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RTK断面図で公設市場搬入口の水たまりを減らす6視点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

公設市場搬入口で水たまりが問題になりやすい理由

視点1 搬入口前後の縦断勾配をRTK断面図で確認する

視点2 荷さばき動線と横断勾配の関係を読む

視点3 排水桝と側溝へ水が集まる高さ関係を確認する

視点4 舗装の不陸や沈下を断面変化として捉える

視点5 車両荷重と段差まわりの変形リスクを見る

視点6 清掃・補修・再測量を前提に管理しやすい断面へ整える

RTK断面図を水たまり対策に活かす運用の流れ

まとめ


公設市場搬入口で水たまりが問題になりやすい理由

公設市場の搬入口は、一般的な駐車場や構内道路に比べて、水たまりが発生したときの影響が大きくなりやすい場所です。市場では早朝や夜間に多くの車両が出入りし、荷さばき、台車移動、歩行者通行、清掃作業が短時間に重なります。そのため、わずかな水たまりでも、荷物の濡れ、床面の滑り、台車の走行不良、車両の泥はね、衛生面の不安につながることがあります。


特に搬入口は、建物の出入口、庇、シャッター、ドック、側溝、排水桝、構内通路が近接します。見た目には平らに見える舗装でも、実際には水が逃げにくい微妙なくぼみが残っている場合があります。舗装面の一部だけが沈下していたり、補修跡の高さが周囲と合っていなかったり、側溝へ向かう勾配が途中で反転していたりすると、雨のたびに同じ場所へ水が集まりやすくなります。


このような問題を感覚だけで判断すると、対策が場当たり的になりがちです。水たまりがある場所だけを部分補修しても、周囲との高さ関係が整理されていなければ、別の場所に水が移るだけになることがあります。搬入口の水たまりを減らすには、どこが低いのか、どちらへ流すべきなのか、排水先まで勾配がつながっているのかを、断面で確認することが重要です。


そこで役立つのがRTK断面図です。RTK測位で取得した位置と高さのデータをもとに、搬入口まわりの縦断方向や横断方向の形状を断面として整理すれば、現場で見落としやすいわずかな高低差を把握しやすくなります。もちろん、RTK測位だけで排水設計や補修判断が完結するわけではありません。設計図、既存排水施設、現地の雨水の流れ、使用状況、安全管理の条件を合わせて確認する必要があります。それでも、現況を数字と断面で見える化できる点は、実務担当者にとって大きな利点です。


本記事では、公設市場搬入口の水たまりを減らすために、RTK断面図で確認したい6つの視点を解説します。単に高さを測るだけでなく、搬入口という現場特有の使われ方を踏まえながら、排水しやすく、補修後も管理しやすい断面を考えることが目的です。


視点1 搬入口前後の縦断勾配をRTK断面図で確認する

搬入口の水たまり対策では、まず車両が進入する方向の縦断勾配を確認することが大切です。搬入口前の構内道路から建物側へ向かう高さの変化、また建物側から外部へ水を逃がす高さのつながりが悪いと、雨水が出入口付近に残りやすくなります。


公設市場の搬入口では、車両が停車しやすいように大きな勾配を避けていることがあります。荷下ろし時の安全性や台車の扱いやすさを考えると、急な勾配は望ましくありません。しかし、勾配を緩くしすぎると、水が動きにくくなります。さらに、舗装の経年変化や繰り返し荷重によって低い部分ができると、見た目にはわずかな変化でも、水たまりとして現れやすくなります。


RTK断面図では、搬入口に向かう中心線や車両の主動線に沿って、一定間隔で高さを取得し、縦断方向の形状を確認します。ここで見るべき点は、単純に入口が高いか低いかだけではありません。水が流れる方向に対して、途中に浅いくぼみがないか、排水先の手前で勾配が緩みすぎていないか、建物側へ水を押し込むような形になっていないかを確認します。


たとえば、構内道路から搬入口前まで緩やかに下がり、その後に排水桝へ向かって再び下がる計画であれば、断面図上でも水の逃げ道が連続している必要があります。途中にわずかな逆勾配があると、その部分で水が止まりやすくなります。現場では「少しへこんでいる」程度に見える箇所でも、断面図にすると前後の高さ関係がはっきりします。


また、搬入口には庇や建物際の納まりがあるため、雨が直接当たる範囲と、屋根から吹き込む範囲が分かれます。雨水の量が多い場所だけでなく、清掃水が流れる場所も考慮する必要があります。市場では床や搬入口まわりを水洗いすることもあるため、雨天時だけでなく日常清掃後の水の残り方も問題になります。RTK断面図で縦断勾配を把握しておくと、雨水と清掃水の両方をどこへ逃がすべきか整理しやすくなります。


縦断勾配を見るときは、現況断面と計画または補修後の目標断面を重ねて考えると効果的です。既存舗装を全面的に直せない場合でも、どの範囲を切削し、どの範囲をすり付ければ水の流れが改善するかを検討しやすくなります。反対に、低い場所だけを埋めるような補修では、周囲との接続が不自然になり、車両走行や台車移動に支障が出る可能性があります。


RTK断面図は、こうした判断を現場担当者、施設管理者、施工担当者の間で共有する資料としても使いやすいものです。写真だけでは伝わりにくい高低差を断面で示すことで、「なぜここに水が残るのか」「どちらへ逃がすべきなのか」を説明しやすくなります。搬入口の水たまりを減らす第一歩は、まず縦断方向の水の逃げ道を断面で確認することです。


視点2 荷さばき動線と横断勾配の関係を読む

搬入口の水たまりは、縦断方向だけでなく横断方向の勾配にも大きく左右されます。車両の進行方向に対して左右どちらへ水を流すのか、側溝や排水桝へ向かう横断勾配が確保されているのかを確認しなければ、舗装面に水が広がったまま残ることがあります。


公設市場では、搬入口の左右に台車置き場、荷受けスペース、歩行者通路、車両待機場所が配置されることがあります。水を単純に片側へ流せばよいとは限りません。台車が頻繁に通る方向へ強い横断勾配を付けると、荷物が不安定になったり、作業者が押しにくくなったりする可能性があります。一方で、勾配を平らに近づけすぎると、排水が悪くなります。このバランスを確認するためにも、RTK断面図で横断形状を把握することが重要です。


横断断面では、搬入口の幅方向に複数の測点を取り、建物側、中央部、側溝側、車両のタイヤ通過位置などの高さを確認します。特に注意したいのは、中央部がわずかに低くなっている皿状の断面です。左右の端部が高く、中央が低い形になると、水が中央に集まって残りやすくなります。逆に、側溝側へ流すつもりでも、側溝手前に舗装の盛り上がりがあると、水がそこで止まってしまいます。


荷さばき動線との関係も重要です。搬入口では、トラックが停車する位置と、作業者が台車を押す位置が重なります。水たまりがタイヤ通過位置にあると、泥はねや水はねが発生しやすくなります。台車通路に水が残ると、荷物の濡れや滑りの原因になります。RTK断面図を作成する際には、単に左右の高さを測るだけでなく、実際にどこを車両が通り、どこを人が歩き、どこで荷物を降ろすのかを現地で確認しておくことが大切です。


また、搬入口付近には建物の床高さとの取り合いがあります。建物内に水を入れないためには、外部側の舗装が建物側へ水を寄せない形になっている必要があります。出入口直前の横断勾配が建物方向へ傾いている場合、雨風の吹き込みや清掃水によって、シャッター下や床際に水が残ることがあります。断面図上で建物際の高さと外部舗装の高さを確認すれば、どこに水返しの役割を持たせるべきか、どこへ排水を逃がすべきかが見えやすくなります。


横断勾配は、数値だけを見て判断するのではなく、使われ方との整合が必要です。市場の搬入口では、安全な作業動線を守りながら、排水に必要な傾きを確保する必要があります。RTK断面図は、この両立を検討するための基礎資料になります。とくに、現場で「水が残るが原因が分かりにくい」と感じる場合は、横断方向に複数本の断面を作成し、場所ごとの形状差を比較すると有効です。


補修を行う場合も、横断断面を確認しておくことで、どこを削り、どこをすり付け、どこへ水を集めるかを整理しやすくなります。部分補修で一部だけ高さを変えると、周囲とのつながりが悪くなり、別の水たまりを生むことがあります。横断勾配を荷さばき動線と合わせて読むことは、水たまりを減らしながら現場の使いやすさを守るために欠かせない視点です。


視点3 排水桝と側溝へ水が集まる高さ関係を確認する

水たまりを減らすためには、舗装面の勾配だけでなく、排水桝や側溝との高さ関係を確認する必要があります。舗装面がいくら排水先へ向かって傾いていても、桝のまわりが高かったり、側溝手前に段差や盛り上がりがあったりすると、水は排水施設へ入らずに手前で止まります。


公設市場の搬入口では、排水桝や側溝が設置されていても、水たまりが発生することがあります。その原因として、桝の天端と舗装面の高さが合っていない、グレーチングまわりの補修跡が周囲より高い、側溝へ向かう勾配が途中で途切れている、落ち葉やごみで排水能力が落ちているなどが考えられます。RTK断面図では、こうした排水施設まわりの高さ関係を現況として整理できます。


確認したいのは、水が集まるべき場所が本当に低くなっているかどうかです。排水桝は周囲よりわずかに低い位置にあることで、雨水を集めやすくなります。しかし、舗装補修を繰り返すうちに桝まわりだけが高く残ったり、逆に桝周辺だけが沈下して段差になったりする場合があります。段差が大きいと台車や歩行者の安全に影響するため、単純に低くすればよいわけではありません。安全に通行できる納まりの範囲で、水が集まりやすい高さ関係を整えることが必要です。


側溝についても同様です。側溝に向かって横断勾配があるように見えても、側溝の縁に舗装の肩ができていると、水が流れ込みにくくなります。断面図で見ると、側溝手前に小さな山があり、その内側に水が残る形になっていることがあります。現場では見逃しやすい微妙な形状ですが、水たまりの原因としてはよくあるパターンです。


また、排水施設の位置と搬入口の利用状況が合っているかも確認が必要です。排水桝が車両の停車位置の中央にある場合、荷役作業の邪魔になることがあります。反対に、作業の邪魔にならない端部へ排水施設を寄せている場合、そこまで水を誘導する勾配が十分でなければ、水が途中に残ります。RTK断面図を使って、排水施設までの水の通り道を確認することで、現場の使いやすさと排水性の両方を検討できます。


排水桝や側溝の高さ確認では、表面だけでなく、清掃や維持管理のしやすさも考えます。市場ではごみ、泥、落ち葉、包装材の切れ端などが排水部に集まりやすい場合があります。排水口が詰まりやすい環境では、断面が適切でも水たまりが発生します。そのため、RTK断面図で高さ関係を整理したうえで、排水部の清掃頻度や点検方法も合わせて見直すと効果的です。


重要なのは、排水施設が存在することと、水がそこへ自然に集まることは別だという点です。図面上に側溝や桝があっても、現況の高さが変わっていれば、期待どおりに機能しないことがあります。RTK断面図で舗装面から排水先までの連続した高さ関係を確認し、水が止まる場所を見つけることが、水たまり対策の精度を高めます。


視点4 舗装の不陸や沈下を断面変化として捉える

搬入口の水たまりは、設計時の勾配だけでなく、供用後の舗装変形によって発生することがあります。市場の搬入口は、トラックやフォークリフト、台車などが繰り返し通行する場所であり、荷重が特定の位置に集中しやすい環境です。そのため、舗装面にわずかな不陸や沈下が生じると、雨水がそこへ集まりやすくなります。


不陸とは、舗装面の小さな凹凸や波打ちのことです。広い範囲で見ると大きな問題に見えなくても、水は低い場所へ集まるため、数センチ未満の変化でも水たまりとして現れることがあります。特に搬入口では、同じ位置に車両が停止し、荷物の積み下ろしが行われるため、タイヤの通過ラインや停車位置周辺に変形が出やすくなります。


RTK断面図を使うと、舗装の不陸や沈下を断面変化として確認できます。現場写真では平らに見える場所でも、断面上では中央部が下がっていたり、補修跡の端部に段差が生じていたりすることがあります。水たまりの範囲と断面上の低い部分が一致するかを確認すれば、原因が舗装形状にあるのか、排水施設の詰まりにあるのか、ある程度切り分けやすくなります。


不陸確認では、複数の断面を作ることが重要です。水たまりの中心を通る断面だけでなく、その前後にも断面を設定すると、くぼみが局所的なものか、通路全体に続くものかが分かります。局所的なくぼみであれば部分補修で改善できる可能性がありますが、広い範囲で勾配が崩れている場合は、排水計画全体を見直す必要があります。


また、補修跡の確認も欠かせません。搬入口は使用頻度が高いため、過去に穴埋めや舗装の打ち替えが行われていることがあります。部分補修では、周囲との高さを合わせたつもりでも、時間が経つと継ぎ目が沈んだり、端部に水が残る形になったりすることがあります。RTK断面図で補修範囲の前後を確認すれば、既存舗装とのすり付けが適切かどうかを把握しやすくなります。


舗装沈下を見るときは、地下の状態を直接判断できるわけではない点にも注意が必要です。RTK断面図で分かるのは、あくまで表面の高さや形状です。沈下の原因が路盤の緩み、排水不良、埋設物まわりの締固め不足、繰り返し荷重など、どれに該当するかは、現地調査や必要に応じた追加確認が必要です。ただし、表面形状を正確に把握することは、原因調査や補修範囲の検討に向けた重要な入口になります。


不陸や沈下を断面で捉えるメリットは、対策後の効果検証にもあります。補修前のRTK断面図を残しておき、補修後に同じ位置で再測量すれば、どの程度高さが改善したかを比較できます。水たまりが再発した場合も、以前と同じ場所が沈下しているのか、別の位置に低い部分ができたのかを確認しやすくなります。


搬入口の舗装は、日々の使用で少しずつ変化します。水たまり対策を一度の補修で終わらせるのではなく、断面変化として記録し、必要に応じて見直していくことが、長期的な管理には有効です。


視点5 車両荷重と段差まわりの変形リスクを見る

公設市場の搬入口では、車両荷重が水たまりの発生に大きく関係します。搬入口は、荷を積んだ車両が低速で進入し、停止し、発進する場所です。タイヤの荷重が同じ位置に繰り返しかかるため、舗装やその下の路盤に負担が蓄積しやすくなります。特に段差、継ぎ目、排水桝まわり、建物際、舗装の打ち替え境界では、変形が起こりやすくなります。


水たまり対策を考える際には、現在の水の流れだけでなく、今後どこが変形しやすいかも見ておく必要があります。現時点で大きな水たまりがなくても、車両の停車位置や旋回位置にわずかな沈下が始まっている場合、将来的に水が残る場所になる可能性があります。RTK断面図で定期的に高さを確認すると、こうした変化を早めに把握しやすくなります。


段差まわりは特に注意が必要です。搬入口には、建物床との取り合い、シャッター前の納まり、排水溝の蓋、舗装の切り替わり、縁石やスロープなど、さまざまな段差が存在します。段差そのものが大きいと台車や歩行者に支障が出ますが、段差をなくすために周囲をすり付けた結果、水が流れにくくなる場合もあります。断面図では、段差を単独で見るのではなく、その前後の勾配と水の逃げ道を合わせて確認します。


車両の旋回部も水たまりが発生しやすい場所です。タイヤがねじれるように動くため、舗装表面に負担がかかりやすく、わだち状の変形が出ることがあります。わだちができると、その低い部分に水が残ります。搬入口の前で車両が切り返す場合は、進入方向の断面だけでなく、旋回位置を横切る断面も作成すると、変形の傾向を捉えやすくなります。


排水桝まわりも、車両荷重との関係で確認が必要です。桝や蓋の周囲は舗装構造が連続しにくく、周辺が沈下したり、逆に蓋の縁が高く残ったりすることがあります。そこに車両が乗ると、がたつきや段差拡大につながることもあります。水たまりが桝のすぐ近くにある場合は、単に排水口が詰まっているだけでなく、桝まわりの高さ関係が崩れていないかを断面で確認することが大切です。


また、市場の搬入口では衛生面や作業効率の観点から、清掃しやすい床面であることも求められます。段差やくぼみが多いと、ごみや泥が残りやすくなります。水たまりは、そのまま乾くと汚れの跡を残し、清掃負担を増やすことがあります。RTK断面図で変形しやすい場所を把握し、補修時に段差やくぼみを減らす方向で検討すれば、排水だけでなく維持管理のしやすさにもつながります。


ただし、車両荷重による変形リスクをRTK断面図だけで完全に判断することはできません。舗装構成、路盤の状態、排水条件、通行車両の重量や頻度なども関係します。RTK断面図は、表面形状の変化を把握するための手段として位置付け、必要に応じて舗装の専門的な確認や施工条件の見直しと組み合わせることが望ましいです。


搬入口の水たまりを減らすには、今ある低い場所を直すだけでなく、再び低くなりやすい場所を把握することが重要です。車両荷重と段差まわりの変形リスクを断面で確認しておけば、補修範囲や補修方法を考える際の判断材料が増えます。


視点6 清掃・補修・再測量を前提に管理しやすい断面へ整える

水たまり対策は、一度断面を整えれば終わりではありません。公設市場の搬入口は毎日の使用頻度が高く、車両の出入り、荷さばき、清掃、雨風、温度変化によって、状態が少しずつ変わります。そのため、RTK断面図を作成する目的は、補修前の確認だけでなく、その後の維持管理にもあります。


管理しやすい断面とは、水が自然に排水先へ向かい、清掃しやすく、異常が出たときに変化を比較しやすい形です。水たまりを減らすために局所的な勾配だけを強めると、台車が扱いにくくなったり、別の場所に水が流れ込んだりすることがあります。逆に、作業性を優先して平らにしすぎると、雨水や清掃水が残りやすくなります。現場の使い方に合わせて、排水性と作業性の両方を考えた断面に整えることが必要です。


RTK断面図を管理に活かすには、測量位置を再現しやすくしておくことが重要です。毎回異なる位置で断面を取ると、変化の比較が難しくなります。搬入口の中心線、排水桝を通る線、車両のタイヤ通過位置、台車動線、建物際など、管理上重要な断面位置をあらかじめ決めておくと、補修前後や定期点検時の比較がしやすくなります。


また、写真と断面図を組み合わせると、現場共有がさらにしやすくなります。写真には水たまりの範囲や汚れの状況、排水部の詰まり、舗装のひび割れなどが記録できます。一方、RTK断面図には高さの変化を記録できます。両方を同じ位置情報や測点名で整理しておけば、施設管理者、施工担当者、点検担当者が同じ状況を把握しやすくなります。


清掃との関係も重要です。排水桝や側溝が詰まりやすい場所では、断面が適切でも水が残ります。RTK断面図で水が集まるべき場所を明確にしておくと、清掃すべき重点箇所も分かりやすくなります。水が集まる場所にごみがたまりやすい場合は、定期清掃の頻度や作業手順を見直すことも必要です。水たまり対策は、舗装の形状改善と排水施設の維持管理をセットで考えることで効果が安定します。


補修計画では、現況断面をもとに、どの範囲を直すべきかを慎重に検討します。水たまりの中心だけを補修しても、周囲の勾配が不自然であれば再発する可能性があります。排水先までの連続した勾配、建物側への水の侵入防止、台車や歩行者の安全、車両走行時の段差解消を合わせて考える必要があります。RTK断面図は、こうした複数の条件を整理するための共通資料になります。


再測量の考え方も大切です。補修後に同じ断面を再度測ることで、計画どおりの高さに近づいているかを確認できます。さらに、数か月後や大雨後に再測量すれば、沈下や不陸の再発傾向を早めに把握できます。市場のように利用頻度が高い施設では、問題が大きくなる前に小さな変化を捉えることが、長期的な維持管理コストや作業負担の抑制につながります。


管理しやすい断面を作るためには、測る、直す、確認する、記録するという流れを繰り返すことが重要です。RTK断面図は、その流れの中心に置ける実務的な資料です。搬入口の水たまりを減らす取り組みを一過性の補修で終わらせず、継続的な施設管理へつなげる視点が求められます。


RTK断面図を水たまり対策に活かす運用の流れ

RTK断面図を水たまり対策に活かすには、現地確認から記録、補修検討、効果確認までの流れを整理しておくと実務に落とし込みやすくなります。まず行うべきことは、水たまりが発生する条件を把握することです。雨量が多いときだけ発生するのか、通常の雨でも残るのか、清掃後にも残るのか、特定の車両動線に沿って残るのかを確認します。水たまりの位置、範囲、深さの傾向、乾きにくい時間帯を記録しておくと、断面図との照合がしやすくなります。


次に、測量する断面位置を決めます。搬入口の中心線、車両進入方向、排水桝へ向かう方向、側溝に直交する方向、建物際、台車動線など、現場の使われ方に合わせて複数の断面を設定します。水たまりの中心だけを測るのではなく、水が流れてくる範囲と排水先までを含めて測ることが重要です。水は点ではなく面として動くため、低い場所だけを見ても原因を正しく捉えられないことがあります。


RTK測位で取得する際は、高さの基準や測定条件をそろえることが大切です。測定日、測定者、測点位置、基準とした高さ、測位状態、天候、現場の使用状況を記録しておくと、後で比較しやすくなります。特に搬入口は車両や人の出入りが多いため、安全を確保しながら、作業の妨げにならない時間帯を選ぶことも必要です。


断面図を作成したら、水たまりの写真や現地メモと照合します。断面上の低い部分と実際の水たまり位置が一致しているか、排水先まで勾配がつながっているか、側溝や桝の手前に水を止める形状がないかを確認します。もし断面上では問題が少ないのに水が残る場合は、排水施設の詰まり、清掃状況、表面の汚れ、雨水の流入方向など、形状以外の原因も疑う必要があります。


補修を検討する段階では、現況断面をもとに、対策範囲を広めに見ることが大切です。水たまりの場所だけを直すと、周辺とのすり付けが悪くなり、別の低い場所を作ることがあります。排水先までの勾配を連続させること、建物内へ水を入れないこと、台車や歩行者が安全に通れること、車両の走行に支障がないことを同時に確認します。市場の営業や荷さばきに影響する場合は、施工時間帯や仮設動線も考慮が必要です。


補修後は、同じ位置で再度RTK測位を行い、断面図を比較します。計画した勾配が確保されているか、排水桝や側溝との高さ関係が改善しているか、段差や不自然なすり付けが残っていないかを確認します。さらに、雨天後や清掃後に現地を確認し、水たまりの発生状況が変わったかを記録します。数値上の改善と実際の使用感の両方を確認することで、対策の妥当性を判断しやすくなります。


この運用を継続すると、搬入口の状態を感覚ではなく履歴として管理できます。以前はどこが低かったのか、どの補修でどの程度改善したのか、どの場所が再び沈下しやすいのかが分かるようになります。市場施設では、限られた時間で安全かつ効率的に維持管理を行う必要があります。RTK断面図を日常の点検記録と結び付けることで、水たまり対策を計画的に進めやすくなります。


まとめ

公設市場搬入口の水たまりを減らすには、目に見える水の位置だけを追うのではなく、舗装面、排水施設、車両動線、荷さばき作業、清掃運用を一体で見ることが大切です。搬入口は、多くの車両と人が集中する場所であり、わずかな水たまりでも作業性や安全性、衛生面に影響することがあります。そのため、原因を感覚で判断せず、RTK断面図で高低差を確認しながら対策を考えることが有効です。


最初に確認したいのは、搬入口前後の縦断勾配です。水が建物側へ寄っていないか、途中で勾配が途切れていないか、排水先まで自然に流れる形になっているかを断面で読み取ります。次に、横断勾配と荷さばき動線の関係を確認します。台車や歩行者の安全を守りながら、側溝や排水桝へ水を流せる形になっているかを見ることが重要です。


排水桝や側溝については、設置されているかどうかだけでなく、水がそこへ集まる高さ関係になっているかを確認します。桝まわりの段差、側溝手前の盛り上がり、補修跡の不自然なすり付けは、水たまりの原因になりやすい部分です。また、舗装の不陸や沈下を断面変化として捉えることで、現況の問題だけでなく、今後の変形リスクも把握しやすくなります。


車両荷重が集中する場所や段差まわりは、繰り返し使用によって形状が変わりやすい場所です。搬入口の水たまりを減らすには、現在の低い部分を直すだけでなく、再発しやすい箇所を管理する視点が必要です。さらに、清掃、補修、再測量を前提に、同じ断面位置で記録を蓄積すれば、施設管理の判断がしやすくなります。


RTK断面図は、搬入口まわりの高低差を見える化し、水の流れを説明しやすくするための実務的な資料です。設計図や現地写真だけでは伝わりにくい微妙な勾配やくぼみも、断面として整理することで関係者間の認識をそろえやすくなります。公設市場のように使いながら維持管理する施設では、短時間で測り、記録し、補修判断につなげられる仕組みが役立ちます。


現場でRTK断面図を作成し、水たまりの位置、排水先、高低差、補修履歴を継続的に管理したい場合は、日常点検から断面確認まで扱いやすい測位環境を整えることが大切です。搬入口の水たまり対策を、感覚的な補修から記録に基づく管理へ進める入口として、Phoneの活用も検討しやすい選択肢になります。


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