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法面工事のロックボルト工とは?選ばれる3ケースを解説

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

法面工事におけるロックボルト工とは

ロックボルト工が法面を補強する仕組み

ロックボルト工と他の法面工事との違い

選ばれるケース1:表層の岩盤や地山が不安定な場合

選ばれるケース2:大規模な切り直しが難しい場合

選ばれるケース3:他の工法と組み合わせて補強する場合

ロックボルト工が適さない可能性のある法面

ロックボルト工を計画する前の調査項目

ロックボルト工の一般的な施工手順

施工品質を左右する管理ポイント

法面工事中に重視したい安全対策

完成後の点検と維持管理

ロックボルト工を業者へ相談するときの確認事項

法面工事の記録を効率化する方法

まとめ


法面工事におけるロックボルト工とは

ロックボルト工とは、法面や斜面の地山に削孔し、鋼製の棒状補強材などを挿入して、周囲をグラウトなどの充填材で固定する補強工法です。表面付近の不安定な岩塊や比較的浅い範囲の地山を、その奥の抵抗を期待できる部分と一体化させ、崩落や抜け落ちが起こりにくい状態を目指します。


道路脇の切土法面、山間部の斜面、造成地周辺、施設背面の法面などで採用されることがあります。亀裂の多い岩盤、浮石や転石が介在する斜面、風化によって緩んだ地山などでは、法面表面を覆うだけでは必要な安定性を確保できない場合があります。そのようなときに、地山内部へ補強材を配置する工法が検討されます。


法面分野では、設計図書や発注機関によって、ロックボルト工、鉄筋挿入工、切土補強土工などの名称が使われることがあります。これらは近い構造を指す場合がありますが、適用範囲、補強材の長さ、材質、定着方法、頭部構造、設計上の扱いが必ず同じとは限りません。実務では名称だけで判断せず、図面、仕様書、設計計算書、施工計画書を確認することが重要です。


また、ロックボルト工を施工すれば、どのような斜面でも安全になるわけではありません。法面の高さ、勾配、地質、亀裂の方向、地下水、想定されるすべりや崩壊の深さ、周辺構造物への影響などを調査し、不安定化の仕組みに合った設計を行う必要があります。


ロックボルト工は、単独で用いられる場合もあれば、法枠、吹付、金網、受圧板、排水施設、落石防護施設などと組み合わせる場合もあります。法面工事全体の中で、ロックボルトがどの範囲を補強し、他の構造がどの機能を担うのかを整理しておくと、工法の目的を理解しやすくなります。


ロックボルト工が法面を補強する仕組み

自然の岩盤や切土後の地山には、亀裂、節理、層理、風化部分、軟弱な挟み層などが存在します。見た目には一枚の岩盤に見えても、内部では複数の岩塊に分かれていることがあります。亀裂の向きが斜面の外側へ抜ける形になっている場合や、亀裂内へ水が入り込む場合には、岩塊が滑動したり抜け落ちたりする可能性があります。


ロックボルト工では、不安定になるおそれのある範囲を貫くように補強材を配置し、地山の変形に伴って補強材へ生じる引張力や、地山と充填材の付着抵抗などを利用して変形を抑えます。岩塊を対象とする場合は、分離しやすい岩塊を奥側の安定した岩盤へつなぐ考え方が採られます。


補強材の周囲には、一般にグラウトなどの充填材を施工します。孔内を適切に充填することで、補強材と地山の間で力を伝えます。頭部にプレートやナット、受圧板などを設ける場合は、法面表面や表面工と補強材を連結し、局部的な変形を抑える役割も担います。


鉄筋挿入工として扱われる構造では、あらかじめ大きな緊張力を導入せず、地山が変形しようとしたときに補強材へ抵抗力が生じる考え方が一般的です。一方、グラウンドアンカーは、自由長部と定着長部を設け、緊張力を導入して斜面を抑える構造が基本です。ただし、個別工事の分類や仕様は設計図書によって確認する必要があります。


法面の安定性は、補強材の本数だけで決まるものではありません。長さ、配置間隔、挿入角度、削孔径、充填状態、頭部の固定方法、地山の強度、想定するすべり面との位置関係などが相互に関係します。補強材が不安定範囲を適切に横切らなければ、期待した補強効果を得られない可能性があります。


さらに、地下水や表面水の処理も重要です。水が亀裂や土質部分へ入り込むと、強度低下や間隙水圧の上昇を招くことがあります。ロックボルト工を行っても排水上の問題が残れば、別の場所で変状が進む可能性があるため、法面工事では補強と排水を一体的に検討します。


ロックボルト工と他の法面工事との違い

法面工事には、法面表面を保護する工法、地山内部を補強する工法、斜面から離れた位置で土砂や落石を受け止める工法などがあります。ロックボルト工は、その中でも地山内部へ棒状の補強材を配置する工法に位置づけられます。


植生による法面保護は、雨滴や表面水による浸食を抑え、植物の根によって表層を保護することを主な目的とします。一方で、深い亀裂を伴う岩塊や、まとまった土塊の滑動を直接止める構造ではありません。表面浸食への対策と、地山内部の構造的な補強は目的が異なります。


吹付による法面保護は、風化や小規模な剥離を抑え、法面表面を被覆する役割があります。しかし、表面を覆うだけでは、奥行きのある不安定岩塊や地山内部のすべりに十分対応できない場合があります。そのため、内部補強が必要な場所では、ロックボルト工と吹付工を組み合わせることがあります。


法枠は、法面表面に格子状などの構造を設け、表層の崩壊や浸食を抑える工法です。地山内部にも補強が必要な場合には、枠の交点などから補強材を施工し、表面構造と内部補強を一体化させることがあります。


グラウンドアンカーも地山内部へ鋼材を配置する工法ですが、一般には緊張力を導入し、定着部で反力を確保する点がロックボルト工や鉄筋挿入工との大きな違いです。想定するすべりの深さや規模、必要な抑止力によって適用が異なるため、名称だけで単純に置き換えることはできません。


落石防護柵や防護網は、岩塊が落下した際に道路や建物へ到達するのを防ぐことを目的とします。これに対してロックボルト工は、落下する前の岩塊や地山を補強する発生源対策です。現場によっては、発生源対策と待受け対策の両方が必要になります。


選ばれるケース1:表層の岩盤や地山が不安定な場合

ロックボルト工が検討される代表的なケースは、法面表面から比較的浅い範囲に、緩んだ岩盤や不安定な地山が存在する場合です。切土によって地山の側面が開放されると、それまで周囲から支えられていた岩塊が動きやすくなることがあります。


法面に開いた亀裂が確認される場合、亀裂に沿って岩塊が法面側へ抜けやすい場合、浮石が連続している場合などは、表面の清掃や小規模な除去だけで対応できるかを慎重に判断します。不安定部分をすべて取り除くと法面形状が大きく変わる場合や、安定した岩盤まで掘削することが難しい場合には、残す岩塊を補強材で固定する方法が候補になります。


風化が進んだ岩盤や、表層が緩んだ地山も対象になり得ます。吹付や金網で小さな剥離を抑えるだけでは不足し、内部の比較的健全な部分まで補強材を到達させる必要があると判断された場合に、ロックボルト工や鉄筋挿入工が検討されます。


ただし、見た目が岩盤だからといって必ず有効とは限りません。亀裂や破砕帯が深く連続している場合、抵抗を期待できる地山が得られない場合、斜面全体が大きく動く可能性がある場合には、別の補強方法や排水対策、切土形状の変更などが必要です。


不安定部分の深さは、法面表面だけを見ても正確に判断できません。地表踏査、露頭観察、ボーリング、物理探査、削孔時の記録などを組み合わせて推定します。施工中に当初想定していなかった弱層、空洞、著しい湧水が確認された場合には、設計条件を再確認します。


このケースで重要なのは、どの不安定範囲に対して、どの抵抗機構を期待するのかを明確にすることです。補強範囲が浅すぎれば不安定部分の中だけで固定することになり、十分な効果を期待できません。必要以上に長くすればよいわけでもないため、地質条件と施工性を踏まえた設計が求められます。


選ばれるケース2:大規模な切り直しが難しい場合

既設道路沿い、住宅地、鉄道周辺、施設敷地内などでは、法面を大きく切り直して勾配を緩くすることが難しい場合があります。法面の前面に道路や建物があり、掘削した土砂を置く場所や重機の作業スペースを確保できないこともあります。


一般に、法面の勾配を緩くするには、法肩側へ掘削範囲を広げる必要があります。しかし、法肩の上に道路、宅地、設備、配管、電柱などがある場合は、用地や構造物への影響が大きくなります。周辺条件によって切り直しが現実的でないときに、現状の法面形状を大きく変えずに補強できる工法が候補になります。


既設法面の補修でも採用されることがあります。過去に吹付や法枠が施工された法面で、亀裂、浮き、局部的なはらみ出しなどが確認された場合、既設構造をすべて撤去して再施工する方法だけでなく、必要な範囲を内部から補強する方法を比較します。


ただし、既設構造の上から施工する場合は、表面工が地山の状態を見えにくくしていることがあります。表面のひび割れだけを見て補強位置を決めると、内部の変状範囲と一致しない可能性があります。既設吹付の背面空洞、湧水、法枠の損傷、排水施設の機能などを確認することが重要です。


狭い場所で施工できる可能性は利点ですが、施工機械を置けるとは限りません。削孔機械の寸法、足場の設置範囲、資材の搬入経路、削孔時の反力、削孔くずや排水の処理などを具体的に検討します。


道路沿いで施工する場合は、交通規制や通行者の安全確保も必要です。削孔機械やホースが車道側へはみ出す場合、作業中に小石が落下する場合、充填材が飛散する場合などを想定し、法面工事の範囲だけでなく周辺の利用状況を含めた施工計画を作成します。


大規模な掘削を避けられる可能性があるからといって、常に工事規模が小さくなるとは限りません。高い法面では全面足場が必要になることがあり、搬入や交通規制の条件によっては複雑な施工になります。工法の比較では、法面本体だけでなく、仮設、安全設備、周辺調整、維持管理まで含めて判断することが大切です。


選ばれるケース3:他の工法と組み合わせて補強する場合

ロックボルト工は、法枠、吹付、金網、受圧板などと組み合わせて採用されることがあります。法面表面の保護と地山内部の補強を分担させることで、単一の工法では対応しにくい変状に備えます。


法枠と組み合わせる場合、法枠が表面の土砂や岩片を押さえ、補強材が枠と地山内部をつなぐ構造が考えられます。法枠の交点や所定の位置に補強材を配置し、受圧部を通じて法面へ力を伝えます。


吹付と組み合わせる場合は、地山内部を補強したうえで、表面の風化、浸食、小規模な剥離などを吹付によって抑えます。亀裂の多い岩盤では、内部の岩塊を固定する対策と、表面からの剥離を抑える対策の両方が必要になることがあります。


金網やネット状の構造と組み合わせる場合は、小さな岩片の落下を抑えながら、比較的大きな不安定岩塊を補強材で固定します。網だけでは保持しにくい岩塊がある場合や、岩塊の移動によって網へ過大な荷重が加わるおそれがある場合に、内部補強との組み合わせが検討されます。


排水施設との併用も重要です。法面内に水が入り込むと、亀裂面の抵抗低下や土質部分の軟化を招く可能性があります。水抜き孔、法肩排水、縦排水、法尻排水などを適切に配置し、表面水と地下水の両方を処理します。


補強工法を組み合わせる場合は、各構造の施工順序と取り合いにも注意が必要です。削孔位置と法枠の鉄筋が干渉したり、頭部構造と吹付厚が合わなかったりすると、現場で調整が必要になります。施工前に平面図、断面図、詳細図を照合し、位置関係を確認しておくことが重要です。


また、組み合わせる工法が多いほど安全になるとは限りません。それぞれがどの不安定要因へ対応するのかを整理し、設計上必要な機能と施工後の点検方法を明確にする必要があります。


ロックボルト工が適さない可能性のある法面

ロックボルト工は幅広い法面で使われますが、すべての斜面に適用できる工法ではありません。想定されるすべり面が深く、法面の一部ではなく斜面全体が移動する可能性がある場合には、比較的短い補強材だけでは対応が難しいことがあります。


広い範囲で地すべり性の変動が確認される場合、法肩の背後に連続した亀裂がある場合、法尻が押し出されている場合などは、深いすべりの可能性も検討します。表面付近の変状だけに着目して補強材を追加しても、斜面全体の移動を抑えられないことがあります。


抵抗を期待できる地山が得られない場合にも注意が必要です。地山全体が著しく軟弱な場合、削孔壁が崩れやすい場合、空洞や破砕帯が連続する場合には、充填材と地山の付着や補強材の抵抗を十分に確保できない可能性があります。


地下水が多い法面では、削孔中に孔内へ水が流入し、孔壁の崩壊や充填不良を招くことがあります。補強材を施工するだけでなく、地下水の流れ、排水方法、削孔方法、使用材料を詳細に検討する必要があります。


海岸に近い場所、凍結防止剤の影響を受ける場所、腐食性のある地盤などでは、補強材の耐久性に配慮します。腐食が進むと長期的な断面性能が低下するおそれがあるため、防食方法、頭部の被覆、充填状態などを設計段階から検討します。


法面の前面に重要な道路や施設があり、変状時の影響が大きい場合には、発生源対策だけでなく、防護施設や監視設備を併設することも検討します。ロックボルト工の適否だけでなく、異常が発生した際の影響と代替経路の有無も考慮することが重要です。


ロックボルト工を計画する前の調査項目

ロックボルト工の計画では、まず法面の形状を把握します。法面の高さ、勾配、段数、小段の幅、法肩と法尻の位置、周辺構造物との距離などを測定します。既存図面がある場合でも、施工後の変形や補修によって現況と一致していないことがあるため、現地確認が必要です。


次に、地質と地盤の状態を調べます。岩種、風化の程度、土砂化した範囲、亀裂の間隔、開口幅、方向、連続性などを確認します。亀裂の向きは岩塊の抜け落ち方や滑動方向に関係するため、法面の向きとの組み合わせが重要です。


既に変状が発生している場合は、その分布と進行性を記録します。亀裂、段差、はらみ出し、沈下、湧水、吹付の浮き、法枠の損傷、落石の履歴などを確認します。新しい変状と古い変状を区別し、降雨や季節との関係も調べます。


地下水と排水の状況も欠かせません。法肩から水が流入していないか、法面途中から湧水が出ていないか、水抜き孔が詰まっていないか、法尻の側溝が機能しているかを確認します。法面工事後に水の流れが変わる可能性も考え、排水先まで確認します。


周辺の利用条件については、道路交通、歩行者、建物、架空線、地下埋設物、隣接地などを調査します。削孔位置の背後に構造物や配管がある場合、所定の長さまで施工できない可能性があります。補強材が敷地境界を越える計画では、権利関係や必要な協議も確認します。


施工条件として、機械の搬入経路、足場の設置場所、資材置場、電源、水、排水設備などを確認します。構造上適切な工法でも、削孔機械を安全に設置できなければ施工できません。現場条件を設計へ反映し、必要に応じて施工方法を見直します。


ロックボルト工の一般的な施工手順

施工前には、設計図書と現地条件を照合し、施工位置、削孔角度、長さ、配置間隔、頭部構造などを確認します。法面表面に不安定な石や土砂が残っている場合は、作業員や機械へ落下しないよう、事前に除去または仮固定を行います。


次に、足場や作業構台などの仮設設備を設置します。斜面上での削孔作業では、機械の姿勢が不安定になると削孔方向のずれや転倒につながるため、作業床の強度と安定性が重要です。


施工位置を測定して法面へ表示した後、所定の角度と深さで削孔します。削孔中は、掘り進む速さ、排出される削孔くずの状態、湧水、空洞、硬さの変化などを記録します。これらは、設計時に想定した地質と実際の地質を比較するための重要な資料です。


削孔後は、孔内に残った削孔くずや泥水を除去します。孔内清掃が不十分だと、充填材が地山へ密着しにくくなったり、空隙が残ったりする可能性があります。削孔壁が崩れやすい場合は、ケーシングの併用など、孔壁を保持できる方法を検討します。


補強材の挿入とグラウト注入の順序は、採用する工法や施工計画によって異なります。いずれの場合も、補強材が所定位置に配置され、孔底から孔口まで必要な範囲が確実に充填されることが重要です。スペーサーや継手を使用する場合は、位置、数量、接続状態を確認します。


注入時は、使用量、注入状況、孔口からの排出、漏れ、逸失などを記録します。想定より著しく多い、または少ない場合には、亀裂への流出、孔径の変化、空洞、充填不足などの可能性を確認します。湧水がある孔では、材料や施工方法を含めて慎重に判断します。


充填材が所定の強度を発現した後、頭部にプレートやナットなどを取り付けます。法枠や吹付と組み合わせる場合は、頭部の高さや位置を調整し、表面工と確実に連結します。


最後に、出来形と施工記録を整理します。削孔位置、角度、深さ、補強材の長さ、充填量、頭部の状態、材料確認、試験結果などを確認します。設計と異なる地質や施工条件が確認された箇所は、変更内容と判断経緯を残しておくことが重要です。


施工品質を左右する管理ポイント

最初の管理ポイントは削孔位置です。配置が設計と大きく異なると、補強されない範囲が生じる可能性があります。法面は凹凸が大きいため、平面上の位置だけでなく、法面に沿った距離や高さも確認します。


削孔角度も重要です。法面表面に対して同じ角度で施工しているように見えても、法面の向きや凹凸が変われば、地山内部での補強材の位置がずれることがあります。角度がずれると、想定した不安定範囲を横切れない可能性があります。


削孔深さは、必要な補強範囲と抵抗を期待する地山へ到達しているかに関わります。所定の深さまで削孔したことを確認するとともに、途中で空洞、軟弱層、破砕帯、著しい湧水などが確認された場合は、その情報を記録して関係者と共有します。


孔内清掃と充填状態も品質を大きく左右します。注入量が少ない場合や、想定以上に充填材が入る場合は、孔内の空隙、亀裂への流出、削孔径の変化などが考えられます。単に所定量を使用したかではなく、必要な範囲が適切に充填されたかを確認する視点が必要です。


補強材については、材質、径、長さ、継手、表面状態、防食仕様などを確認します。保管中に有害なさびや損傷が生じないよう管理し、異なる仕様の材料が混在しないよう識別します。


頭部の固定状態も見逃せません。プレートが法面や受圧構造へ適切に接していないと、一部に力が集中する可能性があります。法面の凹凸が大きい場合には、頭部周辺の整形や充填を適切に行います。


工事の仕様に応じて、事前の引抜き試験や施工後の確認試験を実施します。試験方法、対象本数、判定基準は設計図書や施工計画に従い、結果だけでなく、試験位置、地質条件、載荷履歴も記録します。


法面工事中に重視したい安全対策

ロックボルト工では、法面からの落石や土砂崩落が大きな危険になります。作業開始前に法面を点検し、不安定な岩塊を除去または固定します。作業員が法面直下へ入る場合は、上方の作業との重なりを避け、立入範囲を明確にします。


高所作業では、足場、昇降設備、手すり、墜落制止用器具を使用するための設備などを適切に設置します。法面の傾斜や高さによって通常の足場を設置しにくい場合でも、採用する作業方法に応じた安全設備を計画します。


削孔機械は振動や反力を伴います。作業床が不安定だと、機械の移動や転倒につながります。機械の重量と作業時の反力を考慮し、支持状態を確認します。ホースや電線が通路を横切る場合は、つまずきや損傷を防ぐ養生が必要です。


削孔時には粉じん、削孔くず、騒音が発生します。周辺環境に応じて、飛散防止、集じん、散水、防音などの対策を行います。住宅、学校、医療施設などが近い場合は、作業時間や車両の出入りについて事前に調整します。


充填作業では、ホースの外れや詰まり、圧力の急変に注意します。接続部を確実に固定し、注入中は不用意にホースへ近づかないようにします。使用材料が皮膚や目に付着しないよう、適切な保護具を使用します。


降雨時や降雨後は、法面の状態が急に変化する可能性があります。湧水の増加、新しい亀裂、落石、法肩からの流入などを確認し、作業継続が危険と判断される場合は中止します。降雨量だけで判断せず、現地の排水状態や地山の変化を継続的に観察することが重要です。


完成後の点検と維持管理

ロックボルト工は、施工が完了した時点で管理が終わるわけではありません。法面は降雨、凍結融解、地震、風化、地下水の変化などの影響を受け続けるため、管理者が定めた計画に沿って点検します。


点検では、頭部の緩み、プレート周辺のひび割れ、吹付の浮き、法枠の損傷、頭部周辺の腐食や変色、湧水の増加などを確認します。主要部が地中にあり直接見えないため、頭部だけでなく、補強された斜面全体の変状を観察することが重要です。


法面全体では、新しい亀裂、はらみ出し、沈下、落石、法尻の押し出しなどに注意します。これらが確認された場合は、ロックボルト周辺だけでなく、より広い範囲の地山が動いている可能性があります。


排水施設の点検も欠かせません。水抜き孔が詰まると、法面内部に水がたまりやすくなります。法肩排水や法尻側溝に土砂や落ち葉が堆積している場合は、水が法面へ流れ込む原因になることがあります。


施工直後の写真と点検時の写真を同じ方向から撮影しておくと、変状の進行を比較しやすくなります。必要に応じて基準点や観測点を設定し、亀裂幅、段差、変位などを継続的に測定します。


豪雨や地震の後は、通常の点検周期を待たずに臨時点検を検討します。特に、過去に落石や崩壊が発生した法面、道路や建物へ影響する法面では、早期に状態を確認することが重要です。


ロックボルト工を業者へ相談するときの確認事項

相談時には、工法名だけでなく、法面がどのような状態にあるかを具体的に伝えます。法面の高さ、勾配、変状の位置、発生時期、降雨との関係、落石の有無などを整理しておくと、初期判断がしやすくなります。


提案を受けた際は、なぜロックボルト工が必要なのかを確認します。想定している不安定範囲、補強材に期待する抵抗、表面工や排水対策との関係などについて説明を受け、工法の目的を明確にします。


削孔位置、本数、長さ、角度についても、設計上の根拠を確認します。単に多く施工すれば安全という説明ではなく、地質や崩壊形態に基づいて配置されているかを見ることが重要です。


施工中に地質条件が変わった場合の対応方法も確認しておきます。削孔中に空洞、湧水、軟弱層などが見つかった場合、どの時点で作業を止め、設計者や発注者と協議するのかを事前に定めます。


品質管理では、削孔記録、材料確認、充填記録、出来形測定、試験、施工写真など、どの資料が提出されるかを確認します。完成後に補強材が見えなくなるため、施工途中の記録が重要な証拠になります。


維持管理については、完成後にどの部分を、どのような方法で点検するかを確認します。頭部や排水施設が点検できる構造になっているか、異常が見つかった際の連絡先や判断手順も整理しておくと安心です。


法面工事の記録を効率化する方法

ロックボルト工では、多数の施工位置ごとに、削孔深さ、角度、地質、湧水、充填量、材料、頭部状態などを管理します。記録が紙や個別の写真フォルダへ分散すると、設計図面との照合や、完成後の維持管理に時間がかかります。


施工位置を座標や測点と関連づけ、写真と施工情報を一体で保存すると、どの補強材の記録なのかを後から確認しやすくなります。法面には似た形状の場所が多いため、写真だけでは位置を特定できないことがあります。


削孔中に地質の変化や湧水が確認された場合は、その場で位置情報と状況を記録し、関係者へ共有できる仕組みが有効です。事務所へ戻ってから記憶を頼りに整理する方法では、位置や状況を取り違えるおそれがあります。


完成後の点検でも、同じ位置と方向から写真を撮影し、過去の記録と比較できるようにしておくと、亀裂や変色の進行を判断しやすくなります。点検結果を法面全体の図面や三次元データ上へ重ねることで、変状が集中している範囲も把握しやすくなります。


記録方法を選ぶ際は、位置情報の精度だけでなく、現場での入力しやすさ、写真との関連づけ、通信できない場所での運用、データの出力形式、関係者との共有方法、長期保存の可否を確認します。特定の製品名だけで判断せず、工事の管理項目と維持管理の目的に合う仕組みを選ぶことが大切です。


まとめ

ロックボルト工は、法面や斜面の地山内部へ棒状の補強材を配置し、比較的浅い範囲の不安定な岩塊や地山の変形を抑える工法です。表面を覆うだけでは対応しにくい亀裂の多い岩盤や、風化して緩んだ地山などで検討されます。


選ばれる主なケースは、表層の岩盤や地山が不安定な場合、大規模な切り直しが難しい場合、法枠や吹付などの工法と組み合わせて補強する場合です。ただし、深いすべりや広範囲の地すべりが想定される法面では、ロックボルト工だけでは十分でない可能性があります。


適切な工法を選ぶには、法面形状、地質、亀裂、地下水、変状履歴、周辺構造物、施工スペースなどを調査し、どの不安定要因へ、どのような抵抗を期待するのかを明確にすることが重要です。


施工時には、削孔位置、角度、深さ、孔内清掃、充填状態、材料、頭部固定などを管理します。完成後も頭部、法面表面、排水施設を点検し、豪雨や地震の後には必要に応じて臨時点検を行います。


法面工事の安全性と品質を確保するには、工法名だけで判断せず、設計意図、施工条件、記録方法、維持管理まで含めて計画することが大切です。施工位置、写真、計測結果を一体的に管理できる記録方法を整え、完成後も確認できる状態で保存しておきましょう。


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