出の可否は、管理者と申請内容によって異なります。担当窓口に現行様式と必要資料を確認します。([国土交通省九州地方整備局][7])
位置図は、河川名、左右岸、最寄りの橋、道路、地番、施工位置が分かるように作成します。平面図には、流水方向、河川区域、河川保全区域、官民境界、敷地境界、既設護岸、堤防、管理用通路、法肩、法尻、構造物、仮設範囲、掘削線、排水経路を可能な範囲で示します。横断図では、河床、護岸、堤防、現況地盤、計画法面、基礎、掘削深さ、盛土範囲を同じ断面に表します。
区域境界や官民境界が確定していない場合は、推定線を確定線のように記載しません。資料の出典、測量時点、未確定部分を明示し、必要に応じて境界確定協議や立会いの要否を確認します。河川事務所の案内でも、河川敷地との境界を明確にするための協議手続きと必要書類が示されています。([国土交通省九州地方整備局][7])
現況写真は、変状部の近景だけでなく、河川と斜面の位置関係が分かる遠景、上流側、下流側、法肩、法尻、排水施設、進入路を撮影します。写真と図面を対応させるため、撮影位置、撮影方向、流水方向、撮影日を記録します。亀裂幅や段差を示す場合は、目盛りの読めるスケールを添えます。
設計図では、法面工の名称だけでなく、材料、寸法、勾配、基礎、接続部、排水、既設構造物との取り合いを示します。構造計算や安定計算を添付する場合は、荷重条件、地盤条件、地下水条件、設計上の前提を図面と一致させます。図面上の勾配と計算書の勾配、掘削深さと施工計画の掘削深さ、排水流量と管径などが食い違うと、補正や再協議が必要になります。
施工計画では、伐採、仮設、防護、掘削、排水、基礎、法面保護、緑化、仮設撤去、清掃、検査までの順序を示します。どの段階で斜面が不安定になるか、どの段階で河川側へ影響が出るか、降雨や水位上昇時にどこまで復旧して退避するかを明らかにします。河川敷へ立ち入る期間や仮設物を設置する期間も、実態に合わせて設定します。
申請から許可または承認までの期間は、管理者、申請内容、補正の有無、他機関との調整によって異なります。国の河川事務所で通常一か月半程度と案内する例や、市の手続きで標準処理期間を三十日とする例がありますが、全国共通の処理期間ではありません。申請書の不備を補正する期間や追加調査の期間は別に生じることがあります。着工日だけから逆算せず、概略設計の段階で事前相談を始め、所管窓口が示す期間を工程へ反映します。([国土交通省九州地方整備局][7])
関係者調整では、発注者、設計者、施工者、土地所有者、河川管理者だけでなく、道路管理者、埋設物管理者、近隣住民、上下流の施設管理者、農業用水や漁業の関係者などを確認します。工事車両が狭い道路を通る、河川沿いの通路を一時的に閉鎖する、騒音や振動が出る、濁水処理設備を置く場合は、行政許可とは別に説明や調整が必要になることがあります。
土地所有者等の同意は、口頭確認だけで進めないことが重要です。施工範囲、仮設使用範囲、伐採対象、復旧方法、維持管理責任、完成後の施設の所有関係を図面に示し、必要な書面を整えます。河 川法上の許可を得ても土地を使用する権原がなければ工事は進められず、土地所有者の同意があっても行政上の許可や承認がなければ着手できない場合があります。
許可書や承認書に付された条件は、工事内容そのものと同じくらい重要です。施工期間、施工方法、変更時の手続き、着手届、完成届、検査、維持管理、原状回復、標識表示などの条件が付されることがあります。設計担当者だけが書類を保管するのではなく、現場代理人、協力会社、測量担当者まで条件を共有します。
現地調査で押さえるべき実務ポイント
四項目を確認するための現地調査では、崩れた場所の寸法を測るだけでは不十分です。河川、法面、周辺施設、排水、施工動線を一つの現場として観察します。調査前に地形図、公図、既設図面、過去の災害記録、河川区域図、航空写真などを確認し、現地で確かめる事項を整理します。

