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「点群データに興味はあるけれど、導入するきっかけが掴めない」「難しそうだし費用もかかりそう…」 そんな不安を抱える土木施工管理者・技術者の方へ、本記事では点群技術の基本から導入メリット、進め方、ハードルの乗り越え方までやさしく解説します。近年はスマホで気軽に始められる点群測量や、LRTKのような手軽で高精度なソリューションも登場しており、「自分たちにもできるかも」と感じられるはずです。不安に寄り添いながら、現場で役立つ点群活用の第一歩を後押しします。
点群とは何か(基本のキ)
まず点群(ポイントクラウド)とは何でしょうか? 一言でいうと、「3次元空間上の多数の点の集まりによって形状を表現したデータ」のことです。各点には位置を示す3次元座標(X,Y,Z)が含まれ、点によっては色や輝度などの情報も持ちます。例えば建物や地形を点群データ化すると、その表面上にある無数の点がコンピュータ上に再現され、写真のように立体的な点の集合体になります。要するに、実在する構造物や地形を「点の集まり」でデジタルに写し取ったものが点群データです。
点群データは主に3Dレーザースキャナーや写真測量(フォトグラメトリ)などの技術で取得します。レーザースキャナーで物体表面を細かくスキャンしたり、ドローンや一眼カメラで撮影した写真からソフトウェアで3D形状を再構築したりすることで、大量の点データを集めることができます。近年では一部の最新スマートフォンに内蔵されたLiDAR(ライダー)センサーでも点群計測が可能になりました。こうして取得された時点の現実空間を、高い精度でデジタル保存できるのが点群データの大きな特徴です。

