top of page

RTK測位の新常識|iPhoneで実現するサブスク型cm級精度サービス

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均5分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

現代、GPSなどの衛星測位技術は大きく進化しています。その中でも特に高精度なRTK測位に関する新たな常識が生まれつつあります。RTKとは Real Time Kinematic(リアルタイムキネマティック)の略称で、基準局からの誤差補正情報を適用することでセンチメートル級の精度を実現する衛星測位方法です。当初、現場でRTK測位を実施するには高額で大がかりな導入資源が必要でしたが、現在は、スマートフォン(特にiPhone)とサブスク型サービスを組み合わせることで、それらの負担を一気に超え、身近な環境でセンチ級の測位が実現できるようになっています。


本記事では、RTK測位の概要やサブスク型RTKサービスの特徴、iPhoneやスマートフォンとの親和性について詳しく解説します。また、その導入による運用の柔軟性や現場効率化、省人化といったメリット、低い導入ハードルや継続的に受けられるサポートの利点についても考察します。さらに、サブスク化によってRTK測位の導入判断や現場活用がどのように変わるかを探り、最後にはLRTKを用いた簡易測量の方法についてもご紹介します。


目次

RTK測位とは?

サブスク型RTK測位サービスとは?

iPhoneで実現するセンチ級測位

サブスク型RTKサービスのメリット

従来型RTK運用との違い

サブスク化で変わるRTK測位の活用

LRTKによる簡易測量

よくある質問(FAQ)


RTK測位とは?

RTK測位とは、リアルタイムに数センチの誤差まで抑えた高精度のGPS/GNSS測位技術です。一般的なスマートフォンのGPS(GNSS)による単独測位は手軽ですが、誤差が5~10m程度生じます。一方、RTK測位では誤差を約100分の1(約5cm)程度まで縮小できます。実際、現場で広く使われるネットワーク型RTKサービスでは水平誤差3~4cm程度と報告されています。


RTKの高精度を支えるポイントは、基準局(既知座標値を持つ固定局)と移動局(測定したい点に搭載して動かす受信機)の2台の受信機を同時に使うことです。基準局は自身の正確な位置と衛星からの測位結果を比較することでその瞬間の測位誤差を算出し、誤差情報をリアルタイムに移動局へ送信します。移動局は自身の測位値にその誤差補正を適用することで、高精度な位置座標が得られます。要するに、「1台より2台で測れば誤差を打ち消せるので精度が上がる」という仕組みです。


このRTK技術により、従来のGPSでは困難だったセンチメートル級の精度をリアルタイムに得られるため、現在は土木測量や建設現場はもちろん、農業やドローンの自動航行まで、様々な分野でRTKの活用が進んでいます。業務の効率化や安全性向上の鍵としても注目されています。


ただし、RTK測位を現場で行うためには、専用の高性能GNSS受信機を基準局用と移動局用に2台準備し、両者を無線やネットワークで通信させる必要がありました。また、機材は三脚やポール、バッテリーにコントローラー端末など大掛かりで、現場への持ち込みも一苦労でした。さらに、高精度測位を得るために衛星の捕捉や初期の誤差収束(FIX)までの待ち時間が長く、場合によっては数分を要することもありました。機器の価格も非常に高額で、数百万円規模の投資や測位サービスの利用料が必要になるケースもありました。


こうした中登場したのが、スマートフォンを活用した新しいRTK測位ソリューションです。


サブスク型RTK測位サービスとは?

RTK測位を利用するには通常、前述のように自前で基地局(基準局)を設置するか、既存の基準点ネットワークに接続して補正情報を得る必要があります。現在、日本では国土地理院の電子基準点網や民間の補正情報配信サービスが整備されており、これらと契約すれば自前で基準局を用意しなくてもセンチメートル級測位が行えます。


このように、高精度な測位データをサービスとして提供し、必要なときに利用できるようにしたものがサブスクリプション(サブスク)型のRTK測位サービスです。ユーザーは月額や年額の利用料を支払ってセンチ級測位の環境を借りる形になり、高額な機材を購入・維持する代わりにサービスから補正情報やソフトウェアサポートを受けられます。たとえば、ネットワーク型RTKの補正データ配信サービスに加入してスマートフォンのアプリで受信すれば、その場で高精度の測位が可能です。


さらに近年では、スマートフォンと超小型のRTK-GNSS受信機を組み合わせ、誰でも手軽にセンチメートル級測位を利用できるサブスクサービスも登場しています。これにより専門的な測量機器を持たない現場でも、高精度測位を必要な期間だけ利用するといった柔軟な運用が可能になっています。


iPhoneで実現するセンチ級測位

スマートフォン(特にiPhone)の登場によって、RTK測位は一層手軽に利用できるようになりました。ポイントは、スマホに外付けする超小型のRTK-GNSS受信機です。スマートフォン単体のGPSでは高精度なRTK測位は困難ですが、高性能なアンテナとマルチ周波対応の測位チップを備えた外付け受信機を組み合わせることで、それが可能になります。


例えばiPhoneに取り付けるRTK受信機では、重量がわずか100数十グラム、厚さも1cmほどのコンパクトサイズでポケットに収まります。バッテリーも内蔵し、スマホとはBluetooth接続のためケーブルも不要です。必要な時にワンタッチでスマホに装着してすぐ測位を開始でき、使わないときは外しておけば普段はスマホとしての機動性を損ないません。


スマホRTKは非常に機動的で、従来の「重い機材を車から降ろして三脚に据え付ける」といった手間がなくなります。一人ひとりが自分のスマホに受信機を付けて1人1台の高精度測位ツールを持ち歩けるため、必要なときに即座に測位が行えます。小規模な測量やちょっとした高さ確認なども、スマホ感覚ですぐに対応でき、測量の待ち時間や準備時間が大幅に削減されます。


さらに、iPhone自体のセンサーやアプリと組み合わせることで多彩な活用が可能です。スマホのカメラやLiDARスキャナーで現場を撮影しながら、RTKの位置データを記録すれば、写真に高精度な位置情報を付与したり、絶対座標付きの3D点群データを簡単に生成できます。専用の高額な3Dスキャナーを使わなくても、iPhoneひとつで測位と計測が完結するのです。また、AR技術と組み合わせて、設計図上の座標位置に仮想の目印を表示しながら杭打ち・墨出し(位置出し)作業を行うといった先進的な使い方も可能です。


なお、日本国内のソリューションでは、スマホRTK受信機が日本の準天頂衛星「みちびき」が提供するセンチメートル級補強サービス(CLAS)に対応している例もあります。これにより、山間部など携帯電話の圏外でも衛星から直接補正情報を取得して高精度測位を継続できます。従来は通信圏外では高精度化が難しかった場面でも、スマホRTKなら対応できるわけです。


このようにスマートフォンとRTK技術を組み合わせた仕組みにより、RTK測位は安い・軽い・簡単・速いを兼ね備え、現場の測量スタイルを革新しつつあります。


サブスク型RTKサービスのメリット

サブスクリプションモデルでRTK測位を導入すると、現場には次のようなメリットが生まれます。


運用の柔軟性: 必要なときに必要な期間だけサービスを利用できるため、プロジェクトの規模や期間に応じて高精度測位のリソースを柔軟に確保できます。デバイスや利用アカウントを追加・解約しやすく、従来のように機器購入後に遊休資産になってしまう心配もありません。また、新しい技術や機能が登場してもサービス側で対応してもらえるため、自社で都度機材を買い換える必要がなく、常に最新の環境を使えます。

現場効率の向上: サブスク型サービスにより、作業者全員が同時に各自の高精度測位ツールを使える環境が整います。一台の機器を順番に使っていた従来に比べ、待ち時間や人員のやりくりが不要となり、測位作業を並行して進められます。現場で測位を開始する準備時間も大幅に短縮され、測量待ちによる工事全体の停滞が減少します。その結果、プロジェクト全体のスケジュール短縮や生産性向上につながります。

省人化の推進: 高精度測位がより手軽になることで、これまで2人1組で行っていた測量作業も1人で実施できる場面が増えます。例えばトータルステーションを使っていた墨出し作業なども、1人でGNSSローバー(スマホ+RTK受信機)を持って対応でき、人手不足の現場でも効率的に測量が可能です。また、専門の測量担当者が常駐していない現場でも、現場スタッフがサブスクサービスを使って必要な測位を行えるため、人的リソースの有効活用にもつながります。

低い導入ハードル: サブスク型であれば初期投資を大幅に抑えられるため、高精度測位の導入ハードルが下がります。高額機器の購入決裁を仰ぐことなく、小規模な現場や短期間のプロジェクトでも気軽に導入を検討できます。また、スマートフォンアプリを使った直感的な操作環境が提供されるため、専門知識が浅い担当者でも扱いやすく、研修や習熟にかかるコストも低減します。

継続的なサポートとアップデート: サービス提供側による技術サポートやシステムのアップデートが受けられるのも大きな利点です。ソフトウェアは常に最新バージョンに保たれ、新機能や改善が自動的に利用できます。万一トラブルが発生しても、サービス提供企業からリモートでサポートを受けたり、不具合修正が迅速に行われたりするため、自前で機器を管理する場合に比べダウンタイムを最小限にできます。常に最適な環境で高精度測位を利用できる安心感は、サブスクサービスならではと言えます。


従来型RTK運用との違い

サブスク型サービス+スマートフォンによるRTKは、従来のRTK運用方法と様々な点で異なります。主な違いを比較すると次の通りです。


機材と携行性: 従来は三脚や大型アンテナ、専用端末などかさばる機材一式を現場に持ち込む必要がありました。一方でスマホ+超小型受信機の場合、ポケットに入るサイズのデバイスとスマートフォンのみで完結し、持ち運びが容易です。

初期費用とコスト構造: 従来手法では機器購入に多大な費用がかかり、機材は資産として減価償却が必要でした。それに対しサブスク型では月額費用のみで利用を開始でき、初期費用を抑えられます。利用料は経費計上しやすく、必要に応じて契約期間を調整できるため、コスト管理が柔軟です。

運用と人員: 従来のRTK測量は専門の測量機器オペレーターや補助員を要することが多く、機器の設定・校正にも熟練が必要でした。サブスク型のスマホRTKでは、アプリによるガイダンスで設定が簡略化され、測位もワンタップで行えます。結果として、特別な技術者がいなくても現場スタッフが測位作業を担えるようになり、人員構成の自由度が高まります。

測位環境の制約: 従来は基地局からの電波が届く範囲内でなければ高精度が出せず、通信圏外では測位精度が落ちました。スマホRTK+サブスクサービスでは、携帯通信網経由のネットワーク型補正により広域で測位可能です。さらに衛星補強情報(CLAS等)への対応によって、通信圏外でも測位精度を保てるソリューションもあります。

データ活用と連携: 従来機器では測量データを後でPCに転送して処理する手間がありましたが、スマホRTKでは測位データがその場でクラウド送信・共有できるケースもあります。現場とオフィスでデータを即時共有し、リアルタイムに確認・追加測定ができるため、業務フローがスムーズになります。デジタルデータ連携が容易な点も新しい運用形態の強みです。


サブスク化でRTK活用はどう変わる?

サブスクリプション型で提供されるRTK測位サービスの登場により、高精度測位の活用シーンは大きく変化しつつあります。従来は高価な測量機器や専門技術者が必要だったため、RTK測位は特定の測量会社や大規模プロジェクトに限られがちでした。しかしサブスク型の手軽なサービスが普及したことで、大手建設会社から中小の施工業者、さらには個人の技術者に至るまで、幅広い層がセンチ精度の測位を日常業務に取り入れ始めています。


導入判断の面でも変化が見られます。以前は「高精度が必要でもコストが見合わない」と見送られたケースでも、サブスクなら気軽に試験導入が可能です。「とりあえず数カ月使ってみて効果を検証する」といったトライアルが行いやすくなり、現場からのボトムアップで高精度技術を採用する動きも加速しています。


現場作業そのものも進化します。例えば施工管理の担当者が自らiPhoneを使って随時測量を行い、出来形や据付位置をその場で確認するといったことが現実的になりました。従来は専門の測量チームに依頼していた計測も、必要なときに即座に自分たちで実施できるため、意思決定のスピードが上がりミスの早期発見・是正につながります。高精度の測位が日常的に使えることで、施工品質の管理レベルが全体的に底上げされる効果も期待できます。


言い換えれば、RTK測位のサブスク化によって「センチメートル級の測位」が特別なイベントではなく日常ツールになりつつあるのです。これまで測量専門家だけのものだった技術が、現場の誰もが使える共通基盤となることで、業務プロセスのデジタル化(DX)は一層加速し、より安全で効率的な現場運営が実現しています。


LRTKによる簡易測量

最後に、ここまで紹介してきたサブスク型RTKサービスの具体例として、弊社が提供するLRTKを使った簡易測量について触れておきます。LRTKはiPhone/iPadに小型RTK受信機を装着して利用するサブスク型センチ級測位サービスで、土木現場での測量作業を劇的にシンプルにします。


例えば、従来は重い三脚を据えてトータルステーションで長時間かけて行っていた基準点測量も、LRTKなら現地に到着してすぐiPhone上でRTK測位を開始し、短時間でcm級の座標を取得できます。高さの確認や出来形(施工後の形状)測定といった簡易測量も、スマホひとつで手早く完了します。測位データはリアルタイムにクラウド共有できるため、現場で取得した情報を即座に事務所で確認・活用できる点も利便性を高めます。


このようにLRTKによる簡易測量を活用すれば、現場の測量業務のハードルは格段に下がり、効率と精度の両立が実現できます。サブスク型RTK測位サービスがもたらす新常識を、ぜひ体感してみてください。


よくある質問(FAQ)

Q1. サブスク型のRTK測位サービスとは何ですか? A1. 専用の基準局を用意しなくても、ネットワーク経由で補正情報を受け取りセンチメートル級測位を利用できるサービスのことです。月額料金などのサブスクリプション形式で提供され、利用者は高精度測位の環境をレンタルするイメージです。高精度なGNSSデータ配信や専用アプリのサポートが含まれており、高額機器を購入せずにcm級精度を得られます。


Q2. iPhoneだけで本当にセンチメートル級の測位ができますか? A2. iPhone単体のGPSでは難しいですが、専用の小型RTK受信機を取り付けて補正データを用いることで可能になります。最近のiPhoneは高性能なGNSSに対応しており、L1/L5など複数周波数の信号を扱えます。そこにRTK用受信機とネットワーク補正を組み合わせることで、平面位置で2~3cm程度の高精度測位が実現できます。実際にiPhone+外付け受信機で測量現場でも数cmの誤差で位置が測定できています。


Q3. 専門知識がなくても利用できますか? A3. はい、比較的簡単に利用できます。スマホアプリ上でガイドに従って操作するだけなので、GNSSや測地の高度な知識がなくても実用上問題ありません。もちろん基本的な測量の手順や座標系への理解はあると望ましいですが、サービス提供各社がチュートリアルやサポートを用意しているため、初心者でも安心して始められます。


Q4. 利用開始には何が必要ですか? A4. 基本的には、センチ級測位サービスに対応したRTK-GNSS受信機とスマートフォン(例: iPhone)、そして補正情報を受け取るための通信環境が必要です。具体的には、専用の超小型GNSS受信機デバイスをスマホに装着し、測位用アプリをインストールします。その上でサービス契約を結び、ネット経由で補正データ(Ntripなど)を受信できるようにすれば準備完了です。場合によってはモノポッド(一脚)やポールなど、測りたい点にデバイスを当てる簡易の器具があると作業がしやすくなります。


Q5. どんな現場や用途で活用できますか? A5. 建設・土木の測量シーンで幅広く活用できます。たとえば、基盤測量や現況測量、出来形管理(施工後の形状確認)、さらには構造物の設置位置出し(丁張り・杭打ち)などに有効です。従来は手間取った作業も、RTK測位なら短時間で多数のポイントを計測できます。また、iPhoneのLiDARや写真機能と組み合わせて3D点群データを取得し、出来形の記録・検査に利用するといった応用も可能です。土木以外にも、農業分野での自動トラクターの位置制御、ドローンの測量(写真測量でのジオタグ付与)など、センチ精度が求められる様々な用途で活用されています。


Q6. 携帯電話の圏外でも利用できますか? A6. 補正データをインターネット経由で受け取る場合、基本的には通信圏内である必要があります。ただし、日本のサービスでは準天頂衛星みちびき(QZSS)の配信する「CLAS」のように、通信圏外でも衛星から補強信号を直接受け取れる仕組みに対応したものもあります。例えばLRTKではCLAS対応モードを備えており、山間部や災害現場など携帯回線が使えないエリアでもセンチ級測位を維持できます。


Q7. 測位の精度と初期測定(FIX)にかかる時間はどれくらいですか? A7. 精度は水平位置で約±2~3cm、鉛直方向(高さ)で±3~5cm程度が目安です(衛星の見通しや環境によります)。初期測定の収束(FIX完了)に要する時間も飛躍的に短縮されており、最新のマルチ周波GNSSなら数秒~数十秒程度で高精度な測位が開始できます。以前は数分待つケースもありましたが、現在では衛星信号が良好に受かる環境ならほとんど待ち時間を意識せず測位作業を始められます。


Q8. LRTKとは何ですか? A8. LRTK(エルアールティーケー)は、東京工業大学発のスタートアップ企業レフィクシアが提供するサブスクリプション型RTK測位サービスです。iPhone/iPadに装着できる小型のGNSS受信機デバイスと専用アプリから構成され、スマートフォンをセンチメートル精度の万能測量機に変身させます。基準点の測量から点群計測、墨出し、さらにはARによる可視化まで、LRTKがあれば1台で幅広い測量・計測ニーズに応えられます。煩雑な機器管理を必要とせず、低コストで最新の高精度測位を利用できる点が特徴です。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page