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測量技術者不足をRTK ARで解決!誰でもできる高精度測量

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

建設・土木業界では現在、熟練の測量技術者不足が深刻な課題となっています。日本の建設就業者数はピーク時から約30%減少し、現場の技能者の高齢化も相まって、多くの企業が「仕事はあるのに人が足りない」状況に直面しています。測量に関しても例外ではなく、55歳以上の技術者が4割近くを占める一方、若手の参入は1割程度にとどまり、このままではベテラン引退時の技術継承が断絶し、測量業務を担う人材が圧倒的に不足する懸念が高まっています。


こうした人手不足は、測量作業の現場に様々な弊害をもたらしています。従来は2人以上のチームでトータルステーション等の重い機材を操作しながら行っていた測量は、人員が揃わず進捗が滞るケースが増えました。また、熟練者の経験と勘に頼った作業は属人化しやすく、特定のベテランが不在になると「測量待ち」で工事全体がストップしてしまう事態も起こり得ます。さらに、手書きの野帳や手作業での図面化には時間と労力がかかり、データ転記ミスによる手戻りリスクも抱えていました。人員不足・作業非効率・ミス発生リスクを解消するためには、測量プロセス自体の変革が不可欠です。


その切り札として近年注目されているのが、高精度測位技術RTKとAR(拡張現実)を組み合わせた「RTK AR」と呼ばれる新しい測量手法です。スマートフォンなど身近なデバイスと先端技術の融合によって、熟練の測量士が不足する現場でも、誰でも精度の高い測量を短時間で実施できるソリューションが登場しました。本記事では、このRTK AR技術が測量技術者不足の解決にどう貢献し、現場の作業効率や品質管理をいかに改善できるかを、ICT施工やi-Construction、現場DX(デジタルトランスフォーメーション)動向も踏まえて詳しく解説します。


GNSS・RTKによる高精度測位技術

まず、RTK ARを支える基盤技術である「RTK測位」について確認します。RTKとはReal Time Kinematicの略称で、GNSS(全球測位衛星システム:GPSやGLONASS、みちびき等)の電波を利用してリアルタイムに高精度な位置を測定する手法です。通常の単独測位では衛星信号の誤差により5~10m程度のズレが生じることがありますが、RTK測位では基準局(固定局)と移動局(ローバー)の2台の受信機で観測したデータを比較し、位置の相対差分から誤差を補正することで、水平・鉛直とも数センチメートルの測位精度を実現します。


土木測量や施工管理において、設計図どおりの正確な位置出し(墨出し)や出来形の検測にはセンチメートル単位の精度が求められます。従来はトータルステーションによる光波測距や水準測量で精度を確保していましたが、近年はRTK-GNSSの発達により人工衛星から直接高精度座標を取得する手法が普及しつつあります。国土交通省のi-Construction施策でもICT施工の一環としてRTK-GNSSの活用が推奨され、ドローン空撮やマシンガイダンスなど現場のデジタル測量でRTKが欠かせない存在となっています。ただし従来のRTK機器は据え置き型の大型装置や高価なアンテナを必要とし、専門知識も要求されるため、広範な導入にはハードルがありました。


AR(拡張現実)の建設現場への活用

次に、RTK ARのもう一つの柱であるAR(Augmented Reality:拡張現実)技術について見てみましょう。ARは、現実の映像にデジタル情報を重ねて表示する技術で、スマートフォンやタブレットのカメラ映像、あるいは専用ゴーグルを通じて、目の前の景色に仮想の物体やガイドを投影できます。建設現場では近年、このARを活用して、図面上の設計データや測量で得た座標情報をその場で可視化する試みが広がっています。


例えば、従来は図面とメジャーを片手に現場で位置を出していた杭打ち作業も、ARならスマホ画面上にバーチャルな杭やマーキングを表示しながら行えます。オペレーターは地面に印を付けることなく、画面に映る矢印や仮想杭を頼りに所定の位置に誘導されるため、経験の浅い作業員でも直感的に正確な測設が可能です。また、完成予定の構造物モデルをAR表示して出来形と照合したり、地中埋設物の位置を現場で視覚化して掘削を避けたりと、施工管理や安全確認への応用も期待されています。実際の風景にデジタル情報を重ねることで、図面や数値だけでは分かりにくい情報を現場感覚で把握できるのがAR活用の利点です。


もっとも、ARを屋外の測量業務で精度高く活用するには課題もありました。従来のARシステムでは、マーカーやGPSなしにスマホのカメラ映像だけで位置合わせを行う場合、デバイスのセンサーによる推定に頼るためユーザーが移動すると表示が徐々にずれてしまう(ドリフトする)問題がありました。数メートル規模の精度誤差では土木用途には不十分なため、仮想モデルを現実座標にピタリと一致させる手段が求められてきたのです。この課題を解決したのが前述のRTK高精度測位との組み合わせであり、RTKによる正確な位置座標を基準にAR表示を行うことで、長時間の作業でもズレのない安定した空間可視化が可能となりました。


RTK ARが実現する「誰でもできる高精度測量」

RTK測位とAR表示を組み合わせたこの新技術によって、生産性と省人化の両面で画期的な変化が生まれています。従来は熟練の測量士と補助者が2人1組で行っていた測量作業も、RTK ARを使えば1人だけで完結できるようになります。実際、スマートフォンに装着できるポケットサイズのRTK-GNSS受信機が開発されており、重い三脚やプリズムを持ち歩かずともスマホ片手にセンチメートル級の測位が可能です。測点に移動して画面上の「測位」ボタンを押すだけで高精度座標が瞬時に記録され、従来必要だったスタッフ間の合図や手書きメモも不要となります。


また、前述したARナビゲーション機能により、杭打ちや構造物の設置位置出しも一人で正確にこなせます。スマホ画面上には目標地点の方向と距離がリアルタイムで表示され、近づくにつれて仮想マーカーが所定の位置に固定されていきます。これに従って微調整するだけで、初めての現場でも狙いどおりのポイントに立てるのです。熟練者の経験や勘に頼らずとも、デバイスの案内に従えば誰でも確実に杭位置を出せるため、技能の浅い若手でもすぐ戦力化できます。さらにiPhoneなどLiDARセンサーを搭載した端末であれば、歩き回りながら周囲をスキャンして3次元の点群データを取得することも容易です。取得した点群にはRTKによる絶対座標が自動付与されるため、後から複雑な点群処理や位置合わせ作業を行わずに即座に活用できます。


このように、RTK ARを活用すれば測量のノウハウがシステムに組み込まれ、作業が標準化・自動化されます。専用アプリの操作画面は直感的でわかりやすく、特殊な機器操作に不慣れな技術者でも短時間で習熟可能です。測位データや写真もデジタルに自動記録されるため、手計算や転記ミスを心配する必要はありません。現場経験の浅い人材でも先端技術のサポートによって即座に精度の高い成果を出せるため、人材育成と属人化解消の面でも大きな効果を発揮します。


測量業務の効率化と現場DXへの貢献

RTK ARの導入は、測量プロセス全体の大幅な効率化と品質向上をもたらします。データが現場で即座にデジタル化・共有されるため報告・検査のリードタイムが短縮され、施工の手戻り防止や迅速な意思決定にも繋がります。これは国土交通省が推進する現場DX(建設現場のデジタル転換)にも合致する取り組みであり、限られた人員で複数現場を回さなければならない状況において強力な助けとなります。具体的なメリットを整理すると以下の通りです。


省人化による人手不足解消とコスト削減: 測量班を2~3名から1名に削減でき、人材不足の緩和とともに人件費も大幅にカットできます。少人数で多くの現場を効率的に回すことが可能になり、生産性向上に直結します。

作業時間の短縮: 高速な測位と自動データ処理により、測量から図面作成・数量計算・報告までの時間が劇的に短縮されます。現場で取得したデータをその場でクラウド共有して即チェックできるため、従来数日かかっていた出来形確認も当日中に完了します。

測量精度とデータ品質の向上: RTK-GNSSによりセンチメートル級の精度で測定でき、規格値を満たす高品質な成果が得られます。また点群計測で現場全体を高密度に捉えられるため、見落としや測り漏れのない充実したデータを取得可能です。精度が高く再測の手間も減るため、品質管理の水準が向上します。

安全性の向上: 作業時間短縮によって現場作業員の滞在時間が減り、炎天下や夜間作業での熱中症・事故リスク低減に繋がります。交通量の多い道路工事でも、測量時間を短く済ませることで危険に晒される時間を最小化できます。

ヒューマンエラーの削減: 測定値や写真が自動でデジタル記録・整理されるため、手書きメモの書き間違いやデータ転記ミスがなくなります。データの取り忘れもリアルタイムに把握でき、ミスによる再作業を防止します。

技術習得の容易化と属人化解消: スマホアプリ中心の簡単操作で誰でも短期間に習得でき、測量技能が特定のベテランに依存しなくなります。人によりバラつきの少ない安定した測量が可能となり、組織全体でノウハウを共有できます。


以上のように、RTK ARは現場の測量にまつわる様々な課題を一挙に解決し、施工DXを力強く推進する原動力となります。


3D点群データの活用と精密な品質管理

RTK ARによる一人測量では、地形や構造物を3D点群データとして取得し、品質管理に役立てることも容易です。スマホのLiDARやカメラで周囲をスキャンすれば、RTKで計測した各点に正確な座標が付与された高密度な点群を生成できます。広い現場を歩いて測定するだけで面的な出来形を把握でき、従来の一部サンプル測量では見逃していた細部までデータ化されます。取得した点群は、地盤の起伏や構造物の形状を三次元的に記録しているため、盛土・掘削量の自動計算や形状の偏差解析など定量的な品質評価に活用可能です。例えば、造成工事で敷地全体の点群を取得しておけば、後から設計データと比較して過不足の土量を算出したり、施工前後の地形変化を視覚的に検証したりできます。


さらに、RTKで得た点群データや測量座標はデジタルツインの基盤としても有効です。国土交通省が公開している3D都市モデル「PLATEAU」や工事のBIM/CIMモデルと自社で計測した点群を同じ座標系上で重ね合わせれば、設計計画とのズレを直感的に把握できます。現場で取得した出来形データを設計3Dモデルに重ねてAR表示すれば、出来高検査をその場で行ったり、設計変更の検討材料にしたりすることも可能です。クラウド上で共有された点群は、社内外の関係者が遠隔から確認でき、出来形報告や維持管理の資料としても活用されます。写真についても、RTK ARアプリで撮影すれば撮影位置・角度が自動タグ付けされるため、単なる画像記録が地図とリンクした精密な記録情報に変わります。


このように、RTK ARで取得した3次元データを活用することで、現場の状況をありのままデジタルに再現して見える化でき、従来は難しかった精密な品質管理と合意形成がスムーズに行えるようになります。


導入事例:建設現場と自治体での活用

実際にRTK ARを導入した現場からは、その効果を裏付ける報告が上がっています。


建設現場での効率化事例: ある土木工事の現場では、RTK AR導入により測量作業時間が飛躍的に短縮されました。従来は2人1日がかりだった出来形測定を、1人で数時間ほどで完了できた例があり、およそ70%以上の作業時間削減を達成しました。それにもかかわらずデータ密度は格段に向上し、現場全体を余すところなく計測できたため、これまでの抜き取り検査では見落としていた不備も早期に発見できています。結果として手直しや追加工事の防止につながり、品質確保と工期短縮の両面で大きな成果を上げました。


自治体での活用事例: 地方自治体でも現場測量のDXにRTK ARを活用する動きが始まっています。例えば福井市では、2023年に災害復旧の被災状況調査にいち早くRTK ARシステムを導入しました。職員が被災箇所を発見してすぐにスマホで測量を開始できるため、従来のように現場と役所を往復する手間が大幅に減少し、短時間で詳細な被害状況を記録できています。その結果、復旧計画の策定から工事着手までのリードタイムが短縮され、早期復旧とコスト削減に大きく貢献しました。導入費用が比較的安価な点も自治体にとって魅力で、従来は外部委託していた測量を自前で行うことでコスト圧縮と技術の内製化につなげた面もあります。このような成功事例を受けて、他の自治体でもRTK AR導入を検討する動きが広がりつつあります。


おわりに:LRTKで始める簡易測量とAR表示

このように、RTK AR技術は測量技術者不足という課題に対する有力なソリューションとなり得ます。熟練者が足りなくても、デジタル技術の力で誰もが高精度な測量を実施し、効率と品質を両立できる時代が現実のものとなってきました。その代表例が、スマホ装着型のRTKシステムLRTK(エルアールティーケー)です。専用デバイスをスマートフォンに装着しアプリを起動するだけで、現場がそのまま高精度の測量機へと変身し、位置測量から杭打ち誘導、点群スキャン、クラウド共有まで一貫して行えます。専門知識のない新人でも即戦力として活躍でき、ベテラン不在時の「測量待ち」も解消できるでしょう。実際に多くの建設会社や自治体がLRTKを活用した簡易測量とAR表示を取り入れ始めており、省力化とDXを同時に実現しています。


人手不足に悩む現場ほど、こうしたRTK ARによる新しい測量手法の導入効果は絶大です。誰でもできる高精度測量を可能にするLRTKのような技術を積極的に活用し、次世代のスマート施工へ踏み出してみてはいかがでしょうか。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

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