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VRS方式とは?RTKとの関係を5分でわかりやすく説明

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

RTKという言葉を調べていると、途中でVRS方式という用語に出会い、結局何が違うのか分かりにくいと感じる方は多いのではないでしょうか。実務では、RTKは測位の考え方や方式全体を指し、VRSはそのRTKを現場で使いやすくするための提供方法の一つとして理解すると整理しやすくなります。特に、基準局を毎回自前で設置するのか、それとも周辺の基準点ネットワークから補正情報を受け取るのかで、運用の手間や作業効率は大きく変わります。国土地理院は、ネットワーク型RTK測量を、周辺の電子基準点の観測データから作成された補正情報を利用し、リアルタイムでcm級の測量を効率的に行う方式と説明しており、VRSはその代表的な考え方の一つです。


目次

VRS方式の基本を最初に理解する

RTKとは何かを整理する

VRS方式と通常のRTKの違い

VRS方式が現場で使われる理由

VRS方式の仕組みをやさしく説明する

VRS方式が向いている業務と注意点

VRS方式を理解したうえでの機器選定

まとめ


VRS方式の基本を最初に理解する

VRS方式とは、仮想基準点方式のことです。名前だけ見ると難しく感じますが、考え方はそこまで複雑ではありません。通常のRTKでは、既知点に設置した基準局と、実際に移動して測る移動局の組み合わせで測位します。これに対してVRS方式では、現場周辺にある複数の基準点の観測データを使い、利用者の近くに仮想的な基準局があるかのように補正情報を生成して移動局へ配信します。つまり、現地に毎回基準局を置かなくても、短い基線でRTKをしているような条件を作り出す考え方です。国土地理院の資料でも、仮想基準点方式は3点以上の電子基準点を利用し、短距離基線のRTKと同等の測位精度を目指す方式として整理されています。


ここで大切なのは、VRSとRTKを対立する別物として捉えないことです。VRSはRTKではない、という理解は正確ではありません。むしろ、VRSはRTKを成立させるための補正情報の提供方法の一つです。実務でよくある混乱は、RTKを精度の話として理解し、VRSを通信サービスの話として切り分けてしまう点にあります。しかし実際には、VRSはRTK測位をネットワーク型で安定運用するための仕組みに近く、RTKの中の一つの運用形態として理解するとすっきりします。現場担当者にとっては、理論上の分類よりも、基準局設置の手間が減ること、広い範囲で使いやすいこと、作業開始が早いことのほうが重要です。その意味でも、VRSはRTKをより現実的に使いやすくした方式と考えると実務感覚に合います。


また、VRS方式が注目される背景には、単一の基準局を遠くに置いたまま測ると、距離が伸びるほど誤差の影響を受けやすくなるというRTKの基本的な課題があります。衛星測位では、衛星軌道誤差、大気の影響、電離層や対流圏の影響など、位置計算に関わるさまざまな誤差要因があります。基準局と移動局が近ければ、同じような誤差を受けるので相殺しやすくなりますが、離れるほど条件差が大きくなり、補正の効きが弱くなります。VRS方式は、この距離依存の弱点をネットワーク全体で補うために発展したものです。仮想的に近傍基準局をつくるという発想が、まさにこの課題への答えになっています。


RTKとは何かを整理する

VRS方式を理解するには、先にRTKそのものを整理しておく必要があります。RTKは、リアルタイムキネマティックの略で、衛星から受け取る信号に加え、基準局側の観測情報を使って誤差を補正し、リアルタイムで高精度な位置を求める測位方法です。一般的な単独測位がメートル級の誤差になるのに対し、RTKは条件が整えばcm級の精度を狙える点が大きな特徴です。だからこそ、測量、施工、出来形確認、機械誘導、インフラ点検、農業、自動運転支援など、位置のズレが業務品質に直結する場面で広く使われています。国土地理院もネットワーク型RTK測量をcm級の測量を効率的に行う方式として説明しています。


RTKでは、移動局だけで測るのではなく、どこかに基準となる観測点が必要です。従来型の運用では、自前で基準局を設置し、その補正情報を無線などで移動局へ送って測位します。この方式は仕組みが分かりやすく、閉じた現場で運用しやすい半面、毎回の基準局設置、既知点の確保、通信環境の整備、見通し条件の確認など、準備に手間がかかります。しかも、現場が広い場合や測点が散らばる場合には、基準局との距離や通信条件がボトルネックになりやすいという問題があります。そこで登場するのが、複数の恒久基準点のデータを活用するネットワーク型RTKであり、VRS方式はその代表例です。


つまり、RTKは高精度測位の方法そのものを指し、VRSはそのRTKをネットワーク経由で成立させるための一つの仕組みです。たとえるなら、RTKが目的地へ行くための移動手段全体で、VRSはその中の運行方式の一つです。この違いを理解すると、VRS方式とはRTKと何が違うのか、という問いに対して、違うのではなく包含関係にあると説明できます。検索ユーザーの多くは、VRSのほうが新しく高精度な別技術なのか、それともRTKの別名なのかで迷いますが、実務的にはRTKを行うための補正提供の仕組みの違いだと捉えるのが最も分かりやすいです。


VRS方式と通常のRTKの違い

VRS方式と通常のRTKの最大の違いは、補正情報をどこからどう作るかです。通常のRTKでは、現場またはその近くに実在する基準局を置き、その基準局から直接補正情報を受け取ります。一方、VRS方式では、周辺に配置された複数の基準点ネットワークのデータを解析し、利用者の近傍にあるとみなした仮想基準点からの補正情報を生成します。移動局から見れば、近くに基準局があるような形になるため、遠い単一基準局に依存する場合よりも、距離による不利を抑えやすくなります。国土地理院の資料でも、VRS方式では固定観測点が仮想点として扱われると整理されています。


この違いは、現場の手間に直結します。通常のRTKでは、まず既知点を確認し、基準局を設置し、アンテナ高や設置条件を管理し、通信が安定する位置を選ぶ必要があります。測る範囲が広がれば、基準局を移設したり、通信条件を見直したりする場面も出てきます。VRS方式なら、通信回線を通じて補正情報を受け取れる環境があれば、基準局設置の手間を大きく減らせます。広域の現場や、測点が点在する業務では、この差がそのまま作業効率の差になります。特に少人数の現場では、基準局の設置・監視・撤収にかかる時間を削減できる利点は非常に大きいです。


ただし、VRS方式が常に完全に上位というわけではありません。通常のRTKには、自前設備で閉じた運用ができること、通信インフラへの依存を相対的に抑えやすいこと、現場内だけで完結しやすいことなどの利点があります。山間部や通信の不安定な場所、あるいは一定のエリア内で継続的に施工管理を行う場合には、現地基準局方式のほうが運用しやすいこともあります。逆にVRS方式は、ネットワーク配信や通信回線への依存があるため、通信品質が悪い現場では不利になる可能性があります。重要なのは、VRSか通常RTKかを二択で考えるのではなく、現場条件、作業範囲、通信環境、既知点の確保難易度を踏まえて選ぶことです。


さらに、用語としてはVRS以外にもネットワーク型RTKの補正提供方式が存在します。そのため、VRSという単語だけを見てネットワークRTK全体を指しているのか、それとも仮想基準点方式という個別方式を指しているのかは文脈で確認する必要があります。実務では、VRSという言葉がネットワーク型RTK全般の通称のように使われることもありますが、厳密にはネットワーク型RTKの中の一方式として理解したほうが混乱しません。ここを曖昧にすると、仕様書確認や機器選定のときに誤読が起きやすくなります。


VRS方式が現場で使われる理由

VRS方式が現場で広く使われる理由の一つは、準備時間を短縮しやすいことです。RTKを導入したい現場担当者にとって、高精度そのものも重要ですが、それ以上に、いつでもすぐ測れるか、段取りが複雑すぎないか、作業者の負担が増えすぎないかが大きな判断材料になります。VRS方式なら、既知点への基準局設置や機器間の無線構成を毎回組み立てなくても、対応する受信環境と通信環境があれば比較的すぐに作業へ入りやすくなります。測量専業だけでなく、施工管理や点検など、本業が別にある担当者ほど、この導入の軽さは大きな利点になります。


二つ目の理由は、広域作業に強いことです。道路、河川、造成、農地、インフラ巡回のように、測る場所が線状・面的に広がる業務では、単一基準局を中心にした従来運用だと、距離や通信範囲の制約が目立ちやすくなります。VRS方式は、複数基準点ネットワークから利用者位置に応じて補正を作るため、広い範囲でも運用しやすい特徴があります。もちろん通信圏内であることは前提ですが、少なくとも基準局を追いかけて移設する負担は小さくできます。この点は、点で測るより、動きながら継続的に測る業務ほど効いてきます。


三つ目は、安定した精度を得やすいことです。単一基準局から遠く離れると、基線長の増加に伴って誤差要因の相関が弱まり、Fixしにくさや精度低下につながることがあります。VRS方式では、利用者の近くに仮想基準点を置く発想により、短基線RTKに近い状態を再現しようとします。その結果、広域であっても実用上安定したcm級運用をしやすくなります。現場担当者の感覚でいえば、どこで測っても条件差が小さく、運用品質が揃いやすいことが価値です。精度だけでなく、再現性や作業の読める感覚も重要であり、VRS方式はそこに寄与します。


VRS方式の仕組みをやさしく説明する

VRS方式の仕組みをできるだけシンプルに言うと、まず広い地域に配置された複数の基準点が常時衛星信号を観測しています。その観測データが処理サーバー側に集められ、地域全体の誤差傾向がモデル化されます。次に、利用者である移動局が自分のおおよその位置情報を送ると、その近くに仮想的な基準局があるとみなした補正情報が生成され、移動局に返されます。移動局はその補正情報を受け取り、自分の観測値と組み合わせて高精度な位置を計算します。ある受信機メーカーの説明でも、移動局が位置をサーバーへ送り、サーバーがその位置における系統誤差をモデル化して補正を返す流れが示されています。


このとき重要なのは、仮想基準点が実際に物理的に存在しているわけではないことです。あくまで複数基準点の情報から計算上作られた基準点です。しかし、移動局から見れば、近くに基準局があるのと似た条件で補正を受けられるため、結果として短基線RTKに近い性能を得やすくなります。ここでいう仮想とは、架空であっていい加減という意味ではなく、ネットワーク解析に基づいて計算された基準点という意味です。このニュアンスを誤解すると、仮想だから精度が低いのではないかと不安に思う方もいますが、むしろ狙いは精度や安定性を高めることにあります。


また、VRS方式では通信が重要です。通常の基準局無線方式では、基準局から移動局へ直接補正が飛んできますが、VRSではネットワーク側で補正生成を行うため、移動局がサーバーとやり取りできる通信環境が必要になります。この点は、利用者から見れば単なる設定項目の一つに見えますが、実際には初期化時間や補正途絶、Fix維持のしやすさにも影響します。したがって、VRS方式を導入する際は、受信機の性能だけでなく、通信の安定性、作業エリアの通信状況、移動中の接続維持も合わせて確認することが大切です。高精度測位は衛星だけで決まるのではなく、補正と通信まで含めたシステム全体で成立しているからです。


VRS方式が向いている業務と注意点

VRS方式が向いているのは、まず広い範囲を機動的に測る業務です。たとえば、複数の点を短時間で回る現況確認、線形に沿って進む出来形確認、巡回型のインフラ点検、複数現場を移動しながら行う測位作業などでは、基準局の設置撤収を毎回行うより、VRS方式のほうが効率的です。測位作業を始めるまでの段取りが短く、現場間の移動があっても同じ考え方で使いやすいため、作業フローを標準化しやすい利点があります。測量専門のチームだけでなく、施工・維持管理側の担当者が高精度位置情報を扱う場面でも相性が良いです。


一方で、注意点もあります。最も分かりやすいのは通信依存です。VRS方式では補正情報の配信に通信回線を使うため、通信圏外や不安定なエリアでは性能が十分に出ない可能性があります。山間部、トンネル周辺、高架下、構造物密集部など、そもそも衛星受信条件が厳しい場所では、VRSだから万能というわけではありません。衛星の見通しが悪ければ、補正以前に観測条件そのものが不利になります。したがって、VRS方式を選んでも、空の開け具合、遮へい状況、マルチパスの出やすさ、通信品質は別途評価が必要です。RTKがFixしない原因の多くは、方式名そのものではなく、衛星環境と通信環境にあります。


もう一つの注意点は、VRS方式を使っているからといって、すべての測位結果を無条件で信頼してはいけないことです。高精度測位では、座標系の理解、現場基準との整合、初期化状態の確認、再測による検証、既知点照合など、基本動作が欠かせません。特に、施工や出来形のように後工程へ影響する業務では、Fixになっていることだけで安心せず、位置の再現性や既知点との合致を確認する運用が必要です。VRSは便利な方式ですが、便利さゆえに確認工程を省いてしまうと、本来避けられたはずの手戻りを招きます。方式の理解と同じくらい、運用ルールの設計が重要です。


VRS方式を理解したうえでの機器選定

VRS方式を使いたいと考えたとき、機器選定では何を見るべきでしょうか。まず大前提として、必要なのは単にVRS対応と書かれた機器ではなく、現場で安定してRTK運用できる構成かどうかです。衛星の受信性能、補正情報の受信方法、通信手段、初期化のしやすさ、Fix維持の安定性、記録や確認のしやすさまで含めて判断する必要があります。VRSは補正の提供方法であり、それを受ける側の性能や操作性が不十分だと、理屈の上では使えても実務では扱いにくくなります。特に、現場担当者が毎日使う道具として考えるなら、設定の複雑さや確認のしやすさは精度と同じくらい重要です。


次に見るべきなのは、現場に合った運用形態です。常時通信が安定する地域で広域に使うならVRS方式は大きな効果を発揮しますが、通信が不安定な場所を多く含むなら、別の補正手段や基準局方式も視野に入れたほうがよい場合があります。また、測る対象が点中心なのか、歩きながら連続的に位置を扱うのかでも求める性能は変わります。単発の観測なら少し待ってFixすれば済む場面でも、移動しながら連続利用するなら補正途絶や再初期化のしにくさが業務ストレスに直結します。方式だけでなく、作業の流れに合わせて選ぶ視点が重要です。


そして近年は、専門機に限らず、より身近な端末と組み合わせて高精度測位を活用したいというニーズも増えています。現場では、専任の測量担当者だけでなく、施工管理者、点検担当者、維持管理担当者が位置情報を使いたい場面が増えています。そのため、VRS方式やRTKの考え方を理解したうえで、操作しやすさ、携帯性、導入のしやすさまで含めて検討することが重要です。高精度測位は一部の専門家だけのものではなく、日々の現場判断を支える実用ツールとして広がっています。だからこそ、難しい理論を覚えることより、どの方式が自分の業務に合っているかを見極めることのほうが価値があります。


まとめ

VRS方式とは、複数の基準点ネットワークの観測データを利用し、利用者の近くに仮想的な基準局を設定したように補正情報を生成する方式です。そしてRTKとは、その補正情報を使ってリアルタイムにcm級の高精度測位を行う方法そのものです。つまり、VRSはRTKと別の技術ではなく、RTKをネットワーク型で運用するための代表的な仕組みだと理解すると分かりやすいです。現地基準局を毎回設置する通常のRTKに比べて、VRS方式は準備の手間を減らしやすく、広域作業にも対応しやすい点が強みです。一方で、通信環境や衛星受信条件への配慮は欠かせず、便利だからこそ基本確認を丁寧に行うことが重要です。


実務で「rtk」と検索している方にとって本当に知りたいのは、用語の定義そのものより、自分の現場で使いやすいかどうかではないでしょうか。その観点で見ると、VRS方式は、高精度測位をより実務へ落とし込みやすくする考え方だと言えます。特に、基準局の設置に時間をかけにくい現場、移動を伴う現場、測量専任ではない担当者も位置情報を扱いたい現場では、大きな価値があります。高精度測位をもっと手軽に現場へ取り入れたいなら、VRS方式やRTKの仕組みを踏まえたうえで、扱いやすい機器構成を選ぶことが重要です。その選択肢の一つとして、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用すれば、専門機のような考え方をより身近な運用に落とし込みやすくなります。現場で素早く位置を取り、確認し、記録へつなげたい実務担当者にとって、高精度測位を日常業務の中で使える形にすることは、これからますます重要になっていきます。


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