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RTK ARで遠隔臨場を実現!オフィスから現場をリアルタイムで確認

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

建設業界では今、現場に行かずに遠隔から状況を確認する「遠隔臨場」の取り組みが加速しています。特に国土交通省は現場DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として遠隔臨場の導入を推進しており、2022年度から直轄工事で原則適用されるなど普及が進みました。遠隔臨場により監督者がオフィスにいながら施工中の段階確認や出来形検査を行えるため、移動時間や出張コストの削減、働き方改革(業務効率化や負担軽減)につながると期待されています。また、感染症対策や人手不足への対応策としても注目され、自治体や民間企業でも積極的な導入が始まっています。


しかし従来の遠隔臨場は主に固定カメラ映像やウェアラブルカメラによる中継が中心で、画角の制約や細部の確認が難しい、計測値を正確に伝えにくいといった課題がありました。例えば、カメラ越しではメジャーや検査機器の細かな目盛りを読み取るのは難しく、遠隔から寸法を確認するにも一苦労です。また、カメラが向いていない箇所の状況は把握できないため、どうしても確認範囲が限定されてしまいます。山間部など通信環境が悪い現場ではリアルタイム映像が途切れるリスクもあります。こうした課題を解決し、遠隔からでも現場状況をより正確かつ詳細に把握するために登場したのがRTK ARという新しいアプローチです。本記事では、RTKによる高精度測位とAR表示技術を組み合わせた「RTK AR」で遠隔臨場を実現する方法や、その技術的背景、得られる効果について詳しく解説します。


RTK ARとは:GNSS×ARで実現する高精度な遠隔確認

RTK ARとは、高精度衛星測位(GNSSのRTK測位技術)と拡張現実(AR)を融合し、デジタル情報を現実の現場映像に正確に重ね合わせる技術です。RTK(Real Time Kinematic)測位により数センチメートルの位置精度を確保し、その精密な位置座標に基づいて施工図や3Dモデル、計測データなどを現地のカメラ映像上にAR表示します。言わば、現場を丸ごとデジタルツイン化してオフィスから覗き込むようなイメージです。


例えば、施工中の構造物に設計図の3DモデルをARで重畳表示すれば、出来形の誤差を直感的に把握できます。従来の写真やビデオ中継では平面的で把握しにくかった進捗状況も、ARなら空間的なズレや足りない部分が一目瞭然です。RTK ARによって、離れた場所にいながらまるでその場に立って見回しているかのように現場確認が行えるのです。


RTK測位によるセンチメートル級のGNSS精度確保

RTK ARを支える鍵となるのが、GNSS(全地球測位システム)を用いたRTK測位技術です。通常のGPS測位では数メートルの誤差が生じますが、RTKは基準局(固定局)と移動局(ローバー)のリアルタイムな測位データ差分を利用することで、誤差を数センチ程度にまで低減できます。基準局からインターネット経由で補正情報を受け取るネットワーク型RTKや、日本の準天頂衛星システム(QZSS)によるセンチメートル級測位補強サービス(CLAS)の活用により、現場でも安定した高精度GNSS座標を取得可能です。近年ではGPSのみならずGLONASSやGalileoなど複数の衛星からの信号を活用し、さらにL1/L2/L5といった複数周波数を使うマルチGNSS・マルチ周波対応により、周囲に障害物が多い現場でも安定して測位できるよう工夫されています。


高精度な位置情報を得るためには、マルチバンド対応のGNSS受信機やアンテナの利用、上空が開けた環境の確保、電波干渉やマルチパス対策なども重要です。しかし近年は小型の高性能GNSSセンサーや補強信号対応のスマートフォンも登場し、手軽にRTK測位を利用できる環境が整ってきました。RTK ARでは、こうしたセンチメートル級精度の座標を全てのデータに紐付けることで、現場とデジタル情報との正確な位置合わせを実現しています。


AR表示による現場状況のリアルタイム可視化

AR(Augmented Reality、拡張現実)技術は、カメラを通した実際の風景にバーチャルな情報を重ねて表示できるものです。これを現場施工の文脈で活用することで、AR表示が現場状況の把握に威力を発揮します。具体的には、タブレットやスマートフォンのカメラ映像に、事前に用意した設計のBIM/CIMモデルや基準ライン、検査項目などを重畳し、その場で確認できるようにします。ARではユーザーが自由に歩き回り様々な角度から映像を見ることができるため、固定カメラ映像では難しい細部のチェックや死角の確認も容易になります。


例えば、道路工事で路肩や舗装の設計ラインをARで地面に表示すれば、現況とのズレを現場ですぐ確認できます。出来形検査の際にも、完成形モデルを実物に透かして重ねることで仕上がりの誤差を視覚的にチェック可能です。遠隔臨場の場合、現場スタッフがこのAR画面を撮影またはリアルタイム配信し、オフィス側の監督者が共有画面を見る形で利用します。単なる映像中継に比べ、ARで設計情報や計測結果が一目で分かるため、離れた場所からでも的確な指示や判断を下しやすくなります。


点群データと写真記録による進捗・品質管理

RTK ARのもう一つの側面は、現場の状況を点群データや高精度な位置情報付き写真として記録・共有できる点です。近年のスマートデバイスにはLiDARセンサーや高解像度カメラが搭載されており、現場で手軽に3次元の点群スキャンや撮影が行えます。これにRTKの精密座標を組み合わせれば、取得した点群や写真に絶対座標を付与することが可能です。


取得した点群データは、出来形の形状を詳細に記録するのに有用です。例えば掘削や盛土の体積を点群から算出したり、構造物の出来形を3Dで保存しておけば、後日オフィスで計測し直すこともできます。また、定点ごとの写真を日時付きでクラウドに蓄積していけば、施工の進捗を時系列で追跡することができます。ある地点の写真を過去から順に比較することで、作業の進み具合や完成度をリモートで確認できるわけです。


このように、RTK ARによる点群記録や写真のクラウド共有は、遠隔地からの施工管理にも役立ちます。現場で撮影・スキャンしたデータが即座にクラウドに同期されれば、監督者はオフィスのPCからリアルタイムに現況を把握できます。図面上の座標と照合したり、BIM/CIMモデルと重ね合わせてチェックするといった高度な品質管理も、データさえ揃っていれば場所を問わず可能になります。


ICT施工やBIM/CIMとの連携による現場DX

RTK ARによる遠隔臨場は、単体の便利ツールに留まらず、他のデジタル施工技術と組み合わせることで真価を発揮します。国土交通省が推進するICT施工(i-Construction)では、測量から設計・施工・検査まで一貫してICT(情報通信技術)を活用する流れが進んでいます。ドローン空撮による3D測量やマシンガイダンスによる施工自動化などと並び、現場をデータで管理する手法の一つが遠隔臨場です。


BIM/CIMなどの3D設計データを現場で活用する動きも加速しています。RTK ARは、BIM/CIMモデルを現場に持ち出してそのまま透かし合わせる手段となるため、設計と施工現場をデジタルで直結させる架け橋と言えます。また、点群データや出来形の測定結果をBIMモデルにフィードバックして施工記録とすれば、将来的な維持管理(メンテナンス)や検証にも役立ちます。クラウドやIoTを通じてこれらのデータを即時共有することで、リアルタイムな意思決定や施工管理の高度化が可能になります。RTK ARは、まさに現場DXを支える要素技術として、既存のICT活用基盤と親和性高く活用できるのです。


RTK AR導入による省人化と安全・品質向上への効果

遠隔臨場の実現やデータ共有がもたらす現場へのメリットとして、省人化と安全性の向上が挙げられます。以下のような効果により、施工現場の生産性と安全品質がトータルに底上げされます。


省人化と働き方改革:遠隔臨場により現場に出向く回数を減らせるため、監督員や検査員の移動負担が大幅に軽減されます。一人の監督者が一日に複数現場を確認できるようになり、人手不足の中でも効率的な施工管理が可能です。また、移動時間削減により残業削減や休息時間確保につながり、働き方改革にも寄与します。

安全性の向上:危険箇所での立ち合いや長時間の現場作業を減らせるため、事故リスクが低減します。高所・足場上での確認作業をARによるリモート確認に置き換えれば、作業員の安全確保に直結します。現場に人が少なくなることで重機との接触リスクも下がり、全体として安全管理水準が向上します。

熟練技術者の遠隔支援:経験豊富な技術者が遠隔から現場を見守り、若手担当者にリアルタイムで助言・指導できるようになります。一人の有資格者が複数現場をまとめて監督できるため、技能者不足の現場でも品質を維持した施工が可能となります。

品質確保・施工精度の向上:RTK ARを用いることで、測定データや設計情報に基づいた客観的なチェックが容易になります。従来は現場の職人任せだった部分もデジタルに二重チェックでき、ヒューマンエラーの発見・是正が早期に行えます。出来形のズレもその場で発見しやすくなるため、手直しのコスト削減や品質基準の順守にもつながります。


国が推進する現場DXとICT活用の潮流

前述の通り、国土交通省は建設業界全体のDX推進の中で遠隔臨場やICT活用を重要な施策と位置付けています。現場に行かなくても品質・出来形の確認ができる環境を整えることで、将来的には監督・検査手法そのものが変革すると期待されています。実際、遠隔臨場を導入した現場では従来比で平均80分程度の確認作業時間短縮や、工事全体で24時間以上の効率化が報告されています。今後は中央官庁だけでなく地方自治体レベルでも導入が広がり、民間工事においてもコスト削減や効率化の観点から採用が進むでしょう。


また、建設DXのトレンドとして、現場からリアルタイムにデータを取得し活用する動きは他分野にも波及しています。遠隔臨場は単に一時的なリモート対応策ではなく、BIM/CIMやクラウドと連携した新しい施工管理の形として定着しつつあります。今後ますますICT技術が進歩し、5Gなど通信環境も向上すれば、現場のあらゆる情報を即座に共有して意思決定する「リアルタイム施工管理」が当たり前になるかもしれません。そうした未来に向けて、RTK ARによる遠隔からの現場可視化は、ますます重要な役割を果たすでしょう。


現場でのRTK AR活用事例

遠隔臨場とRTK ARの技術は、既に様々な現場で実践され成果を上げています。ここではその一部を紹介します。実際の現場では、出来形検査の効率化や遠隔立会いの実施、さらには住民説明への活用など、幅広い用途でRTK ARが活躍しています。


事例1: 道路工事での出来形検査 ある道路改良工事の現場では、舗装前の路盤段階で設計モデルをタブレット上にAR表示し、仕上がり高さの確認を行いました。現場担当者が路盤面に設計の完成形を透かし込んで確認することで、低下や盛り過ぎといった不具合箇所をその場で修正できました。離れたオフィスの監督者も、送られてきたAR画面の写真から出来形の誤差を即座に把握し、追加の手直し指示を出すことなく検査が完了しています。


事例2: 護岸工事での遠隔立会い 河川の護岸補強工事では、現場にいなくても立会検査ができるよう、完成した護岸ブロックに設計3Dモデルを重ねた映像をクラウド共有しました。監督職員はオフィスのPC画面でブロックの据え付け位置や傾きを確認し、品質基準を満たしていることを遠隔で承認しました。この事例では、現場からオフィスまで片道数時間かかる移動が不要となり、大幅な時間短縮とコスト削減が実現しています。


事例3: 完成イメージの共有と合意形成 ある自治体の公園整備では、ARを使って完成予定の遊具や植栽の3Dモデルを現地に投影し、近隣住民への説明に活用しました。スマートフォンの画面越しに、公園が完成した姿をリアルに示すことで、住民は完成後のイメージを具体的に掴むことができ、工事への理解と協力を得やすくなりました。このようにARは遠隔臨場だけでなく、ステークホルダーとのコミュニケーションツールとしても有効です。


LRTKによる簡易測量とAR表示の実現

最後に、こうしたRTK ARを現場で手軽に活用するためのソリューションとしてLRTKをご紹介します。LRTKは、小型の高精度GNSS受信機と専用アプリを組み合わせて、スマートフォンひとつでセンチメートル級測位と3Dスキャン、そしてAR表示までを可能にするシステムです。さらに、設定した座標まで現場でナビゲートする座標誘導(AR杭打ち)機能も備えており、杭打ちや位置出し作業にも活用できます。難しい設定や大掛かりな機材を必要とせず、現場担当者が直感的に操作できる設計となっており、測量経験の浅い技術者でも扱いやすくなっています。


例えばLRTKを使えば、基準点測量から出来形のチェックまで一人で簡易に行え、そのデータはクラウド経由で社内共有できます。取得した写真や点群は自動で地図上に整理され、オフィスから現況を確認したり報告書にまとめたりする作業も効率化されます。また、設計データをスマートフォンに取り込んで現場でAR表示する機能も備えており、図面と現物を見比べながら施工ミスを未然に防ぐことができます。


このようにLRTKは、RTK ARのコンセプトを実務で実現するための強力なツールです。遠隔臨場による省力化・効率化を検討中の測量会社や建設技術者の方は、ぜひLRTKの簡易測量とAR機能を活用してみてはいかがでしょうか。現場DX時代の新たなスタンダードとして、場所を選ばず精度と効率を両立するLRTKが皆様の業務にも貢献できるはずです。


RTK ARで、現場とオフィスの距離をゼロにしていきましょう。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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