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雪に埋もれた基準点も迅速探索 – 災害直後に役立つ座標誘導技術

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

災害復旧に欠かせない基準点

雪に埋もれた基準点がもたらす課題

従来の探索方法とその限界

座標誘導技術とは何か

高精度GNSSによる迅速な基準点探索

座標誘導技術がもたらすメリット

LRTKによる簡易測量

FAQ


災害が発生した直後の現場では、正確な測量のための基準点が復旧作業の生命線となります。しかし豪雨や地震による地盤変動に加え、豪雪や雪崩などで基準点が雪に埋もれて見えなくなると、従来の方法ではその場所を探し出すのに時間がかかり、復旧が遅れてしまう恐れがあります。本記事では、雪に埋もれて見えない基準点の探索という課題に焦点を当て、最新の座標誘導技術によってどのように迅速化できるかを解説します。最後に、新しい測量ソリューションであるLRTKを活用した簡易測量にも触れ、災害直後に役立つ技術の活用方法をご紹介します。


災害復旧に欠かせない基準点

地震や豪雨、土砂災害などの大規模な災害が発生すると、道路や構造物の損壊、地形の変形が各地で起こります。復旧作業を円滑に進めるためには、被災前後の地形や構造物の位置を正確に把握する必要があります。このとき基準となるのが基準点(測量の出発点となる既知点)です。基準点の座標値を基準にすることで、被災箇所の位置や高さを正確に測定し、復旧工事の計画や被害報告に役立てることができます。


例えば、崖崩れが起きた現場では、崩落した土砂の量を算出するために事前に斜面の地形を測量し直す必要があります。また橋梁や道路がずれたり沈下した場合も、被災前の図面との比較のため正確な測量データが求められます。これらの測量作業の土台となるのが現地の基準点です。基準点がしっかりしていれば、災害後の状況を精密に記録でき、復旧計画の立案や進捗管理がスムーズに行えます。逆に基準点が不明確だと現場の測量や設計復旧で誤差が生じ、後工程で手戻りが発生する恐れがあります。なお、大規模災害では発生から数週間以内に被害状況の報告書提出が求められることもあるため、基準点不在による初動対応の遅れは致命的になりかねません。


雪に埋もれた基準点がもたらす課題

例えば真冬の山岳地帯で大規模な土砂崩れが発生したと想像してみてください。現場一帯は厚い雪に覆われ、普段なら目に入る測量杭や標石が何一つ見当たらない状況です。このように豪雪下では基準点の標識が雪に埋もれてしまい、目視で確認することが困難になります。実際、大雪や雪崩の直後には地表の目印が全て白一色に覆われ、どこに基準点があるか分からなくなるケースがしばしば発生します。これは復旧作業において大きな障害となります。


基準点が見えない状態では、測量の出発点が定められず、被害範囲の計測や工事測量に着手できません。例えば道路沿いに設置していた境界杭や水準点が雪の下では、どこを起点に測ればよいか分からなくなります。災害対応は一刻を争う場面が多い中、基準点探しに手間取ることは復旧の遅れに直結しかねません。また、不確かな推測で測量を開始すると位置の誤差が大きくなり、後々の復旧工事でミスや手戻りが発生するリスクも高まります。


さらに、豪雪環境での捜索作業そのものも危険を伴います。積雪が数十センチから数メートルに及ぶ地域では、雪に足を取られて転倒したり、隠れた地形による転落事故が起こり得ます。長時間雪上を捜索することは作業員の体力を消耗させ、低体温症など健康面のリスクも増大します。こうした理由から、雪に埋もれた基準点をいかに安全かつ迅速に見つけ出すかが、寒冷地の災害復旧における重要課題となっています。


従来の探索方法とその限界

従来、雪の下にある基準点を探すためには、経験と勘に頼ったアナログな方法が取られてきました。現場の担当者は、過去の記録や図面を手がかりに「このあたりに基準点があるはずだ」と見当をつけ、スコップやシャベルで雪を掘り起こして探します。基準点に金属製の標識杭が使われている場合には金属探知機を併用することもあります。しかしこれらの方法は、多大な時間と労力を要する上に確実性に欠けます。


ベテランの技術者であればある程度の勘所で発見できるかもしれませんが、積雪量や地形の変化によっては思わぬ場所に流されている可能性もあります。特に災害で地盤が動いてしまった場合、基準点そのものが紛失・破壊されているケースさえあり得ます。その場合は改めて新しい基準点を設定する作業(測量のやり直し)が必要となり、復旧計画の大幅な遅れにつながります。


新たな基準点を遠方の無事な地点から定め直すには、測量班がトータルステーションやGNSS機器を用いて複数点を観測し、既知の座標系に結び付ける必要があります。そのプロセスには時間がかかり、被災地全体の把握が遅れる原因となってしまいます。現場からは「雪に埋もれて基準点が使用できず、急遽GNSSで基準点測量をやり直した」という報告もあり、従来手法の限界が浮き彫りになっています。


また、除雪をして雪解けを待つしか打つ手がない場合もあります。当然ながらこのような悠長な対応は災害復旧では許されず、迅速に位置を特定する別の手立てが求められてきました。


座標誘導技術とは何か

こうした状況を打開する新たな解決策として注目されているのが座標誘導技術です。座標誘導技術とは、目に見える標識に頼らず数値座標をもとに目的の地点へ誘導する技術を指します。あらかじめ分かっている目標地点の緯度・経度(座標値)を端末に入力し、その場所までナビゲートするイメージです。


例えばスマートフォンの地図アプリでも、指定した地点まで人を誘導することができます。しかし一般的な地図アプリやカーナビのGPSでは位置精度が数メートル程度であるため、目的地付近までしか案内できません。座標誘導技術では、より高精度な測位技術を組み合わせることで、目標ポイントに数センチレベルの誤差で到達できる点が大きく異なります。つまり基準点の正確な座標さえ分かっていれば、それを端末に入力して誘導開始するだけで、雪に埋もれた見えない基準点の真上まで近づくことが可能になるのです。


高精度GNSSによる迅速な基準点探索

座標誘導を実現する鍵となるのが、高精度GNSS測位(衛星測位)技術です。GNSSとはGPSをはじめとする全地球測位システムの総称で、現在では日本の準天頂衛星システム「みちびき」を含む複数の衛星網が利用できます。従来のスマホやカーナビに内蔵されたGPSでは誤差が数メートル程度あるため、精密な基準点探索には不向きでした。しかし近年、RTK(Real-Time Kinematic)と呼ばれる補正技術や、みちびきによるセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)の登場により、小型端末でもセンチメートル級の測位が可能になってきました。


RTKは、基準局と移動局の2点で同時に衛星信号を観測し、その差分から誤差を補正することで高精度化する手法です。これまでは専用の高価な測量機器が必要でしたが、技術の進歩により小型・低コスト化が進み、現在ではスマートフォンやタブレットでも外付けデバイスを用いてRTK測位が行えるようになっています。日本では準天頂衛星「みちびき」から配信される補強信号(CLAS)を利用すれば、通信圏外の山間部でもリアルタイムに精度補正が可能です。こうした仕組みにより、携帯の電波が届かない被災現場であっても安定したセンチ精度の測位を維持できるようになりつつあります。


高精度GNSS測位を活用すれば、事前に把握している基準点の座標に基づいて受信機が自身の現在位置との誤差を数センチまで縮め、ほぼピンポイントで目標地点を示してくれます。具体的には、作業者が携行する測位端末の画面上に目標地点までの方位と距離がリアルタイムで表示され、矢印の指す方向へ進むだけで基準点の位置に到達できます。かつては熟練の測量士がトランシットや標尺を使って位置出し(杭打ちや測点の設置)していた作業を、いまやデジタル機器が代替してくれるわけです。


座標誘導技術がもたらすメリット

高精度な座標誘導技術を用いることで、雪に埋もれた基準点探索には次のようなメリットが生まれます。


捜索時間の大幅短縮: 座標を頼りに最短ルートで目標へ向かえるため、広範囲を手探りで掘り起こす必要がありません。短時間で基準点を発見でき、初動対応のスピードが向上します。

労力と人員の削減: デジタルナビゲーションに従うだけなので、熟練者でなくとも1人で探索が可能です。重機や多数の作業員を投入して探す必要がなくなり、人手不足の状況でも対応しやすくなります。

安全性の向上: 長時間雪上で作業したり危険な斜面を探し回る必要がなくなります。最小限の移動で目的地点に到達できるため、作業員の被曝時間を減らし、雪崩や転倒など二次災害のリスク低減につながります。

悪条件下での有効性: 物理的な目印に頼らないため、雪中はもちろん、夜間や濃霧など視界が利かない環境下でも同様にポイント誘導が可能です。

測量精度の確保: デジタル座標に基づいているため、発見した基準点の位置ズレがほとんどなく、以降の測量作業の精度を高く保てます。勘に頼った探索と比べ、誤差蓄積による工事ミスを防ぎます。


このように、座標誘導技術は効率面でも安全面でも従来の方法に比べて大きな利点があります。特に広域に被害が及んだ災害現場では、一箇所ずつ人力で基準点を探していては到底追いつきません。デジタル技術の活用によって省力化と迅速化を図ることが、現代の防災・減災において強く求められているのです。


LRTKによる簡易測量

以上のような座標誘導技術を現場で手軽に実現できるソリューションの一つが、スマートフォンを用いたLRTKによる簡易測量です。LRTK(エルアールティーケー、Local Real-Time Kinematicの略)は、東京工業大学発のスタートアップ企業によって開発された超小型のRTK-GNSS受信機シリーズの名称です。このLRTKデバイスをiPhoneなどのスマートフォンに装着し専用アプリを使用することで、通常のスマホがセンチメートル級の測位が可能な測量機器へと早変わりします。手のひらサイズの機器で従来の大型測量装置に匹敵する測位精度を実現している点は画期的です。


また、専用の高価な測量機材を揃える場合に比べ、LRTKは既存のスマホを活用できる分ローコストで導入しやすいという利点もあります。


LRTKシステムには、指定した座標まで利用者を誘導するナビゲーション機能が搭載されています。使い方はシンプルで、事前に記録しておいた基準点や杭打ち位置などの座標をアプリに入力し、誘導を開始するだけです。画面上には目標地点までの方向と距離が表示され、矢印に従って進めば雪に埋もれて見えない基準点の位置でも正確に辿り着けます。その精度は誤差わずか数センチ程度なので、ポイントのほぼ真上まで誘導され、あとは少し雪を掘るだけで基準点標を見つけ出すことができます。複雑な操作は一切なく直感的に扱えるため、測量の専門知識がないスタッフでも現場で即座に活用できます。


なお、LRTKは日本の準天頂衛星「みちびき」が提供するセンチメータ級補強サービス(CLAS)にも対応しており、携帯電話の電波が届かないエリアでも安定して高精度測位を行える点も特長です。こうしたスマホ+小型GNSSデバイスの組み合わせを活用すれば、災害直後の厳しい環境下でもスピーディーに基準点を復旧・活用できます。実際に、積雪地域の自治体などではLRTKを導入し、豪雪時のインフラ点検や被災箇所の測量に役立て始めています。手軽な機材構成で緊急時にも扱いやすく、過酷な捜索作業を大きく省力化できる点が現場から評価されています。


今後ますます高度化する防災技術の中で、LRTKのようなスマートフォンベースの測位ソリューションは、誰もが迅速に測量や位置特定を行える新時代のツールとして期待されています。こうした座標誘導技術が普及すれば、今後の災害対応における測量作業は飛躍的に効率化され、さらに安全性も高まるものと期待されています。雪に埋もれた基準点の迅速探索という課題に対しても、LRTKによる座標誘導が現場DX(デジタルトランスフォーメーション)の切り札となるでしょう。


FAQ

Q: 基準点とは何ですか? A: 基準点とは、測量で基準となる決められた座標値を持つ点のことです。国土地理院が設置する三角点や水準点などのほか、工事現場で任意に定める仮設の基準点も含まれます。測量はこの基準点を起点に行うため、正確な位置出しや高さの基準として重要な役割を果たします。


Q: なぜ災害時に基準点が必要なのでしょうか? A: 災害時には地形が変化したり目印が失われたりするため、被災状況を正確に把握するための基準が不可欠です。基準点があれば、被害の範囲や量を定量的に測定できます。また復旧工事では元の設計との比較や境界の確認が必要になるため、信頼できる基準点に基づく測量データが欠かせません。


Q: 雪に埋もれた基準点はどのように探せば良いですか? A: もっとも有効なのは、座標誘導技術を活用して探す方法です。事前に基準点の座標を把握している場合、高精度GNSSを使った機器でその座標まで誘導してもらうことで、雪の下でも正確に位置を特定できます。従来のように広範囲を掘り起こしたり人海戦術で探す必要がなく、短時間かつ安全に発見可能です。


Q: 座標誘導を使うには基準点の座標を事前に調べておく必要がありますか? A: 基準点探索を座標誘導で行うには、目標とする基準点の正確な座標値を把握しておく必要があります。平常時に基準点を設置・測量する際、あわせてその座標データを記録・保存しておくことが重要です。こうした事前準備があれば、雪に埋もれた場合でも座標誘導によって即座に位置を特定できます。もし座標データがない場合でも、近傍の他の基準点や電子基準点(GNSS基準局)の情報から改めて座標を求めることは可能です。しかしその分手間と時間を要するため、平時からのデータ管理が望まれます。なお、積雪地域では基準点付近に長い標識棒(スノーポール)を立てておくと雪中でも位置を特定しやすくなります。ただし物理的な目印は流出・破損の恐れがあるため、データによる管理を併用する方が確実です。


Q: 座標誘導には特別な装置が必要ですか? A: はい、高精度の座標誘導を行うにはセンチメートル級で位置を測れる測位装置が必要です。具体的にはRTK-GNSSに対応した受信機や、それを搭載した端末(例: LRTKのようなスマホ装着型デバイス)を使用します。通常のスマホGPSだけでは誤差が大きいため、専用の補正情報を受信できる機器やサービスが不可欠です。


Q: 通信インフラが途絶した状況でも高精度な座標誘導は可能ですか? A: 通信回線が使えない場合でも、衛星からの補強信号を利用すれば高精度測位が可能です。日本では準天頂衛星みちびきの「センチメータ級補強サービス(CLAS)」を受信できる機器であれば、ネット接続なしでセンチメートル級の測位が行えます。実際にLRTKのようなCLAS対応デバイスを用いれば、通信圏外の山間部や災害で基地局が使えない地域でも安定した座標誘導が可能です。


Q: LRTKとは何ですか?どんな特徴がありますか? A: LRTKは小型の高精度GNSS受信機デバイスと専用アプリからなる測量ソリューションです。スマートフォンと組み合わせて使うことで、手軽にRTK測位(リアルタイムキネマティック測位)が行えます。特徴として、センチメートル級の測位精度、直感的なナビゲーション機能、そしてクラウド連携によるデータ管理などが挙げられます。これにより専門的な測量機材がなくても、誰でも迅速に測量や位置特定ができるようになります。


Q: 座標誘導技術は雪以外の場面でも役立ちますか? A: はい、座標誘導は様々な場面で応用可能です。例えば草木が生い茂って目印が見えない境界標を探す場合、座標誘導で正確な位置を突き止められます。また夜間や濃霧で視界が悪い状況での測点設置、地中に埋設した設備の位置特定(事前に埋設位置を座標記録しておく必要があります)などにも活用できます。災害時以外でも、日常の測量や点検作業の効率化に貢献する技術と言えるでしょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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