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RTK端末の公共座標利用で確認したい6つの注意点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

RTK端末は、現場で高精度な位置情報を取得しやすくする機器として、測量、土木、建設、インフラ点検、設備管理、出来形確認、災害対応など幅広い業務で活用されています。公共測量成果や自治体・インフラ管理データと整合する座標で位置を扱えれば、取得した点、写真、点群、台帳情報を図面や設計データへつなげやすくなり、現場作業と事務作業の効率化に役立ちます。


ただし、RTK端末で得た座標をそのまま「公共座標」として扱えるとは限りません。ここでいう公共座標とは、公共測量成果、国家座標、平面直角座標系、発注者が指定する座標系などに整合した座標を指す実務上の表現です。正式な測量成果や納品データとして扱う場合は、作業規程、発注者仕様、使用する基準点成果、座標変換条件に従う必要があります。


座標系、測地系、基準点、補正情報、標高、精度管理、データ連携の考え方を確認しないまま使うと、見た目には正しく測れているように見えても、後工程で位置ずれや高さの不整合が発生することがあります。


この記事では、RTK端末で公共座標に整合する位置情報を扱う実務担当者に向けて、現場で確認しておきたい6つの注意点を解説します。


目次

RTK端末と公共座標の関係を正しく理解する

注意点1:使用する座標系と測地系を事前に確認する

注意点2:基準点や既知点との整合性を確認する

注意点3:補正情報の方式と通信環境を確認する

注意点4:高さの扱いと標高の基準を確認する

注意点5:現場での精度確認と記録方法を決めておく

注意点6:取得データの後工程での利用条件を確認する

RTK端末を公共座標で活用するための実務ポイント

まとめ:公共座標に合わせたRTK端末運用は現場DXの入口になる


RTK端末と公共座標の関係を正しく理解する

RTK端末を使う大きな利点は、現場でリアルタイムに高精度な位置を取得しやすいことです。単独測位では数メートル単位の誤差が出ることがありますが、RTKでは基準局や補正情報を利用することで、条件が良い場合にはセンチメートル級の測位が可能になります。そのため、従来は専門的な測量機器や複数人での作業が必要だった位置確認を、より簡便に行える場面が増えています。


ただし、RTK端末で取得した座標が、常に公共座標としてそのまま利用できるわけではありません。端末が表示する緯度、経度、高さは、利用している測地系、補正情報、座標変換設定、アプリケーション側の表示設定、出力ファイルの形式によって意味が変わります。公共座標として扱うには、単に「RTKで測った」という事実だけでは不十分で、どの基準に基づく座標なのかを明確にする必要があります。


日本の実務では、緯度経度のほか、平面直角座標系などの投影座標が多く使われます。図面、都市計画図、道路台帳、河川管理図、上下水道台帳、境界資料、公共工事の出来形管理などは、特定の座標系や測地成果を前提に作成されていることがあります。そのため、RTK端末で取得したデータを既存データに重ねるには、端末側の座標設定と既存データ側の基準を合わせることが欠かせません。


座標の基準がずれていると、現場では数センチの精度で測ったつもりでも、図面上では数十センチから数メートルのずれとして現れることがあります。特に、異なる座標系のデータを混在させたり、緯度経度を平面直角座標へ変換する際の系番号を誤ったり、旧い測地系の成果と現行の成果を区別せずに扱ったりすると、位置のずれが後から発覚しやすくなります。


RTK端末を公共座標で利用する際には、端末の性能だけでなく、座標の基準、現場の基準点、補正情報、標高の扱い、記録方法、納品や共有の形式まで含めて確認することが重要です。高精度な端末を使っていても、設定や運用の確認が不十分であれば、成果の信頼性は下がってしまいます。逆に、確認すべき点を押さえて運用すれば、RTK端末は現場の位置情報取得を効率化する実用的な道具になります。


注意点1:使用する座標系と測地系を事前に確認する

公共座標を利用するうえで最初に確認すべきなのは、使用する座標系と測地系です。RTK端末では緯度経度で位置を取得することが多い一方、土木、測量、建設、インフラ管理の実務では、平面直角座標系などの投影座標を使うことが一般的です。現場で取得した座標を図面や設計データに重ねる場合、どの座標系で管理されているデータなのかを必ず確認する必要があります。


座標系の確認で重要なのは、対象地域に対応する系番号や座標設定を誤らないことです。日本の平面直角座標系は地域ごとに区分されており、同じような数値形式に見えても、系が異なれば位置は大きく変わります。隣接する地域や広域の現場では、どの系を採用しているかを資料ごとに確認することが大切です。道路、河川、造成地、施設管理などの案件では、発注図面、既存台帳、過去測量成果が同じ座標系で統一されているとは限りません。


測地系の確認も欠かせません。測地系とは、地球上の位置を表すための基準です。現在の公共測量では世界測地系に基づく成果が前提になりますが、古い図面や過去成果には旧日本測地系など、現在とは異なる基準で作成されたデータが残っている場合があります。新旧の基準が混在していると、座標値の見た目は似ていても、実際の位置がずれることがあります。古い工事記録や施設台帳を参照する場合は、そのデータがどの時点の基準で作成されたものかを確認しておくと安心です。


RTK端末側の設定では、測位した緯度経度をどの座標系に変換して表示するか、またはデータ出力時にどの形式で保存するかを確認します。端末や測位アプリによっては、緯度経度、平面直角座標、ローカル座標、任意原点の座標など、複数の表示形式を選べる場合があります。表示画面では正しく見えていても、出力ファイルが別の座標形式になっていることもあるため、表示設定と出力設定を分けて確認することが重要です。


また、現場で使う図面データや設計データが公共座標ではなく、任意座標で作成されている場合もあります。任意座標とは、現場独自の原点や方向を基準にした座標です。造成工事や建築工事の一部では、設計図面が任意座標で運用されていることがあります。この場合、RTK端末で取得した公共座標をそのまま重ねても一致しません。公共座標と任意座標を対応させるには、変換パラメータや共通点を使った座標変換が必要になります。


実務では、作業開始前に「この現場の基準座標は何か」「端末の設定はそれに合っているか」「出力データは同じ座標系で扱えるか」を確認するだけで、後工程のトラブルを大きく減らせます。特に、複数の担当者が同じRTK端末を使う場合や、複数の現場で端末を使い回す場合は、前回の設定が残っていることがあります。現場ごとに座標設定を確認する運用を決めておくことが、公共座標利用の基本になります。


注意点2:基準点や既知点との整合性を確認する

RTK端末で公共座標を利用する際には、端末の測位結果が現場の基準点や既知点と整合しているかを確認することが重要です。公共座標で測位しているつもりでも、補正情報や座標設定に誤りがあれば、既存の基準点と合わない結果になることがあります。現場作業の前後で既知点を測り、座標差を確認することは、実務上とても有効な品質確認です。


基準点や既知点とは、あらかじめ座標が分かっている点のことです。公共測量成果として管理されている点、工事用に設置された基準点、過去の測量で確認済みの点、施設管理上の基準となる点などが該当します。RTK端末でそれらの点を測定し、既知の座標値と比較することで、端末の設定や測位状態に大きな問題がないかを確認できます。


この確認では、水平位置だけでなく高さも分けて見ることが大切です。水平位置は用途上問題ない範囲に収まっていても、高さだけが大きくずれる場合があります。逆に、高さは近いものの水平位置に系統的なずれが出ることもあります。ずれの方向や大きさを確認すると、座標系の設定違い、アンテナ高の入力ミス、補正情報の不一致、変換設定の誤りなど、原因を推定しやすくなります。


既知点確認で注意したいのは、既知点そのものの信頼性です。現場にある鋲や杭が、資料上の基準点と同一であるとは限りません。工事や舗装、地盤変動、構造物の更新などにより、点が移動している場合や、別の点と取り違えている場合もあります。現地で点名、位置関係、周辺状況、点の状態を確認し、必要に応じて複数の既知点で照合することが望ましいです。


また、既知点を測るタイミングも重要です。作業開始前に確認することで、その日の端末設定や補正情報が正しいかを判断できます。作業終了後にも確認すれば、作業中に設定変更や測位状態の悪化がなかったかを確認できます。長時間の作業や広い範囲の測定では、途中で再確認を行う運用も有効です。特に、山間部、都市部、構造物周辺、樹木の多い場所では衛星の受信環境が変わりやすいため、測位品質の変化に注意が必要です。


基準点との整合確認では、単に「合っている」「合っていない」だけでなく、許容差を事前に決めておくことが大切です。用途によって必要な精度は異なります。境界に関わる作業、出来形確認、埋設物の位置管理、写真記録の位置付け、巡視点検の位置確認では、それぞれ求められる精度が違います。公共座標で使うからといって、すべての用途で同じ精度基準を設定する必要はありませんが、用途に対して十分な確認方法を決めておく必要があります。


RTK端末は便利な道具ですが、測位結果を無条件に信じるのではなく、現場の基準と照合して使うことで信頼性が高まります。既知点確認を習慣化すれば、座標系の設定ミスや補正情報の取り違えを早期に発見でき、後から大量のデータを修正するリスクを減らせます。


注意点3:補正情報の方式と通信環境を確認する

RTK端末が高精度な測位を行うためには、補正情報の利用が欠かせません。補正情報は、衛星測位に含まれる誤差を補正するための情報であり、基準局や補正サービスから受け取ります。公共座標を利用する場合、この補正情報がどの基準に基づいているのか、現場で安定して受信できるのかを確認しておく必要があります。


補正情報の方式には、現場に基準局を設置して移動局で受信する方式や、通信回線を通じて補正情報を受け取る方式などがあります。どの方式を使うかによって、現場準備、通信環境、測位範囲、安定性、管理方法が変わります。既存の補正情報を利用する場合でも、端末がその形式に対応しているか、接続設定が正しいか、利用する座標基準が目的に合っているかを確認する必要があります。


特に通信回線を利用する方式では、現場の通信環境が測位の安定性に直結します。市街地では通信が安定していても、山間部、地下に近い場所、海岸部、造成中の広い現場、トンネル周辺、災害現場などでは通信が途切れる場合があります。補正情報が途切れると、測位が固定解から浮動解に変わったり、精度が低下したりすることがあります。端末画面上の座標値が表示されていても、測位状態が高精度を示しているとは限らないため、ステータス表示を確認しながら作業する必要があります。


補正情報を受け取れているかどうかだけでなく、固定解が安定しているかも確認しましょう。RTKでは、固定解の状態で高い精度が期待できますが、衛星配置、電波遮蔽、マルチパス、通信遅延などの影響で固定が外れることがあります。建物の壁面、橋梁の下、樹木の近く、法面の陰、重機や車両が多い場所では、衛星電波が反射したり遮られたりしやすくなります。測位状態が不安定な場所では、少し位置を変えて測る、観測時間を長めに取る、複数回測る、既知点で確認するなどの対応が必要です。


補正情報の基準も見落としやすいポイントです。補正情報がどの座標基準に整合しているかを理解していないと、端末側で公共座標に変換したつもりでも、既存成果と合わないことがあります。現場で利用する補正情報が、発注者や社内の求める座標基準と合っているかを確認し、必要に応じて測量担当者やデータ管理担当者と事前にすり合わせておくことが大切です。


また、補正情報の受信設定は、端末やアプリの更新、通信契約の変更、別現場での利用後などに変わっている場合があります。接続先、認証情報、通信方式、アンテナ設定、マウントポイントに相当する選択項目など、現場前に確認すべき項目は少なくありません。複数人で端末を共有している場合は、設定変更の履歴を残す、現場ごとの設定名を分ける、作業開始前に接続テストを行うなど、運用面での工夫も必要です。


補正情報は、RTK端末の精度を支える重要な要素です。端末本体の性能だけでなく、補正情報の方式、基準、通信環境、固定解の安定性まで含めて確認することで、公共座標として信頼できるデータを取得しやすくなります。


注意点4:高さの扱いと標高の基準を確認する

RTK端末で公共座標を利用する際、水平位置に比べて見落とされやすいのが高さの扱いです。現場では、緯度経度や平面直角座標の位置が合っていれば問題ないと考えがちですが、土木、建設、河川、道路、上下水道、造成、構造物管理では、高さの情報が非常に重要です。高さの基準を誤ると、出来形確認や排水計画、施設管理、点群処理、断面作成などに影響が出ます。


RTK端末で得られる高さには、衛星測位に基づく高さと、実務で使う標高の考え方があります。衛星測位で直接得られる高さは、地球を数学的に表した楕円体を基準にした高さとして扱われます。一方、地図や工事で使う標高は、平均海面に関係する基準面をもとにした高さです。実務で使う標高に合わせるには、ジオイドモデルによる換算や、現場基準との整合確認が必要になります。


この違いを理解しないまま高さを使うと、水平位置は正しいのに高さだけが合わないという問題が起きます。例えば、既存図面の標高、設計計画高、マンホール天端高、構造物の基準高、道路中心線の計画高などと、RTK端末で取得した高さを比較した際に、一定の差が出る場合があります。この差が測位誤差なのか、基準面の違いなのか、アンテナ高の入力ミスなのかを切り分ける必要があります。


標高成果の改定にも注意が必要です。日本では標高の基準に関する成果が更新されており、案件によっては測地成果2011と測地成果2024など、どの成果を前提にするかを確認する必要があります。水平位置が同じでも、高さだけは使用する標高成果や補正方法によって扱いが変わることがあります。発注者の仕様書、既存基準点の成果表、使用するジオイドモデル、社内のデータ管理ルールを確認しておきましょう。


アンテナ高の入力も重要です。RTK端末では、アンテナの位置で測位した結果を、ポール先端や測定点の位置に換算して使うことがあります。このとき、アンテナ高を誤って入力すると、高さの成果にそのまま影響します。ポールの長さ、アンテナ基準位置、端末の取り付け位置、傾き補正の有無などを確認し、現場ごとの測定方法を統一することが大切です。


高さを扱う作業では、既知の水準点や高さが分かっている点で確認することが望ましいです。水平位置の既知点確認と同じように、高さについても基準点と比較し、差が用途上許容できる範囲かを判断します。特に、出来形や設計高との比較に利用する場合は、RTK端末の高さだけに頼るのではなく、必要に応じて水準測量やトータルステーションなど、案件に適した確認方法と組み合わせることも検討します。


また、公共座標として位置を管理する場合でも、すべての業務で高さを同じ精度で使うわけではありません。写真記録や点検位置の管理では水平位置が主目的で、高さは参考情報として扱う場合があります。一方、土量算出、造成面管理、構造物出来形、排水勾配の確認などでは、高さの精度が成果に直接影響します。用途ごとに高さ情報の重要度を整理し、必要な確認方法を決めることが現実的です。


高さの不整合は、後工程で発見されると修正が難しくなります。点群データ、出来形データ、測点データをまとめた後に高さの基準が違うことが分かると、再測や変換、補正の検討が必要になる場合があります。RTK端末で公共座標を使う際には、水平位置だけでなく高さの基準を最初に確認し、記録に残しておくことが重要です。


注意点5:現場での精度確認と記録方法を決めておく

RTK端末を公共座標で利用する場合、現場でどのように精度を確認し、その結果をどのように記録するかを決めておくことが大切です。高精度な測位が可能な端末であっても、現場条件によって測位品質は変わります。取得した座標が後から説明できる状態になっていなければ、成果としての信頼性が下がってしまいます。


精度確認では、測位状態、衛星の受信状況、補正情報の受信状態、水平精度や高さ精度の目安、観測時刻、観測時間、測定者、使用した端末、アンテナ高、座標系設定などを記録することが有効です。すべての項目を毎回詳細に残す必要があるかは用途によりますが、後から成果を確認する可能性がある作業では、測定条件が分かる記録を残しておくと安心です。


現場でよく起きる問題の一つに、測位状態が不安定なまま点を取得してしまうことがあります。端末画面に座標が表示されると測れたように見えますが、固定解ではなく精度が低い状態で記録している場合があります。作業者が画面のどの表示を確認すべきかを理解していないと、品質にばらつきが出ます。現場では、点を取得する前に測位状態を確認し、必要に応じて一定時間安定するのを待つ運用が必要です。


同じ点を複数回測ることも有効です。重要な点では、時間を少し空けて再測したり、端末を一度外して再設置したりすることで、測定結果の再現性を確認できます。複数回の測定結果が大きくばらつく場合は、衛星環境や通信状態、周辺の反射、設置方法に問題がある可能性があります。反対に、複数回測って同じ傾向の結果が得られれば、成果への信頼度は高まります。


記録方法については、現場写真やメモと座標データを関連付けられるようにしておくと、後工程での確認がしやすくなります。点名の付け方、測定対象の名称、作業日、作業範囲、属性情報の入力ルールを決めておけば、データ整理の手間を減らせます。例えば、同じ現場で複数の担当者が点を取得する場合、点名の付け方が統一されていないと、後でどの点が何を示すのか分からなくなることがあります。


公共座標を使う業務では、測定結果そのものだけでなく、どのような条件で取得したかが重要になります。発注者への説明、社内確認、出来形資料、維持管理台帳、点検報告、設計変更の根拠資料など、位置情報を利用する場面が広がるほど、記録の重要性は高まります。RTK端末で取得したデータを単なる現場メモではなく、業務データとして使うのであれば、記録ルールを整備しておくべきです。


また、精度確認の基準は、現場の目的に合わせて設定する必要があります。すべての点で過度に厳しい確認を行うと作業効率が下がりますが、重要な点で確認が不足すると成果の信頼性に問題が出ます。管理基準点、構造物の角、境界付近、出来形に関わる点、埋設物の位置など、重要度の高い点は確認を厚くし、参考位置や写真位置の記録では効率を優先するなど、目的に応じた運用が現実的です。


RTK端末の導入効果を高めるには、端末を使える人を増やすだけでなく、誰が測っても一定の品質でデータを残せる仕組みを作ることが重要です。精度確認と記録方法をあらかじめ決めておけば、公共座標を利用した位置情報の信頼性が高まり、現場データを社内外で共有しやすくなります。


注意点6:取得データの後工程での利用条件を確認する

RTK端末で公共座標を取得する目的は、現場で位置を確認することだけではありません。多くの場合、取得した座標データは、図面への反映、点群との重ね合わせ、出来形管理、台帳更新、報告書作成、写真整理、設計データとの照合、維持管理システムへの登録など、後工程で利用されます。そのため、測定前の段階で、後工程でどのように使うのかを確認しておくことが重要です。


まず確認すべきなのは、出力するデータ形式です。RTK端末や測位アプリでは、座標リスト、地図用データ、点群連携用データ、写真付きデータ、属性付きデータなど、さまざまな形式で出力できる場合があります。後工程で利用するソフトウェアや管理システムがどの形式に対応しているかを事前に確認しておかないと、データ変換に手間がかかったり、属性情報が失われたりすることがあります。


次に、座標値の桁数や単位、軸の扱いを確認します。公共座標のデータを扱う際には、東西方向と南北方向の座標の並び、単位、桁数、符号、標高の扱いがソフトウェアによって異なる場合があります。読み込み時に軸が入れ替わる、単位が合わない、緯度経度として読み込まれてしまう、標高列が認識されないといった問題は実務で起こりがちです。取得時点で正しい形式を選び、サンプルデータを後工程で読み込んで確認しておくと安心です。


属性情報の扱いも重要です。現場で取得する点には、点名、測定対象、構造物種別、写真番号、作業者、測定日、メモ、管理番号などの情報を付けることがあります。これらの属性が後工程に引き継がれれば、単なる座標点ではなく、業務に使える管理データになります。しかし、出力形式や取り込み方法によっては、属性が欠落したり文字化けしたりすることがあります。現場で入力する項目と、後工程で必要な項目を合わせておくことが大切です。


また、公共座標で取得したデータを既存図面や設計データと重ねる場合、図面側の座標設定も確認が必要です。図面が公共座標で作成されていると思っていても、実際には任意座標だったり、過去の測量成果に基づく座標だったりする場合があります。図面の見た目だけでは判断できないことも多いため、座標値の範囲、既知点との一致、基準点情報、図面作成時の条件を確認しましょう。


データの更新履歴や版管理も見落とせません。公共座標を利用した現場データは、複数の担当者や部署で共有されることがあります。古いデータと新しいデータが混在すると、どれが正しい成果なのか分からなくなります。測定日、測定者、座標系、測地成果、補正情報、現場名、範囲、データ作成目的をファイル名や属性に含めるなど、後から追跡できる管理が必要です。


後工程の利用条件を確認せずに測定を始めると、現場では問題なく作業できたのに、事務所に戻ってから変換や整理に時間がかかることがあります。RTK端末の導入目的が省力化であるなら、現場作業だけでなく、データ整理、確認、共有、報告まで含めて効率化する視点が必要です。公共座標を利用する価値は、現場で正確な位置を取ることに加えて、その位置情報を後工程で再利用できることにあります。


RTK端末を公共座標で活用するための実務ポイント

RTK端末を公共座標で活用するには、機器の使い方を覚えるだけでは不十分です。座標系、基準点、補正情報、高さ、精度確認、データ連携という一連の流れを、現場運用として整える必要があります。現場担当者が迷わず使えるようにするには、作業前、作業中、作業後の確認内容を明確にしておくことが効果的です。


作業前には、対象現場で使う座標系、測地系、既存図面の基準、基準点の有無、補正情報の方式、通信環境、必要な精度、出力形式を確認します。この段階で不明点が残っていると、現場で判断することが増え、作業品質にばらつきが出ます。公共工事やインフラ管理のように成果の説明責任が求められる業務では、事前確認の重要性が特に高くなります。


作業中には、測位状態、固定解の安定性、アンテナ高、点名、属性、写真、メモを確認しながらデータを取得します。重要点では既知点確認や再測を行い、周辺環境による影響が大きい場所では無理に短時間で測らないことも大切です。RTK端末は手軽に使えるため、作業スピードが上がる一方で、確認を省略してしまうリスクもあります。効率化と品質確保のバランスを意識することが必要です。


作業後には、取得データを早めに確認します。現場を離れてから座標系の誤りや高さの不整合に気付くと、再測が必要になることがあります。現場内または作業直後に、既存図面との重ね合わせ、既知点との差、点名や属性の漏れ、出力形式の確認を行うと、手戻りを減らせます。特に、初めてRTK端末を導入する現場や、公共座標での運用に慣れていない担当者が作業する場合は、早い段階で小さな範囲を試し、後工程まで確認してから本格運用に入ると安全です。


社内でRTK端末を活用する場合は、担当者ごとの経験に依存しすぎない運用が重要です。座標系設定の確認方法、既知点での照合方法、測位状態の判断、アンテナ高の入力、データ出力形式、ファイル名の付け方、記録項目を標準化すれば、誰が作業しても一定の品質を保ちやすくなります。簡単なチェックシートや作業手順書を用意するだけでも、ミスの予防に効果があります。


また、RTK端末を使う目的を明確にすることも大切です。すべての業務を高精度測量として扱う必要はありません。現場写真の位置付け、巡視点検、設備位置の記録、出来形の補助確認、台帳更新、災害時の状況把握など、用途によって求められる精度と記録レベルは異なります。目的に応じて運用を分けることで、過剰な作業を避けながら、必要な品質を確保できます。


公共座標で位置情報を管理できるようになると、現場データの活用範囲は広がります。点の記録だけでなく、写真、メモ、点群、図面、出来形、台帳、報告書を位置で結び付けられるようになります。これにより、現場で得た情報を後から探しやすくなり、関係者間の認識共有も進みます。RTK端末は、単なる測位機器ではなく、現場情報を公共座標という共通基盤に載せるための入口として考えることができます。


まとめ:公共座標に合わせたRTK端末運用は現場DXの入口になる

RTK端末を公共座標で利用する際には、座標系と測地系、基準点との整合、補正情報、標高の基準、精度確認、後工程での利用条件を確認することが重要です。これらを押さえずに使うと、現場では高精度に測れているように見えても、既存図面と合わない、標高がずれる、データ変換で手間がかかる、成果の説明が難しいといった問題につながることがあります。


一方で、確認すべき点を整理して運用すれば、RTK端末は現場の位置情報取得を大きく効率化できます。公共座標に整合したデータは、図面、台帳、点群、写真、報告書、維持管理データと連携しやすくなり、現場で得た情報をその場限りで終わらせず、後工程で活用できる資産に変えられます。


これからRTK端末を導入する場合は、端末の測位精度だけでなく、公共座標への対応、現場での使いやすさ、補正情報の利用方法、データ出力、写真や属性情報との連携、社内運用へのなじみやすさまで含めて検討することが大切です。すでにRTK端末を使っている場合でも、今回紹介した6つの注意点を見直すことで、測位結果の信頼性と業務での使いやすさを高められます。


公共座標を扱えるRTK端末は、測る作業を効率化するだけでなく、現場情報を正しく蓄積し、共有し、次の判断につなげるための基盤になります。特定の端末名やサービス名だけで判断せず、利用目的、必要精度、座標・標高の基準、補正情報、データ連携、運用ルールを総合的に確認し、自社の現場に合うRTK端末の活用方法を検討しましょう。


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