建設・インフラ業界では、近年「CIM(Construction Information Modeling/Management)」が非常に重要なキーワードとなっています。国土交通省も建設現場の生産性向上とデジタル変革(DX)の柱としてCIMの導入を強力に推進しており、2023年度からは国土交通省直轄工事でCIM(BIM/CIM)の原則適用が始まりました。特段の事情がない限りあらゆる設計・施工業務で3次元モデルの活用が求められており、さらに2027年には公共事業でCIMの完全義務化が予定されています。すでに年間約2.5兆円規模のプロジェクトでCIM活用が進んでおり、建設業界は今まさに大きな転換期を迎えています。
こうした状況で、新たなソリューションとして注目を集めているのが「LRTK(エルアールティーケー)」です。LRTKはCIMと現場をつなぐ高精度測位技術で、国が推進するインフラDXにも合致した画期的なツ ールです。本記事では、CIMの基本から最新トレンド、導入方法や運用のポイントまで、2025年時点での最前線を解説します。初心者から既に取り組んでいる方まで参考になる内容を目指し、記事の後半ではCIM対応の新ソリューションLRTKの原理と特徴、その導入効果についても詳しく紹介します。最後にはLRTKを用いた簡易測量の体験に触れ、読者の皆様が「自分でも試してみたい」「導入を検討したい」と感じられる展望をお届けします。
CIMとは何か?基礎と目的
CIMとは「Construction Information Modeling/Management」の略で、建設プロジェクトに関わる情報をデジタル化して利活用する手法のことです。建築分野で発展したBIM(Building Information Modeling)を土木インフラ分野に拡張した概念であり、調査・測量、設計、施工、維持管理といったプロジェクトのあらゆる段階でデータを一元管理・共有します。日本では建築も土木も一体として「BIM/CIM」と推進されることが多く、建造物から社会インフラまで3次元モデルを核に情報管理を行います。
CIMモデルに含まれる主な要素:
• 3次元モデル: 構造物などの形状・寸法・位置関係を3D空間で表現したデータです。建物や土木構造物を仮想空間で立体的に可視化でき、設計検討や干渉チェック、シミュレーションに活用されます。
• 属性情報: 3Dモデル内の部材に紐づいた各種情報です。材質、強度、寸法、工事費、施工日などの詳細データが含まれ、これらを活用することでコスト算出や工程管理、維持計画の検討が効率化されます。
• 参照資料: 図面や写真、点群測量データ、報告書など、モデルに関連付けられた外部資料です。従来の2次元図面や現場写真もCIMモデルに紐づけて管理でき、必要に応じて組み合わせて利用します。
CIMを導入することで、上述した多様なデータを一元的に扱い、発注者(事業主体)と受注者(施工者)の双方で効率的に情報共有ができるようになります。紙の図面だけでは把握しづらかった現場情報も、3Dモデルにより直感的に「見える化」され、関係者間の共通理解が深まります。結果として設計ミスや手戻りの削減、工事の品質・安全性向上につながります。言い換えれば、CIMは建設分野におけるデジタルツイン(現実世界をサイバー空間に再現する技術)の基盤とも言えます。実際に、焼失した首里城の復元工事ではCIM技術を用いて「首里城デジタルツイン」を構築し、工事関係者間や一般向けに情報共有を行う試みが進められています。
CIM導入の背景と国による推進
日本の建設業界では、生産年齢人口の減少や熟練技術者の高齢化、人手不足といった問題が長年指摘されてきました。現場の「きつい・汚い・危険(3K)」な労働環境も相まって若い人材が定着しにくく、担い手不足が深刻です。こうした課題を打開するため、国土交通省は2016年に「i-Construction(アイ・コンストラクション)」と呼ばれる生産性向上施策を開始しました。ICT(情報通信技術)の活用や工法の改善、施工時期の平準化などによって2025年度までに建設現場の生産性を2割向上させる目標が掲げられ、具体的には3次元測量や建設機械の自動制御、プレキャスト工法の活用など様々な取り組みが進められてきました。
さらに2020年以降は「インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション )」が本格化し、3次元データの利活用や建設生産プロセス全体の最適化、新技術の導入が加速しています。その中核技術として位置づけられたのがCIM(BIM/CIM)です。国土交通省は試行段階を経て、2023年4月より直轄の土木工事・業務すべてでCIMの原則適用を開始しました。「特段の事情がない限りCIMを用いるのが原則」とされ、計画・設計や土木工事はもちろん、関連する測量・調査も含めて従来は2D図面が中心だった作業が順次3Dモデルベースに移行しています。2027年には公共事業でのCIM完全義務化も予定されており、CIMはもはや“当たり前”の業務手法へ移行しつつあります。
また2024年4月には次のステップとして「i-Construction 2.0」が打ち出されました。少ない人員でも安全かつ快適に働ける生産性の高い建設現場を目指し、遠隔施工や建機の自動運転、AI・ロボットの活用などスマート建設技術の導入が掲げられています。2025年以降も官民連携の場でICT施工の拡大、新技術導入、全工程の最適化、データ標準の整備などが議論されており、国を挙げたデジタル改革が加速中です。その中心的テーマに据えられているのがBIM/CIM活用であり、これを導入しなければ今後の公共事業に対応できないとまで言われています。
実際、CIMに早くから取り組んだ企業では大きな成果が報 告されています。ある調査では設計ミスの85%削減や工事コストの5~12%削減を達成し、初期投資も3~5年で回収できたという結果が示されました。国や業界団体の調査によってCIM導入効果が定量的に示され始めており、CIMは単なる流行ではなく高い投資対効果を持つ経営戦略と言えるでしょう。大手ゼネコンのみならず、中堅・中小の建設会社でもCIM対応は避けて通れない課題となってきています。2024年の働き方改革関連法による建設業の残業規制強化(いわゆる「2024年問題」)もあり、限られた人員で効率的に業務を回せるようDX推進が急務となっています。こうした背景から、CIMを軸としたデジタル技術の導入は業界全体で待ったなしの状況なのです。
CIM導入のメリットと活用事例
CIMを導入すると、建設プロジェクトのあらゆるフェーズで多くのメリットが得られます。ここでは設計・施工・維持管理それぞれの段階で期待できる効果と、実際の活用事例を紹介します。
• 設計段階: 3Dモデルにより設計の精度と視認性が飛躍的に向上します。複雑な構造でも立体的に検討でき、干渉(クラッシュ)チェックを自動化することでヒューマンエラーを大幅に削減できます。またモデルの属性情報を活用してコスト見積や工期シミュレーションが行えるため、予算・工程管理の精度も高まります。設計データをそのまま施工や維持管理に引き継げるため情報の一貫性が保たれ、品質と安全性の向上にも寄与します。例えば橋梁設計の事例では、CIMの導入によって設計ミスが約85%減少し、構造安全性の検証も効率化したとの報告があります。
• 施工段階: 現場でCIMモデルを活用することで施工管理が高度化・効率化します。施工に関わる全員が同じ3Dモデルを共有することで設計意図の食い違いや伝達ミスが減り、出来形の品質向上につながります。進捗状況や検査結果をモデル上の属性データとして記録していけば、出来高管理や品質管理をリアルタイムに把握することも可能です。また施工完了後はその3Dモデル自体が電子納品物(竣工図書)となり、検査や引き渡しがスムーズになります。実際に、あるトンネル工事ではCIMモデルと4Dシミュレーション、さらにはVR/AR技術を組み合わせて施工計画を最適化し、プレキャスト部材の据付工期を当初計画より40%短縮する成果を上げました。モデル上で事前に施工手順やクレーンの動きを検討することで、狭隘な現場における無駄な工程を削減し、安全リスクの低減にも成功した好例です。
• 維持管理段階: 竣工後もCIMモデルは維持管理で大きな力を発揮します。完成時の3Dモデルに点検結果や補修履歴などを継続的に追記していくことで、構造物のデジタルツインが構築されます。これにより、経年変化や劣化の状況を時系列で把握でき、将来の劣化予測や補修計画の立案が容易になります。従来は紙の台帳や図面をめくって過去記録を探していた維持管理も、モデル上で一元管理することで効率化が可能です。例えば橋梁の維持管理では、3Dモデル上に損傷箇所をマーキングし、緯度経度や写真、点検日を紐づけて記録しておけば、次回点検時に同じ場所を正確に確認できます。蓄積データを分析することで、補修の優先度判断や予算策定にも役立ち、インフラ資産のライフサイクルコスト縮減や予防保全型の維持管理に寄与します。
以上のように、CIMは設計の品質向上・施工の生産性向上・維持管理の効率化という三 点で大きなメリットをもたらします。国土交通省も、CIMの普及によって将来的に建設現場の働き方改革やコスト構造の改善、さらには安全性の向上が実現できると期待しています。導入には決して小さくない労力が必要ですが、それに見合う価値があるため、今後ますます多くの現場でCIM活用が進んでいくでしょう。
CIM導入のステップ(導入までの流れ)
初めてCIMに取り組む際は、いきなり全業務に適用するのではなく、段階を踏んで準備・導入を進めることが成功のカギです。以下は、CIM導入の一般的なステップです。
• 社内体制の整備と目標設定: まず経営層の理解とコミットメントを得て、プロジェクトチームを編成します。CIM導入の目的(業務効率化、精度向上など)を明確にし、社内の推進体制とロードマップを策定します。
• ツール選定と環境構築: 次に、CIMに必要なソフトウェアやハードウェアを選定します。設計用の3D CAD/BIMソフトや、点群処理ツール、クラウド共有プラットフ ォームなど、自社の業務に適したツールを検討します。同時に、高性能PCやタブレット端末などのICT環境も整備します。
• パイロットプロジェクトで試行: 小規模なモデルプロジェクトや一部の業務プロセスで試験的にCIMを導入し、実践的な経験を積みます。例えば特定の橋梁工事や造成工事で3Dモデルを作成してみるなど、無理のない範囲でトライアルを実施します。現場の意見も収集し、課題や効果を検証しましょう。
• 標準ワークフローの策定: パイロットで得られた知見をもとに、CIMを組み込んだ業務フローや社内標準を整備します。モデルの作成手順や属性情報の入力ルール、データの共有方法、成果品の形式など、社内でルールを定めます。併せてガイドラインやテンプレートを用意し、誰もが運用しやすい環境を作ります。
• 全社展開と社内教育: 標準化ができたら、CIM対応を他のプロジェクトや部署にも段階的に拡大していきます。社内研修や勉強会を通じて技術者のスキル向上を図り、ナレッジを共有します。ツールの使い方だけでなく、CIM活用の目的やメリットを全社員が理解し、現場レベルで定着させることが重要です。
• 効果検証と継続的改善: 導入後も、プロジェクトごとに効果を検証し、課題があれば改善策を講じます。最新の技術動向やガイドラインの更新情報にもアンテナを張り、必要に応じて運用をアップデートします。継続的なPDCAサイクルを回しながら、CIM導入の成果を最大化していきましょう。
CIM運用のポイント
CIMを導入した後、現場で継続的に活用していくためには、いくつかのポイントに留意する必要があります。
• モデルを常に最新の状態に維持: 設計段階で作成した3Dモデルも、施工中に変更があれば随時更新し、常に現況を反映した「生きたモデル」として管理します。施工中の設計変更や出来形(完成形)の差異をモデルにフィードバックし、モデルと現場を同期させていくことが重要です。これにより、完成後に正確なAs-Builtモデル(竣工モデル)が得られ、引き渡しや維持管理にそのまま活用できます。
• 現場とオフィスの円滑な情報共有: クラウドシステムや共有サーバーを活用し、モデルや点群データ、図面、写真などを関係者全員がリアルタイムに閲覧・編集できる環境を整えます。現場の施工管理者がタブレットで最新モデルを確認したり、設計担当者がオフィスから現場データをチェックしたりと、地理的な距離を超えて情報連携できる仕組みが理想です。例えば、GNSS測位機器やドローン測量で取得した現地データを即座にクラウドにアップロードし、モデルに統合するといった運用が考えられます。現場とオフィスのタイムラグを減らし、「いつでもどこでも最新情報にアクセスできる」状態を作りましょう。
• データ標準化と品質管理: モデルデータや図面の命名規則、レイヤ構成、座標系などの社内標準を徹底し、皆が同じルールでデータを扱うようにします。データのバックアップやバージョン管理も重要です。変更履歴を明確に残し、古いモデルと新しいモデルが混在しないよう運用しましょう。また、モデルや属性情報の内容に誤りがないか確認する品質チェック体制も必要です(ダブルチェックや専門担当者の配置など)。
• 人材育成と体制強化: CIMを現場で定着させるには、人材の育成が欠かせません。社内にBIM/CIMに精通した担当者(BIMマネージャーやCIMコーディネーター等)を配置し、現場のサポート役とします。その上で、定期的に社内研修や外部セミナーへの参加を推奨し、最新スキルの習得を促します。現場から上がった疑問や改善提案を吸い上げる仕組みも作り、ナレッジ共有や横展開を図りましょう。
• 継続的な改善と最新情報への対応: 一度導入して終わりではなく、運用する中で見えてきた課題は都度改善していきます。プロジェクト終了後に関係者で振り返りを行い、良かった点・課題点を洗い出して次に活かしましょう。また、国交省の要領改訂や新しいソフトウェア・デバイスの登場など、CIMを取り巻く環境は常に進化しています。常に最新情報をキャッチアップし、必要に応じて運用ルールや使用ツールをアップデートしていく柔軟性も重要です。
2025年のCIM最新トレンド
最後に、2025年時点で注目されるCIM関連の最新トレンドについて確認しましょう。技術の進歩や業界動向により、CIMの活用領域はさらに広がりを見せています。
• 政策面・標準化の進展: 国土交通省はCIMの普及に向けた環境整備を毎年推進しています。2025年現在、直轄工事のみならず地方自治体の公共工事にもCIM適用が拡大しつつあり、設計金額が一定以上の案件では3Dモデルでの成果品提出が求められるケースが増えています。2026年以降は自治体レベルでも「原則CIM」の方針が広がると見られ、業界全体で3Dモデル活用が標準化していくでしょう。また、国交省は「BIM/CIM活用ガイドライン」や「成果品作成手引き」といった基準類を定期的に改訂しており、令和6年3月には最新の関連基準要領が公表されています。企業は最新の基準動向を把握し、自社の運用ルールをアップデートしていくことが求められます。
• AI・自動化技術の活用: AI(人工知能)やロボット技術の進展により、CIMと組み合わせた次世代の施工管理が現実味を帯びてきました。例えば、現場の進捗状況をセンサーや映像でリアルタイムに取得し、デジタルツイン上でAIが品質や安全を自動チェックする、といった仕組みが研究されています。異常が検知されればAIが関係者にアラートを出すなど、将来的には人間の監督をサポートする自律的なシステムが期待されます。また、自動制御の建設機械や現場ロボットも開発が進んでおり、3D設計データをもとに掘削や舗装を自動で行う施工も実現し始めています。これらのスマート施工技術は、深刻な技能者不足への対応策としても注目されています。
• XR技術(AR/VR)の実用化: AR(拡張現実)やVR(仮想現実)とCIMの組み合わせもトレンドの一つです。タブレットやARグラスを通じて現実の風景にCIMモデルを重ねて表示し、設計と施工現場を直感的に比較できるツールが実用化されています。例えば、完成予想の3Dモデルを現地に投影して配置や景観を確認したり、構造物内部をVRで疑似体験して施工手順を訓練したりといった活用が広がっています。これにより、現場での意思決定の迅速化や技能伝承の効率化が期待されています。
• クラウド連携とオープンデータ: 複数の企業や部署が関わるインフラプロジェクトでは、クラウドを介したデータ連携がますます重要になっています。クラウド上のCDE(Common Data Environment)プラットフォームを使い、設計事務所・施工会社・発注者が一つの最新モデルを共有しながらプロジェクトを進める事例が増えています。また、BIM/CIMデータ交換用のオープンフォーマット(IFCなど)の整備や、システム間の連携標準化も進み、異なるソフト間で3Dモデルや属性情報をスムーズにやり取りできるようになってきました。こうしたデータ互換性の向上は、異業種間コラボレーションや将来的なデジタルアーカイブ活用にも寄与するでしょう。
• デジタルツインとIoTの融合: インフラの維持管理領域では、IoTセンサーとCIMモデルを組み合わせたデジタルツインの構築が注目されています。橋梁やトンネルに振動・歪みセンサーを取り付け、リアルタイムのモニタリングデータをCIMモデル上に反映させることで、構造物の健全性を常時監視する試みが進行中です。異常値を検知すればモデル上で危険箇所を可視化し、迅速な点検・補修に繋げることができます。こうしたリアルタイムデジタルツイン技術は、インフラの予防保全や災害時の迅速対応に大きな可能性を秘めています。
このように2025年現在、CIMを取り巻く環境は技術面・制度面の両方で大きく前進しています。常に最新トレンドをキャッチしながら、自社のCIM活用をアップデートしていくことが、競争力を維持する上でますます重要になるでしょう。
LRTKとは何か:CIM時代の高精度測位ソリューション
続いて、本記事のタイトルにもある「LRTK」とは何か、その概要と特徴を紹介します。LRTKはBIM/CIM時代に向けて開発された新しい測量・位置決めソリューションで、東京工業大学発のスタートアップ企業・レフィクシア社によって生み出された製品群です。中でも中核となるデバイス「LRTK Phone」は、スマートフォンと連携して利用する手のひらサイズの高精度測位端末となっています。RTK-GNSSという最新技術を駆使し、現場で誰でも手軽にセンチメートル級の精度で位置測定できることが最大の特徴です。
LRTK Phoneの主な特徴:
• ポケットに入る測量機: LRTK Phoneは約125gと軽量・薄型(厚さ約13mm)で、スマートフォンに装着して使用します。専用バッテリーを内蔵し、煩雑な配線なしでフィールドに持ち出せる携帯性を実現しました。
• リアルタイムキネマティック(RTK)による高精度測位: 通常のGPSは誤差が数メートル生じますが、RTK方式では基地局からの補正情報をリアルタイム適用することで、水平・鉛直とも数センチ程度まで誤差を縮小できます。LRTKはこのRTK技術をスマホ連携デバイスとして小型化したもので、専門の測量機器に匹敵する測位精度を現場でも手軽に得ることができます。実測では単発測位で水平誤差1~2cm程度、複数回測定の平均化 によって精度をさらに高めることも可能です。
• ワンタッチ操作と自動座標変換: LRTKアプリ(スマホ用アプリ)を使えば、測りたい地点でボタンを押すだけで測位が完了し、緯度・経度・高さのデータが記録されます。日本の測地系であるJGD2011(世界測地系)や平面直角座標系にも対応しており、取得した緯度経度を自動で平面座標に換算しジオイド高も計算してくれるため、測量の専門知識がなくても現場で正確な位置座標を得られます。
• 測位データのクラウド共有: 測定した点の座標やメモは、その場でワンボタンでLRTKクラウド(Webプラットフォーム)にアップロード可能です。オフィスにいる同僚は即座に地図上で現地の測点情報(点の位置や名称、時刻、メモ等)を確認でき、現場とオフィス間でデータをリアルタイム共有できます。まさにCIMが目指す「現場とモデルのデータ連携」を体現する仕組みであり、離れた場所からでも現場の最新情報をモデルに反映することが容易になります。
• 現場利用を考慮した堅牢性: デバイス自体は防塵・防水仕様(IP規格準拠)で、粉じんの舞う土木工事現場や多少の雨天でも支障なく使用できます。また、高架橋の下やトンネル坑口付近など衛星信号が不安定になりがちな環境でも、内蔵のIMU(慣性計測装置)による補助技術で測位を継続可能です。電波が途切れがちな場面では自己推定で位置を保管する工夫がされており、トンネル内の測量など従来困難だったケースにも対応できる柔軟性があります。
• 誰もが使えるリーズナブルな測量ツール: これだけの性能を備えながら、LRTKシリーズは価格も非常にリーズナブルに設定されています。高額な測量機器を購入できなかった現場や小規模事業者でも導入しやすく、まさに「誰もが手にできる」ユニバーサルな測量ツールを目指している点も大きな魅力です。
総じてLRTKは、「いつでも・どこでも・誰でも正確に」測位できることを目指した万能測量デバイスです。CIM活用において重要な「現場の状況を正確にデジタル化する」というプロセスを大幅に効率化できるため、CIM導入を強力に後押ししてくれる存在となるでしょう。実際にLRTKを用いれば、これまで専門の測量班に依頼していたような測定作業も現場の技術者自身で迅速に行えるようになり、現地の最新情報を即座にモデルに取り込むことが可能になります。次の章では、このLRTKを活用した簡易測量体験について見てみましょう。
LRTKによる簡易測量を体験してみよう
CIMの魅力を実感するには、実際に現場でデジタル測量を試してみるのが一番です。LRTKを使えば、そのハードルは驚くほど低くなります。例えばあなたが工事現場にいて、従来なら専門の測量チームに依頼していたような位置出しや出来形確認を行いたいとしましょう。そんなとき、手元のスマートフォンにLRTK Phoneを装着し、測りたい地点でアプリのボタンをタップするだけで、数秒後にはその地点の正確な座標値が取得できます。取得データには点名やメモを添えて即座にクラウド共有できるため、離れたオフィスの同僚ともリアルタイムで情報を共有可能です。
この「簡易測量」によって、現場の最新状況を即座にデジタルデータ化し、CIMモデルに反映する一連の流れを自分の手で体験できます。紙の図面とメジャー片手に行っていた作業が、スマホ一つで完結してしまう便利さは、一度味わうと手放せなくなるでしょう。CIMの効果を肌で感じる意味でも、まずはLRTKによる高精度な現場計測を試してみてはいかがでしょうか。きっと、これまでにない効率性と安心感に驚かれるはずです。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
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