top of page

PVSystの読み方で最初に覚える略語12個

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

PVSystのレポートを開いたとき、最初につまずきやすいのは計算式そのものよりも、画面や結果表に並ぶ略語の意味です。GlobHor、GlobInc、EArray、E_Grid、PR、Yf、Yr、Lc、Lsなど、太陽光発電の設計や発電量シミュレーションに慣れていない段階では、どれが日射量で、どれが発電量で、どれが損失を表しているのかが分かりにくく感じられます。


しかし、PVSystの読み方は、すべての項目を一度に覚える必要はありません。最初に覚えるべき略語は限られています。特に、発電量が妥当か、PRが低すぎないか、損失がどこで発生しているか、他社レポートと比較したときにどこが違うかを確認するだけなら、まずは重要な略語を12個押さえるだけで、結果の見え方が大きく変わります。


PVSystは、太陽光発電所の年間発電量を予測するための専門的なシミュレーションソフトです。レポートには、気象データ、日射量、傾斜面への入射、太陽電池アレイの出力、インバータ通過後の電力量、系統への送電量、そして各種損失が整理されています。つまり、略語を理解することは、単なる用語暗記ではなく、太陽光発電所のエネルギーの流れを理解することに近い作業です。


この記事では、PVSystの読み方で最初に覚えるべき略語12個を、実務で迷いやすい順番に解説します。初心者向けに、各略語がどの画面や結果で重要になるのか、何を確認すべきか、どのような誤読が起こりやすいかまで整理します。


目次

PVSystの略語は発電量の流れで覚える

GlobHorは水平面全天日射量を表す

DiffHorは水平面天空散乱日射量を表す

T_Ambは外気温を表す

GlobIncは傾斜面に入る日射量を表す

GlobEffは有効に使える日射量を表す

EArrayは太陽電池アレイの出力を表す

EOutInvはインバータ出力を表す

E_Gridは系統へ送られる電力量を表す

PRはシステム全体の性能比を表す

Yrは基準日射量から見た理論的な時間を表す

Yaはアレイ出力の等価時間を表す

Yfは最終的に得られた等価発電時間を表す

LcとLsは損失の場所を分けて読むための略語

略語を読むときに初心者が間違えやすい点

PVSystの略語を実務で使える知識に変える方法

まとめ


PVSystの略語は発電量の流れで覚える

PVSystの略語は、個別に暗記しようとすると非常に分かりにくくなります。GlobHorは何か、GlobIncは何か、EArrayは何かと一つずつ覚えるよりも、太陽光発電所のエネルギーの流れに沿って理解した方が、はるかに実務で使いやすくなります。


基本の流れは、まず気象データとして水平面の日射量と外気温があり、そこから太陽光パネルの傾斜面に入る日射量に変換されます。その後、反射や影、汚れ、IAM、温度影響、ミスマッチ、配線損失などを経て、太陽電池アレイの直流電力になります。さらにインバータを通過して交流電力となり、必要に応じて変圧器や受電設備、系統連系点までの損失を差し引いたものが、最終的な送電電力量として示されます。


この流れを意識すると、略語は大きく三つに分けられます。一つ目は日射や気象を表す略語、二つ目は発電量や電力量を表す略語、三つ目は性能や損失を表す略語です。


PVSystのレポートを読むときは、最初からDetailed LossesやLoss Diagramの細部に入り込むより、まず日射量、アレイ出力、系統送電量、PRの関係を見ることが重要です。略語を流れで理解しておくと、発電量が低い原因が、気象データなのか、傾斜条件なのか、アレイ側の損失なのか、インバータ以降の損失なのかを切り分けやすくなります。


GlobHorは水平面全天日射量を表す

GlobHorは、Global Horizontal Irradiationの略で、水平面全天日射量を表します。PVSystの中では、気象データの基本となる非常に重要な値です。水平な地面に対して、太陽から直接届く日射と空全体から届く散乱日射を合わせたものと考えると分かりやすいです。


PVSystの年間発電量は、まずこのGlobHorの品質に大きく左右されます。Meteonorm、衛星データ、現地観測データ、SolarGISなど、どの気象データを使うかによってGlobHorの値が変わり、その後の発電量も変わります。そのため、PVSystの結果が高すぎる、または低すぎると感じたときは、最初にGlobHorが妥当かを確認する必要があります。


GlobHorは、太陽光パネルが実際に受ける日射量そのものではありません。多くの太陽光発電所では、パネルは水平ではなく、南向きや東西向きに傾斜しています。そのため、GlobHorはあくまで気象データの基礎であり、設計条件を反映した日射量は次に出てくるGlobIncで確認します。


初心者がよく間違えるのは、GlobHorが高いから必ず発電量も高いと単純に判断してしまうことです。実際には、傾斜角、方位角、影、積雪、反射、温度、PCS容量、配線条件などが加わるため、GlobHorだけで発電量の良し悪しは判断できません。ただし、気象データの前提が正しいかを確認する入口として、GlobHorは最初に見るべき略語の一つです。


DiffHorは水平面天空散乱日射量を表す

DiffHorは、Diffuse Horizontal Irradiationの略で、水平面天空散乱日射量を表します。これは、太陽から直接届く直達日射ではなく、大気中で散乱されて空全体から届く日射成分です。


太陽光発電のシミュレーションでは、直達日射と散乱日射の比率が重要です。同じ年間日射量でも、直達日射が多い地域と散乱日射が多い地域では、傾斜面への入射や影の影響、反射の扱いが変わります。特に曇天が多い地域、積雪地域、山間部、海沿いなどでは、DiffHorの扱いが結果に影響することがあります。


PVSystでは、水平面の日射量から傾斜面日射量へ変換する過程で、直達成分と散乱成分が使われます。そのため、DiffHorは単独で発電量を判断する項目ではありませんが、GlobIncやGlobEffがなぜその値になっているのかを理解するうえで重要です。


たとえば、同じGlobHorでも、散乱日射の割合が大きいと、傾斜角を変えたときの発電量差が直達日射中心の地域より小さくなる場合があります。また、影の影響も直達日射と散乱日射で扱いが異なります。PVSystのLoss Diagramを深く読む段階では、DiffHorの存在を知っているかどうかで、日射変換の理解に差が出ます。


T_Ambは外気温を表す

T_Ambは、Ambient Temperatureの略で、外気温を表します。PVSystでは、気象データに含まれる温度条件として扱われ、太陽電池モジュールの温度損失を考えるうえで重要です。


太陽光パネルは、温度が高くなると一般に出力が低下します。そのため、日射量が高い地域でも、気温が高くモジュール温度が上がりやすい条件では、温度損失が大きくなります。逆に、寒冷地では日射量が限られる一方で、温度損失が小さくなり、冬季にモジュール効率が高く出ることがあります。


PVSystの読み方として重要なのは、T_Ambはモジュール温度そのものではないという点です。モジュール温度は、外気温に加えて、日射量、風速、架台条件、設置方式、通風性、熱損失係数などから計算されます。屋根置き、地上設置、営農型、積雪地域、折板屋根、低い架台などでは、外気温が同じでもモジュール温度の上がり方が変わります。


PVSystのレポートで温度損失が大きい場合は、T_Ambだけでなく、Thermal Loss Factor、Uc、Uv、架台裏面の通風条件も確認する必要があります。初心者は、外気温が高いから温度損失が大きいと単純に見てしまいがちですが、実務ではモジュールの設置条件まで含めて判断します。


GlobIncは傾斜面に入る日射量を表す

GlobIncは、Global Incident in Collector Planeの略で、太陽光パネルの面に入射する全天日射量を表します。PVSystの読み方で非常に重要な略語です。水平面の日射量であるGlobHorが、設計された傾斜角と方位角に変換された後の値と考えると分かりやすいです。


太陽光発電所では、実際に発電に使われるのは水平面に降り注ぐ日射ではなく、パネル面に入ってくる日射です。そのため、発電量の前提を確認するうえでは、GlobHorよりGlobIncの方が直接的に重要になります。


GlobIncは、傾斜角、方位角、緯度、季節、直達日射と散乱日射の比率、反射成分などによって変わります。たとえば、同じ地点でも、南向き20度の設計と東西向き10度の設計ではGlobIncが異なります。PVSystのケース比較では、まずGlobIncの差を見ることで、レイアウトや方位条件による日射取得量の違いを把握できます。


注意したいのは、GlobIncが高いから最終発電量が必ず高いとは限らないことです。傾斜面に入る日射が多くても、近傍影、電気損失、温度損失、PCSのクリッピング、出力制御などが大きければ、E_Gridは伸びません。そのため、GlobIncは発電量の入口として見る項目であり、最終結果とは分けて読む必要があります。


GlobEffは有効に使える日射量を表す

GlobEffは、Effective Global Irradianceの略で、有効日射量を表します。GlobIncから、影、IAM、汚れなどの影響を差し引いた後、太陽電池アレイに実質的に有効な日射量として扱われる値です。


PVSystのLoss Diagramでは、GlobIncからGlobEffに至るまでに、近傍影、遠方影、反射や入射角による損失、汚れによる損失などが整理されます。この差を見ることで、日射がパネル面に到達した後、どれだけ発電に使える状態として残っているかを確認できます。


初心者にとってGlobEffが重要なのは、日射側の損失を把握しやすいからです。発電量が低いとき、原因が電気的な損失にあるのか、それともそもそも有効日射量が減っているのかを切り分ける必要があります。GlobIncは十分あるのにGlobEffが大きく下がっている場合、影、汚れ、入射角損失などを重点的に確認します。


たとえば、山影や周辺構造物の影、列間影、積雪や汚れの設定、低い太陽高度での反射損失などは、GlobEffに影響します。PVSystの結果を顧客や関係者に説明するときも、単に発電量が低いというより、有効日射量の段階で何が差し引かれているかを説明できると、説得力が高くなります。


EArrayは太陽電池アレイの出力を表す

EArrayは、Array Energyの略で、太陽電池アレイから出力される直流電力量を表します。PVSystでは、日射がモジュールに入り、モジュール特性、温度損失、低照度特性、ミスマッチ、直流配線損失などを経た後のアレイ出力として扱われます。


EArrayは、発電所の直流側の実力を見るうえで重要です。GlobEffが日射側の有効量を表すのに対し、EArrayはそれを電気エネルギーに変換した後の値です。つまり、日射条件からモジュールがどれだけ直流電力を生み出したかを示します。


PVSystの読み方としては、EArrayとE_Gridの差を見ることで、直流側までの損失と交流側以降の損失を分けて考えることができます。EArrayが想定より低い場合は、モジュール容量、温度損失、モジュール品質損失、LID、ミスマッチ、直流配線損失、影の影響などを確認します。一方で、EArrayは十分なのにE_Gridが低い場合は、インバータ損失、クリッピング、変圧器損失、交流配線損失、系統連系点までの損失を確認します。


初心者が注意すべき点は、EArrayは最終的な売電量ではないということです。EArrayは直流側の電力量なので、実際に系統へ送られる電力量とは異なります。銀行提出用や事業計画用の発電量を見る場合は、EArrayではなくE_GridやGridへの注入電力量を見る必要があります。


EOutInvはインバータ出力を表す

EOutInvは、Energy Output of Inverterの略で、インバータから出力された交流電力量を表します。太陽電池アレイで発生した直流電力がインバータを通過し、交流に変換された後の値です。


PVSystでは、EArrayからEOutInvに至るまでに、インバータ効率、インバータの入力電圧範囲、MPPT範囲、定格容量による出力制限、クリッピング損失などが影響します。特にDC容量に対してPCS容量が小さい設計では、高日射時にインバータが上限に達し、出力制限が発生することがあります。


EOutInvを見ることで、直流側で十分に発電しているにもかかわらず、インバータでどれだけ損失や制限が出ているかを確認できます。Pnom ratio、DC/AC比、PCS容量、力率設定、過積載設計などを評価するときに重要です。


実務では、EOutInvとE_Gridの差も重要です。EOutInvはインバータ出力点の電力量であり、そこからさらに交流配線、変圧器、受電設備、系統連系点までの損失が差し引かれる場合があります。そのため、PVSystの比較では、どの地点の電力量を比較しているのかを明確にしなければなりません。


E_Gridは系統へ送られる電力量を表す

E_Gridは、Energy injected into gridの略で、系統へ送られる電力量を表します。PVSystのレポートでは、最終的な発電量として最も重要視されることが多い項目です。


事業計画、売電収入、P50やP90評価、銀行提出資料、EPCやO&Mの性能評価では、最終的にどれだけの電力量が系統へ注入されるかが重要になります。そのため、PVSystの結果を見るときは、E_Gridを最終結果として確認するのが基本です。


E_Gridは、日射量、モジュール出力、温度損失、配線損失、インバータ損失、変圧器損失、補機損失など、さまざまな要素を反映した結果です。したがって、E_Gridが低い場合でも、その原因は一つとは限りません。まずGlobInc、GlobEff、EArray、EOutInv、E_Gridの流れを追い、どの段階で大きく減っているかを確認します。


注意点として、レポートや契約によっては、比較対象がE_Gridではなく、インバータ出力、受電点、送電端、売電メーター値など異なる場合があります。PVSyst同士の比較でも、どの電力量を見ているかが違えば、結果の差を正しく説明できません。E_Gridは重要ですが、必ず評価地点とセットで読むことが実務上のポイントです。


PRはシステム全体の性能比を表す

PRは、Performance Ratioの略で、太陽光発電システム全体の性能比を表します。PVSystの結果を読むうえで最もよく使われる略語の一つです。


PRは、実際に得られた発電量が、受けた日射量と設備容量に対してどれだけ効率よく得られているかを示す指標です。日射量そのものの多さではなく、システムの変換効率や損失の大きさを把握するために使われます。


PRが高い場合、日射から系統送電までの損失が比較的小さいことを意味します。PRが低い場合、温度損失、影、汚れ、配線損失、インバータ損失、変圧器損失、補機損失、出力制限など、どこかで大きな損失が発生している可能性があります。


ただし、PRは万能な指標ではありません。PRは発電所の性能を見るうえで便利ですが、年間発電量そのものを示すものではありません。日射量が少ない地域でも損失が小さければPRは高く出ることがあり、逆に日射量が多い地域でも温度損失が大きければPRが下がることがあります。


また、PRはどの地点の電力量を使うかによっても変わります。インバータ出力ベースなのか、系統連系点ベースなのか、補機損失を含むのか、出力制御を含むのかによって、数値の意味が変わります。PVSystのPRを他社レポートと比較するときは、定義と評価範囲を必ず確認する必要があります。


Yrは基準日射量から見た理論的な時間を表す

Yrは、Reference Yieldの略で、基準日射量から見た理論的な日射時間を表します。単位は時間で表されることが多く、受けた日射量を標準日射強度で割った値として理解できます。


簡単に言えば、Yrはその発電所がどれだけの日射資源を受けたかを、時間に換算して示す指標です。たとえば、年間の傾斜面日射量が大きければ、Yrも大きくなります。これは発電所の性能というより、日射条件側の指標です。


PVSystの読み方では、Yr、Ya、Yfの関係を理解すると、PRや損失の意味が分かりやすくなります。Yrは日射の入口、Yaはアレイ側の出力、Yfは最終的な出力です。つまり、YrからYaに下がる部分が主にアレイ側の損失、YaからYfに下がる部分が主にシステム側の損失として整理できます。


初心者は、Yrを発電量と混同しないことが大切です。Yrは電力量ではなく、日射量を時間換算した指標です。発電所の設備容量や損失を考慮した最終的な発電量を見る場合は、YfやE_Gridを確認します。


Yaはアレイ出力の等価時間を表す

Yaは、Array Yieldの略で、太陽電池アレイの出力を設備容量あたりの等価時間で表した指標です。EArrayを太陽電池アレイの公称容量で割った値として理解できます。


Yaを見ると、太陽電池アレイがどれだけ直流電力を生み出したかを、容量あたりで比較できます。発電所の規模が異なる場合でも、Yaを使えばアレイ側の性能を比較しやすくなります。


YrからYaに下がる部分には、主に日射から直流出力になるまでの損失が含まれます。具体的には、影、IAM、汚れ、低照度損失、温度損失、モジュール品質損失、ミスマッチ、直流配線損失などが関係します。


PVSystの結果でPRが低い場合、Yaがすでに低いのか、それともYaは妥当でYfが低いのかを見ると、原因の切り分けがしやすくなります。Yaが低ければ、アレイ側の設計や日射側の条件を確認します。Yaが十分なのにYfが低ければ、インバータ以降の損失や制限を確認します。


Yfは最終的に得られた等価発電時間を表す

Yfは、Final Yieldの略で、最終的に得られた電力量を設備容量あたりの等価時間で表した指標です。一般的には、E_Gridを設備容量で割ったものとして理解できます。


Yfは、発電所の最終的な発電成果を容量あたりで比較するために使いやすい指標です。たとえば、設備容量が異なる複数の発電所や複数の設計案を比較するとき、単純な年間発電量だけでは規模の違いに引っ張られます。Yfを見れば、1kWあたり、または1kWpあたりどれだけ発電したかを比較できます。


PRとの関係で見ると、PRはYfをYrで割ることで考えられます。つまり、受けた日射資源に対して、最終的にどれだけの発電成果が得られたかを示すのがPRです。Yfが低くても、Yrも低ければPRは必ずしも低くなりません。逆に、日射量が多くても損失が大きければ、Yfは伸びてもPRは低くなることがあります。


実務では、Yfは発電所の収益性や他案件比較でよく使えます。ただし、PVSystのレポートによっては、設備容量の基準がDC容量なのかAC容量なのか、どの地点の電力量を使っているのかを確認する必要があります。比較する相手と定義を合わせないと、見かけ上の差が実態より大きく見えることがあります。


LcとLsは損失の場所を分けて読むための略語

Lcは、Array Capture Lossを表し、日射を受けてから太陽電池アレイの出力になるまでの損失を示します。Lsは、System Lossを表し、アレイ出力から最終的な系統送電量になるまでのシステム側の損失を示します。


この二つは、PVSystの損失構造を理解するうえで非常に便利です。発電量が低いときに、損失がアレイ側にあるのか、インバータ以降のシステム側にあるのかを分けて考えることができます。


Lcが大きい場合は、影、汚れ、IAM、温度損失、モジュール品質、ミスマッチ、直流配線損失などを確認します。つまり、太陽光パネルが発電する前後の段階で多くのロスが出ているという見方になります。


Lsが大きい場合は、インバータ損失、PCS容量によるクリッピング、交流配線損失、変圧器損失、補機損失などを確認します。つまり、直流電力がすでに作られた後、交流に変換され、系統へ送られるまでの段階でロスが出ているという見方になります。


初心者にとって大切なのは、損失を一つの大きな数字として見ないことです。PVSystのLoss Diagramを読むときは、LcとLsの考え方を使い、日射側、アレイ側、インバータ側、系統側という順番で整理すると、原因を説明しやすくなります。


略語を読むときに初心者が間違えやすい点

PVSystの略語で最も多い誤解は、似たような項目を同じ意味として扱ってしまうことです。GlobHorとGlobInc、GlobIncとGlobEff、EArrayとE_Grid、PRと発電量は、それぞれ意味が異なります。


GlobHorは水平面の日射量であり、GlobIncはパネル面に入った日射量です。GlobEffは、そこから影や反射などを考慮した有効日射量です。この三つを混同すると、発電量の差が気象データによるものなのか、レイアウトや影によるものなのかが分からなくなります。


EArrayとE_Gridの混同も実務でよく起こります。EArrayは直流側のアレイ出力であり、E_Gridは最終的に系統へ送られる電力量です。事業計画や売電量を見る場合はE_Gridが重要ですが、モジュールや直流側の設計を確認する場合はEArrayが重要になります。


PRについても注意が必要です。PRが高いから絶対に良い発電所、PRが低いから絶対に悪い発電所とは言い切れません。PRは損失の少なさを見る指標であり、日射量の多さや売電量そのものとは別です。発電量、PR、日射量、設備容量をセットで読む必要があります。


また、他社レポートと比較するときは、略語の定義が同じでも、評価範囲や前提条件が違う場合があります。補機損失を含むか、変圧器損失を含むか、出力制御を含むか、積雪や汚れをどう扱うかによって、E_GridやPRの値は変わります。略語だけで比較するのではなく、その略語がどの地点、どの条件、どの損失範囲を含んでいるかまで確認することが大切です。


PVSystの略語を実務で使える知識に変える方法

PVSystの略語を覚える目的は、用語を暗記することではありません。発電量がなぜその値になったのかを説明できるようにすることです。そのためには、略語をエネルギーの流れに沿って読む習慣をつけることが重要です。


最初は、GlobHorから始めて、GlobInc、GlobEff、EArray、EOutInv、E_Gridの順番で追うのがおすすめです。この順番で見ると、気象データからパネル面への日射、発電に使える日射、直流出力、交流出力、最終送電量までの流れがつかめます。


次に、PR、Yr、Ya、Yf、Lc、Lsを確認します。これらは、発電所の性能や損失を容量あたり、または日射あたりで見るための指標です。絶対値だけでは見えにくい性能差を比較するのに役立ちます。


実務では、PVSystの結果だけでなく、現場の条件と照らし合わせることも重要です。たとえば、影の設定が正しいか、架台の傾斜や方位が現場と合っているか、PCSの容量や力率設定が実機仕様と整合しているか、配線長やケーブルサイズが妥当か、積雪や汚れの扱いが現地条件に合っているかを確認します。


また、太陽光発電所の現場確認では、図面や測量データ、施工後の出来形情報とPVSystの前提を突き合わせることが重要です。現場での位置確認や図面照合には、iPhoneとGNSSを活用したLRTKのような仕組みを使うことで、架台位置、境界、造成形状、設備配置などを現地で確認しやすくなります。PVSyst上の前提と実際の現場条件を近づけるほど、シミュレーション結果の説明精度も上がります。


特に、発電量の差異分析では、机上のPVSystレポートだけを見ていても原因が分からないことがあります。周辺地形、構造物の影、パネル列間、積雪しやすい場所、施工誤差、配線ルートなど、現地条件が影響するためです。略語の意味を理解したうえで、現場データと照合することで、PVSystの読み方は単なるレポート確認から、設計レビューや改善提案に使える技術へ変わります。


まとめ

PVSystの読み方で最初に覚えるべき略語は、日射、発電量、性能、損失の流れに沿って整理すると理解しやすくなります。GlobHorは水平面の日射量、DiffHorは散乱日射量、T_Ambは外気温、GlobIncはパネル面に入る日射量、GlobEffは有効日射量を表します。これらは、発電量の入口となる気象と日射の条件を読むための略語です。


次に、EArray、EOutInv、E_Gridを押さえることで、直流出力、インバータ出力、系統送電量の違いが分かります。EArrayは太陽電池アレイの直流側の電力量、EOutInvはインバータ通過後の交流電力量、E_Gridは最終的に系統へ送られる電力量です。事業計画や売電量ではE_Gridが重要ですが、原因分析ではEArrayやEOutInvも必ず確認します。


さらに、PR、Yr、Ya、Yf、Lc、Lsを理解すると、PVSystの結果を性能指標として読めるようになります。PRはシステム全体の性能比、Yrは日射資源の等価時間、Yaはアレイ出力の等価時間、Yfは最終発電量の等価時間です。Lcはアレイ側の損失、Lsはシステム側の損失を表します。


PVSystの略語は、一つずつ孤立して覚えるより、GlobHorからE_Gridまでのエネルギーの流れとして見ることが大切です。発電量が低いときは、日射量が少ないのか、有効日射量が減っているのか、アレイ側で損失が大きいのか、インバータ以降で損失が出ているのかを順番に確認します。


最初にこの12個の略語を理解しておけば、PVSystのResult Sheet、Loss Diagram、Detailed Losses、Monthly Resultsを読むときの迷いが大きく減ります。単に数値を見るだけでなく、どの段階でエネルギーが減っているのかを説明できるようになるため、設計レビュー、他社レポート比較、銀行提出用資料の確認、施工後の発電量差異分析にも活用しやすくなります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page