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PVSystの基本操作|発電量を確認する5つの流れ

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この記事は平均7分30秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

太陽光発電所の設計や提案、施工前の検討では、年間発電量をどのように確認するかが重要になります。PVsystは、太陽光発電システムの検討、サイジング、発電量シミュレーションなどに使われるソフトウェアとして知られています。ただし、初めて操作する人にとっては、画面項目や入力条件が多く、どこから確認すればよいのか分かりにくいと感じることがあります。


なお、製品名としての一般的な公式表記はPVsystです。本記事では、検索で使われる表記に合わせて、見出しではPVSystと表記しています。実際に操作する画面名や項目名は、ソフトのバージョンや利用環境によって変わる場合があるため、ここでは特定画面の細かな手順よりも、発電量を確認するための基本的な考え方を中心に整理します。


この記事では、「PVSyst 使い方」と検索している実務担当者に向けて、発電量を確認するまでの基本的な流れを5つに分けて解説します。細かな設計理論を深掘りするよりも、まず実務で迷いやすい入力順序、確認ポイント、結果の読み方を整理し、シミュレーション結果を現場や設計判断に活かすための考え方をまとめます。


目次

PVSystで発電量を確認する前に押さえる基本

流れ1:プロジェクト条件と設置場所を整理する

流れ2:気象条件と日射量データを確認する

流れ3:発電設備の基本条件を入力する

流れ4:損失条件を見直してシミュレーションを実行する

流れ5:年間発電量と月別発電量を読み取る

PVSystの結果を実務で使うときの注意点

発電量確認を現場管理につなげる考え方

まとめ:PVSystの基本操作は入力条件と結果確認を分けて考える


PVSystで発電量を確認する前に押さえる基本

PVSystの基本操作を理解するうえで最初に大切なのは、ソフトを単なる発電量の計算ツールとして見るのではなく、設計条件を整理し、発電量に影響する要素を段階的に確認するための道具として考えることです。発電量の数値だけを早く出そうとすると、入力条件の意味を見落としやすく、後から「なぜこの発電量になったのか」を説明しにくくなることがあります。


太陽光発電所の発電量は、設置場所の日射量、気温、方位、傾斜角、設備容量、機器仕様、影の影響、配線損失、汚れ、経年による性能変化、運転条件など、複数の条件によって変わります。PVSystでは、これらに関係する条件を設定し、その結果として年間発電量や月別発電量、損失の内訳などを確認します。つまり、操作の目的は「発電量を出すこと」だけではなく、「発電量がどの条件に左右されているかを把握すること」にあります。


実務では、シミュレーション結果を設計検討、社内説明、顧客説明、施工計画、発電事業の収支検討などに使う場面があります。そのため、操作担当者は、数値をそのまま受け取るのではなく、前提条件が妥当か、入力ミスがないか、現地条件と矛盾していないかを確認する必要があります。特に、設置場所、方位、傾斜角、設備容量、影の条件は、発電量に影響しやすい項目です。


また、PVSystの画面には専門用語が多く出てきますが、初期段階ですべてを完全に覚える必要はありません。まずは、プロジェクト条件を設定し、気象データを確認し、設備条件を入力し、損失条件を見直し、結果レポートを見るという大きな流れを押さえることが重要です。この流れが分かると、細かな項目の意味も後から整理しやすくなります。


「PVSyst 使い方」で検索する人の多くは、発電量を確認したいものの、どの条件を先に整理すべきか、結果のどこを見ればよいかで迷っています。したがって、最初から高度な解析を目指すよりも、基本操作として、入力前の情報整理と、出力後の確認観点を明確に分けることが実務では役立ちます。


流れ1:プロジェクト条件と設置場所を整理する

発電量確認の第一歩は、プロジェクト条件と設置場所を整理することです。PVSystで新しく検討を始めるときは、対象となる発電所の場所、システムの種類、検討目的、設置条件を明確にします。ここが曖昧なまま操作を進めると、後の気象条件や設備条件にズレが生じ、シミュレーション結果を説明しにくくなります。


まず確認したいのは、発電所をどこに設置するかです。太陽光発電の発電量は、地域ごとの日射量や気温に左右されます。同じ設備容量でも、日射条件が異なれば年間発電量は変わります。そのため、設置場所の緯度、経度、標高、周辺環境は、シミュレーションの基礎条件になります。実務では、案件名や住所だけでなく、できるだけ正確な位置情報を用意しておくと、後工程の確認がしやすくなります。


次に、検討するシステムの種類を整理します。地上設置なのか、屋根設置なのか、傾斜地なのか、平坦地なのかによって、入力すべき条件や注意点が変わります。地上設置であれば、架台の向きや列間距離、周囲の影の影響が重要になります。屋根設置であれば、屋根面の方位や傾斜角、利用可能な面積、障害物の有無が重要です。発電量を確認する前に、どのような設置形態を想定しているかを明確にしておく必要があります。


プロジェクト条件を整理するときは、検討段階も意識します。初期検討で概算発電量を把握したいのか、設計に近い条件で詳細に確認したいのかによって、必要な入力精度は変わります。初期段階では、概略の設備容量や仮の損失条件で傾向をつかむことがあります。一方、実施設計や提案書に近い段階では、機器仕様、配置、影、損失条件をより丁寧に設定する必要があります。


PVSystを使うときにありがちな失敗は、画面上で入力できる項目から順番に埋めてしまい、後で前提条件が分からなくなることです。実務では、先に案件メモとして、設置場所、検討容量、想定する方位と傾斜角、使用する気象条件、影の扱い、出力したい結果を整理しておくと、入力内容の確認がしやすくなります。


この段階では、発電量の数値を急いで出すよりも、計算の土台を整えることが大切です。プロジェクト条件が整理されていれば、後から結果を見直すときにも、「この発電量はどの設置条件に基づいたものか」を説明できます。社内確認や顧客説明でも、単に年間発電量を示すだけでなく、前提条件を合わせて伝えることで、数値の意味が伝わりやすくなります。


流れ2:気象条件と日射量データを確認する

プロジェクト条件を設定したら、次に気象条件と日射量データを確認します。太陽光発電のシミュレーションでは、気象データが発電量計算の基礎になります。特に日射量は発電量に直結しやすいため、どの地点のデータを使っているか、設置場所に対して妥当なデータかを確認することが重要です。


PVSystでは、設置場所に応じた気象データを使い、日射量、気温などの条件をもとにシミュレーションを行います。利用するデータの種類によって含まれる項目や期間は異なるため、気象データを選べば終わりではなく、そのデータが対象地に合っているかを確認することが大切です。設置予定地から離れた地点のデータを使うと、実際の環境と差が生じる可能性があります。山間部、沿岸部、積雪地域、盆地などでは、近い距離でも日射や気温の傾向が異なることがあります。


気象条件の確認では、年間の日射量だけでなく、月別の傾向も見ておくと実務に役立ちます。年間発電量が同程度でも、季節ごとの発電量の出方が異なる場合があります。夏場に発電量が伸びやすい地域もあれば、気温上昇による効率低下や天候の影響で想定ほど伸びない地域もあります。冬場は日射量の低下、太陽高度の低下、積雪や曇天の影響を受けることがあります。


発電量を確認する目的が収支検討であれば、年間合計だけでなく、月別の発電量がどのように変動するかも重要です。売電や自家消費の計画では、季節ごとの発電量の違いが運用計画に関係します。設計や施工の立場でも、発電量が低く出た月について、日射条件によるものなのか、影や設備条件によるものなのかを切り分けて考える必要があります。


また、気温条件も軽視できません。太陽光発電設備は、日射量が多ければ必ず単純に発電量が増えるわけではありません。気温が高い環境では、モジュール温度の上昇によって出力が低下する場合があります。PVSystでは、日射量だけでなく温度に関係する条件も計算に反映されるため、気象データの妥当性は結果に影響します。


気象データを確認するときは、選択したデータの期間や性質にも注意します。長期平均に近いデータなのか、特定年に近いデータなのかによって、結果の受け止め方が変わります。実務上は、シミュレーション結果を将来の発電量保証のように断定するのではなく、設定した気象条件に基づく推定値として扱うことが大切です。


この流れでのポイントは、気象条件を単なる初期設定として流さないことです。発電量の多くは日射条件に左右されるため、後で結果を見たときに違和感があれば、まず気象データの地点、日射量、月別傾向を確認します。入力操作に慣れていない段階ほど、気象条件を丁寧に見ることで、発電量の妥当性を判断しやすくなります。


流れ3:発電設備の基本条件を入力する

気象条件を確認したら、発電設備の基本条件を入力します。ここでは、設備容量、モジュール枚数、回路構成、機器仕様、方位、傾斜角など、発電量に関わる主要な条件を設定します。PVSystの基本操作で最も実務的な確認が必要になる部分です。


まず意識したいのは、設備容量と配置条件の関係です。同じ地域、同じ方位、同じ損失条件であれば、発電量は設備容量とおおむね連動します。しかし、単純に容量だけを大きくすればよいわけではありません。設置可能面積、架台の配置、保守通路、離隔、影の影響、接続条件などを考慮する必要があります。シミュレーション上の容量と、実際に施工可能な容量がずれていると、発電量の検討結果も実務で使いにくくなります。


方位と傾斜角は、発電量に影響しやすい基本項目です。日本国内の多くの案件では、南向きに近い条件で年間発電量を得やすい傾向がありますが、敷地形状や屋根形状、設備の目的によって望ましい向きは変わります。自家消費を重視する場合は、発電量の時間帯分布も考慮することがあります。PVSystで発電量を確認するときは、一般論だけで方位と傾斜角を決めるのではなく、対象案件の設置条件に合わせることが必要です。


機器仕様の入力では、選択した条件が設計内容と一致しているかを確認します。発電設備の出力特性、温度特性、回路構成、機器間の組み合わせは、発電量や損失計算に関わります。ここで仕様が違っていると、結果の精度に影響します。実務では、設計資料や機器仕様書の数値と照合しながら入力することが望ましいです。


回路構成については、直列数や並列数などの設定が重要です。接続条件が適切でない場合、シミュレーション上で警告や不整合が表示されることがあります。警告が出た場合は、そのまま無視せず、電圧範囲や入力条件に問題がないかを確認します。発電量だけを見ていると、こうした設計上の不整合を見落とすことがあるため注意が必要です。


また、設置面が複数ある場合は、それぞれの方位や傾斜角を分けて考える必要があります。屋根の東西面、複数の区画、傾斜の異なるエリアをまとめて一つの条件で扱うと、実際の発電傾向とずれる可能性があります。初期検討では簡略化することもありますが、詳細検討では設置面ごとに条件を整理した方が、結果を説明しやすくなります。


設備条件を入力した後は、必ず全体の整合性を見直します。設備容量、枚数、回路構成、方位、傾斜角が、案件資料と合っているかを確認します。特に、単位の見間違い、角度の入力間違い、容量の桁違い、設置面の取り違えは、実務で起こりやすいミスです。PVSystの操作に慣れてきても、入力確認の手順を省略しないことが大切です。


この流れでは、発電設備の条件を「入力する」だけでなく、「実際の設計条件と一致しているかを確認する」ことが重要です。シミュレーション結果の信頼性は、入力条件の正確さに大きく左右されます。発電量が想定より高い、または低い場合でも、まず設備条件に誤りがないかを確認することで、原因の切り分けがしやすくなります。


流れ4:損失条件を見直してシミュレーションを実行する

設備条件を入力したら、次に損失条件を見直してシミュレーションを実行します。太陽光発電のシミュレーションでは、理想的な日射量から得られる発電量がそのまま最終的な発電量になるわけではありません。実際には、温度による損失、影による損失、配線損失、機器変換による損失、汚れによる損失、ミスマッチによる損失など、さまざまな要因が差し引かれます。


PVSystの発電量確認で重要なのは、損失条件を初期値や仮置きのままにせず、案件の条件に合っているかを確認することです。もちろん、すべての損失を詳細に測定してからでなければ使えないわけではありません。初期検討では一般的な条件を置いて概算することもあります。しかし、提案や設計判断に使う場合は、どの損失をどの程度見込んだのかを説明できる状態にしておく必要があります。


影の影響は、発電量に関わる重要な項目です。周囲の建物、樹木、山、電柱、設備同士の列間影などがある場合、影の設定を適切に行わないと、発電量が実際より高く見積もられる可能性があります。特に低い太陽高度の時間帯や冬季には、影の影響が目立つ場合があります。敷地や屋根の周辺に障害物がある場合は、影を無視してよいか慎重に判断する必要があります。


汚れによる損失も、現地条件によって変わります。砂ぼこり、花粉、鳥害、周辺工事、農地、沿岸環境など、汚れの発生要因は現場によって異なります。清掃計画や降雨状況によっても影響は変わります。過度に楽観的な設定にすると、発電量を高めに見てしまう可能性があります。一方で、根拠なく大きな損失を入れすぎると、検討結果が必要以上に保守的になることもあります。


配線損失や機器変換損失は、設計条件に基づいて確認します。ケーブル長、電流、電圧、機器構成などによって損失は変わります。初期検討では仮の値を使うことがありますが、詳細検討では設計図や系統構成と整合させることが望ましいです。特に大規模な発電所では、配線距離や集電方法が発電量に影響することがあります。


温度に関係する損失も重要です。太陽光発電設備は、日射を受けることで温度が上がり、その結果として出力が低下することがあります。設置方式によって放熱条件が変わるため、屋根置き、地上設置、密閉に近い設置などでは温度条件の考え方が異なります。PVSystでは温度に関する条件が計算に反映されるため、設置方式に応じた確認が必要です。


損失条件を確認したら、シミュレーションを実行します。実行後は、年間発電量の数値だけでなく、警告やエラー、損失の内訳も確認します。警告がある場合は、入力条件に不整合がないか、設定が現実的かを見直します。結果が出たから完了ではなく、シミュレーションが妥当な条件で実行されたかを確認することが、実務での基本操作です。


この段階で大切なのは、損失条件を「発電量を調整するための数字」として扱わないことです。損失は、現地条件や設計条件を反映するための項目です。発電量を希望する数値に近づけるために損失を変えるのではなく、根拠のある条件を入力した結果として発電量を確認するという姿勢が必要です。


流れ5:年間発電量と月別発電量を読み取る

シミュレーションを実行したら、結果画面やレポートで年間発電量と月別発電量を確認します。PVSystの基本操作で最終的に多くの人が見たいのは、年間でどれくらい発電するのかという数値です。しかし、実務では年間合計だけを見て判断するのではなく、月別の変動、損失の内訳、発電量の妥当性を合わせて確認する必要があります。


年間発電量は、対象発電所が1年間でどの程度の電力量を生み出すと推定されるかを示す中心的な数値です。提案書や社内検討では、この数値が大きく扱われることが多いです。ただし、年間発電量はあくまで入力条件に基づくシミュレーション結果です。気象条件、設備条件、損失条件が変われば結果も変わります。そのため、年間発電量を見るときは、必ず前提条件とセットで確認します。


月別発電量は、結果の妥当性を確認するうえで役立ちます。日射量の多い季節に発電量が増え、日射量の少ない季節に減るという大きな傾向は自然です。しかし、特定の月だけ極端に低い、季節傾向が想定と合わない、設備条件の割に発電量が高すぎるといった違和感がある場合は、入力条件を見直すきっかけになります。


発電量を読み取るときは、設備容量あたりの発電量も確認すると判断しやすくなります。単純な年間発電量だけでは、設備規模が異なる案件同士を比較しにくいからです。設備容量あたりの発電量を見ることで、地域や設置条件に対して妥当な水準かどうかを確認しやすくなります。ただし、この値も気象条件や損失条件によって変わるため、単独で優劣を判断するのではなく、前提条件と合わせて見ることが大切です。


結果レポートでは、損失の流れも確認します。日射量から発電量に至るまでに、どこでどの程度の損失が発生しているかを見ることで、発電量が低くなっている原因を把握しやすくなります。影の損失が目立つのか、温度損失が目立つのか、配線や機器の損失が目立つのかによって、設計改善の方向が変わります。


影の損失が大きい場合は、配置や離隔、障害物の扱いを見直す余地があります。温度損失が大きい場合は、設置方式や通風条件を確認します。配線損失が大きい場合は、ケーブル計画や機器配置を見直すことがあります。このように、PVSystの結果は単なる発電量の数字ではなく、設計改善のヒントとして使うことができます。


また、レポートを社内外に共有するときは、数値だけを抜き出すのではなく、入力条件、気象条件、設備条件、損失条件を合わせて説明することが重要です。発電量の根拠が分からない資料は、後で確認が必要になったときに使いにくくなります。逆に、前提条件が整理されていれば、発電量の差異や設計変更の影響を説明しやすくなります。


この流れで意識したいのは、結果確認を「答え合わせ」として見ることです。入力した条件に対して、発電量が自然な範囲にあるか、月別傾向に違和感がないか、損失の内訳が現地条件と合っているかを確認します。PVSystの基本操作では、実行ボタンを押して終わりではなく、結果を読み解くところまでが一連の作業です。


PVSystの結果を実務で使うときの注意点

PVSystで発電量を確認した後、その結果を実務で使う際にはいくつかの注意点があります。最も重要なのは、シミュレーション結果を確定値として扱わないことです。発電量は気象条件や運用状況に左右されるため、実際の発電量と完全に一致するものではありません。あくまで、設定した前提条件に基づく推定結果として扱う必要があります。


特に、顧客説明や社内承認に使う場合は、結果の前提条件を明記しておくことが大切です。設置場所、気象データ、設備容量、方位、傾斜角、損失条件、影の扱いが変われば、発電量も変わります。これらを示さずに年間発電量だけを提示すると、後で条件が変わったときに説明が難しくなります。


また、シミュレーション条件と施工条件のズレにも注意が必要です。設計段階ではきれいに配置できていた設備が、施工段階で地形、境界、構造物、通路、保守スペース、周辺障害物の影響を受けて変更されることがあります。配置や傾斜角、設備容量が変われば、発電量の再確認が必要です。初期検討時の結果をそのまま最終値として使わないようにします。


入力ミスの確認も重要です。PVSystは専門的な計算を行うソフトですが、入力値が間違っていれば結果も間違います。設置場所の選択違い、方位角の入力間違い、傾斜角の誤り、容量の桁違い、機器条件の取り違え、損失設定の過不足は、発電量に影響します。結果が想定より大きく違う場合は、計算方法を疑う前に、まず入力条件を見直すことが基本です。


実務では、複数条件を比較することもあります。傾斜角を変えた場合、設備容量を変えた場合、配置を変えた場合、影の影響を考慮した場合としない場合などです。このときは、条件名を分かりやすく管理し、どの結果がどの条件に対応しているかを明確にします。似たようなファイルや条件が増えると、古い結果や途中検討の結果を誤って使ってしまうことがあります。


レポートの扱いにも注意が必要です。PVSystのレポートには多くの情報が含まれますが、読む人によって必要な情報は異なります。設計担当者には損失の内訳や設備条件が重要であり、事業計画担当者には年間発電量や月別発電量が重要になることがあります。資料として使う場合は、相手が何を判断したいのかに合わせて、必要な情報を整理して説明することが大切です。


さらに、発電量シミュレーションは単独で完結するものではありません。現地調査、測量、設計、施工計画、保守計画とつながっています。現地に段差や傾斜、障害物がある場合、机上の条件だけでは十分に判断できません。シミュレーション結果を活かすためには、現場条件を正しく把握し、必要に応じて条件を更新することが求められます。


このように、PVSystの結果を実務で使うときは、数値の正確さだけでなく、前提条件の透明性、入力内容の確認、現場条件との整合、資料としての分かりやすさが重要になります。発電量を確認する基本操作を覚えた後は、結果をどのように判断し、どのように説明するかまで意識することで、実務で使えるシミュレーションになります。


発電量確認を現場管理につなげる考え方

PVSystで発電量を確認する作業は、設計室や事務所の中だけで完結するものではありません。発電量のシミュレーション結果を実際の太陽光発電所づくりに活かすには、現場条件との連携が欠かせません。設計上の発電量がどれほど良く見えても、現地の地形、方位、勾配、障害物、施工精度、保守性が合っていなければ、想定どおりの運用につながりにくくなります。


シミュレーション上では一定の方位と傾斜角で設備を配置していても、実際の現場では地盤の高低差や境界条件によって配置が変わることがあります。地形に合わせて架台の高さや角度が変われば、影の出方や発電量にも影響する可能性があります。そのため、発電量確認の結果を現場で活かすには、設計条件と現況条件をできるだけ一致させることが重要です。


また、太陽光発電所では、杭位置や架台配置の精度も発電量や保守性に関係します。配置のズレが大きいと、列間距離や通路幅、影の条件に影響する場合があります。PVSystで想定した配置条件を現場で再現するには、測量や位置管理の精度が必要です。発電量シミュレーションと現場施工を別々に考えるのではなく、設計条件を現場へ正しくつなぐ意識が大切です。


発電量確認の結果を使って設計を改善する場合も、現場情報が重要になります。影の損失が気になる場合は、周辺障害物や地形の影響を確認します。設備容量を増やしたい場合は、実際に配置できる面積や保守動線を確認します。傾斜角や方位を調整したい場合は、架台条件や施工性を確認します。シミュレーション結果から改善点を見つけたとしても、それが現場で実現できるかを確認しなければなりません。


運用開始後も、発電量の確認は重要です。シミュレーション結果と実績値を比較することで、発電所が想定に近い状態で稼働しているかを確認できます。ただし、実績値は天候や一時的な停止、汚れ、機器状態の影響を受けます。そのため、単純にシミュレーション値と実績値を比較するだけではなく、期間、気象条件、停止履歴、保守状況を合わせて見る必要があります。


現場管理の観点では、設計段階の発電量確認、施工段階の位置管理、運用段階の実績確認をつなげることが重要です。これらが分断されていると、シミュレーションでは良い結果が出ていたのに、現場では配置が変わっていた、運用後に原因不明の発電量低下が起きた、といった問題に気づきにくくなります。


PVSystは発電量を検討するための有効な手段ですが、その結果を現場で活かすには、現地情報を正確に把握し、設計条件と施工条件を管理する仕組みが必要です。特に、太陽光発電所の杭位置、パネル配置、地形情報、施工進捗を現場で確認できる環境があると、シミュレーション結果と実際の施工を結びつけやすくなります。


発電量の確認は、単なる机上計算ではなく、発電所全体の品質管理の一部として考えることが重要です。入力条件を整え、結果を読み取り、現場条件と照合し、必要に応じて設計や施工に反映する。この流れを作ることで、PVSystの基本操作はより実務的な価値を持ちます。


まとめ:PVSystの基本操作は入力条件と結果確認を分けて考える

PVSystで発電量を確認する基本操作は、プロジェクト条件の整理、気象条件の確認、設備条件の入力、損失条件の見直し、結果の読み取りという5つの流れで考えると理解しやすくなります。画面項目が多く見えても、作業の目的を分けて整理すれば、どこで何を確認すべきかが明確になります。


最初に行うべきことは、設置場所や検討目的を整理することです。次に、対象地に合った気象条件を確認し、日射量や気温の傾向を把握します。そのうえで、設備容量、方位、傾斜角、回路構成などの基本条件を入力します。さらに、影、温度、配線、汚れなどの損失条件を見直し、シミュレーションを実行します。最後に、年間発電量、月別発電量、損失の内訳を確認し、結果が現地条件や設計条件と合っているかを判断します。


実務で重要なのは、発電量の数値だけを抜き出して判断しないことです。シミュレーション結果は、入力条件に基づく推定値です。条件が変われば結果も変わります。そのため、発電量を確認するときは、必ず前提条件とセットで扱う必要があります。特に、設置場所、気象データ、設備容量、方位、傾斜角、影の条件、損失設定は、後から説明できるように整理しておきます。


また、PVSystの結果は設計検討だけでなく、現場管理にもつながります。シミュレーション上の配置や条件を現場で再現するには、正確な測量、位置管理、施工確認が必要です。発電量の検討結果を実際の発電所づくりに活かすには、机上の計算と現場の情報を切り離さずに扱うことが大切です。


PVSystの使い方に慣れていない段階では、まず発電量を出すまでの基本手順を押さえ、次に結果の読み方を覚えることが近道です。操作に慣れてきたら、複数条件の比較、影の詳細確認、損失条件の精査、現場条件との照合へ進むと、より実務に合った発電量確認ができるようになります。


太陽光発電所の設計や施工では、シミュレーション結果を現場の配置、杭位置、地形、施工進捗と結びつけて管理することが重要です。PVSystで確認した条件を実際の現場管理へつなげるには、設計段階の入力条件、施工段階の位置情報、運用段階の実績データを分けずに管理することが有効です。発電量検討から現場確認までを一貫して扱える体制を整えることで、シミュレーション結果をより実務に活かしやすくなります。


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