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点群を仮設照明計画に活かすための6つの見方

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

仮設照明計画は、夜間作業や暗所作業を安全に進めるための重要な準備です。現場に必要な明るさを確保するだけでなく、作業員の動線、重機の旋回範囲、資材置き場、段差、開口部、仮囲い、周辺環境へのまぶしさなどを総合的に見て計画する必要があります。点群を活用すると、現場を立体的に確認しながら、照明を置く位置、高さ、向き、死角になりやすい場所を事前に整理しやすくなります。ただし、点群は形状を確認するための情報であり、照度値や照明性能そのものを保証するものではありません。実際の明るさは、関係法令、照明基準、発注者仕様、社内基準、現地での試験点灯や照度確認と組み合わせて判断することが大切です。


目次

点群で仮設照明計画を考える意味

見方1 現場全体の暗くなりやすい場所を立体で把握する

見方2 作業範囲と人の動線を分けて確認する

見方3 照明の設置位置と高さを点群上で検討する

見方4 重機や資材による影を想定する

見方5 まぶしさと周辺への影響を確認する

見方6 点群を使って変更前後の計画を共有する

点群を仮設照明計画に使うときの注意点

まとめ 点群で照明計画を現場任せにしない


点群で仮設照明計画を考える意味

仮設照明計画は、照明器具を現場に並べれば終わりというものではありません。作業する場所が十分に見えるか、歩行者や作業員が段差を認識できるか、重機の運転者が周囲を確認できるか、資材の影で見えない場所が生まれないかを考える必要があります。特に夜間工事、屋内改修、地下空間、トンネル、倉庫、仮設ヤード、舗装工事、解体工事などでは、照明の配置が作業効率と安全性に大きく関わります。


現場では、照明計画が経験に頼りすぎることがあります。過去の現場と同じように設置する、見た目で暗い場所に追加する、作業が始まってから不足に気づく、といった進め方では、準備段階での見落としが残りやすくなります。もちろん現場経験は重要ですが、複雑な現場では、人の記憶や平面図だけでは高さ方向の情報や障害物の重なりを把握しきれません。


点群は、現場を三次元の形として記録したデータです。地盤、壁、柱、梁、足場、仮囲い、既設設備、資材、段差、開口部などの位置関係を立体的に確認できます。平面図だけでは見落としやすい高さ、奥行き、遮蔽物の位置を把握しやすくなるため、仮設照明計画の事前検討に役立つ情報です。


点群を使うと、照明をどこに置けばよいかだけでなく、どこに置くと影ができやすいか、どの方向に向けるとまぶしさが出やすいか、作業員の目線や重機運転者の視界に入りすぎないかを考えやすくなります。さらに、関係者が同じ三次元情報を見ながら確認できるため、現場担当者、元請、協力会社、安全担当、施工管理者の間で認識を合わせやすくなります。


仮設照明は、作業が始まる直前に調整されることも多い設備です。しかし、点群を活用すれば、計画段階で暗くなりやすい場所、照明が届きにくい場所、器具を置きにくい場所を早めに発見できます。これにより、照明の追加や移設が後手に回ることを防ぎ、夜間作業や暗所作業の段取りを安定させやすくなります。


一方で、点群を見ただけで必要照度を満たしていると判断するのは適切ではありません。必要な明るさは、作業内容、作業面の位置、通路の条件、周辺環境、使用する照明器具の性能によって変わります。点群は、どこを確認すべきかを整理するために使い、最終的な明るさは現地で確認するという考え方が安全です。


見方1 現場全体の暗くなりやすい場所を立体で把握する

仮設照明計画で最初に見るべきなのは、現場全体の形です。どの範囲を照らす必要があるのか、どこに壁や柱があるのか、どこが奥まっているのか、どこに段差や開口部があるのかを把握しなければ、照明の配置を適切に考えることはできません。点群を使うと、現場全体を俯瞰しながら、暗くなりやすい場所を立体的に探せます。


平面図では、壁や柱の位置は確認できますが、実際の現場でどの程度の高さまで障害物があるか、天井や梁がどのように張り出しているか、仮設物がどれほど視界を遮るかまでは読み取りにくい場合があります。点群では、これらの情報を立体として確認できるため、照明が届きにくい場所を想像しやすくなります。


たとえば、壁際、柱の裏側、資材の奥、足場の内側、仮囲いに囲まれた通路、段差の下、スロープの曲がり角などは、照明の配置によって暗くなりやすい場所です。点群上で現場を回転させたり、上から見たり、作業者の目線に近い高さから見たりすることで、平面図だけでは気づきにくい暗がりの候補を確認できます。


仮設照明では、単に作業面だけを明るくするのではなく、作業前後に人が移動する範囲、資材を運ぶ範囲、工具を置く範囲、車両が出入りする範囲も考える必要があります。作業面は明るくても、そこへ向かう通路が暗ければ、転倒や接触のリスクが残ります。点群を使えば、現場の外周部や裏側、狭い通路、仮設階段の周辺なども含めて確認しやすくなります。


また、点群では高さ方向の見落としも減らせます。照明が床面には届いていても、作業者が確認する壁面や設備面が暗い場合があります。逆に、床面ばかりを照らしてしまい、手元や機械の操作部が見えにくい場合もあります。作業対象が床なのか、壁なのか、天井なのか、設備なのかによって、必要な照明の当て方は変わります。点群上で対象面の位置と向きを確認することで、どの面を明るくするべきかを整理できます。


現場全体を見るときは、作業範囲を広めに捉えることも大切です。実際の作業では、予定範囲の外側に資材が置かれたり、車両が待機したり、作業員が一時的に移動したりします。計画範囲だけを狭く見てしまうと、周辺の暗所が残ることがあります。点群では、作業中心部だけでなく、搬入経路、退避場所、仮設電源周辺、出入口、資材置き場まで含めて確認することで、より実態に近い照明計画を立てやすくなります。


ただし、点群上で暗くなりやすい形状を見つけられても、その場所の照度が不足していると断定できるわけではありません。壁面の色、器具の配光、反射、外光、粉じん、雨や霧などによって見え方は変わります。点群で候補を洗い出し、重要箇所は現地で実際の見え方を確認する流れにすると、計画の精度を高めやすくなります。


見方2 作業範囲と人の動線を分けて確認する

仮設照明計画では、作業する場所と人が移動する場所を分けて見ることが重要です。作業範囲には作業に必要な明るさが求められますが、人の動線には安全に歩ける見通しが求められます。この二つを同じものとして扱うと、作業場所だけが明るく、通路や退避経路が暗い計画になりやすくなります。


点群を使うと、作業範囲と動線の位置関係を立体的に確認できます。作業員がどこから入場し、どこを通って作業場所に向かい、どこで材料を受け取り、どこへ退避するのかを、点群上で追うことができます。特に、通路が狭い現場や段差が多い現場では、動線上の照明不足が事故につながりやすいため、作業範囲とは別に確認することが大切です。


動線を見るときは、足元だけでなく、頭上や側方も確認します。仮設配管、梁、足場材、吊り設備、仮設ケーブルなどがある場合、作業員が頭上の障害物に気づきにくいことがあります。点群で高さ方向の障害物を確認し、照明が足元だけでなく視線の先にも届くように考えると、移動時の危険を減らしやすくなります。


また、点群では狭い場所の見通しを確認しやすくなります。曲がり角、仮囲いの切れ目、柱の裏、出入口付近では、人同士や人と台車、人と重機が接近することがあります。照明が不足していると、相手の存在に気づくのが遅れます。点群上で動線が交差する場所を見つけ、その周辺を重点的に照らす計画にすると、接触リスクの低減につながります。


仮設照明は、作業効率にも影響します。暗い通路で資材を運ぶと、歩行速度が落ち、確認作業も増えます。手元が見えにくい場所で工具や部材を探す時間も増えます。点群で作業範囲と動線を分けて整理すると、どこに作業用の明るさが必要で、どこに移動用の明るさが必要かを判断しやすくなります。これにより、照明を無駄に増やすのではなく、必要な場所へ優先的に配置できます。


動線の確認では、作業時間帯の変化も考慮します。昼間は自然光が入る場所でも、夕方以降は急に暗くなることがあります。屋外では、仮囲いや建物の影により、日没前から暗く感じる場所もあります。点群自体は明るさを直接示すものではありませんが、建物や仮設物の形状を確認することで、自然光が入りにくい場所や照明の補助が必要な場所を推定しやすくなります。


さらに、緊急時の動線も見ておく必要があります。通常の作業動線だけでなく、退避経路、消火設備へのアクセス、救急搬送時の通路などが暗いと、万一の対応が遅れる可能性があります。点群を使って、通常時と緊急時の動線を同じ三次元空間で確認しておくと、仮設照明計画を安全管理の一部として扱いやすくなります。


通路や退避経路は、照明器具だけでなくケーブルや支持材の置き方にも注意が必要です。点群上で動線を整理しておくと、照明を増やした結果として通路を狭めたり、つまずきやすい配線をつくったりする問題に気づきやすくなります。照らす場所だけでなく、照明を設置することで新たな障害を作らないという視点も欠かせません。


見方3 照明の設置位置と高さを点群上で検討する

仮設照明は、どこに置くかだけでなく、どの高さに置くかが重要です。同じ照明でも、低い位置から照らす場合と高い位置から照らす場合では、明るくなる範囲、影の出方、まぶしさ、器具の邪魔になりやすさが変わります。点群を使うと、照明を設置できそうな場所と、そこから照らしたい範囲の関係を立体的に確認できます。


現場では、照明を設置できる場所が限られます。作業の邪魔にならない場所、転倒しにくい場所、仮設電源に近い場所、ケーブルを安全に引ける場所、重機や車両と干渉しない場所を選ぶ必要があります。点群で現場の形を確認すると、設置候補位置を早めに洗い出せます。壁際に置けるのか、柱に近い場所に置けるのか、仮設通路をふさがないか、資材置き場と重ならないかを事前に確認しやすくなります。


高さの検討では、作業面との関係を見ます。広い範囲を照らしたい場合は、ある程度高い位置から照らすことで光を広げやすくなります。一方で、細かな手元作業では、作業面に対して適切な角度で光を当てる必要があります。高すぎる位置から照らすと、作業者自身の影が手元に落ちることがあります。低すぎる位置から照らすと、まぶしさが強くなったり、器具が作業の邪魔になったりします。


点群上で設置位置を検討するときは、作業者の目線も意識します。照明が直接目に入りやすい位置にあると、明るさは足りていても見えにくく感じることがあります。特に、通路の正面、階段の上り下り方向、重機の運転席に向かう方向に照明がある場合は注意が必要です。点群で視線方向を想定し、照明の向きや高さを調整することで、まぶしさを抑えながら必要な範囲を照らしやすくなります。


また、照明の設置高さは、仮設物や既設構造物との干渉にも関係します。足場、梁、配管、看板、仮設屋根、クレーンの作業範囲などがある場所では、照明器具や支持材が干渉する可能性があります。点群で上部空間を確認すれば、照明を立てたときに支障がないか、移動や撤去がしやすいかを検討できます。


仮設照明計画では、器具そのものだけでなく、ケーブルの経路も大切です。照明を置けても、電源までの配線が通路を横断したり、車両動線にかかったりすると、別の危険が生まれます。点群を見ながら、照明位置と仮設電源、分電設備、ケーブルルートを合わせて確認すると、設置後のつまずきや断線、養生不足を防ぎやすくなります。


点群を活用するメリットは、設置位置の候補を複数比較できることです。現地で照明を何度も移動させる前に、点群上で候補位置を確認し、作業範囲、動線、障害物、電源位置との関係を整理できます。現場に入る前に大まかな方針を決めておけば、当日の調整時間を減らし、作業開始までの段取りをスムーズにできます。


ただし、点群上で候補位置を決めた後も、現場で器具の安定性、風の影響、固定方法、防水や防じんの条件、ケーブル保護、作業者の実際の見え方を確認する必要があります。点群で置けるように見える場所でも、現場では床の不陸、ぬかるみ、車両通行、仮置き材の変化によって適さない場合があります。点群は候補を絞るために使い、最終判断は現場条件と合わせて行うことが安全です。


見方4 重機や資材による影を想定する

仮設照明計画で見落としやすいのが、重機や資材による影です。計画段階では照明が十分に届くように見えても、実際に作業が始まると、重機、車両、足場材、型枠材、配管、仮設材、搬入資材などが光を遮り、暗い場所が生まれることがあります。点群を使うと、現場の障害物や資材配置を立体的に確認し、影になりやすい場所を事前に想定しやすくなります。


影は、照明の位置と対象物の位置関係によって大きく変わります。照明のすぐ近くに大きな資材があると、その反対側に暗い範囲ができます。高さのある重機や仮設物がある場合は、想像以上に広い影ができます。点群で対象物の高さや幅を確認すると、平面図だけでは分かりにくい影の発生範囲を考えやすくなります。


特に、夜間の舗装工事や造成工事、搬入作業では、車両や重機が移動することで影の位置も変わります。固定された照明だけで計画すると、重機が止まった瞬間に作業面が暗くなることがあります。点群で重機の動線や作業範囲を重ねて考えることで、固定照明で照らす範囲と、必要に応じて補助照明を使う範囲を分けて整理できます。


屋内や狭い現場では、資材の仮置きによる影も重要です。資材が壁際や通路脇に積まれると、その奥や足元が暗くなります。点群で資材置き場の候補を確認し、照明の光が遮られない位置に置けるかを検討すると、作業中の見通しを保ちやすくなります。資材置き場が変わる可能性がある場合は、照明位置も変更しやすい計画にしておくことが大切です。


点群を使うと、作業の進行に伴って現場の形が変わることも意識しやすくなります。解体工事では障害物が減る一方で、仮置き材が増えることがあります。新設工事では、施工が進むにつれて壁、設備、仮設物が増え、照明の届き方が変わります。最初に取得した点群だけで判断するのではなく、必要に応じて段階ごとに点群を更新し、照明計画を見直すことが有効です。


影の確認では、作業者自身の影も忘れてはいけません。照明が作業者の背後にあると、手元や足元に自分の影が落ちます。細かな墨出し、配線、締付け、検査、計測、機械操作では、この影が作業品質に影響することがあります。点群上で作業者の立ち位置を想定し、照明を横方向や斜め方向から当てられるかを確認すると、作業しやすい配置を考えやすくなります。


影を完全になくすことは難しいですが、危険な影と許容できる影を分けて考えることはできます。段差、開口部、車両動線、旋回範囲、足場昇降部、仮設階段、材料切断場所などでは、影が事故につながりやすいため優先的に対策します。点群で危険箇所と影になりやすい場所を重ねて見ることで、照明を追加すべき場所を判断しやすくなります。


なお、点群上で影を想定する場合も、実際の配光や反射を正確に再現できているとは限りません。照明シミュレーションを行う場合は、器具の配光データ、設置高さ、照射角度、反射条件などを別途設定する必要があります。点群は、影の原因になりそうな物体や位置関係を見つけるための土台として使うのが現実的です。


見方5 まぶしさと周辺への影響を確認する

仮設照明では、明るければよいという考え方は危険です。照明が強すぎたり、向きが悪かったりすると、作業者や運転者がまぶしさを感じ、かえって見えにくくなることがあります。また、現場外へ光が漏れすぎると、近隣、道路、歩行者、周辺施設に影響を与える可能性があります。点群を使うと、照明の向きと周辺環境の位置関係を確認しやすくなります。


まぶしさを考えるときは、照明器具からの光が誰の目線に入るかを確認します。作業員の立ち位置、通路を歩く人の視線、重機や車両の運転席、誘導員の立ち位置などを想定し、照明が正面に来ないように調整します。点群上で通路や車両動線を確認し、照明の向きを変えた場合にどの方向へ光が向かうかを考えると、現場での不快なまぶしさを減らしやすくなります。


特に車両が出入りする現場では、照明の向きに注意が必要です。出入口に向けて強い光が当たると、運転者が一時的に見えにくくなることがあります。道路に近い現場では、外部を通行する車両や歩行者に光が向かないように配慮する必要があります。点群で出入口、仮囲い、道路側の位置関係を確認しておくと、照明の向きや遮光の必要性を判断しやすくなります。


周辺への影響を見るときは、現場の境界を確認します。仮囲い、隣地境界、道路境界、建物開口部、近隣施設との距離を点群上で把握し、光が外へ漏れやすい方向を考えます。現場内では問題がなくても、隣地側から見るとまぶしい配置になっている場合があります。点群を使って外側からの見え方も確認すると、事前の調整に役立ちます。


まぶしさは、照明の高さとも関係します。高い位置から広く照らすと作業範囲を確保しやすい一方で、遠くまで光が届きやすくなります。低い位置から照らすと、外部への光漏れを抑えやすい場合がありますが、作業者の目線に入りやすくなることもあります。点群で高さ方向を確認しながら、作業範囲への照射と周辺への配慮のバランスを検討することが大切です。


また、反射にも注意が必要です。金属面、水たまり、ガラス、白い壁、仮設パネルなどは光を反射し、思わぬ方向にまぶしさを生むことがあります。点群だけで材質や反射の程度を完全に判断することは難しいですが、反射しやすい面の位置や向きを把握する手がかりにはなります。現場写真や記録と合わせて確認すれば、照明の向きをより慎重に決められます。


仮設照明計画では、作業性、安全性、周辺配慮を同時に満たす必要があります。暗い場所をなくそうとして照明を増やすだけでは、まぶしさや光漏れの問題が大きくなることがあります。点群を使って、照らしたい場所と照らしたくない場所を分けて考えることで、過剰な照明ではなく、目的に合った照明配置を検討しやすくなります。


まぶしさや光漏れは、現場内だけでなく現場外からの見え方でも評価する必要があります。点群で道路側、隣地側、建物の窓側などの位置関係を確認し、必要に応じて照明の向き、設置高さ、遮光材、点灯時間を調整することで、近隣や通行者への影響を抑えやすくなります。特に夜間作業では、作業開始前に外部側からも見え方を確認しておくと安心です。


見方6 点群を使って変更前後の計画を共有する

仮設照明計画は、一度決めたら終わりではありません。工程の進行、作業範囲の変更、資材置き場の移動、重機の変更、仮設物の追加、近隣条件の変化によって、照明の配置を見直す必要があります。点群を使うと、変更前後の状況を関係者で共有しやすくなり、現場での認識違いを減らせます。


照明計画の変更では、言葉だけの説明では伝わりにくいことがあります。たとえば、柱の裏が暗いので照明を追加する、通路側に向きを変える、資材置き場を避けて移設する、といった説明は、現場を知っている人には伝わっても、関係者全員が同じ場所をイメージできるとは限りません。点群上で場所を示しながら説明すれば、どの範囲を問題としているのかを共有しやすくなります。


点群は、現場に行けない関係者との共有にも役立ちます。夜間作業の前に、安全担当や管理者が現地に行けない場合でも、点群で現場の形を確認し、照明計画の論点を事前に確認できます。もちろん最終確認は現地で行う必要がありますが、事前に論点を整理しておくことで、現場確認の効率を高められます。


変更前後の比較では、照明位置だけでなく、作業範囲、動線、資材置き場、危険箇所も合わせて確認します。照明を一つ移動したことで、別の通路が暗くなる場合があります。作業範囲を広げたことで、これまで不要だった場所に照明が必要になる場合もあります。点群を使えば、変更の影響を部分的ではなく全体で見直しやすくなります。


関係者への説明では、点群上に確認ポイントを整理しておくと効果的です。照明を設置する候補位置、暗くなりやすい場所、影が出る可能性のある場所、まぶしさに注意する方向、ケーブルを通す予定範囲などを示しておけば、現場での確認漏れを減らせます。紙の図面だけでは伝わりにくい高さ方向の情報も、点群なら共有しやすくなります。


また、点群は記録としても有効です。なぜその位置に照明を置いたのか、どの暗所を解消するために追加したのか、どの方向への光漏れを避けるために向きを調整したのかを、点群と合わせて残しておくと、後から計画の意図を振り返りやすくなります。似た現場で照明計画を立てるときにも、過去の判断を参考にできます。


仮設照明は、現場の状況に合わせて柔軟に変えるものです。しかし、変更が口頭だけで行われると、誰が何を確認したのかが曖昧になりがちです。点群を使って変更内容を見える化すれば、計画、確認、変更、記録の流れを整理しやすくなります。これは、安全管理だけでなく、施工管理全体の品質向上にもつながります。


変更共有で大切なのは、点群の見た目だけで合意したことにしないことです。点群上の確認結果に加えて、実際にどの器具を使うのか、どの高さで固定するのか、誰が点灯確認を行うのか、照度不足やまぶしさがあった場合に誰へ連絡するのかまで整理しておくと、現場で迷いにくくなります。点群は共有の入口として使い、実際の施工手順や安全確認へつなげることが重要です。


点群を仮設照明計画に使うときの注意点

点群は仮設照明計画に役立つ情報ですが、点群だけで照明の明るさや安全性を完全に判断できるわけではありません。点群は現場の形状を把握するためのデータであり、実際の照度、反射、器具の性能、天候、粉じん、湿気、作業者の感じ方までは直接示しません。そのため、点群を使うときは、現地確認や試験点灯、必要に応じた照度確認と組み合わせることが大切です。


まず注意したいのは、点群を取得した時点と実際の作業時点で現場が変わっている可能性です。仮設材が追加された、資材置き場が変わった、足場が組み替えられた、壁や設備が新設された、重機の配置が変わったといった変化があると、照明の届き方も変わります。点群を見るときは、いつ取得したデータなのか、現在の現場とどこが違うのかを確認する必要があります。


次に、点群の抜けや密度にも注意します。反射しにくい面、細い部材、暗い場所、奥まった場所は、点群が十分に取得できていない場合があります。点群上で何もないように見える場所でも、実際には小さな障害物や段差があることがあります。仮設照明計画では、点群で大きな形を把握しつつ、危険箇所は現地で確認する姿勢が重要です。


また、照明の性能を点群上で過信しないことも大切です。照明器具には照らせる範囲や向きがありますが、現場の粉じん、雨、霧、壁面の色、床面の状態によって見え方は変わります。点群で配置を検討した後は、必要に応じて現場で点灯し、作業者の目線で見え方を確認します。特に、段差、開口部、重機周辺、交通誘導、細かな作業を行う場所は、実際に見て確認することが欠かせません。


必要な明るさは、作業内容や作業場所によって変わります。通路、作業面、検査場所、車両出入口、仮設階段、資材置き場では、確認すべき明るさの考え方が同じとは限りません。関係法令、照明基準、発注者仕様、社内基準で求められる条件を確認し、点群はその条件をどの場所で満たすべきかを整理するために使うと安全です。


点群を共有するときは、関係者が同じ前提で見られるようにすることも必要です。どの範囲が作業対象なのか、どの工程の点群なのか、どの照明配置を想定しているのかが曖昧だと、議論がずれます。仮設照明計画に使う場合は、作業範囲、照明候補位置、動線、危険箇所、変更予定を分かりやすく整理し、関係者に伝えることが大切です。


さらに、点群を扱う環境にも配慮します。大きな点群データは表示に時間がかかることがあります。現場で確認する場合は、必要な範囲を切り出す、表示を軽くする、確認したい視点を保存するなど、実務で使いやすい形に整えておくと効果的です。せっかく点群を取得しても、見るのに時間がかかりすぎると、現場では使われにくくなります。


仮設照明計画では、最終的に現場での安全が優先されます。点群は判断を助ける道具であり、現場確認を省略するためのものではありません。点群で事前に問題を見つけ、現地で確認し、必要に応じて照明を調整するという流れで使うと、実務に無理なく取り入れやすくなります。


まとめ 点群で照明計画を現場任せにしない

仮設照明計画は、夜間や暗所の作業を支える重要な準備です。作業場所が明るいかどうかだけでなく、人の動線、重機の動き、資材の影、段差、開口部、まぶしさ、周辺への光漏れまで考える必要があります。点群を活用すれば、これらの要素を三次元で確認し、平面図や経験だけでは見落としやすい問題を早めに整理できます。


点群を使うと、現場全体の暗くなりやすい場所を把握し、作業範囲と人の動線を分けて確認できます。さらに、照明の設置位置や高さを検討し、重機や資材による影を想定し、まぶしさや周辺への影響も確認しやすくなります。変更が発生した場合も、点群を見ながら関係者で共有することで、照明計画の意図を合わせやすくなります。


一方で、点群は万能ではありません。実際の明るさ、反射、天候、器具の状態、現場の変化までは点群だけでは判断できません。点群で事前検討を行い、現地確認や試験点灯で補うことが大切です。点群を現場確認の代わりにするのではなく、現場確認の質を高めるために使うことが、実務では重要です。


仮設照明は、作業開始後に不足へ気づくと、追加手配や配置変更で時間を取られます。暗い場所が残れば、安全面の不安も残ります。点群を使って事前に照明計画を立てることで、現場任せの調整を減らし、作業前から関係者が同じ認識を持ちやすくなります。


これから点群を仮設照明計画に活かすなら、まずは現場全体、作業範囲、動線、設置候補、影、まぶしさの六つを確認するところから始めると実務に取り入れやすくなります。現場で取得した点群をすぐに確認し、関係者と共有できる環境を整えておけば、照明計画だけでなく、安全確認、施工範囲の確認、出来形確認、維持管理にも活用できます。点群を現場で扱いやすい形に整え、照明計画の検討、共有、確認、記録へつなげることが、夜間作業や暗所作業の安全性を高める第一歩になります。


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