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小規模案件の比較:RTK vs トータルステーション

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

はじめに

トータルステーションとは?

RTK測量とは?

作業時間の比較

コストの比較

精度の比較

LRTKによる簡易測量

まとめ

FAQ


はじめに

建設・測量業界では、近年「RTK」という言葉が注目を集めています。従来の光学測量(トータルステーションを用いる方法)と最新のGNSS測量技術であるRTK測量では、何が違うのでしょうか? 小規模な測量案件において、どちらの手法がより効率的で有利なのか悩む方も多いでしょう。「RTK測量は本当に高精度なのか?コスト面では得なのか?」といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。


本記事では、RTK測量 vs トータルステーション測量の違いを「作業時間」「コスト」「精度」の3つの観点から比較し、それぞれのメリット・デメリットや小規模現場での活用ポイントを解説します。測量業務の効率化や省人化を検討している皆様の参考になれば幸いです。


トータルステーションとは?

トータルステーション(TS)は、昔から測量現場で広く使われている電子光学式の測量機器です。水平角・鉛直角を測定する経緯儀と、距離を測る光波距離計が一体化しており、測量用プリズム(反射鏡)をターゲットに照準することで、1台で三次元座標を高精度に求めることができます。その精度は非常に高く、短距離であればミリメートル単位の誤差に収まるため、例えば500m離れた測点でも誤差は±3mm程度という精度を実現します。建築や土木の精密な位置出しにも長年主力として利用されてきました。また、光学測距は電波による測位と異なり、夜間や悪天候でも使用可能で、金属面を含むさまざまな対象に対して安定した測定が行えます。衛星測位に頼らないため、視線さえ確保できればトンネル内や森林の中でも計測可能で、GNSSが使えない環境下で大きな強みとなります。


通常、トータルステーションは三脚に据え付けて使用します。既知の基準点上などに据えて水平・鉛直を調整し、後方交会などで位置合わせを行った上で測定を開始します。測量者はTSの望遠鏡を覗いてプリズムを据えたスタッフを視準し、角度と距離を観測します。広い現場では障害物や視通の問題で複数回の据え直し(機器移動)が必要になり、その都度位置合わせや誤差調整を行います。また、基本的には1人が機械操作、もう1人がプリズムを持って目標点に立つ2人作業となるため、人手と時間を要する方法でもあります(ロボット型TSなら1人で操作可能ですが機器が高価です)。


RTK測量とは?

RTK(Real Time Kinematic)測量は、GPSなどの人工衛星を利用するGNSS測位技術をリアルタイムに高精度化する測量手法です。一般に移動局(ローバー)と基準局(ベース)の2台のGNSS受信機を用いて行います。基準局を既知の座標点に設置し、そこで受信した衛星信号の誤差情報を移動局へ無線やインターネットで送り、移動局側で自身の測位値に補正を適用することで、リアルタイムにセンチメートル級の精度で位置を求めます(この高精度な解を「FIX解」と呼びます)。従来の単独測位(スタンドアローンGPS)が数メートル程度の誤差であるのに対し、RTKでは基準局との相対測位によりその誤差を打ち消し、桁違いの精度向上を実現します。


RTK測量では、衛星さえ受信できれば広範囲で絶対座標を取得できるという強みがあります。複数の点を測る場合も、各点が同一の基準局に対する相対座標として求まるため、範囲が広がっても測点間の誤差が蓄積しにくい特徴があります。さらに、基準局を公共座標系(世界測地系など)の既知点に設置すれば、取得した座標はそのまま公共座標値となるため、測ったデータを後で設計図やGIS上の位置と容易に照合できるという利点もあります。実際の精度は水平位置で約1〜2cm、標高で2〜3cm程度とされ、通常の土木測量や施工管理には十分な精度です。さらに公共の電子基準点網などネットワーク型RTKサービスを利用すれば、自前で基準局を設置せずに移動局だけで測量を行うことも可能です。ただし、RTKは衛星信号の受信状況に大きく依存するため、高層ビル街や森林の中、トンネル内などでは固定解(センチ級精度)が得られず測位できないケースがあります。このため状況によっては従来どおりトータルステーション等を併用する必要があります。


作業時間の比較

作業効率・所要時間の面では、RTK測量はトータルステーション測量に比べて格段にスピーディーです。トータルステーションでは、機器の据え付けや後方交会による測位準備に時間がかかりますし、複数の点を測る際にはプリズムを持った作業員とともに移動しながら1点ずつ観測する必要があります。障害物があれば機器を迂回設置するか一度撤収して別の地点に据え直す必要が生じ、広い現場では据え直し作業を何度も繰り返さなければなりません。これらの手順は現場での測量時間を長引かせる要因となります。


一方、RTK測量では基準局のセットアップ(もしくはネットワークへの接続)が完了してしまえば、移動局を持った作業員1人が現場を歩き回り、測りたいポイントでボタンを押すだけで即座に座標を取得できます。視通の確保や機器の据え替えといった手間がないため、測点数が多い場合でも効率良く連続的に観測可能です。極端な例では、空港の広い敷地の測量をRTKで行ったところ、1点あたりの観測時間が約10秒程度で済み、従来は数人がかりで丸一日かかっていた作業を数時間で完了できたという事例も報告されています。リアルタイムに座標が得られることで現場で即データ確認や次の測点への移動判断ができる点も無駄を減らし、総合的に見てRTKは測量にかかる作業時間を大幅に短縮します。さらに、RTKは1人で完結できるためコミュニケーションロスも少なく、段取り良く測量を進められる点も効率化に寄与します。


コストの比較

コスト面でも、RTK測量には小規模案件で魅力的な利点があります。まず人的コストに関して、従来のトータルステーション測量が2人1組で1日かけていた作業を、RTKなら1人で半日程度で完了できるとすれば、人件費は大きく削減できます。作業時間の短縮はそのまま重機や他の作業の待機時間削減にもつながり、間接的な経費削減効果も生みます。限られた予算の小規模工事では、測量の人件費圧縮は全体コストの削減に直結するでしょう。


一方、機材導入コストについては注意が必要です。高性能なトータルステーションもRTK対応GNSS受信機もいずれも高額で、最新のものではどちらも数百万円規模の投資となり得ます。また、トータルステーションは定期的な校正や消耗品交換(バッテリー等)の費用がかかるのに対し、RTKではそれらに加えて通信費用や補正情報サービス(月額課金など)の利用料が発生するケースがあります。初期投資額だけ見ればRTK導入のハードルは決して低くありません。しかし、近年はGNSS受信機の低価格化やスマートフォンを活用した低コストRTKソリューションの登場により、従来より手頃な価格で高精度測位を導入できる時代になりつつあります。さらに、ネットワーク型RTK(VRSなど)を利用すれば自前の基地局が不要になるため機器点数を減らせますが、その代わり補正サービス利用料がかかります。ただし、日本国内では大学・自治体による公共のRTK基準局サービスや国土地理院の電子基準点データを無料または低廉に利用できる場合もあり、工夫次第でランニングコストを抑えることも可能です。


総合的に見れば、RTK測量への投資は中長期的には十分ペイすると言えます。測量作業にかかる手間と時間が大幅に削減されることで、人件費の節約や工期短縮によるメリットが初期機材費を上回るからです。特に多数の現場を運用する企業にとっては、1セットのRTK機器で複数案件の効率化が図れるため費用対効果は高いでしょう。小規模な事業者でも、必要な期間だけネットワーク型RTKサービスを契約するなど柔軟に活用することで、低コストでRTKの恩恵を享受できるようになっています。また、必要な場合は高精度GNSS機器をレンタルで調達することも容易になっており、初期費用を抑えてRTK測量を導入する選択肢もあります。


精度の比較

測位精度については、トータルステーションとRTKで基本原理の違いから得意分野が異なります。トータルステーションは短距離であれば角度・距離ともにミリ単位の高い相対精度を持ち、構造物の精密な位置出しや変位計測など「極限まで誤差を抑えたい」場面に強みがあります。一方、RTK測量の精度は平面位置で約1〜2cm程度(実測でも3〜4cm程度に収まることが多い)と、TSほどのミリ精度ではありません。しかしRTKは同時に広範囲をカバーでき絶対座標を直接取得できる利点があります。複数地点を測量する際に、トータルステーションでは都度機器を据え直す過程でわずかながら誤差が蓄積していくのに対し、RTKでは各点が共通の基準局に対する相対測位で得られるため、離れた点同士でも測点間の誤差が蓄積しにくいという特徴があります。


高さ方向の精度を比較すると、やはりトータルステーション+水準測量の組み合わせには分があります。TSを用いた水準測量では高低差を数ミリの誤差で求めることも可能なのに対し、RTKの高さ精度は概ね±2〜3cm程度です。ただし一般的な土木測量や造成工事の出来形管理であれば数cmの精度で十分なケースが多く、RTKでも実用上問題ない場面がほとんどです。実際、国土地理院の公共測量作業規程でもRTK測量の基準値は水平15mm以内・高さ50mm以内と定められており、通常の測量業務における許容精度に収まっています。要するに「ミリ単位の絶対精度」が求められる特殊なケースを除けば、小規模な現場においてRTK測量はトータルステーションに匹敵する精度を発揮すると言えるでしょう。ただし繰り返しになりますが、RTKは衛星受信環境に左右されるため、ビル陰や樹木の下などでFIX解が得られない場合は一時的に精度が低下します。そのような環境下では無理にRTKに固執せず、従来通りTSや他の補完手法でカバーする柔軟さも重要です。


LRTKによる簡易測量

近年登場した最新のRTK技術として「LRTK」というソリューションがあります。LRTKは従来のRTK測量をさらに進化させ、より簡易かつ機動的に高精度測位を行えるようにしたものです。大きな特徴の一つは、専用の補正情報を衛星通信や独自のネットワーク経由で受信することで基準局を設置せずにセンチメートル級の測位が可能な点です。そのため事前の基地局準備が不要となり、現場で受信機の電源を入れれば即座に測量を開始できる手軽さを実現しています。いわば「基地局に縛られないRTK」をコンセプトとしており、測量担当者は小型のLRTK機器を携行して現場に入るだけで、素早く高精度の測量データを取得できます。


LRTKはGNSS受信機やスマートフォンアプリを活用したシステムで、初めてRTKを使う現場でも直感的に運用できるよう設計されています。機器構成がコンパクトで持ち運びやすく、一人ひとりの作業員が自分専用の高精度測位ツールとして扱える点も革新的です。実際の導入事例では、従来法では数日かかっていた地形測量をLRTKで数時間で完了させたり、リアルタイムで道路や線路の変位を測定して即座に補修判断を行ったケースも報告されています。高精度かつ迅速な測量が可能になることで、工期の短縮やコスト削減に直結し、これまで困難だった一人現場での効率的な測量も実現します。小規模な測量案件においても、LRTKを活用することで必要最低限の人員と時間で現場の状況把握や出来形管理が行えるため、今後ますます普及が期待されるでしょう。なお、LRTKシリーズは国土交通省が推進するi-Construction(アイ・コンストラクション)にも対応しており、建設業界のデジタル化(DX)を支えるソリューションとしても注目されています。


まとめ

小規模案件の測量では、限られた人員や時間で効率よく成果を出すことが求められます。したがって、どの測量機器を用いるかの選択では、作業効率と要求精度のバランスを見極めることが大切です。また、どの測量機器を使うか選択する際は、作業効率と要求精度のバランスを見極めることもポイントになります。オープンな現場で必要精度が数センチ程度であれば、RTK測量を活用することで作業時間とコストを大幅に削減できるでしょう。一方、衛星信号が届かない環境やミリ単位の高精度が必要な作業では、従来どおりトータルステーションが安心です。


さらに近年ではLRTKのような最新ソリューションも登場し、RTK測量のハードルが一段と下がってきました。これらを上手に取り入れることで、たとえ小規模なプロジェクトであっても従来以上に迅速かつ低コストで測量を完了できる可能性が広がっています。測量技術の進化を味方につけて、現場の生産性向上に役立てていただければと思います。測量がボトルネックとならなければ他の作業を前倒しできるため、全体の工期短縮にもつながります。慢性的な人手不足が課題となっている昨今、こうした省力化技術の活用は測量業界にとって大きな助けとなるでしょう。


FAQ

Q: RTK測量とは何ですか? A: RTKとは、基準局と移動局の2つのGNSS受信機を使い、リアルタイムで誤差補正しながらセンチメートル級の高精度測位を行う測量手法です。基準局からの補正情報を受け取った移動局が、自身のGPS測位値を補正することで高い精度を実現します。従来の単独GPS測位より格段に精密な位置を現場で即取得できる点が特徴です。


Q: トータルステーションとRTKではどちらが精度が高いですか? A: 細部の精度ではトータルステーションの方が上です。TSは短距離でミリ単位の精度を発揮でき、例えば100m先の目標点でも誤差は数mm程度に抑えられます。一方、RTKの精度は平面で数センチ程度です。ただし一般的な測量作業ではRTKの数cm精度で十分な場合が多く、必要以上の高精度が要求されない限り実用上の差はほとんどありません。ミリ単位の厳密な計測が必要な場面ではTSに軍配が上がりますが、それ以外ではRTKでもほぼ問題なくこなせます。


Q: RTKでトータルステーションを完全に置き換えられますか? A: RTK測量がすべての場面でトータルステーションを置き換えるわけではありません。衛星が受信できない屋内やトンネル、森林内ではRTKは使えないため、そうした場所では依然としてTS等が必要となります。またミリ精度が要求される精密測定でもTSの方が適しています。ただ、空が開けた屋外の一般的な測量であればRTKだけで大半の作業がこなせるため、現状では「場面に応じて使い分ける」のがベストです。


Q: RTK測量に必要な機材や準備は何ですか? A: 基本的には高精度GNSS受信機のセット(基準局用と移動局用)が必要です。さらに両者を通信で繋ぐための無線機やインターネット接続環境、基準局を設置するための三脚なども用意します。基準局を置く場所の既知座標(基準点座標)も求めておく必要があります。ただし、ネットワーク型RTKサービス(例: VRS)を利用する場合は移動局用受信機だけで測量可能です。この場合、基地局の代わりに公共の補正情報をインターネット経由で受信するため、準備が簡素になります。なお、基地局と移動局間の通信に特定小電力無線などを用いる場合は、無線局の免許や届出が必要となる点にも留意しましょう。


Q: 小規模な現場ではどちらの測量方法を選ぶべきですか? A: オープンな環境であれば、RTK測量の方が少人数・短時間で効率よく測量できるため小規模案件に適している場合が多いです。準備や撤収の手間も少なく、その場で座標が得られる利点があります。一方、建物に囲まれた狭い現場や森林など衛星が捕捉しにくい環境ではRTKが使えないこともあるため、その場合は迷わずトータルステーションを使うべきです。また必要精度が極めて高い場合もTSが安心です。要は現場の状況と要求精度に応じて、RTKとTSを使い分けるのが最善です。場合によってはRTKで大部分を測り、詳細部分のみTSで補完するといった併用も有効でしょう。


Q: LRTKとは何ですか? A: LRTKは最新のRTKソリューションの名称で、従来のRTK測量をより簡単に実現するためのシステムです。専用の補正データを利用して基準局なしでセンチ級測位が可能であり、受信機と通信環境さえあれば現場ですぐに高精度測量を始められます。スマートフォンアプリと連携した手軽な運用が特長で、小規模な現場でも一人で迅速に測量できるよう設計されています。RTKの利便性を飛躍的に高めた技術がLRTKです。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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