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道路工事完成時の品質証明をそろえるための6準備

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

道路工事完成の段階では、舗装の仕上がりや排水状況といった現場の見た目だけでなく、使用材料、施工過程、出来形、品質管理、写真記録、検査結果などを一貫して説明できる状態にしておくことが重要です。ここでいう品質証明は、特定の一枚の書類だけを指すのではなく、完成物が設計図書、仕様書、施工計画、協議内容に沿って施工されたことを示す根拠資料一式を意味します。完成検査では一般に、現地の出来ばえだけでなく、施工中にどのような管理を行ったかも確認対象になります。


品質証明をそろえる作業は、完成直前にまとめて行うものではありません。日々の施工記録、材料の受入確認、試験結果、測定値、写真、変更協議の履歴をつなげて整理しておくことで、道路工事完成時の説明がしやすくなります。本記事では、道路工事完成時に品質証明をそろえるために、実務担当者が事前に準備しておきたい6つの視点を整理します。


目次

道路工事完成時に品質証明が重要になる理由

準備1 使用材料の証明書類を施工箇所と結び付ける

準備2 施工条件と品質管理試験の記録を時系列で整理する

準備3 出来形測定と品質証明の整合を確認する

準備4 工事写真で不可視部分と施工過程を説明できる状態にする

準備5 変更協議や承諾事項を完成書類へ反映する

準備6 完成検査前に品質証明の抜けと矛盾を点検する

品質証明を現場管理の改善につなげるまとめ


道路工事完成時に品質証明が重要になる理由

道路工事完成時に品質証明が重要になるのは、完成した道路が設計図書や仕様、施工計画、発注者との協議内容に沿って施工されたことを、後から説明できるようにするためです。道路は完成後に多くの利用者が通行し、舗装、路盤、排水施設、側溝、縁石、区画線、付帯構造物などが長期間にわたって機能することを求められます。そのため、完成時には見える部分の仕上がりだけでなく、施工中にしか確認できない部分の管理状況も重要になります。


完成した舗装面がきれいに見えても、下層路盤の締固め状況、材料の品質、舗装厚、勾配、排水の取り合いなどが記録で説明できなければ、品質を示す根拠としては弱くなります。逆に、複雑な現場条件があった場合でも、事前協議、施工方法、測定値、写真、試験結果が整っていれば、なぜその施工方法や納まりになったのかを落ち着いて説明できます。完成検査で指摘を減らすには、現場の状態と書類の内容が同じ流れでつながっていることが大切です。


道路工事の品質証明で問題になりやすいのは、書類そのものがないことだけではありません。書類はあるものの、どの施工箇所を示しているのか分からない、日付が施工時期と合っていない、写真と測定記録が結び付かない、変更後の内容が完成図や品質記録に反映されていない、といった状態も実務上のリスクになります。完成時には多くの資料を短時間で確認するため、関係性が分かりにくい資料は説明の負担を増やします。


品質証明は、発注者や監督職員に対する説明資料であると同時に、施工者自身を守る記録でもあります。完成後に沈下、ひび割れ、排水不良、段差、構造物周辺の不具合などが発生した場合、施工当時にどのような材料を使い、どのように管理し、どの時点で確認したかを示す資料が必要になることがあります。記録が整理されていれば、原因の切り分けや補修方針の検討にも役立ちます。


また、道路工事完成時の品質証明は、将来の維持管理や次の工事にもつながります。埋設物、既設構造物との取り合い、排水施設の位置、舗装構成、現場で変更した納まりなどは、完成後に見えにくくなる情報です。これらが正しく整理されていれば、将来の補修、占用工事、更新工事の際にも有効な基礎資料になります。完成時の書類整理は、目の前の検査対応だけでなく、道路を安全に使い続けるための情報整理でもあります。


品質証明をそろえるうえで最初に意識したいのは、完成検査の直前に不足資料を探すのではなく、施工中から必要な情報を積み上げることです。材料を受け入れたとき、路盤を仕上げたとき、舗装を敷きならしたとき、側溝や縁石を据え付けたとき、出来形を測ったとき、それぞれの段階で記録を残し、後でたどれるようにしておく必要があります。道路工事完成時の品質証明は、日々の現場管理の結果として整うものです。


準備1 使用材料の証明書類を施工箇所と結び付ける

品質証明の基本になるのが、使用材料に関する書類です。道路工事では、路盤材、アスファルト混合物、コンクリート二次製品、側溝、集水桝、縁石、区画線材料、埋戻し材、鉄筋、目地材、その他の付属資材など、多くの材料が使われます。これらの材料が設計図書や仕様に適合していることを示すためには、材料承諾、品質証明書、試験成績書、納入伝票、受入記録などを整理しておくことが大切です。


このとき重要なのは、単に証明書を保管するだけでなく、実際にどの施工箇所で使った材料なのかを結び付けることです。同じ種類の舗装材料であっても、車道部、歩道部、取付道路、乗入部、補修範囲などで使用日や数量が異なる場合があります。証明書と納入日、施工日、施工箇所、写真、出来形記録がつながっていなければ、完成時に説明しようとしても根拠がぼやけてしまいます。


材料の証明書類を整理する際は、材料名だけでなく、規格、製造または出荷日、納入日、数量、使用箇所、関連する施工日を確認します。現場では工程変更や天候の影響により、予定していた日に施工できないこともあります。そのため、当初の施工計画と実際の使用日がずれている場合は、実際の施工記録に合わせて整理する必要があります。納入伝票だけを見ても、どの場所で使ったかが分からない状態では、完成時の品質証明として不十分になりやすいです。


材料の受入時には、数量や規格だけでなく、破損、汚れ、変形、異物混入、保管状態なども確認します。コンクリート製品や鋼製部材などは、搬入時点で欠けや曲がりがないかを確認し、必要に応じて写真を残しておくと後日の説明がしやすくなります。舗装材料や路盤材についても、納入時刻、施工時の天候、敷均しや転圧の状況とあわせて整理しておくことで、材料と施工品質の関係を説明しやすくなります。


材料関係の書類で注意したいのは、対象工事で使用していない材料の証明書が混在することです。複数工区や近接工事を同時に扱っている場合、似た材料の証明書が混ざることがあります。完成時に誤った証明書を提出すると、書類全体の信頼性に影響します。材料名、規格、数量、納入先、施工箇所を照合し、対象工事に関係するものだけを整理することが大切です。


代替材料を使用した場合や、当初予定と異なる規格の材料を使う必要が生じた場合は、発注者との協議、承諾、変更内容の記録を材料証明と一体で整理します。現場判断だけで済ませたように見える書類構成では、完成時に説明が難しくなります。やむを得ない変更であっても、理由、承諾日、対象箇所、使用材料、品質確認の方法がつながっていれば、品質証明として説明しやすくなります。


道路工事完成時に材料書類を確認する担当者は、材料の専門家だけではありません。検査時には限られた時間で多くの項目を確認するため、誰が見ても対象箇所が分かるように整理しておくことが望ましいです。材料ごと、工種ごと、施工箇所ごとに関係書類をまとめ、写真や施工日報と照合できる状態にすることで、説明の手戻りを減らせます。


準備2 施工条件と品質管理試験の記録を時系列で整理する

道路工事の品質は、材料だけで決まるものではありません。同じ材料を使っていても、施工時の天候、気温、路面状態、含水比、敷均し厚、転圧回数、養生状況、交通開放までの時間などによって仕上がりや耐久性に差が出ることがあります。そのため、品質証明をそろえるには、施工条件と品質管理試験の記録を時系列で整理しておくことが重要です。


舗装工では、施工日の気象条件、施工範囲、使用材料、敷均し、転圧、温度管理、継目処理、交通規制の状況などが品質説明の根拠になります。路盤工では、材料の敷均し厚、締固め状況、含水状態、仕上がり高さ、転圧機械の使用状況などが確認対象になります。排水構造物や側溝の施工では、基礎の状態、据付高さ、通り、勾配、目地処理、埋戻しや締固めの状況が品質に関係します。これらは完成後に見えなくなる部分も多いため、施工中の記録が特に重要です。


品質管理試験の記録は、試験結果だけを抜き出して保管するのではなく、どの施工箇所、どの施工日に対応するものかを明確にしておく必要があります。締固め度、粒度、温度、強度、密度、厚さなどの管理値は、それぞれ対象範囲があります。試験結果が管理基準を満たしていても、試験位置や対象ロットが分からなければ、完成時の説明力は弱くなります。試験番号、採取位置、採取日、施工日、工種、測点や区間を関連付けておくことが実務上の要点です。


時系列整理で有効なのは、施工の流れに沿って記録を確認することです。材料承諾、材料搬入、受入確認、施工、品質試験、出来形測定、写真撮影、監督職員の確認、次工程への移行という流れが自然につながっていれば、完成時の説明はしやすくなります。一方で、試験日はあるのに施工日が分からない、写真はあるのに試験結果と対応しない、日報には施工したとあるのに品質記録がない、といった状態は早めに是正する必要があります。


天候や現場条件の記録も軽視できません。雨天後の路盤施工、冬季や夏季の舗装、地下水や湧水がある箇所、既設構造物に近接する箇所、交通を切り回しながら施工した箇所などは、品質への影響を説明する機会が増えます。通常と異なる条件で施工した場合は、どのような対策を行い、どのように品質を確認したかを残しておくと、完成時の不安要素を減らせます。


品質管理試験で再確認や手直しが発生した場合は、最初の結果だけでなく、その後の対応も記録します。基準値に対して余裕が少ない結果、再測定、再転圧、補修、施工方法の見直しなどがあった場合、対応前後の記録が整理されていれば、品質管理を適切に行ったことを説明できます。問題がなかったように見せるために記録を省くのではなく、確認し、判断し、対応した流れを示すことが、信頼性の高い品質証明につながります。


完成時に品質管理資料をまとめる際は、工種別に整理するだけでなく、工区や測点ごとに追えるようにしておくと便利です。道路工事では施工延長が長く、場所によって条件が変わることがあります。起点側と終点側、交差点部、取付部、歩道部、車道部、側溝周辺など、品質確認の対象範囲を空間的に整理することで、書類と現場の対応関係が分かりやすくなります。


準備3 出来形測定と品質証明の整合を確認する

道路工事完成時には、出来形測定の結果と品質証明が整合していることが重要です。出来形は、設計どおりの位置、高さ、幅、厚さ、延長、勾配、構造物寸法などで施工されているかを示す記録です。一方、品質証明は、材料や施工方法、管理試験の結果によって、完成物が必要な品質を満たすことを示す記録です。この二つが別々に存在しているだけでは十分ではなく、同じ施工対象を説明していることが分かるようにそろえる必要があります。


舗装厚の出来形測定が設計値を満たしていても、その舗装に使われた材料の証明、施工温度の記録、転圧状況、施工写真が対応していなければ、品質説明としては不安が残ります。側溝の高さや勾配が測定記録で確認できても、基礎施工、据付状況、埋戻し、目地処理の写真や材料証明が整理されていなければ、完成後に見えない部分の説明が弱くなります。出来形と品質の整合は、完成検査での説得力を大きく左右します。


出来形測定の整理では、測点、測定日、測定者、測定機器、設計値、実測値、差異、判定を明確にします。ただし、数値が並んでいるだけでは現場との対応が分かりにくい場合があります。測点番号や施工区間、構造物番号、写真番号、図面上の位置を関連付けることで、検査時に現場と書類を行き来しやすくなります。特に道路工事では、延長方向に似た箇所が続くため、どの位置の測定なのかを明確にする工夫が必要です。


品質証明との整合を確認する際は、測定値が基準内であるかだけでなく、設計変更や現場条件の反映漏れがないかを確認します。施工途中で高さ、幅員、排水勾配、構造物位置、舗装範囲などが変更された場合、出来形管理表、完成図、写真、材料数量、品質管理資料が変更後の内容に合っている必要があります。どれか一つだけが当初設計のまま残っていると、完成時に矛盾として指摘される可能性があります。


出来形測定では、現場の納まりに合わせて局所的な調整が発生することがあります。既設道路とのすり付け、民地出入口との取り合い、マンホールや桝周辺の高さ調整、横断勾配の変化点、歩車道境界部などは、設計値だけでは表現しきれない場合があります。このような箇所では、協議記録や施工写真、測定値を組み合わせて、なぜその納まりになったのかを説明できるようにしておくことが大切です。


出来形と品質の整合を確認するには、完成前の段階で現場確認と書類確認を同時に行うことが有効です。現場を歩きながら、測定記録に記載された箇所を確認し、写真と照合し、材料や試験結果とのつながりを確認します。机上で書類だけを見ていると、現地の取り合いや見え方を見落とすことがあります。逆に、現場だけを見ていると、書類上の測点や記録の抜けに気付きにくくなります。両方を合わせて確認することで、完成時の品質証明に厚みが出ます。


測定機器や測定方法についても、必要に応じて説明できる状態にしておきます。現場で高精度な位置情報を扱う機会が増えており、座標、標高、出来形点群、写真位置などを組み合わせた管理も行われます。ただし、便利な測定方法を使っていても、基準点、座標系、測定条件、記録の保存方法が不明確であれば、証明資料として使いにくくなります。測定値の正確さだけでなく、どのような前提で得た数値なのかを整理しておくことが重要です。


準備4 工事写真で不可視部分と施工過程を説明できる状態にする

道路工事完成時の品質証明において、工事写真は重要な役割を持ちます。完成後に見えるのは舗装面、側溝蓋、縁石、区画線、標識や付帯施設などの表面部分が中心です。しかし、道路の品質を支えるのは、路床、路盤、基礎、埋戻し、締固め、構造物背面、排水施設の接続部など、完成後には確認しにくくなる部分です。これらを説明するためには、施工中の写真記録を適切に残しておく必要があります。


工事写真で大切なのは、撮影枚数の多さではなく、品質を説明するために必要な場面が押さえられていることです。材料搬入、施工前、施工中、完了後、測定状況、試験状況、不可視部分、手直し前後、変更箇所、立会確認の状況など、後から確認したい場面を意識して撮影します。完成時に写真を見返したとき、何を示す写真なのか、どの箇所なのか、どの工程なのかが分からない写真は、証明資料として使いにくくなります。


写真には、工種、施工箇所、測点、日付、作業内容が分かる情報を添えることが重要です。現場では似たような写真が多くなりがちです。特に道路延長が長い場合や同じ構造物が連続する場合、撮影した本人でなければ場所を特定できない写真が増えます。写真整理の段階で迷わないように、撮影時点から位置情報や施工区間を意識しておく必要があります。


不可視部分の写真では、施工前後のつながりを残すことが有効です。例えば、側溝を据え付ける前の基礎状態、据付後の高さ確認、目地や接続部の処理、埋戻し前の状態、埋戻しと転圧の状況、完成後の外観が順番にそろっていれば、施工過程を説明しやすくなります。路盤や舗装でも、下地の状態、材料敷均し、厚さ確認、転圧、仕上がり確認がつながっていれば、完成後に見えない工程を補足できます。


写真と品質管理試験、出来形測定を結び付けることも重要です。試験を実施している写真だけがあっても、試験結果表と対応していなければ、説明の際に探す手間がかかります。測定中の写真も、測定値や出来形管理表と対応していなければ、証明力が弱くなります。写真番号や撮影日、測点、試験番号を整理して、関連資料をすぐに示せるようにしておくと、完成検査での対応がスムーズになります。


工事写真で注意したいのは、品質上の確認が必要な箇所を撮影しないまま次工程に進んでしまうことです。現場では工程を優先したくなる場面がありますが、不可視部分の記録を逃すと後から取り戻すことは困難です。埋戻し前、舗装前、構造物を覆う前、交通開放前など、記録を残すべきタイミングを現場内で共有しておくことが大切です。写真担当者だけでなく、施工管理者、協力会社、測量担当者が同じ認識を持つことで、撮り漏れを減らせます。


写真は事実を示す資料であるため、過度な演出や説明不足は避ける必要があります。黒板や写真情報に記載した内容と、実際の施工箇所や日付が合っていないと、書類全体の信頼性に影響します。後で整理しやすくするために撮影情報を整えることは大切ですが、現場実態と異なる表示にならないよう注意します。道路工事完成時の品質証明では、写真が他の書類と矛盾しないことが基本です。


完成前には、写真だけを単独で確認するのではなく、材料証明、品質試験、出来形測定、施工日報、協議記録と照合します。写真で示せること、数値で示すこと、協議記録で説明することを分けて整理すれば、完成時の説明に無理がなくなります。写真は品質証明の中心的な資料の一つですが、写真だけですべてを証明しようとするのではなく、複数の資料をつなぐ役割として活用することが効果的です。


準備5 変更協議や承諾事項を完成書類へ反映する

道路工事では、着工前の設計図書どおりにすべてが進むとは限りません。既設構造物の位置、地下埋設物、交通条件、沿道利用、地盤状態、排水経路、関係機関との調整、天候や工程上の制約によって、施工方法や納まりを変更することがあります。こうした変更は、現場では合理的な判断であっても、完成書類に反映されていなければ、品質証明上の不整合として見られることがあります。


変更協議や承諾事項を整理する際は、変更の理由、協議日、関係者、対象箇所、変更内容、品質への影響、確認方法を明確にします。排水勾配を現地条件に合わせて調整した場合は、なぜ調整が必要だったのか、どの範囲を変更したのか、完成後に排水機能をどのように確認したのかを示す必要があります。舗装範囲や構造物位置を変更した場合も、図面、出来形、写真、数量、品質管理資料が変更後の状態に合っていることが重要です。


品質証明でよく起こる問題は、協議記録は残っているのに、完成図や出来形管理表が更新されていないことです。現場では変更内容を把握していても、書類上は当初設計のままになっていると、完成時に矛盾が生じます。また、材料を変更した場合に材料承諾だけが残り、使用箇所や品質確認の記録が追いついていないこともあります。変更は単独の書類で完結させず、関係する完成書類全体へ反映する必要があります。


承諾事項についても、口頭確認だけに頼らないことが大切です。現場で監督職員や関係者と確認した内容があっても、後から見返せる記録がなければ、完成時に説明が難しくなります。特に、既設物との取り合い、境界付近の納まり、民地出入口、仮復旧から本復旧への移行、交通開放に関する判断などは、関係者の認識がずれるとトラブルにつながりやすい項目です。確認した内容は、日付、場所、判断内容が分かる形で整理しておくことが望ましいです。


変更協議を完成書類へ反映する際は、品質を下げる変更ではないことを説明できるようにします。設計と異なる施工をしたという事実だけが目立つと、完成時に不安を与えます。しかし、現場条件に合わせて合理的に変更し、必要な品質確認を行い、関係者の承諾を得ていることが整理されていれば、適切な施工管理として説明できます。変更後の品質をどの資料で確認できるかを明確にすることが重要です。


変更によって数量や範囲が変わった場合は、出来形数量、写真、完成図、材料使用量、品質管理対象範囲が一致しているかを確認します。舗装延長が変わったのに品質試験の対象範囲が当初のままになっている、側溝の施工範囲が変更されたのに写真整理が旧区間の表記になっている、といった小さな不一致が完成時の説明を難しくします。変更箇所ほど重点的に照合する姿勢が必要です。


道路工事完成時の品質証明では、変更があったこと自体が問題なのではありません。問題になるのは、変更の理由と結果が説明できないことです。現場では多くの判断が積み重なります。その判断を完成時にたどれるようにしておくことで、品質証明は単なる結果の提出ではなく、施工管理の妥当性を示す資料になります。


準備6 完成検査前に品質証明の抜けと矛盾を点検する

道路工事完成時に品質証明をそろえるためには、完成検査前の点検が欠かせません。施工中に記録を積み上げていても、完成直前には多くの資料が散在していることがあります。材料証明、品質試験、出来形測定、写真、施工日報、協議記録、完成図、数量資料が別々に整理されていると、抜けや矛盾に気付きにくくなります。検査前には、品質を説明する一連の資料として見直す時間を確保することが大切です。


点検の第一段階では、工種ごとに必要な品質証明がそろっているかを確認します。路床、路盤、舗装、排水施設、縁石、歩道、区画線、付帯構造物、復旧部など、対象工種を洗い出し、それぞれに材料、施工記録、品質管理試験、出来形、写真、変更協議が対応しているかを確認します。工事規模が大きい場合は、工区や施工区間ごとに確認すると抜けを見つけやすくなります。


第二段階では、日付と時系列の整合を確認します。材料搬入日より前に施工写真がある、品質試験日が施工日と大きくずれている、変更協議日より前に変更後の施工が完了しているように見える、完成図と出来形測定の日付が説明しにくい、といった不自然な関係がないかを見ます。実際には記録の入力ミスや写真整理時の転記ミスであることも多いため、完成前に修正できるものは早めに整えます。


第三段階では、数値の整合を確認します。設計値、実測値、管理基準、出来形数量、材料数量、施工延長、写真の表示内容が矛盾していないかを確認します。道路工事では、延長、幅員、面積、厚さ、勾配、高さなどの数値が多く登場します。一つの資料で数値を修正しても、別の資料に古い数値が残っていることがあります。完成時には、どの数値が最終の管理値なのかを明確にしておく必要があります。


第四段階では、現場と書類の一致を確認します。完成書類上は施工済みになっているが現場で表示や仕上げが不足している、写真にはあるが現場では撤去済みで確認できない、完成図の位置と現地の構造物位置が合っていない、といった状態がないかを見ます。完成検査では現地確認と書類確認が組み合わされるため、書類だけを整えても現場と合っていなければ指摘につながります。完成前の社内確認では、現場を歩きながら書類と照合することが有効です。


第五段階では、説明の流れを確認します。品質証明は、資料が存在するだけでなく、質問されたときにすぐ説明できることが重要です。ある舗装区間について聞かれたときに、使用材料、施工日、温度管理、転圧状況、品質試験、出来形測定、写真、変更の有無を順番に示せるかを確認します。説明に時間がかかる箇所は、資料の整理方法に改善の余地があると考えられます。


完成検査前の点検では、担当者本人だけでなく、第三者的な視点で確認することも有効です。施工を担当した人は現場の経緯をよく知っているため、書類に不足があっても頭の中で補って読んでしまうことがあります。しかし、検査担当者や発注者はその経緯をすべて知っているわけではありません。別の担当者に確認してもらい、初見でも分かる資料構成になっているかを点検すると、説明不足を見つけやすくなります。


完成書類の電子化が進む現場では、ファイル名、保存場所、写真番号、図面番号、測定表の版管理も重要です。古い版と新しい版が混在していると、検査時に誤った資料を示すリスクがあります。最終版がどれか、変更履歴がどうなっているか、提出対象と社内控えの違いが整理されているかを確認します。品質証明の内容が正しくても、探せない、開けない、最新版が分からない状態では、完成時の実務に支障が出ます。


完成検査前の点検は、指摘を受けないためだけの作業ではありません。現場管理の弱点を振り返る機会でもあります。どの工種で写真が不足しやすかったか、どの資料で転記ミスが起こりやすかったか、変更協議の反映に時間がかかったかを整理すれば、次の工事で改善できます。品質証明をそろえる作業を単なる事務処理で終わらせず、現場管理の精度を高める活動として位置付けることが大切です。


品質証明を現場管理の改善につなげるまとめ

道路工事完成時の品質証明をそろえるためには、材料、施工条件、品質管理試験、出来形、写真、変更協議、完成書類を個別に整理するだけでは不十分です。それぞれの資料が同じ施工対象を説明し、現場の実態と矛盾なくつながっていることが重要です。完成検査では、完成物そのものの状態に加えて、そこに至るまでの管理過程が確認されます。品質証明は、その管理過程を分かりやすく示すための根拠です。


使用材料の証明書類では、規格や試験成績だけでなく、施工箇所との対応が欠かせません。施工条件と品質管理試験では、時系列と対象範囲を整理することで、どの工程でどのような確認を行ったかを説明できます。出来形測定では、数値の適合だけでなく、品質資料や完成図との整合が求められます。工事写真では、完成後に見えなくなる部分や施工過程を補足し、書類だけでは伝わりにくい現場状況を示します。変更協議や承諾事項は、完成書類全体に反映して初めて品質証明として機能します。そして、完成検査前の点検では、抜け、矛盾、版の混在、説明しにくい箇所を早めに見つけることが重要です。


道路工事完成の段階で慌てて品質証明を集めると、どうしても資料探しや修正対応に追われます。一方で、施工中から記録のつながりを意識しておけば、完成時には説明に集中できます。品質証明をそろえる力は、完成検査のためだけではなく、日々の施工管理、協力会社との情報共有、発注者への説明、将来の維持管理にも役立ちます。現場で起きた判断や確認を、後から誰でもたどれる形にすることが、品質の信頼性を高めます。


特に道路工事では、位置、高さ、勾配、幅員、延長、施工範囲などの情報が品質証明の土台になります。写真や測定記録があっても、位置が曖昧なままでは完成時の説明に時間がかかります。現場のどの場所で、どの材料を使い、どのような施工を行い、どの数値で確認したのかを一体で残すことが、これからの品質管理ではますます重要になります。


高精度な位置情報を扱える測定・記録の仕組みや、写真と施工箇所を結び付けやすい管理体制を取り入れる場合も、重要なのは機器や仕組みを導入すること自体ではありません。どの情報を、いつ、誰が、どの施工箇所にひも付けて残すのかを現場内で統一し、完成時に説明できる状態へ整理することです。道路工事完成時に説明しやすい品質証明を整えるためにも、日々の記録を確実に残せる体制づくりを進めていきましょう。


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