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鉄道施工の高架下工事で第三者侵入を防ぐ5つの管理点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

高架下工事で第三者侵入対策が重要になる理由

管理点1:工事区域と通行区域を明確に分ける

管理点2:仮囲いと出入口管理で侵入経路を減らす

管理点3:歩行者と車両の動線を事前に整理する

管理点4:作業時間外の見回りと異常確認を徹底する

管理点5:関係者間の情報共有と記録を残す

第三者侵入を防ぐ現場運用の見直し方

高架下工事の安全管理を継続的に改善するために


高架下工事で第三者侵入対策が重要になる理由

鉄道施工における高架下工事は、線路上部や駅施設そのものに直接触れない工事であっても、第三者災害への配慮が欠かせない現場です。高架下は道路、歩道、駐輪場、店舗、倉庫、公共施設、生活動線などと近接していることが多く、工事関係者以外の人が現場のすぐ近くを通行します。現場内では資材の仮置き、足場、重機、仮設電源、開口部、段差、吊り作業、騒音や振動を伴う作業が発生する場合があり、第三者が誤って立ち入ると、転倒、接触、落下物、感電、車両との接触などにつながるおそれがあります。


特に高架下は、工事区域と日常利用区域の境界が曖昧になりやすい場所です。駅前や市街地では歩行者の流れが絶えず、短時間の買い物客、通勤者、自転車利用者、配送車両、近隣施設の利用者が混在します。現場関係者にとっては明らかに工事区域であっても、一般の人から見ると「いつもの通路の一部」に見えることがあります。少しだけ近道をしようとする人、仮囲いの隙間から様子を見る人、夜間に仮設物を避けて通ろうとする人など、想定外の行動が起きる前提で管理することが大切です。


また、鉄道施工では列車運行への影響を抑えるため、夜間や限られた時間帯に作業が集中することがあります。昼間は仮囲いだけが残り、作業員が少ない時間帯が生じる現場もあります。その間に第三者が侵入すると、作業中とは異なる種類のリスクが発生します。仮置き資材への接触、足場下への立入り、養生材のめくれ、仮設照明の死角、施錠忘れなどは、作業が止まっている時間帯ほど見逃されやすい要素です。


第三者侵入を防ぐ管理は、単に「入らないでください」と表示するだけでは十分とはいえません。境界を明確にし、入りにくい構造をつくり、入ろうと思わせない案内を行い、近づいた場合でも早期に気づける体制を整える必要があります。現場の安全は、現場内だけで完結するものではなく、周辺の人の行動、地域の利用実態、時間帯ごとの人流、天候や照度の変化まで含めて考えることで安定します。


この記事では、鉄道施工の高架下工事で第三者侵入を防ぐために、実務担当者が押さえたい5つの管理点を整理します。現場条件は案件ごとに異なりますが、基本となる考え方は共通しています。工事区域の分け方、出入口の管理、歩行者と車両の動線、作業時間外の確認、関係者間の情報共有を丁寧に積み上げることで、第三者災害のリスクを下げ、近隣や鉄道利用者から信頼される現場運営につなげやすくなります。


管理点1:工事区域と通行区域を明確に分ける

高架下工事で最初に整理すべき管理点は、工事区域と通行区域を明確に分けることです。第三者侵入は、悪意のある立入りだけで起きるわけではありません。どこまでが通ってよい場所で、どこからが工事関係者以外立入禁止なのかが分かりにくいことから発生する場合があります。高架下は柱、壁、道路境界、店舗出入口、駐輪スペース、歩道状空間などが複雑に入り組むため、単にカラーコーンを置いただけでは境界として十分でない場合があります。


工事区域を設定する際は、作業範囲だけでなく、資材搬入、工具置場、廃材仮置き、作業員の待機場所、重機の旋回範囲、吊り荷の影響範囲、粉じんや飛散のおそれがある範囲まで含めて考える必要があります。作業そのものは小さな範囲でも、周辺に資材や車両が広がることで実質的な危険範囲が広くなることがあります。実際に人が歩く幅、車両が曲がる余裕、作業員が後退する可能性を見込み、余裕を持った区画設定を行うことが重要です。


境界の見せ方も大切です。第三者にとって分かりやすい境界とは、一目で「ここから先は入れない」と理解しやすいものです。仮囲い、バリケード、柵、ロープ、標識、床面表示、夜間照明を現場条件に応じて組み合わせ、視線の高さと足元の両方で認識できるようにします。特に高架下は照度が不足しやすく、昼間でも柱や梁の影で暗く見える場所があります。暗い場所では標識だけに頼らず、反射材や照明、連続した物理的な囲いを使い、境界が途切れて見えないようにします。


境界が途中で切れている場所は、第三者にとって侵入口に見えることがあります。排水溝、柱の裏、仮設物の角、車両出入口、既存フェンスとの取り合いなどに隙間ができていないか確認します。現場関係者は正面から見るため気づかない隙間でも、歩行者の進行方向から見ると入りやすい開口に見えることがあります。設置後は、実際に歩行者目線で周囲を歩き、どの方向からどう見えるかを確認することが有効です。


通行区域を確保する場合は、単に通れる幅を残すだけではなく、安全に迷わず通れる動線にする必要があります。仮設通路が狭すぎたり、途中で曲がりが多かったり、段差やぬかるみがあったりすると、歩行者はより通りやすそうな別のルートを探し、結果として工事区域側に近づくことがあります。通行者の心理を考えると、禁止表示だけでなく「こちらを通れば安全に進める」という明確な案内を併せることが効果的です。


高架下では、自転車を押して通る人、ベビーカー、車いす、荷物を持った人、高齢者、子どもなど、多様な利用者が想定されます。通行区域は、平坦性、見通し、照明、雨天時の滑りやすさ、すれ違いのしやすさを考慮して設定します。鉄道施工の現場では工程や作業内容に意識が向きがちですが、第三者侵入を防ぐには、周辺利用者が無理なく安全に通れる環境をつくることが前提になります。


工事区域の変更がある場合も注意が必要です。高架下工事では、工程の進行に合わせて作業範囲が移動することがあります。昨日まで通れた場所が今日から立入禁止になる、昼間と夜間で出入口が変わる、搬入時だけ通行制限が必要になるといった変化があると、第三者が誤って侵入しやすくなります。区画を変更したときは、仮囲いの位置だけでなく、案内表示、誘導経路、照明、周辺施設への説明まで一体で見直すことが必要です。


管理点2:仮囲いと出入口管理で侵入経路を減らす

第三者侵入を防ぐうえで、仮囲いと出入口の管理は重要です。工事区域を明示しても、物理的に入りやすい状態であれば、侵入リスクは残ります。特に高架下は、柱間、壁際、既存フェンスの切れ目、店舗裏、駐車場との境界など、複数の方向から接近できる現場が多いため、どこを通って入れるのかを事前に洗い出す必要があります。


仮囲いは、単に設置するだけでなく、連続性と安定性を確認します。風で動く軽い資材、すぐにずれる柵、足元に隙間がある囲い、簡単にまたげる高さの区画では、立入禁止の意思表示として弱くなります。現場条件に応じて、倒れにくさ、視認性、隙間の少なさ、夜間の見え方を確認し、第三者が無意識に入り込まない構造にします。歩道や道路に面する場所では、通行者が接触しても容易に倒れないよう、設置方法や固定状態の点検が欠かせません。


出入口は、必要最小限に絞ることが基本です。出入口が多いほど管理の目が分散し、閉め忘れや施錠漏れが発生しやすくなります。作業員用、資材搬入用、車両用を分ける場合でも、利用目的を明確にし、使わない出入口は閉鎖状態を保ちます。出入口付近には立入禁止表示、関係者専用表示、連絡先表示などを設け、第三者が通常の通路と誤認しないようにします。


出入口の管理では、開放時間が特に重要です。資材搬入時や車両出入り時にゲートを開けたままにすると、その瞬間に第三者が通り抜ける可能性があります。歩行者が多い時間帯では、短時間の開放でも侵入リスクが高まります。車両を誘導する人と歩行者を確認する人の役割を分け、出入りが終わったら速やかに閉鎖する運用を徹底します。作業員が頻繁に出入りする場合でも、利便性を優先して常時開放にしないことが大切です。


夜間や休工時は、出入口の施錠確認を確実に行います。高架下は人目があるようで死角も多く、夜間には通行量が減る場所もあります。施錠されていないゲート、緩んだ結束、仮囲いのずれ、養生のめくれなどは、第三者侵入だけでなく、いたずらや盗難、資材散乱の原因にもなります。終業時点検では、出入口の閉鎖状態を確認項目として明確にし、誰が確認したかを記録します。


仮囲いの周辺には、現場内を見たくなる要素を少なくする工夫も必要です。資材や機械が外から見えすぎると、子どもや通行者が興味を持って近づくことがあります。見通しを確保すべき場所と、視線を遮るべき場所を分け、現場の状況に応じて囲いの仕様を調整します。ただし、完全に視界を遮ることで防犯上の死角が増える場合もあるため、周辺環境とのバランスを見て判断します。


高架下では、既存の柱や壁を境界として利用したくなることがあります。しかし、柱の裏や壁際は見通しが悪く、第三者が入り込んでも気づきにくい場所になりがちです。既存構造物を境界にする場合でも、その取り合いに隙間がないか、裏側から回り込めないか、夜間に暗がりにならないかを確認します。高架下工事の仮囲いは、地上の更地工事よりも複雑な形状になりやすいため、図面上の確認だけでなく、現地での歩行確認が欠かせません。


管理点3:歩行者と車両の動線を事前に整理する

第三者侵入の多くは、動線の混乱から生じます。歩行者がどこを通ればよいか分からない、車両の出入りで一時的に通路がふさがる、作業員の移動経路と一般通行者の経路が交差する、といった状態では、第三者が工事区域へ近づく可能性が高くなります。高架下工事では、道路や駅周辺の交通と重なることが多いため、歩行者、自転車、車両、作業員の動線を事前に整理することが不可欠です。


まず確認すべきなのは、時間帯ごとの人の流れです。朝夕の通勤時間帯、昼の買い物時間、学校の登下校時間、配送車両が多い時間、近隣施設の利用が増える時間など、同じ場所でも時間によって通行状況は大きく変わります。作業計画を立てる際は、単に作業効率だけでなく、人流が多い時間帯に危険作業や搬入作業が重ならないよう調整します。どうしても重なる場合は、誘導員の配置や一時的な通行制限の方法を明確にしておきます。


歩行者動線は、遠回りを最小限にし、迷わず進めることが重要です。迂回路が長すぎたり、案内が途中で途切れたりすると、歩行者は本来の通路ではない場所へ入り込もうとします。工事の都合で通路を変更する場合は、変更開始地点だけでなく、手前から案内を出し、進行方向に合わせて連続した表示を設けます。特に駅周辺では、急いでいる人が多いため、立ち止まって細かい説明を読む前提ではなく、直感的に分かる案内が必要です。


車両動線では、搬入車両、作業車、近隣施設の車両、一般車両が混在する状況を避けることが重要です。高架下は高さ制限、柱間の狭さ、見通しの悪さ、歩道との近さなどにより、車両の切り返しや後退が危険になりやすい場所です。搬入経路、待機位置、転回場所、荷下ろし場所を事前に決め、歩行者動線と交差する箇所では誘導方法を明確にします。車両が工事区域に入るときだけでなく、出るときも歩行者の確認が必要です。


作業員動線も見落としてはいけません。作業員が近道として仮囲いの隙間を通る、資材を持って通行区域にはみ出す、休憩場所との往復で一般歩行者と交錯する、といった行動は、第三者に「ここは通れる場所」と誤解させる原因になります。現場関係者自身が決められた出入口と通路を使うことで、第三者に対しても明確な境界を示せます。安全管理は表示だけではなく、現場で働く人の行動によって伝わる部分が大きいのです。


動線計画では、緊急時の避難や対応も考慮します。万が一、第三者が転倒した場合、火災や感電のおそれがある場合、列車運行に影響する異常を発見した場合に、どの経路で安全に退避し、誰が連絡し、どこで救助を待つのかを決めておきます。通常時の動線だけを整えても、緊急時に資材や車両でふさがれていれば対応が遅れます。通路は常に確保し、仮置き資材で狭くならないよう日々確認する必要があります。


雨天時や夜間の動線変化にも注意します。雨で水たまりができると、歩行者はそれを避けて工事区域側に膨らむことがあります。夜間に照明が不足すると、案内表示が見えず、通路を誤ることがあります。高架下は雨を避けられる場所でもありますが、排水不良や吹き込みによって局所的に滑りやすくなることもあります。動線計画は晴天昼間だけを基準にせず、悪天候や暗所での見え方を確認することが大切です。


管理点4:作業時間外の見回りと異常確認を徹底する

高架下工事で第三者侵入を防ぐには、作業中だけでなく作業時間外の管理が欠かせません。作業員が現場にいる時間帯は目視確認や声かけができますが、休工日、夜間、早朝、昼休み、作業終了後は管理の目が薄くなります。この時間帯に仮囲いがずれたり、出入口が開いたままになったり、通行者が近道として通り抜けたりすると、事故につながる可能性があります。


終業時には、現場を片付けるだけでなく、第三者侵入の観点で点検することが重要です。出入口の閉鎖、施錠、仮囲いの連続性、標識の向き、照明の点灯状態、資材の飛散防止、開口部や段差の養生、電源やケーブルの処理、重機や工具の保管状態を確認します。特に強風や雨が予想される場合は、仮設物が動かないよう固定し、表示が外れないよう確認します。終業時点検は慣れるほど形だけになりやすいため、確認項目を明確にし、記録を残す運用が有効です。


作業時間外の見回りでは、侵入された痕跡を早期に見つける視点が必要です。仮囲いが押された跡、結束の外れ、足跡、資材の移動、標識の向きの変化、ゴミの投げ込み、落書き、施錠部の異常などは、第三者が近づいた可能性を示します。小さな異常を放置すると、そこが日常的な抜け道として使われることがあります。発見した時点で原因を考え、囲いの追加、表示の見直し、照明の改善、巡回頻度の変更などにつなげます。


高架下は、地域の人が雨宿りや待ち合わせに使うこともあります。工事前から人が滞留しやすい場所であれば、工事開始後も自然に人が近づいてくる可能性があります。単に立入禁止にするだけでなく、滞留しやすい場所を避けた仮囲い配置、通行を妨げない案内、近隣施設との調整を行うことで、不要な接近を減らせます。作業時間外の現場をどのように見られているかを把握することも、侵入防止には重要です。


休工日前後は特に注意が必要です。長時間無人になる場合、通常の終業時よりも厳しく確認します。仮設材が不安定なまま残っていないか、外部から触れられる位置に工具や資材がないか、子どもが登れそうな足掛かりがないか、照明や表示が休工期間中も機能するかを確認します。高架下は天候の影響を完全には避けられず、風の吹き抜けや雨水の流れによって仮設物の状態が変わることがあります。休工明けには、作業開始前に仮囲いと出入口を再確認し、前回と状態が変わっていないかを見ます。


作業時間外の管理は、防犯だけでなく安全品質にも関わります。第三者が現場に入ると、資材や仮設物が動かされる、養生が外れる、危険箇所が露出するなど、翌日の作業に影響が出ることがあります。作業員が異常に気づかず作業を始めると、現場内の事故にもつながります。そのため、朝礼前や作業開始前の現場確認では、第三者侵入の有無を含めて確認することが望ましいです。


夜間照明や注意喚起表示は、設置しただけで安心しないことが大切です。照明の角度が悪いと、通路を照らしているつもりでも仮囲いの影が濃くなり、侵入口のように見える場合があります。表示は、歩行者の進行方向から見えなければ効果が弱くなります。夜間の確認では、実際に現場の外側から歩き、どの位置で何が見えるかを確認します。昼間の図面確認では分からない死角を見つけることが、作業時間外の侵入防止につながります。


管理点5:関係者間の情報共有と記録を残す

第三者侵入を防ぐ管理は、現場の一部の担当者だけで完結しません。鉄道施工の高架下工事では、発注者、鉄道関係者、施工管理者、協力会社、警備や誘導の担当者、近隣施設、道路管理に関わる関係者など、多くの立場が関与します。作業内容や区画の変更、通行規制の時間、搬入予定、緊急連絡先などが共有されていないと、現場で判断が割れ、第三者への案内も不安定になります。


情報共有で重要なのは、現場の状態が日々変わる前提で伝えることです。高架下工事では、工程の進捗により仮囲い位置、出入口、資材置場、歩行者通路、車両待機場所が変わることがあります。朝礼や作業前打合せでは、その日の危険作業だけでなく、第三者侵入を防ぐための区画変更点を確認します。誘導員が配置される場合は、どの時間帯にどこで誘導するのか、歩行者にどう案内するのか、想定外の通行者が来た場合に誰へ連絡するのかを明確にします。


協力会社への周知も欠かせません。現場に入る人が増えるほど、出入口の開閉、資材の仮置き、通路の使い方にばらつきが出やすくなります。短時間だけ入場する作業員や搬入業者であっても、関係者以外立入禁止区域、車両の進入方法、歩行者への配慮、出入口の閉鎖ルールを理解していなければ、管理の穴になります。新規入場時の説明や日々の打合せで、第三者災害防止の観点を繰り返し伝えることが重要です。


近隣への説明も、侵入防止に効果があります。高架下は地域の生活動線と密接に関わるため、工事内容や通行変更が分かりにくいと、周辺利用者が不安を感じたり、独自に通りやすいルートを探したりします。近隣施設や店舗、駐輪場利用者、配送関係者などに対して、工事期間、通行可能な範囲、搬入時間帯、問い合わせ先を必要に応じて伝えておくことで、現場への不要な接近を減らせます。説明は一度だけでなく、区画変更や作業時間の変更があるときに更新することが大切です。


記録を残すことも重要です。仮囲いの設置状況、出入口の施錠確認、通路変更、誘導員配置、近隣説明、異常発見時の対応、是正内容を記録しておくと、後から管理状況を確認できます。写真記録は、文字だけでは伝わりにくい区画や通路の状態を残すのに役立ちます。撮影する際は、全体の配置が分かる写真、出入口の状態が分かる写真、危険箇所の近景、是正前後の比較が分かる写真を意識すると、関係者間で状況を共有しやすくなります。


記録は、事故や苦情が起きたときのためだけに残すものではありません。日々の記録を見返すことで、同じ場所で仮囲いのずれが繰り返されている、特定の時間帯に通行者との接触リスクが高い、雨天時に通路変更が必要になりやすいといった傾向が見えてきます。これらを次の工程や別現場に反映することで、侵入防止管理の精度が上がります。鉄道施工では限られた時間で確実に作業を進める必要があるため、記録を現場改善に使う意識が大切です。


関係者間の情報共有では、連絡系統を明確にすることも欠かせません。第三者が侵入した、仮囲いが破損した、通行者から指摘を受けた、車両出入口で危険な接近があったといった場合、誰が一時対応し、誰へ報告し、どの時点で作業を止めるのかを決めておきます。現場で迷いが生じると、対応が遅れたり、担当者ごとに判断が変わったりします。事前に判断基準を共有し、異常時に安全側へ動ける体制を整えることが、第三者侵入防止の最後の支えになります。


第三者侵入を防ぐ現場運用の見直し方

第三者侵入防止の管理は、工事開始時に計画して終わりではありません。高架下工事では、工事の進行、周辺環境、季節、天候、交通量の変化により、当初の計画が現場実態に合わなくなることがあります。安全な現場を維持するには、日々の運用を見直し、必要に応じて区画や案内を更新する姿勢が必要です。


見直しの第一歩は、実際に第三者がどのように現場周辺を通っているかを観察することです。予定した通路を使っているか、仮囲いの角で立ち止まっていないか、車両出入口付近で迷っていないか、自転車が通路を斜めに横切っていないか、雨天時に水たまりを避けて工事区域側へ寄っていないかを確認します。図面上では安全に見える動線でも、現場での人の動きに合っていなければ改善が必要です。


次に、現場関係者の行動を確認します。出入口を開けたままにしていないか、資材を通行区域にはみ出して置いていないか、誘導員が歩行者に分かりやすく案内できているか、作業員が決められた通路を使っているかを見ます。第三者侵入を防ぐには、現場内のルールが外から見ても一貫していることが大切です。関係者の行動が乱れると、第三者にも境界の意味が伝わりにくくなります。


苦情や指摘は、改善のきっかけとして扱うべきです。通行しにくい、案内が分かりにくい、夜間に暗い、仮囲いが邪魔に感じるといった声は、第三者が侵入しやすい要因を示している場合があります。苦情を単なる不満として処理するのではなく、現場の見え方や使われ方を知る情報として受け止め、必要に応じて通路幅、表示位置、照明、誘導方法を見直します。周辺利用者にとって分かりやすい現場は、結果として施工側にとっても安全な現場になります。


高架下工事では、列車運行や道路利用、近隣施設の営業など、さまざまな制約の中で作業を進めます。そのため、完全に理想的な区画を常に確保できるとは限りません。しかし、制約があるからこそ、危険が集中する場所と時間帯を見極め、重点的に管理することが重要です。すべてを同じ強さで管理するのではなく、歩行者が多い出入口、車両と交差する地点、夜間に暗くなる場所、仮囲いが途切れやすい場所を重点管理点として設定します。


見直し結果は、必ず現場内で共有します。担当者だけが気づいていても、作業員や誘導員が知らなければ運用は変わりません。朝礼、打合せ、掲示、写真付き資料などを活用し、変更点を具体的に伝えます。特に「昨日と違う点」は強調して共有することが大切です。現場の人は習慣で動くため、出入口や通路の変更に気づかず従来どおり行動することがあります。変更直後は確認頻度を上げ、運用が定着するまで注意します。


第三者侵入を防ぐ管理は、現場の安全文化とも深く関わります。少しの隙間なら問題ない、短時間なら開けたままでよい、誰かが見ているだろうという考えが積み重なると、侵入リスクは高まります。一方で、気づいた人がすぐ直す、迷ったら安全側に寄せる、通行者目線で見直すという行動が定着している現場では、事故の芽を早く摘み取ることができます。管理点を形式として守るだけでなく、現場全体で安全をつくる意識を持つことが重要です。


高架下工事の安全管理を継続的に改善するために

鉄道施工の高架下工事で第三者侵入を防ぐには、工事区域の明確化、仮囲いと出入口の管理、歩行者と車両の動線整理、作業時間外の見回り、関係者間の情報共有という5つの管理点を継続して回すことが重要です。どれか一つを強化するだけでは十分ではありません。境界が分かりにくければ出入口管理の効果は弱くなり、動線が不自然であれば歩行者は工事区域へ近づきやすくなります。記録や情報共有が不足すれば、せっかく見つけた問題も次の改善につながりません。


第三者侵入対策の基本は、第三者の行動を責めるのではなく、誤って入らない現場、近づかなくてもよい現場、入ろうとしても止められる現場をつくることです。高架下は、地域の人にとって日常の一部であり、工事が始まっても利用者の意識がすぐに変わるとは限りません。だからこそ、施工側が先回りして、分かりやすい境界、自然な通行経路、確実な閉鎖、見やすい表示、丁寧な案内を用意する必要があります。


また、現場の安全管理は、記憶や経験だけに頼ると属人的になりやすいものです。熟練者がいる間は問題が見つかっても、担当者が変わると同じリスクを見落とすことがあります。点検結果、写真、是正履歴、通行者からの指摘、区画変更の理由を残しておけば、現場の知見を次の担当者へ引き継げます。特に鉄道施工では、夜間作業や短時間施工などの制約があるため、限られた時間で判断できる情報整理が現場力を支えます。


今後の高架下工事では、現場状況を正確に残し、関係者が同じ情報を見ながら判断できる仕組みの重要性がさらに高まります。通路の位置、仮囲いの状態、危険箇所、是正前後の変化を写真や位置情報とともに記録できれば、口頭説明だけでは伝わりにくい現場状況を共有しやすくなります。日々の巡回で見つけた小さな異常をその場で記録し、次の点検や打合せに反映することは、第三者侵入防止の実効性を高めます。


高架下工事は、鉄道利用者、地域住民、道路利用者、近隣施設の利用者と近接しながら進む施工です。現場の内側だけを見ていては、安全管理は十分ではありません。外からどう見えるか、どこに迷いやすさがあるか、どの時間帯に人が集中するかを丁寧に確認し、5つの管理点を現場ごとに調整していくことが大切です。安全な区画、分かりやすい案内、確実な記録を積み重ねることで、第三者侵入を防ぎ、工事の信頼性を高めることができます。


現場確認や点検記録をより確実に残したい場合は、日々の写真、位置、メモを現場でまとめやすい運用に整えることが有効です。高架下のように境界や動線が複雑な場所では、現場で見た状態をその場で記録し、関係者に共有できることが安全管理の質を左右します。第三者侵入を防ぐための区画確認、仮囲い点検、出入口管理、是正履歴の整理を継続しやすくする手段を検討しながら、現場に合った安全管理の仕組みを整えていきましょう。


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