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SfM処理で立坑やマンホール内を記録する注意点6つ

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

SfM処理で立坑やマンホール内を記録する難しさ

注意点1:安全確認と入坑条件を撮影計画に組み込む

注意点2:暗所でも特徴点が拾える照明条件をつくる

注意点3:狭い円筒空間で写真の重なりを確保する

注意点4:濡れ・反射・単調な壁面による処理不良を防ぐ

注意点5:スケールと位置関係を後から確認できる基準を残す

注意点6:撮影後すぐに写真品質と再構成範囲を確認する

SfM処理を現場記録に活かすためのまとめ


SfM処理で立坑やマンホール内を記録する難しさ

SfM処理は、複数の写真から共通する特徴点を見つけ、カメラ位置を推定しながら三次元形状を復元する手法です。地上の構造物や法面、舗装面、資材置場などの記録に使われることが多い一方で、立坑やマンホール内のような狭く暗い空間では、屋外撮影とは違う注意が必要です。写真を多く撮れば必ずうまく処理できるわけではなく、照明、重なり、壁面の質感、安全条件、スケール確認の方法まで含めて計画しておく必要があります。


立坑やマンホール内は、撮影者が自由に移動できる範囲が限られます。円筒形に近い空間では、どこを撮っても似たような壁面に見えやすく、写真同士の対応点が安定しにくくなります。さらに、湿気や水滴、金属部材、濡れたコンクリート面、照明の反射などが重なると、SfM処理で必要な特徴点が不足したり、誤った対応付けが起きたりします。結果として、点群がねじれる、壁面が波打つ、底部が閉じない、マンホールの首部と管口の位置関係がずれる、といった不具合につながることがあります。


また、立坑やマンホール内の記録は、単に見た目の三次元モデルを作るだけでなく、維持管理、補修計画、施工前後の比較、埋設管や開口部の確認、ひび割れや欠損の記録など、後工程で使われることが多いものです。そのため、撮影時点で「何を判断したいのか」を明確にしておくことが重要です。内壁全体の劣化状況を見たいのか、管口やインバートの形状を残したいのか、蓋枠から底部までの位置関係を把握したいのかによって、必要な写真の撮り方は変わります。


本記事では、SfM処理で立坑やマンホール内を記録する実務担当者に向けて、撮影前に押さえておきたい注意点を6つに分けて解説します。専用機器名や特定ソフト名に頼らず、一般的な写真計測の考え方として整理しています。現場で撮った写真を後から処理したときに「暗すぎた」「同じ壁ばかりでつながらない」「寸法感が分からない」とならないよう、撮影計画の段階から確認していきましょう。


注意点1:安全確認と入坑条件を撮影計画に組み込む

立坑やマンホール内を記録する場合、最初に考えるべきことは撮影技術ではなく安全です。SfM処理に必要な写真をそろえるためには、撮影者が開口部付近や内部で一定時間作業することになります。足元が濡れている、段差がある、はしごが腐食している、換気が十分でない、上部から落下物がある、といった条件があると、撮影そのものが危険になります。三次元モデルを作るために無理な姿勢で撮影した結果、転落や酸欠、感電、接触事故につながっては本末転倒です。


入坑前には、作業許可、立入範囲、換気、酸素濃度や有害ガスの確認、周囲の交通規制、開口部の養生、監視者の配置などを現場ルールに従って確認します。SfM処理用の撮影は、通常の目視点検より写真枚数が多くなりやすく、作業時間も伸びがちです。そのため、点検のついでに少し撮るという感覚ではなく、撮影に必要な時間、照明の設置時間、退避動線、連絡方法を含めて作業手順に組み込むことが大切です。


特にマンホール内では、上部の開口から差し込む自然光だけに頼ると、時間帯や天候によって明暗差が大きく変わります。撮影途中で光の条件が変わると、写真の色味や露出がばらつき、SfM処理で特徴点の抽出が不安定になることがあります。安全上の理由で長時間入れない場合や、内部の滞在時間を短くしたい場合は、撮影順序をあらかじめ決めておき、上部、内壁、管口、底部、設備金物などを迷わず撮れるようにしておきます。


安全確認は、写真の品質にも直結します。足場が不安定な状態で撮ると、手ブレやピント外れが増えます。狭い場所で体をひねりながら撮影すると、必要な角度を確保できず、写真の重なりが不足します。照明を片手で持ち、もう片方の手で撮る状態が続くと、露出や構図がばらつきやすくなります。安全に立てる場所、体を固定できる場所、照明を置ける場所を決めてから撮ることで、結果的に処理しやすい写真が得られます。


また、撮影の目的によっては、必ずしも内部に深く入る必要がない場合もあります。蓋枠周辺や上部の劣化状況、浅いマンホールの全体形状、管口の概略位置などであれば、開口部からの撮影と補助照明で記録できることがあります。一方、深い立坑や複雑な接続管がある場合は、内部に入らなければ死角が多く残ります。どこまで記録する必要があるのかを事前に決め、危険が大きい範囲は別の計測方法や補助体制を検討することも、SfM処理を実務で使ううえでは重要です。


注意点2:暗所でも特徴点が拾える照明条件をつくる

SfM処理では、写真の中にある模様、輪郭、汚れ、ひび割れ、骨材の粒、部材の境界などを手がかりにして、複数写真の対応関係を推定します。立坑やマンホール内は暗いため、照明が不足すると写真全体が黒くつぶれ、特徴点が拾いにくくなります。逆に、強い照明を一点から当てると、白飛びや強い影が発生し、写真ごとに見え方が変わってしまいます。暗所撮影では、明るければよいのではなく、処理に使いやすい均一な明るさをつくることが重要です。


まず意識したいのは、壁面に対して斜めから強い光を当てすぎないことです。斜光はひび割れや凹凸を目視で確認するには有効ですが、SfM処理では写真ごとに影の位置が変わると、実際の模様ではなく影を特徴として拾ってしまうことがあります。撮影位置を変えるたびに影が大きく移動すると、同じ箇所であっても別の模様のように見え、写真のつながりが悪くなる場合があります。内壁全体を三次元化したいときは、できるだけ影が極端に出ないよう、拡散した照明を使い、複数方向から柔らかく照らすことが望ましいです。


次に、露出の固定を検討します。自動露出のまま撮影すると、開口部の明るい部分を含む写真では内部が暗くなり、底部や側壁だけを撮った写真では急に明るく補正されることがあります。このような露出差が大きい写真群は、SfM処理で対応点が安定しにくくなるだけでなく、後から点群やテクスチャを確認するときにも見づらくなります。撮影前に代表的な暗さの場所で露出を合わせ、極端な白飛びや黒つぶれが出ない範囲で設定を固定すると、写真群の統一感が出ます。


ピントも重要です。暗い場所ではカメラがピントを合わせにくくなり、わずかなピンぼけが発生しやすくなります。SfM処理では、ピンぼけ写真が混ざると特徴点が少なくなり、その写真だけが処理から外れたり、周辺の復元精度を下げたりします。撮影距離が大きく変わらない場合は、あらかじめ内壁までの距離に合わせてピントを固定する方法が有効です。近接してひび割れや金物を撮る場合は、全体撮影とは別に詳細記録として扱い、全体形状を復元する写真群と混ぜすぎないようにします。


照明器具を写し込まないことも見落としやすい点です。内部を明るくするために照明を壁際や底部に置くと、写真に強い発光部が写り込むことがあります。発光部は白飛びしやすく、周辺にフレアや反射を起こします。さらに、撮影の途中で照明位置が変わると、同じ壁面の見え方が変化します。照明はできるだけ撮影範囲の外に置き、必要に応じて移動する場合も、撮影区間ごとに条件をそろえることが大切です。


マンホール内のように狭い空間では、照明を強くすると近い壁面だけが明るくなり、奥が暗く残ることがあります。この明暗差を避けるには、一方向から照らすのではなく、上部からの全体照明と、撮影方向に合わせた補助照明を組み合わせます。ただし、補助照明をカメラと同じ方向に固定すると、濡れた面で反射が返りやすくなります。濡れや金属反射が強い場合は、照明角度を少しずらし、反射がカメラに直接戻らないように調整します。


注意点3:狭い円筒空間で写真の重なりを確保する

SfM処理で最も基本になるのは、写真同士の重なりです。立坑やマンホール内では、撮影距離が短く、壁面が近いため、少しカメラの向きを変えただけで写る範囲が大きく変わります。屋外の広い現場と同じ感覚で撮ると、写真枚数は多いのに隣り合う写真の共通部分が不足し、処理が途中で切れることがあります。狭い空間では、写真の枚数よりも、どの順番で、どの方向に、どれだけ重ねて撮ったかが重要です。


円筒状の壁面を撮影する場合は、周方向と上下方向の両方に重なりを持たせます。周方向だけに回りながら撮ると、上部と下部のつながりが弱くなります。逆に、縦方向だけに撮ると、円周方向で写真が分断されます。実務では、上段、中段、下段のように高さを分け、各段で壁面を少しずつ重ねながら一周するイメージで撮影します。そのうえで、段と段の間にも十分な重なりを持たせることで、内壁全体が一体としてつながりやすくなります。


深い立坑では、上部から下部までを一度に撮ろうとすると、写真の中で対象が小さくなり、暗部も増えます。形状全体の関係を残す写真は必要ですが、それだけでは細部の復元が不十分になります。上部、中間、底部を別々の撮影帯として考え、各帯の境界部分を多めに重ねることが大切です。特に、マンホールの首部から本体に広がる部分、管口の周辺、底部のインバート、ステップ金物の周辺は形状が変化するため、写真の重なりを意識して多めに撮ります。


撮影方向にも注意が必要です。壁面に対して真正面から撮る写真ばかりだと、平面的なテクスチャは得られても、奥行きや凹凸の推定が弱くなることがあります。一方で、斜め方向の写真だけにすると、円筒壁の一部が歪みやすくなります。全体を安定させるには、正面に近い写真と、少し斜めから見た写真を組み合わせます。管口や開口部のように凹凸がある部分は、正面、左右斜め、上下方向から撮っておくと、後から形状を確認しやすくなります。


狭い空間では、広角で撮影したくなる場面もあります。広角は一枚に多くの範囲を入れられる利点がありますが、端部の歪みが大きい写真では、SfM処理の結果に影響することがあります。広角を使う場合でも、極端な端に重要な管口や基準物が来ないようにし、同じ対象を画面中央付近でも複数枚撮っておきます。また、全体把握用の広い写真と、処理安定用の標準的な画角の写真を混在させる場合は、写真群の役割を意識して撮影します。


撮影順序は、後工程での整理にも影響します。立坑やマンホール内では、似たような写真が大量に並ぶため、どの写真が上部で、どの写真が底部で、どの方向を向いているのか分かりにくくなります。撮影開始位置を決め、時計回りまたは反時計回りに一定の順序で進めると、写真整理や処理結果の確認がしやすくなります。撮影の途中で大きく順序を飛ばす場合は、区切りとなる全景写真や目印を写しておくと、後で確認しやすくなります。


注意点4:濡れ・反射・単調な壁面による処理不良を防ぐ

立坑やマンホール内のSfM処理でよく問題になるのが、濡れた面、反射する面、単調な壁面です。濡れたコンクリートや金属部材は、見る角度や照明角度によって明るさが大きく変わります。SfM処理は、写真に写った模様が複数の写真で同じように見えることを前提に対応点を探すため、反射が移動して見える対象は苦手です。水面、光沢のあるライニング、湿った堆積物などは、実際の形状とは違う見え方をつくるため、復元の乱れにつながります。


水がたまっている底部を撮影する場合、水面に映り込みがあると、壁や照明が反射して別の空間のように写ることがあります。この反射をそのままSfM処理に入れると、底部に不要な点が出たり、形状が不自然に伸びたりする場合があります。水面そのものを三次元形状として正確に復元することは難しいため、底部の形状を確認したい場合は、水が引いた状態で撮る、反射が少ない角度から撮る、底部の見える範囲を別に記録するなど、目的に合わせて対応します。


内壁が新しいコンクリートや均一な樹脂系の表面で、模様が少ない場合も注意が必要です。SfM処理は特徴点が少ない面ではカメラ位置の推定が不安定になります。マンホール内には、目地、管口、ステップ、汚れ、ひび割れ、補修跡などの特徴があることが多いですが、これらが少ない区間では写真同士がつながりにくくなります。壁面が単調な場合は、既存の特徴が写るように画角を工夫し、壁だけでなく周辺の縁や部材も一緒に入れると処理が安定しやすくなります。


ただし、現場に勝手にマーカーを貼る場合は、管理者の許可や清掃、撤去の確認が必要です。仮設の目印を使う場合でも、落下や流出の危険がないものを選び、点検対象を傷つけないようにします。SfM処理のためだけに不適切な目印を設置すると、維持管理施設では問題になることがあります。目印を使う場合は、撮影後に撤去できること、写真上で識別しやすいこと、寸法確認にも使えることを条件に、現場ルールに沿って判断します。


反射を抑えるには、照明角度と撮影角度を変えることが有効です。カメラの近くから強く照らすと、濡れた壁面で正面反射が起きやすくなります。照明を少し横にずらす、拡散させる、複数の弱い光に分けることで、白飛びを抑えられます。また、同じ範囲を複数方向から撮っておけば、ある写真で反射していても、別の写真では壁面の模様が見えることがあります。処理に使う写真を後から選別できるよう、反射が強い箇所は角度を変えて余分に撮っておくと安心です。


単調な壁面と反射が重なると、見た目はきれいでも処理には不向きな写真になります。写真として明るく鮮明に見えることと、SfM処理で使いやすいことは同じではありません。処理に使いやすい写真とは、隣接写真と共通する特徴があり、ブレが少なく、白飛びや黒つぶれが少なく、対象の見え方が急に変わらない写真です。現場では、画面の美しさだけでなく、写真同士がつながる材料が写っているかを確認しながら撮影します。


注意点5:スケールと位置関係を後から確認できる基準を残す

SfM処理で復元した三次元モデルは、写真だけから形状を推定するため、何も基準がないとスケールや向きが曖昧になります。立坑やマンホール内の記録では、見た目のモデルができただけでは実務に使いにくいことがあります。蓋枠から底部までのおおよその深さ、管口の高さ、内径、ステップ位置、補修範囲の大きさなどを後から確認したい場合は、撮影時点でスケールの基準を残しておくことが重要です。


最も基本的なのは、寸法が分かるスケールやスタッフ、標尺、既知寸法の目印を写し込むことです。ただし、単に一枚だけスケールを写せばよいわけではありません。SfM処理で全体モデルにスケールを反映させるには、基準となるものが複数写真に写り、処理後のモデル上でも明確に確認できる必要があります。底部だけにスケールが写っていて上部とのつながりが弱い場合、全体の寸法関係が不安定になることがあります。可能であれば、上部、中間、下部の関係が分かるように、複数箇所で基準を残します。


立坑やマンホールでは、既存の構造物寸法を基準にできる場合もあります。内径、蓋枠の寸法、ステップ間隔、管径など、図面や現地確認で寸法が分かるものがあれば、処理後の確認に利用できます。ただし、古い施設や補修済みの施設では、図面寸法と現況が一致しないこともあります。既知寸法として使う場合は、現地で実測した値なのか、図面上の値なのかを区別して記録しておくことが大切です。


位置関係の記録も重要です。マンホール内の三次元モデルだけができても、それが現場のどの位置にあり、どの方向を向いているのかが分からなければ、維持管理や施工計画で使いにくくなります。地上部の蓋、周辺構造物、道路方向、流入管と流出管の方向など、外部との関係が分かる写真を残しておくと、後から整理しやすくなります。内部撮影に入る前に、地上部の全景、蓋を開けた状態、開口部から内部を見下ろした写真を撮っておくと、内部モデルとのつながりを説明しやすくなります。


SfM処理で得られるモデルを、ほかの測量成果や点群、図面と合わせる場合は、座標の扱いも検討します。高精度な位置合わせが必要な場合は、外部の測量点や基準点との関係を別途取得し、内部記録と結び付ける必要があります。一方、劣化状況や補修前後の比較が主目的であれば、必ずしも公共座標に厳密に合わせる必要はなく、施設内の相対的な位置関係が分かれば十分な場合もあります。目的に応じて、必要な精度と基準の残し方を決めることが大切です。


注意したいのは、写真だけで高い寸法精度を保証できると考えないことです。SfM処理は撮影条件に大きく左右されます。暗所、反射、狭所、単調面が多い立坑やマンホール内では、見た目には自然でも一部に歪みが含まれる可能性があります。寸法確認に使う場合は、重要寸法を別手段で実測し、SfM結果と照合する運用が安全です。三次元モデルは現場状況を共有する強力な資料になりますが、検査や設計判断に使う寸法は、基準と確認方法を明確にしておきます。


注意点6:撮影後すぐに写真品質と再構成範囲を確認する

立坑やマンホール内の撮影は、再撮影が簡単ではないことがあります。交通規制、入坑許可、換気、作業員配置、天候、流水状況などの条件がそろわないと、同じ状態で撮り直すのが難しい場合があります。そのため、撮影後に事務所へ戻ってから不備に気づくのではなく、現場で可能な範囲の確認を行うことが重要です。SfM処理で失敗しやすい現場ほど、その場で写真品質を見直す習慣が効果を発揮します。


まず確認したいのは、ブレ、ピンぼけ、白飛び、黒つぶれです。暗所では、手ブレが起きても撮影画面では気づきにくいことがあります。写真を拡大し、壁面の模様や管口の縁、ステップの輪郭がはっきり写っているかを確認します。白飛びした照明反射や、真っ黒につぶれた底部が多い場合は、その範囲の写真を撮り足します。全体の枚数が多くても、重要箇所が不鮮明であれば、後処理では補えません。


次に、撮影範囲の抜けを確認します。立坑やマンホール内では、上を向いた写真、下を向いた写真、管口の奥、ステップの裏側、底部の縁などに死角が残りやすくなります。現場で写真一覧を確認するときは、撮影順に流し見るだけでなく、上部、内壁、接続部、底部、付属物というように対象別に抜けがないかを確認します。特に、管口周辺は補修や調査で重要になることが多いため、正面だけでなく周囲との取り合いが分かる写真を残しておきます。


可能であれば、現場または近くの作業場所で簡易的な再構成確認を行うと安心です。高密度な処理まで行わなくても、写真がつながるか、カメラ位置が大きく飛んでいないか、内壁が一周つながるか、底部や管口が欠けていないかを早めに確認できれば、必要に応じて撮り足しができます。特に、円筒空間では処理結果がねじれることがあるため、写真枚数だけで判断せず、初期的なつながりを見ることが有効です。


写真管理も撮影直後に行います。似た写真が多い現場では、後から不要写真を整理しようとしても、どの写真がどの位置か分からなくなりがちです。撮影区間ごとにフォルダを分ける、撮影開始前に施設番号や方向が分かる写真を入れる、撮影メモに時刻や対象を残すなど、処理前の整理が重要です。複数の立坑やマンホールを連続して撮る場合は、写真の混在が大きなミスにつながります。施設ごとに区切りを明確にし、処理対象を混ぜないようにします。


また、SfM処理に使う写真と、点検記録用の写真を分けて考えることも大切です。点検記録では、ひび割れや腐食、堆積物などを分かりやすく写すために、近接写真や斜光写真を撮ることがあります。一方、SfM処理では、写真同士の重なりと一貫した見え方が重要です。近接写真を大量に混ぜると、全体処理が不安定になることがあります。全体復元用の写真群と、詳細確認用の写真群を分けて管理すると、後処理の方針を立てやすくなります。


撮影後の確認では、処理結果を過信しない姿勢も必要です。点群やメッシュが生成されると、あたかも全体が正しく記録できたように見えますが、暗部や反射部、単調面では形状が歪んでいることがあります。処理後には、重要箇所の写真とモデルを照合し、管口位置、底部形状、内壁のつながり、スケール基準の反映状況を確認します。成果を共有する際も、記録できた範囲と、確認が難しい範囲を明確にしておくと、後工程で誤解が生じにくくなります。


SfM処理を現場記録に活かすためのまとめ

SfM処理で立坑やマンホール内を記録する際は、屋外の広い現場とは異なる前提で撮影計画を立てる必要があります。狭い、暗い、濡れている、似た壁面が続く、自由に動けないという条件は、すべてSfM処理にとって不利に働きます。しかし、事前に安全条件を確認し、照明を整え、写真の重なりを確保し、反射や単調面への対策を行い、スケール基準を残しておけば、現場状況を分かりやすく共有できる三次元記録として活用しやすくなります。


重要なのは、SfM処理を後処理だけの問題として考えないことです。処理結果の良し悪しは、現場でどのように撮ったかで大きく決まります。暗すぎる写真、重なりの少ない写真、反射が強い写真、スケールのない写真を後から完全に補うことは困難です。撮影時点で「後から何を確認するのか」「どの範囲を三次元化したいのか」「どの寸法や位置関係が必要なのか」を明確にすることで、必要な写真の撮り方が見えてきます。


立坑やマンホール内の記録では、全体形状と詳細記録を分けて考えることも有効です。全体形状を復元するための写真は、一定の距離と重なり、安定した露出、連続した撮影順序を重視します。一方、ひび割れ、腐食、欠損、管口の状態などを確認する詳細写真は、対象が分かりやすい角度や照明で撮ります。この二つを無理に一つの写真群で完結させようとすると、処理にも記録にも中途半端になることがあります。目的別に撮影し、後で整理できるようにしておくことが実務では大切です。


また、三次元モデルができた後は、成果の使い方を明確にする必要があります。関係者への説明、補修範囲の共有、施工前後の比較、維持管理台帳への添付、設計検討の参考など、用途によって求められる精度や表現は異なります。見た目の分かりやすさを重視する場合と、寸法確認に使う場合では、必要な基準や検証方法が変わります。重要な寸法や高さを扱う場合は、現地実測や測量成果と照合し、SfM処理の結果だけで断定しない運用が安全です。


現場での記録をより効率化するには、撮影、位置情報、点群化、共有までを一連の流れとして考えることが重要です。立坑やマンホール内のように条件が厳しい場所では、撮影直後に確認できる仕組みや、現場メモと写真を結び付ける運用があると、手戻りを減らせます。スマートフォンを使った現場記録や三次元化の流れを整えたい場合は、撮影した情報をその場で扱いやすくし、後工程の共有までつなげられるスマートフォン活用も検討すると、SfM処理を日常的な現場記録に取り入れやすくなります。


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