道路工事完成の段階で、現場担当者が最後まで気を抜けない作業の一つが本復旧です。仮復旧の状態では問題が見えにくくても、舗装を本復旧した後に段差、沈下、ひび割れ、排水不良、境界部の不整合、既設構造物との取り合い不良が見つかると、再施工や追加調整が必要になり、工程、品質、近隣対応、引渡し後の信頼に影響します。本復旧は単に舗装を仕上げる工程ではなく、道路工事全体の品質を最終的に見える形へ整える工程です。
この記事では、「道路工事完成」で検索する実務担当者に向けて、道路工事完成時の本復旧で手戻りを防ぐために押さえておきたい6つの基本を、現場で使いやすい視点で解説します。なお、実際の施工条件、管理基準、出来形・品質管理の方法は、発注者の仕様書、設計図書、道路管理者の基準、現場条件によって異なります。ここでは特定の工事や基準値を断定せず、実務上の確認観点として整理します。
目次
• 道路工事完成時の本復旧は最終品質を決める工程
• 基本1として本復旧範囲と施工条件を事前に明確化する
• 基本2として既設舗装との取り合いを丁寧に確認する
• 基本3として路盤と転圧の状態を仕上がり前に確認する
• 基本4として高さと勾配を現場で重ねて確認する
• 基本5として排水と端部処理を完成後の使われ方から見る
• 基本6として記録と共有を残し検査と引渡しに備える
• 道路工事完成時の本復旧を確実に進めるために
道路工事完成時の本復旧は最終品質を決める工程
道路工事完成時の本復旧は、掘削、埋戻し、仮復旧、付帯構造物の調整といった前工程の品質が最終的に表面へ現れる重要な工程です。舗装面だけを見ると最後にきれいに仕上げる作業のように見えますが、実際には地下の埋戻し状態、路盤の締固め、既設舗装との接続、側溝や集水ますとの高さ関係、歩行者や車両の動線、雨水の流れまで含めて整合させる必要があります。
本復旧で手戻りが起きやすい理由は、施工範囲が比較的狭い場合でも、関係する条件が多いからです。たとえば、車道部の一部を掘削して復旧する工事では、復旧範囲の幅や延長だけでなく、既設舗装の劣化状態、切断位置、周辺のマンホールや桝、路肩や側溝の状態、交通開放後の荷重、雨天時の水の流れを考慮しなければなりません。図面上では単純な矩形の復旧範囲に見えても、現場では既設面が微妙に波打っていたり、勾配が一定でなかったり、過去の補修跡が重なっていたりすることがあります。
道路工事完成に近づくほど、工程上の余裕は少なくなりがちです。そのため、本復旧後に不具合が見つかると、再度の交通規制、舗装切断、撤去、路盤調整、再舗設、周辺清掃、写真整理、発注者や道路管理者との再調整が発生する場合があります。作業そのものの負担だけでなく、近隣住民や通行者への説明、占用者や関係業者との調整、工期への影響も無視できません。
本復旧の品質は、完成後すぐに見える部分と、供用開始後に時間差で表れる部分があります。完成直後には平坦に見えても、転圧不足や埋戻し不良があると、一定期間の供用後に沈下や段差として表れることがあります。勾配が不自然なまま仕上がると、雨天時に水たまりができ、舗装の劣化や利用者からの問い合わせにつながることもあります。端部処理が甘いと、既設舗装との境目からひび割れや剥離が進みやすくなります。
したがって、本復旧で大切なのは、完成時点の見た目だけで判断しないことです。完成後に車両が通る、歩行者が歩く、雨水が流れる、維持管理担当者が点検するという実際の使われ方を想定し、施工範囲全体を一つの道路として整える意識が必要です。道路工事完成時の本復旧は、単なる仕上げではなく、工事全体の信頼性を確定させる最終確認工程だと捉えることが大切です。
基本1として本復旧範囲と施工条件を事前に明確化する
本復旧で手戻りを防ぐ第一の基本は、復旧範囲と施工条件を曖昧なまま進めないことです。道路工事では、掘削範囲、影響範囲、舗装切断範囲、本復旧範囲が必ずしも同じになるとは限りません。現場の状況によっては、設計図書に示された範囲に加えて、既設舗装の傷み、仮復旧時の変形、切断端部の欠け、交通荷重による影響を考慮して、復旧範囲の調整が必要になる場合があります。
本復旧前には、まずどこまでを復旧対象とするのかを現場で確認します。車道部、路肩部、歩道部、乗入れ部、交差点部、側溝際、マンホール周辺など、施工範囲に含まれる要素を一つずつ見ていくことが大切です。特に既設舗装に補修跡が多い場所や、過去の掘削跡が重なっている場所では、どの線で切って、どの範囲を一体として仕上げるのかを事前に決めておかないと、施工後に「ここまで直すべきだった」という指摘につながりやすくなります。
復旧範囲を決める際には、図面だけでなく、現場写真、測点、構造物位置、境界、既設舗装の状態を合わせて確認する必要があります。図面上の寸法が正しくても、現場の既設構造物がずれていたり、現況舗装の端部が不規則だったりすることはあります。本復旧では、設計上の復旧範囲と現場で自然に見える仕上がり範囲の両方を考えることが重要です。
施工条件の確認も欠かせません。舗装構成、路盤厚、表層厚、材料の種類、転圧条件、施工時間帯、交通規制の条件、養生や交 通開放のタイミングなどを事前に整理します。特に道路工事完成が近い時期は、別工種の仕上げ、検査前の清掃、完成図書の整理、関係者立会いなどが重なりやすく、現場内で作業が錯綜しがちです。本復旧に必要な作業時間や重機の動線、材料搬入のタイミングが曖昧だと、急ぎの施工になり、品質確認が不十分になるおそれがあります。
また、本復旧範囲は発注者、道路管理者、占用者、関連工事の担当者との認識合わせが重要です。現場担当者だけが「ここまででよい」と判断しても、検査時や引渡し時に別の見方をされれば手戻りになります。特に道路工事完成前の段階では、変更協議や現場条件の記録を残しておくことで、後から判断の根拠を説明しやすくなります。口頭確認だけに頼らず、写真、測定記録、簡単な位置図、打合せ記録などに残しておくと安全です。
本復旧の範囲と条件が明確であれば、現場作業員への指示も具体的になります。どこで舗装を切断するのか、どの高さに合わせるのか、既設舗装との段差をどのように管理するのか、端部をどのように処理するのかを共有できれば、施工中の迷いが減ります。反対に、範囲と条件が曖昧なままだと、現場ごとの経験に頼った判断になり、仕上がりにばらつき が出ます。道路工事完成時の本復旧では、着手前の確認こそが手戻り防止の第一歩です。
基本2として既設舗装との取り合いを丁寧に確認する
本復旧で不具合が目立ちやすいのは、復旧した舗装面そのものよりも、既設舗装との取り合い部分です。復旧範囲内がきれいに仕上がっていても、既設舗装との境目に段差、隙間、ひび割れ、波打ち、色や質感の極端な違和感があると、完成時の印象を大きく損ないます。道路工事完成時には、検査員や道路管理者だけでなく、通行者や近隣住民も完成後の路面を日常的に見るため、取り合いの仕上げは品質評価に関係します。
既設舗装との取り合いでまず確認すべきなのは、切断位置です。舗装切断線が不自然に曲がっていたり、既設のひび割れや弱い部分を残したまま復旧したりすると、完成後に境目から破損が広がりやすくなります。切断線は施工しやすさだけでなく、既設舗装の健全部分に接続できるか、見た目として自然か、車輪が通過したときに局所的な衝撃が出にくいかを考えて設定します。小さな復旧範囲でも、端部の処理が弱ければ道路全体の耐久性に影響します。
次に重要なのは、高さのすり付けです。本復旧範囲と既設舗装の高さが合わないと、車両走行時の衝撃、歩行者のつまずき、二輪車の不安定な挙動、雨水の滞留につながることがあります。特に歩道、横断歩道付近、乗入れ部、バス停付近、沿道施設の出入口では、わずかな段差でも利用者にとって大きな違和感になります。高さ合わせは一点の測定だけでは不十分です。復旧範囲の四隅、中央、端部、既設構造物周辺を複数点で確認し、面として自然につながっているかを見ます。
既設舗装がすでに劣化している場合は、単純に既設面へ合わせるだけでは問題が残ることがあります。既設面に沈下やわだち、ひび割れ、凹凸があると、その高さに無理に合わせることで、本復旧部分も不自然な勾配や局所的な凹みを持つ仕上がりになります。このような場合は、復旧範囲の拡大、すり付け区間の確保、段階的な高さ調整などを検討し、必要に応じて関係者と協議します。完成後に「既設に合わせたから問題ない」と説明しても、利用上の不具合が出れば再対応を求められることがあるため、事前判断が重要です。
取り合い部では、端部の締固めと密着も見落とせません。舗装の端部は転圧が不足しやすく、密度が確保されにくい箇所です。端部が弱いと、交通荷重や雨水の侵入によって剥離や欠けが進みます。特に狭い復旧幅や構造物際では、大型の転圧機械が十分に近づけないことがあります。その場合は、狭小部に適した締固め方法を選び、端部まで確実に密実に仕上げる必要があります。
また、既設舗装との取り合いは見た目の連続性も大切です。本復旧範囲の形が不自然だったり、端部が粗かったりすると、完成時に補修跡が強く目立ちます。道路工事では完全に既設と同じ色や質感にすることは難しい場合がありますが、切断線の直線性、端部の清掃、接着処理の適切さ、舗装表面の均一性を意識することで、完成後の印象は変わります。道路工事完成時の本復旧では、復旧した部分だけでなく、既設道路と一体で見たときの自然さを確認することが欠かせません。
基本3として路盤と転圧の状態を仕上がり前に確認する
本復旧の 表面をどれだけ丁寧に仕上げても、路盤や埋戻しの状態が不十分であれば、完成後の沈下やひび割れを防ぐことは難しくなります。道路工事完成時の本復旧では、舗装を敷きならす直前までの下地確認が非常に重要です。表面に隠れてしまう部分ほど、完成後に確認しにくく、問題が出たときには大きな手戻りになります。
まず確認すべきなのは、埋戻しと路床の状態です。掘削を伴う道路工事では、埋戻し材料の種類、敷均し厚、含水状態、締固め状態が仕上がりに影響します。含水が多すぎる材料や、締固めが不十分な材料が残っていると、交通荷重を受けたときに沈下しやすくなります。反対に乾燥しすぎて締まりにくい場合も、十分な密実性を得られないことがあります。現場では、見た目が平らでも内部が緩いことがあるため、施工中の段階管理が重要です。
路盤の厚さと均一性も確認します。路盤厚が不足している箇所や、材料の粒度が不均一な箇所があると、舗装面に局所的な変形が出やすくなります。特に狭い掘削復旧では、埋設物や既設構造物を避けながら作業するため、路盤の敷均しが不均一になりがちです。隅部や構造物際に材料が十分に入っているか、転圧機械が届きにくい箇所がないかを確認し、必要に応 じて人力で補助しながら丁寧に仕上げます。
転圧は本復旧の耐久性を左右する重要な作業です。転圧不足は沈下の原因になり、過度な転圧や不適切な転圧は材料の乱れや構造物への影響を招くことがあります。現場では、使用する転圧機械、転圧回数、施工幅、端部処理、構造物際の締固め方法を事前に確認します。車道部と歩道部、路肩部では必要な耐荷重や施工条件が異なるため、場所に応じた管理が必要です。
本復旧前には、路盤面の高さ、平坦性、勾配も確認します。表層で無理に高さを調整しようとすると、舗装厚が不均一になり、耐久性が低下するおそれがあります。路盤の段階で適切な高さと勾配を確保しておけば、表層の仕上げが安定します。特にマンホールや弁室、側溝、縁石、集水ますなどの既設構造物がある箇所では、周辺の路盤高さを丁寧に合わせておくことが大切です。
雨天後や湧水のある現場では、路盤面の水分状態にも注意が必要です。水を含んだ状態で舗装を進めると、締固め不良や接着不良、後日の剥 離につながる可能性があります。施工を急ぎたい道路工事完成前の段階でも、下地の状態が悪いまま本復旧に進むことは避けるべきです。必要に応じて排水、乾燥、材料入替え、再転圧を行い、完成後に見えなくなる部分を確実に整えます。
下地確認で重要なのは、施工担当者だけの感覚に頼らず、写真と記録を残すことです。舗装後には路盤状態を直接確認できないため、復旧範囲、材料投入状況、敷均し、転圧、仕上がり高さの確認写真を残しておくと、検査や引渡し後の説明に役立ちます。道路工事完成時の本復旧で手戻りを防ぐには、見えなくなる前の品質を確実に押さえることが不可欠です。
基本4として高さと勾配を現場で重ねて確認する
本復旧で手戻りにつながりやすい代表的な問題が、高さと勾配の不整合です。道路は平らに見えても、実際には排水や走行性を考えた細かな勾配で構成されています。道路工事完成時の本復旧では、設計上の高さだけでなく、既設道路、側溝、桝、縁石、出入口、横断部との関係を現場で重ねて確認する必要があります。
高さ確認では、まず基準となる点を明確にします。図面上の計画高、既設構造物の高さ、仮復旧時の高さ、周辺舗装の現況高が混在していると、どれに合わせるべきか判断がぶれます。特に改修工事や占用工事に伴う復旧では、既設道路が必ずしも設計どおりの高さになっているとは限りません。設計値だけを追いかけると既設面との段差が生じ、既設面だけに合わせると排水勾配が崩れることがあります。そのため、計画と現況の両方を確認し、完成時に合理的な面を作る考え方が必要です。
勾配確認では、水の流れを意識することが重要です。道路工事完成時に見た目が整っていても、雨天時に水たまりが発生すれば不具合として認識されます。復旧範囲内だけでなく、周辺から水がどこへ流れ、どの集水ますへ入るのかを確認します。道路中央から路肩へ流れるのか、縁石沿いに流れるのか、出入口前で滞留しないか、側溝際で逆勾配になっていないかを現場で見ることが大切です。
高さと勾配は一度の測定で判断しないほうが安全です。本復旧前、路盤仕上げ後、舗設 中、転圧後、完成後の複数段階で確認することで、施工中の変化に気づきやすくなります。舗装材料は敷きならし時と転圧後で高さが変わるため、仕上がりを見越した管理が必要です。経験に基づく見込みも大切ですが、狭い範囲ほどわずかな誤差が段差や逆勾配として目立つため、測定による確認を組み合わせることが望ましいです。
マンホールや桝などの鉄蓋周辺は、特に注意が必要です。鉄蓋が舗装面より高すぎると車両通過時の衝撃や騒音につながり、低すぎると水たまりや段差の原因になります。鉄蓋周辺は転圧が難しく、舗装面が波打ちやすい箇所でもあります。鉄蓋だけを点で合わせるのではなく、周囲の舗装面が自然な面としてつながるように調整します。
歩道や乗入れ部では、歩行者、自転車、車いす、ベビーカーなどの利用を想定した高さ確認が必要です。車道部では問題にならない程度の段差でも、歩行空間では安全性や使いやすさに影響します。道路工事完成時には、車道の仕上がりだけでなく、歩道端部、縁石、民地出入口、横断箇所との接続を確認し、利用者目線で違和感がないかを見ます。
本復旧の高さと勾配を確実に確認するには、現場での測位、写真、メモを組み合わせた記録が役立ちます。復旧範囲のどこを測ったのか、どの構造物を基準にしたのか、完成時にどのような勾配で仕上げたのかが残っていれば、検査時の説明がスムーズになります。道路工事完成の段階では、見た目のきれいさに加えて、数値と現場感覚の両方で仕上がりを確認することが手戻り防止につながります。
基本5として排水と端部処理を完成後の使われ方から見る
本復旧の品質を判断するうえで、排水と端部処理は非常に重要です。舗装面がきれいに仕上がっていても、雨が降ると水がたまる、端部から水が入り込む、路肩部が崩れやすい、側溝際が不安定になるといった問題が出れば、完成後の評価は下がります。道路工事完成時の本復旧では、乾いた状態の見た目だけでなく、雨天時や供用後の使われ方を想定して確認する必要があります。
排水でまず見るべきなのは、水が自然に流れる面になっているかです。復旧範囲の中 だけを平らに仕上げると、周囲との関係で水が逃げなくなることがあります。既設道路の勾配、側溝や集水ますの位置、縁石の高さ、出入口の勾配、路肩の形状を含めて、水の流れを確認します。特に小規模な復旧では、舗装範囲が限られるため、周辺とのわずかな高さ差が水たまりを生みやすくなります。
集水ますや側溝周辺では、舗装面との高さ関係が重要です。集水ますの周囲が高くなりすぎると水が入りにくくなり、低すぎると段差や局所的な沈下に見えます。側溝際では舗装端部が薄くなったり、転圧が不十分になったりしやすく、完成後に欠けやすい箇所です。側溝本体、蓋、縁石、舗装面が無理なくつながっているかを確認し、端部まで密実に仕上げることが大切です。
端部処理では、舗装切断面の清掃と接着が基本になります。切断面に粉じん、泥、水分、ゆるい材料が残ったまま施工すると、既設舗装との一体性が弱くなります。端部から雨水が入り込むと、路盤の緩み、舗装の剥離、ひび割れにつながる可能性があります。施工直前に切断面や既設舗装面を確認し、清掃、乾燥、接着処理を丁寧に行うことで、完成後の耐久性を高められます。
路肩部や法肩に近い復旧では、舗装端部だけでなく、外側の土砂や砕石、側帯、法面との連続性を確認します。本復旧面の端部が浮いた状態になっていたり、路肩の支持が弱かったりすると、車両の乗り入れや雨水の影響で端部から崩れやすくなります。道路工事完成時には、舗装面だけでなく、舗装を支える外側の状態まで見ておく必要があります。
また、排水と端部処理は近隣対応にも関係します。完成後に民地側へ水が流れ込む、出入口前に水がたまる、歩道の端に泥が残るといった問題は、住民や利用者からの問い合わせにつながりやすいです。工事としての舗装復旧が終わっていても、日常利用で不便があれば、手戻りや追加対応が発生します。完成前に雨天後の状況を確認できる場合は、実際の水の流れを見ておくと有効です。雨天確認が難しい場合でも、勾配、桝位置、周辺高さから水の流れを想定して点検します。
本復旧の端部は、完成直後には問題が見えにくい一方で、供用後に劣化が始まりやすい場所です。だからこそ、施工時点で弱点を残さない意識が必要です。道路工事完成時の本復旧では、舗装中央の平坦性だけでなく、雨水がどう流れ、端部がどう耐えるかを確認することで、完成後の不具合を減らしやすくなります。
基本6として記録と共有を残し検査と引渡しに備える
本復旧で手戻りを防ぐためには、施工そのものの品質に加えて、記録と共有も重要です。道路工事完成時には、完成検査、社内確認、発注者確認、道路管理者確認、引渡し書類の整理などが続きます。その際に、なぜその範囲を復旧したのか、どのように下地を確認したのか、どの高さに合わせたのか、施工前後で何が変わったのかを説明できなければ、現場で問題がなくても確認に時間がかかります。
記録で基本となるのは、施工前、施工中、施工後の写真です。施工前写真では、既設舗装の状態、ひび割れ、段差、周辺構造物、仮復旧の状態、復旧予定範囲が分かるように撮影します。施工中写真では、切断状況、掘削後の状態、埋戻し、路盤、転圧、舗装材料の敷均し、端部処理など、完成後に見えなくなる部分を残します。施工後写真では、全景、取り合い、端部、構造物周辺、排水箇所、清掃後の状態を記録します。
写真は撮るだけでなく、後から見て位置が分かることが大切です。似たような舗装面の写真だけが多く残っていても、どの場所の何を示しているのか分からなければ、検査や説明には使いにくくなります。測点、周辺構造物、道路の方向、復旧範囲の端部が分かるように撮影し、必要に応じて簡単なメモと合わせて整理します。道路工事完成の段階では写真整理の時間も限られるため、撮影時点で後から使いやすい記録にしておくことが重要です。
測定記録も手戻り防止に役立ちます。高さ、幅、延長、舗装厚、路盤厚、勾配、鉄蓋周辺の仕上がりなど、必要な項目を記録しておけば、完成時の品質を客観的に説明できます。特に本復旧範囲が変更になった場合や、現場条件により当初図面と異なる判断をした場合は、その理由と確認結果を残しておくことが大切です。口頭で合意した内容も、打合せメモや施工記録に残しておくことで、後日の認識違いを防げます。
現場内の共有も重要です。本復旧は舗装担当だけで完結す るとは限りません。土工、排水構造物、縁石、交通規制、清掃、出来形管理、写真管理、書類作成など、複数の担当が関係します。それぞれが別々の認識で動くと、復旧範囲のずれ、施工順序の混乱、写真の撮り漏れ、検査前の確認不足が起きやすくなります。着手前に復旧範囲、施工手順、確認項目、撮影箇所、完成後のチェック方法を共有しておくことで、現場全体の動きが安定します。
発注者や道路管理者との共有では、完成形だけでなく、判断の経緯を説明できることが大切です。たとえば、既設舗装の劣化が大きかったため復旧範囲を調整した場合、排水勾配を確保するためにすり付けを工夫した場合、構造物周辺で転圧方法を変えた場合などは、写真と記録を合わせて示すことで納得を得やすくなります。逆に、記録が不足していると、現場で適切に対応していても証明が難しくなります。
本復旧の記録は、完成検査のためだけではありません。引渡し後に問い合わせや不具合が発生した場合にも、施工時の状況を確認する材料になります。道路工事完成後は現場体制が解散し、当時の担当者がすぐに対応できないこともあります。そのときに、分かりやすい記録が残っていれば、原因確認や説明がスムーズになります 。道路工事完成時の本復旧では、施工品質と同じくらい、記録品質も大切だと考えるべきです。
道路工事完成時の本復旧を確実に進めるために
道路工事完成時の本復旧で手戻りを防ぐには、最後の舗装作業だけを丁寧に行うのでは不十分です。復旧範囲の明確化、既設舗装との取り合い確認、路盤と転圧の管理、高さと勾配の確認、排水と端部処理、記録と共有という一連の基本を、着手前から完成後までつなげて考える必要があります。どれか一つが抜けると、完成時には目立たなくても、検査時や供用後に問題として表れることがあります。
本復旧の手戻りは、現場担当者にとって大きな負担になります。再施工のための交通規制、材料手配、作業員の再配置、関係者への説明、近隣対応、書類修正が発生し、完成直前の限られた時間を圧迫します。だからこそ、道路工事完成に近づく前から、本復旧で何を確認すべきかを明確にし、現場の状態を早めに把握しておくことが重要です。
特に意識したいのは、完成形を面で見ることです。復旧範囲の中だけ、舗装表面だけ、写真に写る部分だけを見るのではなく、既設道路、排水構造物、歩道、路肩、沿道出入口、交通動線まで含めて、一つの道路として自然に機能するかを確認します。道路工事完成時の品質は、局所的な寸法だけでなく、利用者が違和感なく通行できるか、雨水が適切に流れるか、維持管理しやすい状態になっているかによって評価されます。
現場での確認を効率化するには、位置情報を含めた記録や、図面と現況を結びつけた管理が有効です。復旧範囲、測定位置、写真位置、構造物の位置関係を正確に残せれば、施工中の判断、完成検査、引渡し後の説明がしやすくなります。紙の図面や口頭指示だけでは、細かな位置の認識がずれやすく、後から確認する際に時間がかかることがあります。
道路工事完成時の本復旧では、現場で見た情報をその場で正確に記録し、関係者と共有できる体制が手戻り防止につながります。測位、写真、図面確認、現場メモを一体で扱える環境があれば、復旧範囲や確認箇所の抜け漏れを減らしやすくなります。完成前の慌ただしい時期ほど、現場の情報をその場で残し、後から説明できる形に整えることが重要です。
本復旧は、道路工事完成時の見た目を整えるだけでなく、供用後の安全性、排水性、耐久性、維持管理性に関わる重要な工程です。完成直前に慌てて仕上げるのではなく、範囲、下地、取り合い、高さ、排水、記録を一つずつ確認し、関係者と判断を共有することで、手戻りのリスクを抑えられます。道路工事完成を安心して迎えるためには、本復旧を最後の作業ではなく、品質を確定させる総仕上げの工程として丁寧に扱うことが大切です。
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