top of page

PVSystのBattery結果の読み方6つ|蓄電池あり案件向け

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

太陽光発電に蓄電池を組み合わせた案件では、PVSystの結果を見る時に、通常の太陽光単独案件とは違う読み方が必要になります。太陽光単独であれば、主に日射量、アレイ出力、インバータ出力、系統連系点への送電量、PR、各種損失を追えば全体像をつかめます。しかし蓄電池あり案件では、発電した電力がそのまま系統へ流れるとは限りません。いったん蓄電池に充電される電力があり、後で放電される電力があり、さらに充放電の効率損失、SOCの上下限、運用制御、出力制限、負荷追従、ピークカット、余剰充電などが結果に影響します。


そのため、PVSystのBattery結果を読む時は、「発電量が多いか少ないか」だけを見るのではなく、「発電した電力がどこへ行ったか」「蓄電池がどのタイミングで充電されたか」「どの程度放電されたか」「蓄電池によって捨てられる電力が減ったのか」「逆に蓄電池の損失で正味の送電量が減っていないか」を順番に確認する必要があります。


特に事業用太陽光や自家消費型太陽光、FIP案件、系統制約のある案件、需要家側でピークカットを狙う案件では、蓄電池の評価は収益性や設計妥当性に直結します。PVSystのBattery結果を正しく読めないと、蓄電池容量が過大なのか不足しているのか、充放電制御が実際の運用に合っているのか、発電量評価として保守的なのか楽観的なのかを判断しにくくなります。


この記事では、蓄電池あり案件向けに、PVSystのBattery結果を読む時の基本を6つの視点で整理します。細かな設定画面の操作説明ではなく、実務でレポートを確認する時にどこを見るべきか、どの数字をどう解釈すべきかを中心に解説します。


目次

Battery結果は発電量ではなく電力の流れとして読む

充電量と放電量の差から蓄電池損失を読む

SOCの推移から容量と運用制御の妥当性を読む

蓄電池で削減できた余剰電力と出力抑制を読む

系統送電量と自家消費量への影響を読む

Battery結果を単独で判断せず損失図と時間別データで確認する


Battery結果は発電量ではなく電力の流れとして読む

PVSystのBattery結果で最初に意識したいのは、蓄電池あり案件では「発電量」と「最終的に使える電力量」が一致しないという点です。太陽光パネルで発電された電力は、直流側や交流側の損失を受けながら、負荷、系統、蓄電池のいずれかへ流れます。蓄電池がある場合、その一部は充電に回り、後の時間帯に放電されます。この時点で、単純に年間発電量だけを見ても、案件全体の性能は判断できません。


たとえば、昼間に太陽光が十分発電していても、その時間帯に需要が少なく、系統への逆潮流にも制限がある場合、余剰電力は捨てられるか、蓄電池に充電されます。蓄電池に充電できれば、夕方や夜間、または需要が高い時間帯に放電できます。この場合、太陽光単独では捨てられていた電力を活用できるため、蓄電池の導入効果があると考えられます。


一方で、蓄電池に充電した電力は、充電時、蓄電時、放電時、変換時に損失を受けます。発電した電力をそのまま使うよりも、いったん蓄電池を経由する方が、電力量としては減ります。そのため、蓄電池あり案件では、「蓄電池を入れたことで有効利用できる電力が増えたのか」と「蓄電池を経由したことで損失が増えたのか」を分けて読む必要があります。


PVSystの結果を見る時は、まず太陽光アレイから出た電力が、負荷へ直接供給されたのか、蓄電池へ充電されたのか、系統へ送電されたのか、または制限によって失われたのかを確認します。ここを見ずに最終的な年間発電量だけを比較すると、蓄電池の役割を誤解しやすくなります。


特に注意したいのは、蓄電池の導入目的によって、評価すべき指標が変わることです。自家消費率を高める目的であれば、系統への売電量よりも、負荷へ供給できた電力量や買電削減量が重要になります。出力抑制を回避する目的であれば、蓄電池がどれだけ余剰電力を吸収したかが重要です。ピークカットが目的であれば、年間電力量だけでなく、最大需要の低減効果や放電タイミングの妥当性が重要になります。


つまり、Battery結果の読み方では、最初に「この蓄電池は何のために入っているのか」を明確にすることが大切です。目的が曖昧なまま結果を見ると、充電量が多いことを良い結果と判断してしまったり、放電量が少ないことを悪い結果と判断してしまったりします。しかし実際には、案件の制約条件や制御方針によって、妥当な結果は変わります。


PVSystのBattery結果は、蓄電池そのものの性能表ではありません。太陽光、負荷、系統、蓄電池、制御条件を組み合わせた時のエネルギーフローの結果です。そのため、最初の読み方としては、発電量の多寡ではなく、電力の行き先を追うことが最も重要です。


充電量と放電量の差から蓄電池損失を読む

Battery結果で次に見るべきなのは、蓄電池への充電量と、蓄電池からの放電量の差です。蓄電池は電力を貯めて後で使う設備ですが、充電した電力がそのまま全量戻ってくるわけではありません。充電効率、放電効率、PCSやコンバータの変換損失、待機損失、自己放電などによって、放電できる電力量は充電量より少なくなります。


たとえば年間で蓄電池に1,000MWh充電され、放電として900MWh取り出されている場合、単純に見ると100MWhが蓄電池関連の損失として失われていることになります。実際には損失の内訳は機器構成やPVSyst上の定義によって分かれますが、まずは充電量と放電量の差を見ることで、蓄電池を経由したことによるエネルギーロスの規模感を把握できます。


この差が大きい場合、蓄電池の効率設定、変換経路、充放電制御、待機損失の条件を確認する必要があります。蓄電池容量が大きすぎて長時間待機している場合、利用されない容量が増え、効率面で不利になることがあります。また、充放電回数が多すぎる制御になっている場合も、往復効率による損失が積み重なります。


一方で、充電量と放電量の差があること自体は異常ではありません。蓄電池は必ず損失を伴うため、放電量が充電量より少ないのは自然です。重要なのは、その損失が想定している機器仕様や運用目的に対して妥当かどうかです。リチウムイオン蓄電池を前提とした案件で、極端に効率が低く見える場合は、設定上の変換段数やAC接続、DC接続の扱いを確認した方がよいでしょう。


また、PVSystでは蓄電池の接続位置やシステム構成によって、どの損失がどの項目に現れるかが変わります。太陽光の直流側に接続するのか、交流側に接続するのか、負荷と系統のどちらを優先するのかによって、結果の読み方が変わります。したがって、充電量と放電量だけを見て判断するのではなく、蓄電池の前後でどの電力変換が発生しているかも確認する必要があります。


実務でよくある見落としは、「蓄電池を入れたので売電量や自家消費量が増えるはず」と考えて、蓄電池損失を軽視してしまうことです。確かに蓄電池によって余剰電力を後で使えるようになる場合があります。しかし、もともと余剰が少ない案件や、昼間の需要が十分に大きい案件では、蓄電池を経由させることでかえって正味の有効電力量が減る場合もあります。


そのため、Battery結果では、蓄電池を通った電力量の規模と、その結果として失われた電力量を必ずセットで確認します。充電量が多いことは、蓄電池がよく使われていることを示す一方で、損失も多く発生している可能性を意味します。放電量が多いことは有効利用が進んでいることを示しますが、その放電が本当に価値の高い時間帯に行われているかは別途確認が必要です。


Battery結果の読み方としては、充電量、放電量、損失、往復効率の関係を押さえることで、蓄電池がエネルギー収支上プラスに働いているのか、単に電力を循環させて損失を増やしているだけなのかを見分けやすくなります。


SOCの推移から容量と運用制御の妥当性を読む

蓄電池あり案件で非常に重要なのが、SOCの推移です。SOCはState of Chargeの略で、蓄電池の充電状態を示します。簡単に言えば、蓄電池がどの程度充電されているかを表す指標です。PVSystのBattery結果では、SOCの時間変化を確認することで、蓄電池容量が適切か、充放電制御が想定通りか、蓄電池が十分に活用されているかを判断できます。


SOCが日中に上がり、夕方から夜間に下がるような動きをしていれば、太陽光の余剰を充電し、後の時間帯に放電していると考えられます。自家消費型案件や夕方需要に対応する案件では、こうした動きが自然です。一方で、SOCが常に満充電付近に張り付いている場合は、蓄電池に充電された電力が十分に放電されていない可能性があります。これは容量過大、放電制御の制約、負荷不足、または放電先の制限を示している場合があります。


逆に、SOCが常に下限付近に張り付いている場合は、蓄電池容量が不足している、充電機会が少ない、太陽光の余剰が少ない、または放電要求が大きすぎる可能性があります。この場合、蓄電池が常に空に近い状態で運用されており、必要な時間帯に十分な放電ができていない可能性があります。


SOCの読み方で大切なのは、年間平均だけでなく、日別、月別、時間別の動きを見ることです。年間の充放電量だけを見ると蓄電池が活用されているように見えても、実際には特定の季節だけ満充電になり、別の季節ではほとんど使われていないことがあります。太陽光発電は季節変動が大きいため、蓄電池の利用状況も月ごとに大きく変わります。


たとえば夏は発電量が多く、昼間の余剰が多いため蓄電池が満充電になりやすい一方で、冬は発電量が少なく、そもそも充電できる余剰が少ない場合があります。逆に、冬の需要が大きい施設では、少ない発電量でも蓄電池が頻繁に放電し、SOCが低く推移することもあります。このような季節差を見ずに年間値だけで判断すると、蓄電池容量の妥当性を誤る可能性があります。


また、SOCの上下限設定も重要です。実際の蓄電池では、寿命保護や安全性の観点から、完全に0%まで放電したり、100%まで充電したりしない運用が一般的です。PVSyst上でSOCの下限や上限をどのように設定しているかによって、使える蓄電池容量が変わります。公称容量が1,000kWhでも、運用可能なSOC範囲が10%から90%であれば、実際に使える範囲は800kWh相当になります。


そのため、Battery結果を読む時は、単に蓄電池容量の数字を見るのではなく、有効容量としてどれだけ使われているかを確認します。SOCが上限や下限に頻繁に達している場合は、蓄電池の容量や制御方針が案件条件に対して合っていない可能性があります。上限に頻繁に達するなら、さらに余剰電力があるのに充電できずに捨てられている可能性があります。下限に頻繁に達するなら、需要に対して蓄電池容量が足りない可能性があります。


SOCの推移は、蓄電池の健康状態そのものを評価するものではありませんが、シミュレーション上の運用状況を理解するには非常に有効です。蓄電池あり案件では、年間の放電量だけでなく、SOCがどのようなリズムで動いているかを確認することで、設計と運用の整合性を判断しやすくなります。


蓄電池で削減できた余剰電力と出力抑制を読む

蓄電池を導入する大きな目的の一つは、余剰電力や出力抑制の削減です。太陽光発電では、発電量が需要や系統受入可能量を上回ると、余剰が発生します。この余剰を売電できない場合や、系統制約によって出力制限がかかる場合、発電可能だった電力が利用されずに失われます。蓄電池があれば、その余剰を一部吸収し、後で放電することで有効利用できます。


PVSystのBattery結果では、蓄電池がどれだけ余剰電力を充電したか、そしてどれだけ出力抑制や未利用電力を減らしたかを確認することが重要です。蓄電池ありと蓄電池なしのケースを比較すると、導入効果が分かりやすくなります。蓄電池なしでは捨てられていた電力が、蓄電池ありでは充電され、後で放電されているなら、蓄電池の効果が出ていると判断できます。


ただし、ここでも注意すべき点があります。蓄電池に充電された余剰電力が、必ずしも全て有効な価値を生むとは限りません。充電後に放電するタイミングが需要と合っていなければ、自家消費率の改善にはつながりません。FIPや市場連動型の運用を想定している場合は、価格の高い時間帯に放電できるかどうかが重要です。単に余剰を充電しているだけでは、経済性として十分とは言えない場合があります。


また、蓄電池容量が小さすぎる場合は、余剰電力を吸収しきれず、出力抑制が多く残ります。この場合、Battery結果ではSOCがすぐ上限に達し、その後の余剰が捨てられるような動きになります。逆に、蓄電池容量が大きすぎる場合は、余剰を吸収できる余地はありますが、年間を通じて満充電に達しにくく、設備利用率が低くなる可能性があります。


実務では、蓄電池を入れた後の結果だけを見るのではなく、蓄電池なしの基準ケースと比較することが重要です。蓄電池なしの時にどれだけ余剰や抑制があったのか、蓄電池ありでそれがどれだけ減ったのか、その削減分に対して蓄電池損失がどれだけ発生したのかを見ます。この比較をしないと、蓄電池の効果を過大評価しやすくなります。


たとえば、蓄電池によって年間200MWhの余剰を吸収できたとしても、放電時に取り出せたのが170MWhであれば、30MWh程度は蓄電池関連損失として失われています。この170MWhが高価値な時間帯に使われるなら有効ですが、低価値な時間帯に放電されるだけなら、投資効果は限定的かもしれません。


PVSystのBattery結果を読む時は、余剰削減量だけでなく、抑制回避後の正味効果を見ることが大切です。蓄電池は余剰を吸収する装置であると同時に、損失を発生させる装置でもあります。どちらが大きいかを見極めることで、蓄電池導入の妥当性を評価しやすくなります。


系統送電量と自家消費量への影響を読む

蓄電池あり案件では、系統送電量と自家消費量の読み方も変わります。太陽光単独の案件では、発電した電力のうち、どれだけを自家消費し、どれだけを売電し、どれだけが余剰として失われたかを見ます。蓄電池が加わると、昼間の余剰を夜間やピーク時間帯に移動できるため、自家消費量や売電量の時間分布が変化します。


自家消費型案件では、蓄電池によって自家消費率が上がるかどうかが重要です。日中に使い切れない太陽光電力を充電し、朝夕や夜間に放電できれば、系統からの買電を減らせます。この場合、Battery結果では、蓄電池から負荷へ供給された電力量を確認します。単に放電量が多いだけではなく、その放電が本当に負荷に使われているかが重要です。


一方で、売電型案件やFIP案件では、系統送電量の増減と時間帯が重要になります。蓄電池によって昼間のピーク送電を抑え、別の時間帯に放電することで、系統制約への対応や収益最適化を狙う場合があります。この場合、年間の系統送電量だけを見ても十分ではありません。どの時間帯に送電されているか、出力上限に対してどのように制御されているかを確認する必要があります。


蓄電池を導入すると、太陽光から直接系統へ送る電力量が減り、蓄電池経由で後から送る電力量が増える場合があります。この時、年間の系統送電量が大きく変わらなくても、時間帯別の送電パターンは大きく変わっていることがあります。電力価値が時間帯によって変わる案件では、この時間移動効果が重要です。


また、蓄電池あり案件では、PRの見方にも注意が必要です。PRは太陽光発電システムの性能を示す代表的な指標ですが、蓄電池を含む場合、どの地点のエネルギーを分子にするかによって解釈が変わります。太陽光アレイやインバータの性能を見るPRと、蓄電池を経由した後の最終供給電力量を含む評価は、同じ意味ではありません。


たとえば、蓄電池を導入したことで最終的な有効利用電力量が増えたとしても、蓄電池損失が増えたため、特定のPR指標では低く見える場合があります。逆に、太陽光側のPRが良くても、蓄電池制御が悪ければ、自家消費や売電収益としては十分な結果にならないこともあります。


そのため、Battery結果では、太陽光発電設備としての性能、蓄電池を含むエネルギーマネジメントとしての性能、事業収支としての性能を分けて読む必要があります。太陽光側の損失が妥当でも、蓄電池の運用が合っていなければ、案件全体の評価は下がります。逆に、蓄電池損失が多少あっても、出力抑制を大きく回避できたり、買電単価の高い時間帯を削減できたりするなら、導入効果があると判断できる場合もあります。


系統送電量と自家消費量を見る時は、年間合計だけでなく、月別、日別、時間別の結果を確認することが大切です。蓄電池は時間を移動する設備であるため、年間合計だけでは本来の効果が見えにくいからです。


Battery結果を単独で判断せず損失図と時間別データで確認する

最後に重要なのは、Battery結果を単独で判断しないことです。PVSystのBattery関連の数値は、蓄電池の充放電や損失を理解する上で有効ですが、それだけを見ても案件全体の妥当性は判断できません。必ず損失図、主要結果、月別結果、時間別データ、システム設定と合わせて確認する必要があります。


特に損失図は、太陽光から最終出力までのエネルギーの流れを大きく把握するのに役立ちます。どの段階でどれだけ損失しているか、蓄電池関連の損失が全体の中でどの程度の比率を占めるかを確認できます。蓄電池損失が大きい場合でも、それによって余剰電力の有効利用が大きく増えていれば妥当と判断できる場合があります。逆に、蓄電池損失が目立つ一方で、余剰削減や自家消費改善が小さい場合は、設計や制御の見直しが必要です。


時間別データも非常に重要です。蓄電池は時間帯によって意味が変わる設備です。日中に充電し、夕方に放電するのか、夜間に放電するのか、ピーク需要時だけ放電するのか、系統制限に合わせて充放電するのかによって、同じ年間放電量でも価値が異なります。時間別データを見れば、蓄電池が意図した時間帯に動いているかを確認できます。


また、月別結果を見ることで、季節ごとの運用状況が分かります。太陽光発電は季節差が大きく、蓄電池の利用状況も季節によって変わります。春や秋は発電量が多く需要が少ないため余剰が出やすい場合があります。夏は発電量が多くても空調需要が高く、自家消費が増える場合があります。冬は発電量が少ないため、蓄電池を十分に充電できない場合があります。このような季節特性を見ずに年間値だけで判断すると、運用上の課題を見落とします。


Battery結果を確認する時は、入力条件との整合も欠かせません。蓄電池容量、最大充電出力、最大放電出力、SOC上限、SOC下限、充放電効率、接続方式、制御方針、負荷プロファイル、系統制限などが現実の設計条件と合っているかを確認します。結果が不自然に見える場合、原因は結果側ではなく入力条件側にあることが多いです。


たとえば、蓄電池容量は大きいのに放電量が少ない場合、負荷が小さい、放電制御が厳しい、SOC下限が高い、放電可能時間が限られている、または系統への放電が許可されていない可能性があります。逆に、充放電回数が多すぎる場合、制御が細かく動きすぎており、実機運用として現実的でない可能性があります。


また、蓄電池あり案件では、PVSystの結果と実際の運用制御が一致しているかも重要です。実機ではBMS、PCS、EMS、需要家設備、系統側制約が連携して動きます。PVSyst上で想定した制御が、実際のEMSで実装可能なのか、契約上許されるのか、保護設定と矛盾しないのかを確認する必要があります。


このように、Battery結果は単なる蓄電池の出力結果ではなく、太陽光発電、蓄電池、負荷、系統、制御が組み合わさったシミュレーション結果です。結果を正しく読むためには、電力量の流れ、充放電損失、SOC、余剰削減、自家消費や送電量への影響、時間別の動きまでをつなげて確認することが大切です。


PVSystのBattery結果を読む時の実務的な流れ

実務でPVSystのBattery結果を確認する時は、まず案件の目的を確認します。自家消費率を上げたいのか、出力抑制を減らしたいのか、ピークカットをしたいのか、売電時間をずらしたいのかによって、見るべき数値が変わります。目的が分からないままBattery結果を見ると、評価軸が曖昧になります。


次に、太陽光で発電した電力の流れを確認します。直接負荷へ供給された電力、系統へ送電された電力、蓄電池へ充電された電力、余剰として失われた電力を見ます。これにより、蓄電池が案件全体の中でどの役割を果たしているかが分かります。


その次に、蓄電池の充電量と放電量を比較します。充電量に対して放電量がどれだけあるかを見ることで、蓄電池関連損失の規模を把握できます。蓄電池を経由することで必ず損失は発生するため、その損失が導入効果に対して妥当かどうかを確認します。


さらに、SOCの推移を見ます。SOCが上限に張り付いていれば容量不足ではなく放電不足や余剰吸収後の使い道不足が疑われます。SOCが下限に張り付いていれば容量不足や充電機会不足が疑われます。SOCが適度に上下していれば、蓄電池が充放電サイクルとして機能している可能性があります。


そのうえで、蓄電池なしケースとの比較を行います。蓄電池を入れたことで余剰電力がどれだけ減ったか、自家消費量がどれだけ増えたか、系統送電量がどう変わったか、損失がどれだけ増えたかを比較します。この比較によって、蓄電池が本当に効果を出しているかを判断できます。


最後に、時間別データで制御の妥当性を確認します。年間値では問題なく見えても、時間別に見ると意図しないタイミングで放電している場合があります。特に需要連動、出力制限対応、FIP対応、ピークカットでは、時間別の動きが非常に重要です。


蓄電池あり案件ではPVSyst結果の説明資料も重要になる

蓄電池あり案件では、PVSystの結果を社内や顧客に説明する時の資料作りも重要です。太陽光単独案件よりも、エネルギーの流れが複雑になるため、単にレポートを渡すだけでは意図が伝わりにくいことがあります。特に、充電量、放電量、損失、SOC、余剰削減、自家消費率の関係は、図や時系列で整理しないと誤解されやすい部分です。


たとえば、「蓄電池を入れたのに総送電量があまり増えていない」という指摘が出ることがあります。しかし、目的がピークカットや自家消費率改善であれば、総送電量だけで効果を判断するのは適切ではありません。また、「充電量に対して放電量が少ない」という指摘もありますが、これは往復効率や待機損失を考えれば自然な場合があります。


こうした説明では、PVSystのBattery結果をそのまま見せるだけでなく、太陽光発電量、直接利用、蓄電池充電、蓄電池放電、損失、余剰、系統送電、買電削減を分けて整理すると分かりやすくなります。さらに、代表日のSOC推移や充放電グラフを示すと、蓄電池がどのように動いているかを直感的に理解しやすくなります。


現場確認や設計レビューの観点では、シミュレーション結果と実際の設備配置、PCS容量、蓄電池容量、キュービクル、受電点、負荷設備、系統連系条件が一致しているかも重要です。PVSystの結果が正しくても、現場の接続構成や制御盤、計測点の設計と合っていなければ、運用時に期待通りの効果が出ない可能性があります。


LRTKのように、iPhoneで使える高精度GNSSを活用して現場の設備位置、架台配置、キュービクル位置、配線ルート、点検対象を記録できる仕組みは、太陽光発電所や蓄電池併設案件の現場管理にも役立ちます。PVSyst上のシミュレーション結果だけでなく、実際の現場情報を高精度に記録し、図面や点検記録と照合できれば、設計値と現場条件のずれを確認しやすくなります。蓄電池あり案件では、PCSや蓄電池コンテナ、受電設備、計測点の位置関係も重要になるため、現場情報を正確に残すことは将来の保守や改修にも有効です。


まとめ

PVSystのBattery結果を読む時は、太陽光単独案件と同じ感覚で年間発電量やPRだけを見てはいけません。蓄電池あり案件では、発電した電力が直接使われるのか、蓄電池に充電されるのか、後で放電されるのか、損失として失われるのかを順番に確認する必要があります。


まず見るべきなのは、電力の流れです。太陽光で発電した電力が、負荷、系統、蓄電池、余剰のどこへ向かったかを確認します。次に、充電量と放電量の差を見て、蓄電池関連損失の規模を把握します。さらに、SOCの推移を見て、蓄電池容量や運用制御が妥当かどうかを判断します。


そのうえで、蓄電池によって余剰電力や出力抑制がどれだけ削減されたか、自家消費量や系統送電量がどう変化したかを確認します。最後に、損失図や時間別データと照合し、年間合計だけでは見えない運用上の課題を確認することが重要です。


蓄電池は、発電量を増やす設備ではなく、電力の使い方と時間帯を調整する設備です。そのため、PVSystのBattery結果も、発電量の増減だけでなく、いつ充電し、いつ放電し、どの電力を有効利用できたかという視点で読む必要があります。


蓄電池あり案件の評価では、シミュレーション上の数値、制御方針、現場条件、事業目的をつなげて判断することが大切です。PVSystのBattery結果を正しく読めるようになると、蓄電池容量の妥当性、制御条件の適切さ、余剰電力の活用度、収益性への影響をより具体的に説明できるようになります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page