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RTK断面図で調整池の堆砂量を把握する5つの測り方

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この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

調整池は、大雨時に雨水を一時的にため、下流への急な流出を抑えるための施設です。流入口から土砂や落ち葉、細かな泥が入り続けると、池底に堆砂がたまり、本来想定していた貯留容量が少しずつ小さくなる可能性があります。水面がいつも通りに見えても、池底では土砂が広がっている場合があります。


そこで役立つ方法の一つが、RTK測位で取得した現況点をもとに断面図を作成し、設計時や過去点検時の断面と比較する方法です。RTK断面図を使うと、池底の高さ、法面の形、流入口付近の土砂だまり、水際の変化を断面として整理でき、堆砂量を感覚ではなく形状差として把握しやすくなります。


ただし、RTK測位だけで調整池内のすべての堆砂量を自動的に正確算出できるわけではありません。水位、軟弱な泥、植生、測点密度、基準断面の確かさによって結果の解釈は変わります。この記事では、RTK断面図を維持管理資料として使う前提で、調整池の堆砂量を把握する5つの測り方を整理します。


目次

調整池の堆砂量をRTK断面図で見る意味

測り方1:基準断面と現況断面を重ねて堆砂厚を読む

測り方2:池底縦断で土砂の偏りと流入方向を読む

測り方3:複数横断で区間ごとの堆砂面積を積み上げる

測り方4:水際と法面を含めて有効容量への影響を確認する

測り方5:定期測量で堆砂の増加傾向を管理する

RTK断面図で測る前に整える基準と記録

調整池の堆砂管理で起こりやすい見落とし

まとめ:堆砂量は一度の測量より比較できる断面で管理する


調整池の堆砂量をRTK断面図で見る意味

調整池の堆砂量を確認するとき、現場では「流入口のまわりに砂がたまっている」「底が浅くなっている気がする」「草や泥で形が見えにくい」といった目視判断から始まることが多くあります。目視は重要ですが、維持管理や浚渫判断に使う場合、見た目だけでは根拠が弱くなります。調整池では、池底の一部だけに土砂が集まることもあれば、全体に薄く広がることもあり、それぞれ貯留容量や排水機能への影響が異なります。


RTK断面図を使う意味は、堆砂を高さの差と断面形状の差として扱いやすくなる点にあります。池底の現況高さをRTKで測り、設計断面、完成時の出来形断面、過去点検時の断面と重ねることで、どの位置で池底が上がっているかを確認できます。面的な全体把握には点群や深浅測量などの方法が向く場合もありますが、実務上は断面図のほうが説明しやすい場面もあります。調整池の管理では、どの断面で池底が上がっているか、流入口からどの範囲で堆砂が厚いか、排水口の手前に土砂が近づいていないかといった判断が必要になるためです。


断面図は、関係者間の認識合わせにも向いています。現場担当者、維持管理担当者、発注者、施工業者が同じ図を見ながら話せるため、単に「かなりたまっています」と伝えるよりも、浚渫範囲や優先順位を検討しやすくなります。断面上で堆砂前の想定池底と現況池底を比較できれば、土砂が多い場所、少ない場所、今後注意すべき場所を共有しやすくなります。


ただし、RTK断面図で調整池の堆砂量を把握する場合は、数点を測るだけで十分とは限りません。調整池は水位、泥の軟らかさ、植生、法面の勾配、流入口や排水口の構造物など、測量結果に影響する要素が多い施設です。池底がぬかるんでいる場合は、測定棒や作業者の足が沈み込み、取得する高さがばらつくことがあります。水面下や足元が不安定な場所を測る場合も、どの面を池底として扱ったのかを記録しなければ、後から断面差を説明しにくくなります。


そのため、RTK断面図による堆砂量管理では、測る位置、測る基準、断面の取り方、比較する元データ、現場条件の記録をそろえることが重要です。この記事では、実務で使いやすい5つの測り方として、基準断面との比較、池底縦断、複数横断、容量影響の確認、定期測量による増加傾向の管理を順に整理します。


測り方1:基準断面と現況断面を重ねて堆砂厚を読む

もっとも基本になる測り方は、基準断面と現況断面を重ね、池底の高さ差から堆砂厚を読む方法です。基準断面には、設計図面の計画断面、完成時の出来形断面、過去に測量した維持管理用断面などが使われます。どれを基準にするかで意味が変わるため、最初に何と比較しているのかを明確にすることが大切です。


設計断面と比較する場合は、本来の計画池底に対して現在どの程度高くなっているかを確認できます。完成時の出来形断面と比較する場合は、施工後から現在までに実際に増えた土砂の量を見やすくなります。過去の点検断面と比較する場合は、一定期間で堆砂がどれだけ進んだかを判断しやすくなります。いずれの場合も、同じ座標系、同じ高さ基準、できるだけ同じ断面位置で比較することが前提です。


現場で測るときは、まず調整池の代表断面を決めます。流入口付近、池の中央部、排水口付近は確認したい場所です。流入口付近は土砂が最初に落ちやすく、排水口付近は排水機能への影響を確認しやすいため、どちらも堆砂管理では重要です。池の中央部は、全体的な堆砂傾向を見るために役立ちます。池が細長い形状であれば、横断方向だけでなく延長方向の変化も意識して断面位置を設定します。


RTKで現況点を取得する際は、断面線に沿って池底、法尻、法肩、水際、構造物まわりを測ります。池底だけを数点測るよりも、断面の形がわかるように変化点を押さえることが重要です。堆砂は完全な平面ではなく、流入口側が厚く、中央に向かって薄くなることがあります。流れの当たり方によっては、片側だけに土砂が寄ることもあります。断面の折れ点を丁寧に拾えば、堆砂の厚みだけでなく、土砂のたまり方も読みやすくなります。


断面図を作成したら、基準断面と現況断面を重ねます。このとき、現況線が基準池底より上にある部分は、堆砂または法面崩れなどによる堆積の可能性がある範囲です。法面部分で現況線が上がっている場合は、土砂の付着、草の根、崩落土、堆積泥などが混ざっている可能性があります。池底中央部で大きく上がっている場合は、貯留容量への影響を確認する必要があります。排水口付近で上がっている場合は、容量だけでなく排水機能への影響も確認が必要です。


この測り方の利点は、説明がしやすいことです。断面図上で基準池底と現況池底を示し、その差を堆砂厚の目安として説明できます。一方で、注意点もあります。設計断面が古く、実際の完成形とずれている場合、設計断面との差をすべて堆砂とみなすと過大評価になる可能性があります。また、池底に軟らかい泥がある場合、測定時の沈み込みによって高さがばらつくこともあります。そのため、基準断面との比較結果は、現場写真、測点メモ、水位、測定時の状態と合わせて残すことが大切です。


測り方2:池底縦断で土砂の偏りと流入方向を読む

調整池の堆砂は、全体に均一にたまるとは限りません。多くの場合、流入口から入った土砂は、流速が落ちる場所や水の流れが広がる場所で沈みます。そのため、流入口に近いほど堆砂が厚く、排水口側に向かって薄くなる傾向が見られることがあります。こうした流れ方向の偏りを把握するには、池底の縦断図が役立ちます。


池底縦断とは、調整池の延長方向に沿って現況高さを測り、断面としてつないだものです。流入口から排水口へ向かう線、または池の中心線に近い線を設定し、その線上で池底の高さを連続的に確認します。横断図が左右方向の形を見るのに向いているのに対し、縦断図は土砂がどの区間に集まっているかを見るのに向いています。


測点は、流入口直下、流入口から少し離れた位置、池の中央、排水口手前など、堆砂の変化が出やすい位置に置きます。流入口が複数ある場合は、それぞれの流入方向に対して縦断線を設けると、どの流入口側で堆砂が目立つかを判断しやすくなります。単純に池の中央線だけを測ると、片側の流入口から入った土砂だまりを見逃すことがあるため、現地の水みちや堆積の見た目を確認しながら測線を決めることが大切です。


縦断図で見るべきポイントは、池底勾配の変化です。もともと一定の勾配で排水口側へ下がる設計だった場所で、現況線が途中から盛り上がっている場合、その区間に堆砂が集中している可能性があります。流入口付近で急に高くなり、その先でなだらかに下がる形であれば、流入土砂が入口付近に堆積している様子が読み取れます。逆に排水口手前で池底が上がっている場合は、細粒分が下流側まで運ばれて沈んでいる可能性や、排水口周辺の流れが滞っている可能性があります。


池底縦断は、浚渫の優先順位を考えるときにも便利です。堆砂が流入口付近だけに集中しているなら、全体を掘るよりも流入口周辺を重点的に除去するほうが合理的な場合があります。堆砂が池全体に広がっているなら、局所対応ではなく、池底全体の容量回復を検討する必要があります。縦断図を使えば、こうした判断をどこからどこまで高くなっているかという形で説明できます。


ただし、縦断だけで堆砂量を決めるのは避けるべきです。縦断は延長方向の変化を見るには有効ですが、横方向にどれだけ広がっているかは読み切れません。流入口から入った土砂が扇状に広がっている場合、中心線上では厚く見えても、端部では薄いことがあります。反対に、中心線ではあまり変化がなくても、片側に堆砂が寄っていることもあります。そのため、池底縦断は単独で完結させるのではなく、横断図や現場写真と組み合わせて使うのが実務的です。


測り方3:複数横断で区間ごとの堆砂面積を積み上げる

堆砂量を土量として把握したい場合は、複数の横断図を作成し、区間ごとの堆砂面積を積み上げる方法が有効です。これは、各断面で基準断面と現況断面の差から堆砂断面積を求め、隣り合う断面間の距離を使って、おおよその堆砂量を算出する考え方です。道路や河川の土量計算に近い考え方で、調整池の維持管理でも使いやすい方法です。


まず、調整池の形状に合わせて横断位置を決めます。流入口付近は細かめに、池の中央部は標準的な間隔で、排水口付近は構造物や水みちに合わせて設定します。堆砂の変化が大きい場所では断面間隔を狭くし、変化が少ない場所では間隔を広めにしてもよいですが、後から比較しやすいように、測線位置は図面上に明確に残しておくことが重要です。


各横断では、左岸側の法肩、法面途中、法尻、池底、反対側の法尻、法面途中、法肩というように、形状が変化する点を押さえます。池底が平らに見えても、実際には泥のたまり方によってわずかな起伏があるため、池底中央だけでなく、左右寄りの点も測ると断面形状が安定します。水面がある場合は、水位を記録し、測定した点が水面上なのか、水面下の池底なのかを区別しておく必要があります。


断面図を作成したら、基準断面と現況断面の間にできる面積を確認します。現況線が基準池底より上にある部分が、堆砂断面積の目安になります。法面に土砂が付着している範囲も含めるかどうかは、目的によって変わります。貯留容量への影響を見るなら、水がたまる範囲の形状変化として扱う必要があります。浚渫対象として見るなら、実際に除去できる土砂の範囲かどうかも考慮します。草の根や表層の有機物、崩れた法面土などが混ざる場合は、単純に堆砂として扱うのではなく、現場メモで状態を残しておくと説明しやすくなります。


複数横断を使う利点は、堆砂量を区間ごとに分けて把握できることです。流入口から中央までの区間に堆砂量の大半が集中しているのか、池全体に広く薄く分布しているのかを比較できます。区間ごとに土量の目安を出せれば、浚渫範囲を段階的に決めるときにも役立ちます。予算や作業時間の制約がある場合でも、効果の大きい区間から対策しやすくなります。


一方で、横断間隔が粗すぎると、局所的な土砂だまりを見逃す可能性があります。特に流入口の直下や水の向きが変わる場所では、短い距離で堆砂厚が大きく変化することがあります。逆に、測点を増やしすぎると現場作業と整理作業が重くなり、定期管理として続けにくくなります。重要なのは、管理目的に合った断面数を決めることです。浚渫数量の概算、点検報告、容量低下の傾向確認では、それぞれ必要な精度感が異なります。


複数横断で堆砂量を積み上げる場合、計算結果だけでなく、断面図そのものを残すことも大切です。土量の数字だけを見ると一見わかりやすいのですが、どの断面で何が起きているかが見えにくくなります。断面図を添えておけば、土量が大きい理由が、池底全体の上昇なのか、流入口付近の局所堆積なのか、法面崩れを含んでいるのかを説明できます。RTK断面図は、この数字と形をつなげる資料として価値があります。


測り方4:水際と法面を含めて有効容量への影響を確認する

調整池の堆砂量を考えるとき、池底だけに注目すると、有効容量への影響を正しく捉えきれないことがあります。調整池は、池底から水際、法面、越流部、排水施設までを含めて機能する施設です。池底に堆砂があるだけでなく、法尻に土砂が寄っていたり、水際に泥や草が広がっていたりすると、水がたまる断面形状が変わります。その結果、同じ水位でもためられる水量が小さくなる可能性があります。


この測り方では、断面図の中で池底、法尻、法面、水際の関係をまとめて確認します。現場では、堆砂というと池の底に積もった泥だけを想像しがちですが、実際には水際付近に細かな土砂が棚状にたまり、そこに植生が入り、断面上の水面幅が狭くなることがあります。特に調整池の上流側や風で浮遊物が寄る側では、水際の形が変わりやすくなります。


RTKで測る際は、現在の水位線を記録するだけでなく、法面上の変化点も測ります。水際の泥だまり、法尻の盛り上がり、草の根が厚くなっている範囲、漂着物で地盤のように見える場所などは、断面図上で分かるようにしておくと後の判断に役立ちます。水面がある場合、RTK測位で直接取得できるのは受信機や測定棒によって確認した測点の位置であり、水面下の池底は現場条件によって測定しにくくなります。安全を確保できない場所や、足元が不安定な場所では無理に入らず、水位低下時、点検時、浚渫前調査など測れる条件を整えて確認することが重要です。


有効容量への影響を見るには、最大堆砂厚だけを見るのではなく、一定の水位までの断面積がどれだけ小さくなったかを考えます。池底中央に厚い堆砂があっても、範囲が狭ければ容量への影響は限定的な場合があります。反対に、薄い堆砂でも池底全体に広く分布していれば、容量低下は無視できない場合があります。法面沿いに土砂が広がっている場合も、貯留時の水の広がり方に影響します。


排水口や越流部の周辺は、特に丁寧に確認したい場所です。排水口手前に土砂がたまると、水の流れが乱れたり、細かな泥やごみが集まりやすくなったりします。越流部付近の高さ関係に影響が出る場合は、通常時の堆砂管理だけでなく、大雨時の安全確認にも関わります。RTK断面図で排水口周辺の池底高さと水際形状を押さえておけば、単なる堆砂量だけでなく、施設機能への影響を説明しやすくなります。


この測り方のポイントは、堆砂を除去する土砂の量だけでなく、調整池の機能を小さくしている形状変化として見ることです。維持管理では、土量が多い場所よりも、機能に影響する場所を優先すべき場面があります。流入口付近の土砂だまり、排水口前の堆積、水際の閉塞、法尻の盛り上がりは、それぞれ意味が違います。RTK断面図を使って断面内の位置関係を整理すれば、堆砂量の数字だけでは見落としやすい判断材料を残せます。


測り方5:定期測量で堆砂の増加傾向を管理する

調整池の堆砂量管理で重要なのは、一度の測量で終わらせないことです。ある時点の堆砂量を把握するだけでも意味はありますが、維持管理の判断では、どれくらいのペースで増えているかが大きな意味を持ちます。堆砂の増加傾向がわかれば、次回点検の時期、浚渫の優先度、流入口対策の必要性を検討しやすくなります。


定期測量では、毎回同じ断面位置でRTK測位を行い、断面図を比較します。測線の位置が毎回ずれると、堆砂の変化なのか、測った場所の違いなのかが分かりにくくなります。そのため、断面線の始点と終点、測点の取り方、基準高さ、測量日、水位、天候、池底の状態を記録しておくことが大切です。現地に目印を設けられる場合は、管理上支障のない範囲で断面位置を再現しやすくしておくと、比較の信頼性が上がります。


増加傾向を見るときは、単純に前回との差を確認するだけでなく、雨の多い時期、周辺工事の有無、上流側の土地利用の変化も考慮します。短期間で流入口付近の堆砂が急に増えた場合、上流からの土砂流入が一時的に増えた可能性があります。池全体に細かな泥が広がった場合は、濁水や細粒分が長く滞留している可能性もあります。断面変化と現場状況を合わせて見ることで、単なる結果確認から原因推定へ進めます。


定期測量のもう一つの利点は、浚渫後の効果確認ができることです。浚渫前、浚渫後、その後の点検という流れで断面を残せば、どの程度容量が回復したのか、その後どれくらいのペースで再び堆砂したのかを確認できます。これは次回以降の維持管理計画に役立ちます。浚渫を行ったにもかかわらず短期間で同じ場所に土砂が戻る場合は、単に掘るだけでなく、流入口の沈砂対策や上流側の土砂流出対策を見直す必要があるかもしれません。


定期測量では、精密な資料を毎回作ることよりも、比較できる形で続けることが重要です。毎回の測点数や断面構成が大きく変わると、過去との比較が難しくなります。逆に、代表断面を決めて同じ方法で測り続ければ、簡易な測量でも変化の傾向を追いやすくなります。RTK断面図は、現場で取得した位置情報をもとに断面として残せるため、点検記録と図面資料をつなぐ役割を果たします。


堆砂の増加傾向を把握できると、管理判断も前向きになります。土砂がまだ少ない段階で対応できれば、大規模な浚渫が必要になる前に手を打てる可能性があります。反対に、増加が緩やかで機能への影響が小さいと判断できれば、不要な作業を避け、点検を継続する選択も取りやすくなります。RTK断面図による定期測量は、調整池を異常が出てから対応する施設ではなく、変化を見ながら管理する施設に近づけるための実務的な方法です。


RTK断面図で測る前に整える基準と記録

RTK断面図で調整池の堆砂量を把握する前に、必ず整えておきたいのが基準と記録です。測量そのものがうまくできても、基準があいまいなままでは、後から断面図を見たときに判断が難しくなります。特に堆砂量は、比較対象があって初めて意味を持ちます。どの高さを元の池底とするのか、どの水位までを有効容量として考えるのか、どの範囲を堆砂として扱うのかを決めておく必要があります。


最初に確認したいのは高さの基準です。設計図面、完成図、過去の測量成果がある場合、それぞれの高さ基準が一致しているかを確認します。基準が異なるデータをそのまま重ねると、実際には堆砂していない場所まで高く見えたり、反対に堆砂を小さく見積もったりする可能性があります。RTK測位で取得する現況点も、現場で使う基準と整合していることを確認しなければなりません。


次に、断面位置の基準を整えます。調整池の断面は、流入口や排水口、管理用通路、構造物の位置を手がかりに決めると再現しやすくなります。図面上で断面線を設定し、現場でも同じ位置を測れるようにしておけば、次回以降の比較が安定します。断面名も、単に上流、中流、下流とするだけでなく、施設内で迷わない名称にしておくと整理しやすくなります。


現場記録も重要です。測量日、測量時刻、天候、直近の降雨状況、水位、池底のぬかるみ具合、草の繁茂状況、立ち入り可能範囲を記録しておくと、断面のばらつきを説明しやすくなります。前回は乾いた池底を測り、今回は水面下の軟らかい泥を測った場合、単純な断面差だけでは堆砂増加と判断しにくいことがあります。記録が残っていれば、測定条件の違いを踏まえて解釈できます。


写真記録も、RTK断面図と相性がよい資料です。断面位置ごとに流入口方向、排水口方向、左右法面、水際、池底の状態を撮影しておくと、断面図だけでは伝わりにくい現場状況を補えます。写真には位置や方向の情報を残せると、後から見返したときにどの断面のどの場所なのかを判断しやすくなります。堆砂量の説明では、断面図と写真を組み合わせることで、数字、形、現場状況がそろいます。


測点名の付け方も軽視できません。池底の点、法尻の点、水際の点、構造物周辺の点が後から区別できないと、断面図を修正したり、別の担当者が確認したりするときに時間がかかります。現場で少し手間をかけて測点に意味を持たせておけば、整理作業の負担が減ります。RTK断面図は取得して終わりではなく、比較し、説明し、次回に引き継ぐための資料です。そのため、測量前の基準設定と記録方法こそが、堆砂量把握の精度を支えます。


調整池の堆砂管理で起こりやすい見落とし

調整池の堆砂量をRTK断面図で測るときに起こりやすい見落としの一つは、流入口付近だけを見て全体を判断してしまうことです。流入口付近は土砂がたまりやすく、目視でも変化が分かりやすい場所です。しかし、細かな泥は池の奥まで運ばれ、排水口側や水際に薄く広がることがあります。入口の土砂だまりだけを測って堆砂量が多いと判断すると過大評価になる場合があり、入口が比較的きれいだからといって全体の容量低下が小さいとは限りません。


次に多いのが、水位の影響を記録しないことです。調整池は雨の後や季節によって水位が変わります。水位が高いと池底の一部が測れず、水際の位置も変わります。前回と今回で水位が違うのに、その条件を記録していないと、断面図の差が堆砂によるものなのか、水面条件による見え方の違いなのか判断しづらくなります。水位は堆砂量そのものではありませんが、断面を読むための前提条件として重要です。


池底の軟らかさも見落とされがちです。堆砂した泥は、場所によって硬さが異なります。測定棒や足が沈み込むような軟らかい泥の場合、どの深さを池底として測るかで結果が変わることがあります。表面の柔らかい泥を堆砂面として扱うのか、締まった層を池底として扱うのか、目的に応じて考える必要があります。浚渫対象を把握する場合と、有効容量の低下を把握する場合では、見たい面が異なることもあります。


法面の崩れと堆砂を混同することもあります。調整池の法面から土が落ちて池底にたまっている場合、それは池内に存在する堆積物ですが、原因は外部からの流入ではなく法面の変状かもしれません。断面図上では池底が上がって見えるため、単に堆砂として処理したくなりますが、原因が法面崩れであれば、浚渫だけでなく法面保護や排水処理の見直しが必要になることがあります。RTK断面図では、法面形状も合わせて確認し、どこから土砂が来ているのかを考えることが大切です。


もう一つの見落としは、測った断面を次回に引き継げない形で保存してしまうことです。現場ではその場で判断できても、半年後や一年後に同じ担当者がいるとは限りません。断面線、測点、基準、写真、メモが整理されていなければ、次回測量で同じ条件を再現できません。堆砂管理は継続してこそ意味があるため、誰が見ても同じ断面を追える形で保存することが重要です。


RTK断面図は便利な手段ですが、現場条件を無視して自動的に正しい堆砂量が出るものではありません。測る場所を選び、比較基準をそろえ、断面差を現場状況と合わせて読むことで、実務に使いやすい資料になります。見落としを減らすには、測量前の計画、測量中の記録、測量後の確認を一連の流れとして考えることが大切です。


まとめ:堆砂量は一度の測量より比較できる断面で管理する

RTK断面図で調整池の堆砂量を把握するには、基準断面と現況断面の比較、池底縦断による偏りの確認、複数横断による区間別の堆砂量把握、水際や法面を含めた有効容量への影響確認、そして定期測量による増加傾向の管理が重要です。どれか一つだけで完全に判断するのではなく、調整池の形状、流入口と排水口の位置、水位、池底の状態、管理目的に合わせて組み合わせることで、堆砂の実態をつかみやすくなります。


堆砂量は、数字だけでなく形で見ることが大切です。土量の概算が必要な場面でも、断面図を見れば、どの場所に土砂があり、どの範囲を浚渫すべきか、施設機能にどのような影響があるかを説明しやすくなります。特に調整池では、流入口付近の局所堆積、排水口手前の閉塞、水際の泥だまり、法面崩れによる池底上昇など、原因や対策が異なる変化が同じ堆砂として見えることがあります。RTK断面図は、それらを分けて考えるための実務的な土台になります。


一方で、RTK断面図を使うほど、基準の重要性も高まります。高さ基準がずれていたり、断面位置が毎回変わったり、水位や泥の状態を記録していなかったりすると、せっかくの測量結果が比較に使いにくくなります。調整池の堆砂管理では、測る技術だけでなく、同じ条件で繰り返し確認できる運用づくりが欠かせません。最初に代表断面を決め、測点名や写真、現場メモを整理し、次回も同じ流れで測れるようにしておくことが、長期的な維持管理の精度を高めます。


調整池の堆砂は、放置すると貯留容量の低下や排水機能の不安定化につながる可能性があります。しかし、変化を早めに捉えられれば、必要な場所に絞った対応や、次回点検時期の調整、上流からの土砂流入対策の検討がしやすくなります。RTK断面図を活用すれば、現場で感じていた浅くなった気がするという感覚を、断面差として共有できる資料に変えられます。


これから調整池の点検や堆砂管理を効率化したい場合は、まず代表断面を決め、基準断面と現況断面を比較できる形で記録を始めることが実務的です。現場で取得した位置情報、断面図、写真、メモを一連の流れで残せるようにしておくと、点検結果の説明も次回比較も進めやすくなります。RTK断面図を継続的な維持管理の資料として活用することで、調整池の堆砂量をより説明しやすく、比較しやすい形で管理できます。


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