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RTKとレーザー測量の違いは?向く用途を6つで整理

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

測量や施工管理の現場では、位置を正確に把握したい場面が数多くあります。そのときによく比較されるのがRTKとレーザー測量です。どちらも高精度な計測に使われますが、測る仕組みも、得意な対象も、現場での使い勝手も同じではありません。


初心者の方が迷いやすいのは、どちらが優れているかではなく、どちらが今の現場に合っているかという判断です。広い造成地で点を素早く押さえたいのか、建物や構造物の形状を細かく残したいのかによって、選ぶべき方法は変わります。さらに、空が開けているか、障害物が多いか、必要な成果物が座標なのか形状なのかでも適性は変わります。


この記事では、RTKとレーザー測量の違いを初心者にもわかりやすいように6つの観点で整理します。精度の出方、向く対象物、作業スピード、必要な環境条件、得意な現場、不得意な現場を順番に見ていくことで、現場での選び方が自然にわかるように解説します。


目次

RTKとレーザー測量は何が違うのか

精度の出方の違い

向く対象物の違い

作業スピードの違い

必要な環境条件の違い

得意な現場と不得意な現場の違い

まとめ


RTKとレーザー測量は何が違うのか

RTKとレーザー測量は、どちらも位置や形状を高い精度で把握するための方法ですが、根本的な考え方が異なります。まずこの違いを理解しておくと、その後の比較がぐっとわかりやすくなります。


RTKは、衛星から受信した信号と補正情報を使って、自分が今どこにいるかを高精度に求める方法です。言い換えると、座標を正確に求めることが得意な測位方式です。測る対象そのものの表面形状を面として細かく取るというより、必要な点を座標として押さえていくイメージに近い方法です。地形の代表点、構造物の角、中心点、基準点、出来形の確認点などを効率よく取得したいときに向いています。


一方でレーザー測量は、レーザー光を対象物に当てて距離や反射を取得し、その結果から位置や形状を記録する方法です。点を測ることもできますが、大きな特徴は面や形を密に取得できることです。つまり、ある一点の座標だけではなく、壁面、法面、橋脚、トンネル内空、設備の配管まわり、既設構造物の複雑な外形などを、細かい点の集まりとして記録しやすいのが強みです。


この違いを初心者向けにシンプルに言うと、RTKは必要な点の位置を素早く押さえるのが得意で、レーザー測量は対象の形を細かく残すのが得意です。たとえば、造成地の高さを何十点か確認したいならRTKが向きやすく、複雑な設備配管や歴史的構造物の形を漏れなく記録したいならレーザー測量が向きやすくなります。


また、現場で求められる成果物も違います。RTKでは、座標一覧、測点の位置情報、施工管理用の点データ、丁張りや墨出しに使う位置情報などが中心になります。レーザー測量では、点群、断面、三次元モデルの元になるデータ、現況の形状把握資料などが中心になります。つまり、どちらが優れているかではなく、最終的に何を作りたいかで選ぶべき方法が変わるのです。


さらに重要なのは、RTKとレーザー測量は対立するものではなく、補完関係にあるという点です。RTKで基準となる位置を押さえ、レーザー測量で詳細形状を取得するという組み合わせは、実務では非常に理にかなっています。初心者のうちはどちらか一方を選ぶ発想になりがちですが、実際の現場では、粗く広く押さえる工程と、細かく密に取る工程を分けて考えることが重要です。


最初の判断として覚えておきたいのは、座標がほしいならRTK寄り、形状がほしいならレーザー測量寄りという基本です。この軸を持っておくと、用途の整理がしやすくなります。


精度の出方の違い

RTKとレーザー測量を比較するとき、多くの人が最初に気にするのが精度です。ただし、ここで注意したいのは、精度は単純にどちらが上かで比べるものではないということです。なぜなら、両者は精度の出方そのものが異なるからです。


RTKは、位置座標の精度を高めることに強みがあります。条件が整えば、水平で数センチ級の位置把握が可能になり、測点の座標を短時間で取得できます。ここでのポイントは、RTKの精度は一点ごとの座標精度として考えるべきだということです。つまり、今立っている位置、今ポール先端がある位置、その一測点の座標をどれだけ正確に出せるかが中心になります。


一方でレーザー測量の精度は、取得した点群や表面形状の再現性として現れることが多くなります。もちろん機器性能や設置条件によって個々の点の精度も重要ですが、実務では対象物の面やエッジ、凹凸、断面形状をどれだけ忠実に記録できるかが大きな価値になります。つまり、レーザー測量は形状表現の密度と再現性が強みであり、ある一点だけを最速で正確に押さえる用途とは少し考え方が違います。


たとえば、道路の中心線上で数十メートルごとに高さ確認をしたい場合、必要なのは各測点の座標です。このときはRTKの強みがそのまま活きます。逆に、法面の細かなうねりや、トンネル内の変形、設備配管が入り組んだ空間の現況を残したい場合は、少数の点だけでは不十分です。このような場面では、レーザー測量で細かい点の集合として記録するほうが、結果的に必要な精度を満たしやすくなります。


また、RTKの精度は衛星の受信状況や補正情報の安定性に大きく影響されます。空が開けている場所では安定しやすい一方で、上空が遮られるとFixしにくくなったり、座標の安定性が落ちたりします。つまり、RTKの精度は環境条件に左右されやすい側面があります。


レーザー測量ももちろん条件の影響を受けますが、影響の出方が違います。たとえば、対象物までの距離、入射角、反射率、死角の有無、機器の設置位置などが成果に強く関わります。近くから複雑な形状を狙えば高密度で取得できますが、遮蔽物の裏側や見通せない部分は取りこぼします。つまり、レーザー測量は見えている部分の形状取得に強い反面、見えていない部分は取れないという性質があります。


初心者がここで誤解しやすいのは、レーザー測量は点が多いから必ず精度が高い、あるいはRTKはセンチ級だから何でも万能だ、と考えてしまうことです。実際には、必要な精度の意味を先に決めることが大切です。求めたいのが一点の座標精度ならRTKが適しやすく、求めたいのが形状の再現性や面の把握ならレーザー測量が適しやすくなります。


さらに実務で重要なのは、要求精度と手戻りの関係です。必要以上に細かいデータを取っても、処理や管理に時間がかかります。逆に、必要な形状を捉えられないほど粗い計測では、後で再計測が必要になります。精度を比較するときは、数値だけでなく、どんな成果物に対して十分な精度かを考えることが重要です。


結論として、RTKは座標精度を効率よく確保したい場面に向き、レーザー測量は形状精度や再現性を重視する場面に向きます。精度の優劣ではなく、精度の意味が違うと理解することが、正しい選定の第一歩です。


向く対象物の違い

RTKとレーザー測量の使い分けで特に重要なのが、何を測るのかという視点です。対象物の性質によって、向く方法はかなりはっきり分かれます。


RTKが向く対象物は、位置を点で把握しやすいものです。たとえば、境界杭の位置、道路中心線上の管理点、造成地の代表点、構造物の角、マンホール中心、基準点、出来形確認の測点などが該当します。こうした対象は、全体を面で細かく取るより、必要な点を正確に押さえることが重要です。RTKはまさにそのような用途に適しています。


また、広い範囲に点在する測点を順番に取っていく作業にも強みがあります。測るべき場所が離れていても、機動力を活かして次々と移動しながら計測できるため、広域の現況把握や施工管理に向いています。対象物がシンプルで、必要な情報が点座標に集約できるなら、RTKは非常に効率的です。


一方でレーザー測量が向く対象物は、形が複雑なもの、面として捉えたいもの、後から細部を確認したいものです。たとえば、法面全体の凹凸、橋梁下部工の形状、トンネル内壁、設備配管が密集した空間、建築改修前の室内、複雑な既設構造物、文化財や石積みの表面形状などは、レーザー測量の得意分野です。こうした対象は、点を数個取っただけでは全体像を表現できません。細かな点の集まりとして残しておくことで、後から断面を切ったり、寸法を確認したり、変位を比べたりしやすくなります。


初心者の方には、対象物を見たときに、点で足りるか、面が必要かで考えると判断しやすくなります。たとえば、土工の出来形確認で法肩や法尻の管理点を押さえるならRTKが向きやすいです。しかし、法面全体の仕上がり形状を高密度で評価したいならレーザー測量が向きます。建物外周の角点だけを取るならRTKで十分なこともありますが、外壁全体の歪みや開口部位置を詳しく記録したいならレーザー測量のほうが適しています。


さらに、対象物が動くかどうかも一つの判断材料です。RTKはその場で一点を押さえる作業に向くため、測点が明確なら作業しやすいです。レーザー測量は広い範囲を一度に取得できる反面、人や車両の往来が多いと不要な点も混ざりやすく、整理に手間がかかることがあります。現場が動的で、必要な点だけを素早く拾いたいならRTKが扱いやすいことがあります。


反対に、見た目には単純でも、後で詳細確認が必要になる対象ではレーザー測量が安心です。たとえば、施工前の現況を広く残しておきたい場合、当初は必要と思わなかった場所を後日確認したくなることがあります。RTKで限られた点しか取っていないと、その時点で取っていない情報は残りません。レーザー測量なら、現場全体の形状を広く取得しておけば、後から追加確認しやすくなります。


このように、RTKは点で管理できる対象に向き、レーザー測量は形状の密な記録が必要な対象に向きます。向く対象物を見極めることは、計測方法の選定に直結します。測る前に、最終的にほしい情報が点なのか形なのかを確認するだけでも、選び方はかなり明確になります。


作業スピードの違い

現場では、精度と同じくらい作業スピードも重要です。どれだけ正確に測れても、作業時間がかかりすぎると工程に影響します。RTKとレーザー測量は、このスピードの出方にも大きな違いがあります。


RTKの大きな魅力は、必要な測点を素早く押さえられることです。測るべき点が明確であれば、機器を持って移動しながら次々と計測できます。広い現場でも、点の数が限定されていれば非常に効率的です。たとえば、造成地の代表点、道路の管理点、施工位置の確認点など、点単位での計測で足りるならRTKはかなり速く進みます。


特に、現場でそのまま判断したい作業との相性がよいのもRTKの強みです。今この位置でよいか、設計位置との差はどれくらいか、高さは合っているかといった確認を、その場で行いやすいからです。施工や出来形管理と並行して使いやすく、現場判断のスピードを上げやすい方法だと言えます。


一方でレーザー測量は、広い範囲や複雑な対象を一度にまとめて取得できる点で速さを発揮します。対象物が複雑で、本来なら多くの点を一つずつ押さえなければならないような場合、レーザー測量なら短時間で大量の情報を取得できます。たとえば、複雑な構造物の現況を点ごとに一つずつ取っていたら非常に時間がかかりますが、レーザー測量なら一度の計測で多くの情報を回収できます。


ただし、ここで気をつけたいのは、現場での取得時間と全体の作業時間は同じではないという点です。レーザー測量は現場での取得自体は効率的でも、その後のデータ整理、位置合わせ、不要点の除去、成果化に時間がかかることがあります。つまり、現場で速いから全体でも速いとは限りません。逆にRTKは、取得する点数が多すぎると現場作業時間が伸びやすいですが、データの整理は比較的シンプルです。


初心者の判断としては、測点が少なく明確ならRTKのほうが速く、測るべき対象が複雑で広範囲ならレーザー測量のほうが速いと考えるとわかりやすいです。たとえば、10点から50点程度の管理点を押さえるならRTKが有利になりやすいです。逆に、壁面全体、法面全体、設備室全体などを漏れなく記録したいなら、レーザー測量のほうが結果的に効率的です。


また、再測のリスクもスピードに影響します。RTKで必要な点だけ取ったつもりでも、後で別の位置が必要になると現場に戻る必要があります。レーザー測量なら広く取っていれば後から必要部分を切り出せることがあります。つまり、初回作業の速さだけでなく、後戻りの少なさまで含めて考えることが大切です。


反対に、レーザー測量は取得範囲が広い分、不要な情報も多く含みがちです。後で処理が重くなり、成果作成まで時間がかかるケースもあります。現場では早く終わったように見えても、事務所での処理時間が増えれば、全体の工程では必ずしも有利ではありません。


そのため、作業スピードを比較するときは、現場計測の速さ、後処理の手間、その場での判断のしやすさ、再測の起きにくさまで含めて考える必要があります。点をすばやく押さえて即判断したいならRTK、形状を一気に取って後から詳しく使いたいならレーザー測量という整理が、実務では役立ちます。


必要な環境条件の違い

RTKとレーザー測量は、どちらも高精度な計測方法ですが、必要とする環境条件が異なります。この違いを理解していないと、機器の性能ではなく現場条件のせいで思うような結果が出ず、使いにくい方法を選んでしまうことがあります。


RTKが求める大前提は、衛星信号を安定して受信できることです。上空が広く開けている場所では力を発揮しやすいですが、高層建物の近く、樹木の下、山間部の狭い谷、橋の下、屋内、トンネル内などでは受信条件が悪くなりやすく、安定した測位が難しくなることがあります。さらに、補正情報を使う方式では通信環境も重要です。通信が不安定だとFixの維持や初期化に影響が出ることがあります。


つまりRTKは、空が見えること、衛星を十分に捕捉できること、補正情報を安定して受けられることが重要です。現場が開けていて、障害物が少なく、通信も確保しやすいなら非常に扱いやすいですが、閉鎖的な環境では強みを出しにくくなります。


一方でレーザー測量は、衛星受信に頼らないため、屋内やトンネル、建物際、樹木の影などでも使いやすい場面があります。その意味では、RTKが苦手な場所を補えることがあります。ただし、レーザー測量にも独自の環境条件があります。それは、対象物が見通せることです。レーザーは見えている場所しか取れないため、遮蔽物の裏側や死角は取得できません。複雑な現場では複数方向からの計測が必要になり、設置位置の工夫が欠かせません。


また、表面の性質も影響します。反射しにくい素材、極端に黒い面、濡れた面、ガラス面、水面などは取得しにくいことがあります。さらに、雨、霧、粉じん、強い日射条件などが計測結果や視認性に影響することもあります。つまり、レーザー測量は衛星環境に左右されにくい反面、見通し、反射条件、遮蔽物の有無に左右されやすいのです。


初心者にわかりやすく整理すると、RTKは空が必要で、レーザー測量は視界が必要だと考えると理解しやすくなります。上空が開けていればRTKは有利ですが、見通しが悪く死角だらけならレーザー測量も苦戦します。逆に、屋内や構造物直下で空が見えなくても、対象をしっかり見通せるならレーザー測量は有力候補になります。


ここで重要なのは、現場条件を事前に想像することです。たとえば、造成地、農地、河川敷、道路の開けた区間などではRTKが向きやすいです。反対に、建物内部、設備室、トンネル、橋梁下、複雑な既設構造物まわりではレーザー測量が向きやすくなります。ただし、レーザー測量でも狭く入り組んだ場所では設置回数が増え、手間がかかることがあるため、見通し確保の工夫は必要です。


また、周囲の安全性や作業動線も無視できません。RTKは比較的軽快に移動しながら使えるため、限られた時間で多点を押さえたいときに有利です。レーザー測量は設置位置の確保や周辺の動線整理が必要になる場合があり、通行や作業の妨げにならないように計画する必要があります。


環境条件の違いを理解しておくと、現場に入ってから困りにくくなります。空が開けているか、見通しが確保できるか、通信は安定するか、死角は多いか、対象表面は測りやすいか。このような視点で現場を見るだけでも、どちらを選ぶべきかの判断はかなりしやすくなります。


得意な現場と不得意な現場の違い

RTKとレーザー測量の違いを実務で最も実感しやすいのは、どんな現場で使いやすいかという点です。机上ではどちらも高精度計測ですが、実際の現場では向き不向きがかなりはっきり表れます。


まずRTKが得意な現場は、上空が開けた屋外で、必要な情報が点座標として整理できる現場です。たとえば、造成工事、道路工事の開けた区間、農地の測位、河川敷の管理、広い敷地の現況点測量、土工の出来形確認、基準点周辺の位置確認などは、RTKの強みが出やすい代表例です。広範囲を移動しながら、必要点をテンポよく押さえられるため、工程との相性もよくなります。


また、施工管理の現場でもRTKは有効です。設計位置とのズレ確認、機械施工の補助、丁張りや墨出しに関わる位置確認、出来形の確認など、その場で座標を知りたい作業は多くあります。こうした現場では、RTKの即時性が大きな価値になります。


一方でRTKが不得意な現場は、衛星受信が不安定になる場所です。たとえば、トンネル、屋内、地下空間、橋の下、高層建物に囲まれた場所、樹木が密集した場所などでは、安定した測位が難しくなることがあります。こうした現場では、座標精度を期待していても条件が整わず、思ったように使えないことがあります。


対してレーザー測量が得意な現場は、形状を密に記録したい現場です。たとえば、トンネル内空の把握、橋梁下部工の形状確認、設備室の配管記録、建物内部の現況記録、改修前の三次元把握、法面の詳細記録、複雑な既設構造物の保存記録などでは、レーザー測量の強みが非常に大きくなります。空が見えない環境でも使える場面が多く、RTKの苦手分野を補えます。


さらに、現場全体を後から見返したい用途にも向いています。施工前の状況を漏れなく残す、既設物との干渉確認に備える、後日追加の寸法確認に対応するなど、将来的な確認まで見据える場合、レーザー測量は安心感があります。点ではなく面と空間として現場を残せるからです。


ただし、レーザー測量にも不得意な現場があります。特に、死角が多すぎる現場や、遮蔽物が頻繁に動く現場では、必要な形状を一度で取り切れないことがあります。車両や作業員の往来が激しい場所では不要点が多くなり、整理が煩雑になることもあります。また、広大な屋外で、形状の詳細よりも代表点の位置把握が主目的である場合は、レーザー測量を使うと過剰になることがあります。高密度データを取得しても、必要なのが少数の管理点だけなら、効率面で不利になる場合があります。


ここで初心者が覚えておきたいのは、RTKは開けた屋外の点管理に強く、レーザー測量は複雑空間の形状把握に強いという整理です。たとえば、広い宅地造成で高さや位置を効率的に見たいならRTKが向きます。建物内部の改修前状況を三次元的に残したいならレーザー測量が向きます。道路の線形上で管理点を押さえたいならRTKが便利ですが、橋脚や擁壁の詳細形状を残したいならレーザー測量のほうが実務に合います。


実際の現場では、両方を使い分ける考え方が最も現実的です。RTKで基準となる点や管理点を素早く押さえ、その上で必要な場所だけレーザー測量で詳細取得するという流れは、精度、速度、成果物のバランスが取りやすくなります。どちらか一方で全てを済ませようとすると、得意な場面では便利でも、不得意な場面で無理が出やすくなります。


向く用途と向かない用途をどう判断するか

ここまで見てきた違いを、実際の選び方に落とし込むことが大切です。現場では、RTKとレーザー測量の違いを理解していても、結局どちらを選べばよいのか迷うことがあります。そこで最後に、初心者でも判断しやすい考え方を整理します。


まず、最初に確認したいのは、ほしい成果が点の座標なのか、面や形状の記録なのかです。点の座標が中心ならRTKが向きます。形状の再現が中心ならレーザー測量が向きます。これは最も基本的で、かつ最も重要な判断軸です。


次に、現場で必要な密度を考えます。数点から数十点の代表点で十分ならRTKが効率的です。対象全体を細かく残したい、後から任意の位置を確認したい、断面やモデル作成まで見据えたいならレーザー測量が向いています。必要以上に密なデータを取ると処理負担が増えるため、何をどこまで残すべきかを事前に考えることが大切です。


三つ目は、現場環境です。空が開けていて通信も確保しやすいならRTKは使いやすくなります。空が見えない屋内やトンネル、建物直下などではレーザー測量が有利になりやすいです。ただし、レーザー測量でも見通しが必要なため、死角が多い場合は設置計画が重要になります。


四つ目は、その場で判断したいかどうかです。施工位置の確認や出来形の即時確認のように、現場で座標を見ながら進めたいならRTKが向いています。後からじっくり解析したい、現況記録を広く残したい場合はレーザー測量が向いています。


五つ目は、対象の複雑さです。単純な対象や明確な測点ならRTKで十分なことが多いです。形が複雑で、点の選び方自体が難しい対象では、レーザー測量のほうが取りこぼしを防ぎやすくなります。初心者ほど、複雑な対象に対して少数の点だけを取り、後で情報不足になる失敗が起きやすいため、この視点は重要です。


六つ目は、将来の使い道です。今は少数の寸法しか使わなくても、後で追加確認やモデル化の可能性があるならレーザー測量の価値が高まります。逆に、今すぐ必要な点座標だけわかれば十分で、将来的な詳細利用が想定されないならRTKのシンプルさが活きます。


具体例で考えると、造成地の高さ管理、道路の管理点取得、施工位置確認、基準点周辺の測位ならRTKが向きます。建物内部の現況記録、トンネルや橋梁の形状把握、複雑設備の三次元記録、既設構造物の詳細保存ならレーザー測量が向きます。法面の代表点確認ならRTK、法面全体の形状把握ならレーザー測量というように、同じ対象でも目的によって選び方は変わります。


最終的には、どちらが高性能かではなく、今の現場で必要な情報を、無理なく、手戻り少なく取得できるかで判断することが大切です。初心者のうちは、精度という言葉だけに引っ張られがちですが、実務では精度、スピード、環境条件、成果物、再利用性のバランスで選ぶことが失敗を防ぐ近道になります。


まとめ

RTKとレーザー測量は、どちらも高精度な計測に使える方法ですが、向いている用途ははっきり異なります。RTKは、必要な点の座標を素早く正確に押さえることに強く、開けた屋外での施工管理や出来形確認、広範囲の点測量に向いています。レーザー測量は、対象物の形状を密に記録することに強く、複雑な構造物や屋内、トンネル、設備空間などの現況把握に向いています。


比較するときに大切なのは、単純にどちらが上かで考えないことです。精度の出方が違い、向く対象物が違い、作業スピードの意味も違い、必要な環境条件も違います。さらに、得意な現場と不得意な現場も異なるため、現場条件と成果物を結びつけて考える必要があります。


選び方の基本はとてもシンプルです。点の座標が必要ならRTK、形状の記録が必要ならレーザー測量をまず候補にします。そのうえで、空が開けているか、見通しがあるか、その場で判断したいか、後から詳細確認したいかを重ねて考えると、現場に合った方法を選びやすくなります。


また、実務ではどちらか一方だけで完結させるより、RTKで基準や管理点を押さえ、レーザー測量で必要な範囲を詳細取得するという使い分けが非常に有効です。広く速く押さえる工程と、細かく確実に残す工程を分けることで、無駄を減らしながら必要な精度と成果を確保しやすくなります。


現場で迷ったときは、何を測りたいのかではなく、最終的に何を残したいのかを先に考えることが重要です。座標を残したいのか、形を残したいのか。この違いを整理できれば、RTKとレーザー測量のどちらを選ぶべきかは自然と見えてきます。


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