目次
• コツ1: フライト計画を綿密に立てる
• コツ2: ドローン機材とカメラ設定の準備
• コツ3: 高精度な測量には標定点を活用
• コツ4: 天候・照明条件と安全対策に注意
• コツ5: 撮影データをその場で確認
• LRTKによる簡易測量
• よくある質問
ドローンを使った写真測量では、上空から撮影した多数の写真を合成してオルソ画像(正射画像)や3D点群モデルを作成します。しかし、ちょっとした準備不足や設定ミスがあると、現地での作業がうまくいかず十分な成果が得られないこともあります。例えば、写真の重複度が不足していたりピントが甘かったりすると、後でデータを処理しようとしても精度の低い結果しか得られず、撮り直しが必要になる場合があります。現場で失敗しないためには何に気をつければよいのでしょうか。本記事では、ドローン写真測量におけるオルソ生成を確実に成功させるための5つのコツを解説します。
コツ1:フライト計画を綿密に立てる
ドローンによる写真測量でオルソ生成(オルソ画像の作成)を成功させるには、事前のフライト計画が肝心です。飛行前に測量エリアの状況を把握し、どのような経路・高度で飛行すべきかを綿密に計画しましょう。特に、オルソ画像用に撮影する写真は互いに重なる部分(重複度)が十分必要です。写真のオーバーラップ率が不足すると、後の画像合成処理で隙間やズレが生じてしまい、正確なオルソ画像が得られない原因となります。
• 重複度は80%以上を確保: 一般的に前後方向で80%以上、左右方向で70%以上の画像重複度を確保すると良いでしょう。広いエリアを効率よくカバーしつつ、十分な写真の重なりが生まれる飛行ルートを設定します。
• 適切な高度を設定: 撮影高度は、求める解像度と飛行効率のバランスを考慮します。高度を上げれば一度に広範囲を撮影できますが、その分解像度は下がります。対象エリアの詳細さや用途に応じて、高すぎず低すぎない適切な高度を選択しましょう。また、地形に起伏があ る場合は高度の変化にも注意が必要です。
• 法規制の確認と飛行許可: 飛行させる場所が法律上ドローン飛行許可を要するエリアか事前に確認し、必要なら許可申請を行います。許可が下りていないと現地で飛行できず計画が台無しになるため、法律面のチェックも怠らないようにしましょう。
• 飛行経路とバッテリー計画: フライトプランには飛行経路だけでなく、バッテリーの交換タイミングも組み込んでください。広い範囲を撮影する場合、複数回のフライトが必要になります。各フライトでどこまで撮影し、いつ帰投するかを決めておき、バッテリー切れで途中で帰還する事態を避けます。
綿密な計画を立てておけば、現場で慌てることなくスムーズに測量を進められます。また、事前に地形図や衛星写真で障害物や高低差を確認し、撮影漏れが起きないルートを検討することも重要です。入念なフライト計画により、必要な写真をもれなく取得でき、後のオルソ生成が格段に安定します。
コツ2:ドローン機材とカメラ設定の準備
現場に向かう前に、使用するドローン本体とカメラの状態を万全に整えておきましょう。機材トラブルや設定ミスは、せっかく飛行しても撮り直しになりかねない重大な原因です。以下の点をチェックして、機材と撮影設定の準備を確実にします。
• バッテリー・記録媒体の確認: ドローンおよび送信機のバッテリー残量は十分か、予備バッテリーはあるか確認します。SDカードなど記録メディアの空き容量も事前にチェックし、容量不足による撮影停止を防いでください。
• 機体の動作チェック: プロペラやモーターに異常がないか点検し、必要に応じてネジの緩み締め直しやプロペラ交換を行います。現地でフライト前にはコンパスキャリブレーション(方位センサーの調整)やIMUセンサーの状態確認も実施し、安定した飛行ができる状態にします。
• カメラ焦点と露出設定: カメラは無限遠にしっかりピントが合うよう設定しましょう。オートフォーカス任せにするとピントの迷いでブレが出る場合があるため、可能であればマニュアルフォーカスで無限遠に固定すると安心です。また、露出(シャッタースピードやISO感度)は天候に合わせて調整します。曇天や日陰でシャッター速度が遅くなりすぎるとブレにつながるため、なるべく高速シャッター(例えば1/1000秒以上)になるようISO感度を上げるなど工夫します。
• 設定の統一: 複数回のフライトにまたがって撮影する際は、すべての写真で設定が統一されていることが望ましいです。ホワイトバランスを固定し、半自動モードではなくマニュアル設定で露出を統一するなど、一連の写真に極端な明暗差が出ないようにします。
機材と設定の事前準備を徹底することで、「撮ったつもりが撮れていなかった」「画像がぼやけて使えない」といった失敗を防げます。特にドローンの空撮では一度離陸すると機体に触れられないため、離陸前の入念なチェックが欠かせません。カメラのレンズ拭きや予備のSDカードを用意するなど細かな対策も、現場での安心感につながります。
コツ3:高精度な測量には標定点を活用
オルソ画像を地図として利用するには、位置の精度が重要です。現地で取得した空撮写真を合成してオルソ画像を作っても、位置がズレていては測量成果として不十分な場合があります。そこで活用したいのが標定点(地上基準点、GCP)です。
• 標定点を適切に配置: 測量したいエリアの周囲および内部に、十分な数の標定点を設置します。標定点ははっきり判別できる目印(ターゲットマーカーなど)を地面に置き、後で写真上でも確認しやすくしておきます。一般的には、エリア四隅と中央付近などに複数配置すると効果的です。
• 正確な座標を取得: 設置した標定点の位置座標を、あらかじめ高精度なGNSS測量機などで測定しておきます。既知点や基準点が近くにある場合は、それと結びつけて測量しても良いでしょう。こうして求めた標定点の絶対座標が、写真を実空間の座標系に合わせ込む鍵となります。
• ソフトへの入力: 写真からオルソ画像を生成する際に、使用するソフトウェアやサービスで標定点の座標値を入力します。解析アルゴリズムが写真上の標定点の写りと、ユーザーが入力した実座標を照合することで、オルソ画像全体が正しい位置・スケールで補正されます。
• RTK搭載ドローンの活用: 近年はドローン本体がRTK測位機能を備えるものも普及しています。RTK対応ドローンであれば、飛行中に高精度の自己位置を記録でき、標定点の設置数を減らしたり省略したりできる場合もあります。ただしRTKでも完全に誤差ゼロにはならないため、重要な測量では検証用に何箇所か標定点を設置して精度を確認するのが安全策です。
標定点を活用することで、オルソ画像の位置精度が飛躍的に向上します。例えば、標定点なしでは数メートル単位で位置がずれる可能性があるところ、標定点を適切に用いると数センチ程度まで誤差を抑えられます。現場で測量図や設計図と重ね合わせて使う場合にも、ズレのない正確なオルソ画像が得られるため、後から「位置が合っていなくて使えない」となる事態を防げるでしょう。
コツ4:天候・照明条件と安全対策に注意
ドローン写真測量は天候や周囲環境の影響も大きいため、現場の条件に十分注意することが大切です。悪条件下で強行すると、写真の品質低下や事故の原因となり、結果的に測量失敗に繋がりかねません。
• 風速や降雨のチェック: 飛行時の風は安全・品質両面に影響します。一般に風速5m/s以上の強風時はドローンの姿勢が安定せず、画像ブレや撮影漏れが起きやすく危険でもあります。また、小雨でもレンズに水滴が付けば画像が台無しになるため、雨天や霧の日の飛行は避けましょう。飛行日は天気予報を確認し、安定した気象条件の日を選ぶのが基本です。
• 光の状態に配慮: 写真測量では日照条件も重要です。太陽高度が低い早朝や夕方は地面に長い影が伸び、オ ルソ画像に濃い影が写り込んでしまいます。可能であれば太陽が高い時間帯に撮影を行い、影の影響を最小限に抑えましょう。薄曇り程度のほうが全体に柔らかい光で撮影できベストですが、快晴の場合でもホワイトバランスや露出を調整し、極端な白飛びや黒つぶれが起きないよう注意します。
• 周囲の安全確認: ドローンを飛ばす周囲環境にも気を配ります。電線や高層の建物、クレーンなどの障害物がある現場では、事前に高度制限を設けてルートを計画しましょう。また、飛行エリアの立ち入り制限を行い、関係者以外が近づかないよう安全対策を取ります。万が一トラブルが発生した場合に備え、常に目視でドローンを追尾できる体制(目視内飛行)を心がけ、必要に応じて補助者を配置してください。
• 電波環境の確認: 都市部や山間部では、電波干渉やGPS受信状況にも留意します。高層ビルの谷間や森林が生い茂る場所では、衛星信号が遮られ正確な測位ができないことがあります。通信が不安定だとリアルタイム映像が途切れたり制御が効きにくくなる可能性もあるため、電波状態の良い位置から操作する、予備の通信手段を用意するなど工夫しましょう。
以上のような環境条件に注意しつつ、無理のないタイミングでフライトを行うことが、安全かつ確実にデータを取得するコツです。天候や光の条件が悪い日は思い切って延期する決断も必要です。安全第一で進めることで、結果的に質の高いオルソ画像を得ることにつながります。
コツ5:撮影データをその場で確認
フライトが終了したら、現地を離れる前に必ず取得データの確認を行いましょう。撮影画像に問題がないか、その場でチェックしておくことで、後から気づいたミスのために再訪・再撮影するリスクを減らせます。
• 画像のブレやピンぼけ確認: タブレットやノートPCがあれば、ドローンからデータをオフロードして画像を拡大表示し、ピンぼけやブレがないか確認します。機体搭載カメラのライブビュー画面だけでは小さくて見逃すことも多いので、一度撮影後に大きな画面でチェックするのがポイントです。
• 露出と色調のばらつき確認: 撮影した写真をざっと一覧表示し、極端に暗いまたは明るい写真が混在していないか確認します。もし一部で露出過多・過少の写真があれば、その範囲を追加撮影するか設定を変えて撮り直す判断も必要です。
• カバレッジ(覆域)の確認: 撮影計画どおりにエリア全体をカバーできているか、写真の位置情報や撮影枚数を確認します。地図上に写真の撮影ポイントをプロットできるアプリや、ドローンのフライトログを活用すると漏れの有無を把握しやすくなります。万一カバーしきれていないエリアが見つかった場合は、直ちにその部分を追加飛行して撮影しましょう。
• 標定点の写り確認: 標定点を設置した場合、それらが写真中にちゃんと写っているかも確認が必要です。マーカーが十分な大きさで写っていないと後で正確な位置合わせができなくなるため、写りが不鮮明な場合は付近を低空で再撮影して補強することを検討します。
現地でこれらを確認し、問題があれば即座に追加飛行や再撮影を実行でき るのが理想です。多少手間に感じても、その場でミスを潰しておくほうが、後日データ不足に気付いて再度現場に行くよりもはるかに効率的です。すべての写真をチェックするのが難しい場合でも、要所の写り具合や枚数だけは最低限確認しておき、取りこぼしがない安心感を持って現場を後にしましょう。
LRTKによる簡易測量
以上、ドローン写真測量でオルソ生成を確実に成功させるための5つのポイントをご紹介しました。これらのコツを押さえれば、現場での失敗はぐっと減らせるはずです。さらに近年では、クラウド技術を活用したサービスによってドローン測量が一段と手軽に、失敗リスクも少なく遂行できるようになっています。その代表的な例がLRTKによる簡易測量です。
LRTKは、高精度のGNSS技術と写真解析のクラウドサービスを組み合わせることで、従来は専門知識や高性能PCが必要だった写真測量をシンプルにしたソリューションです。例えばLRTKによる簡易測量では、ドローンで撮影 した写真データをクラウド上にアップロードするだけで、自動的に絶対座標付きの点群データが生成されます。さらにオルソ画像や断面図までもワンストップで得られるため、煩雑な処理を個別に行う手間がありません。専門家でなくとも扱える手軽さを実現しており、専用ソフトの操作に不慣れな方や、高価なワークステーションを持たない環境でも、高精度な測量成果を得られるのが大きなメリットです。
このように先進的なクラウドサービスを利用することで、現場でのデータ取得後すぐに解析結果を得られ、効率良く業務を進められます。ドローン写真測量の世界も日々進化しており、LRTKのようなツールを取り入れることで、誰でも失敗を恐れずに高精度なオルソ生成と三次元測量に取り組める時代が到来しています。現場で確実に成果を出しつつ業務効率も高めたい方は、ぜひLRTKによる簡易測量の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
オルソ画像とは何ですか?
オルソ画像とは、空中写真をつなぎ合わせて作成された俯瞰(ふかん)図で、地表面のゆがみを補正してある正射投影の画像のことです。簡単に言えば、ドローンや航空機で撮影した写真を地図のように上から見た状態に補正した画像です。オルソ画像上では距離や面積を正確に測定できるため、測量図や地図作成に利用できます。
ドローン写真測量で重複度はなぜ重要ですか?
写真の重複度(オーバーラップ率)は、隣接する写真同士に十分な共通範囲があることを示す指標です。重複度が高いほど、写真同士の対応点を検出しやすくなり、画像合成や三次元再現の精度が向上します。反対に重複度が不足していると、ソフトウェアが写真間の位置関係を正しく計算できず、オルソ画像にズレや穴が生じたり、処理自体が失敗することもあります。そのためドローン航路を計画する際は、前後左右いずれの方向についても十分な重複率(一般に80%以上)を確保することが重要です。
オ ルソ生成に標定点(GCP)は必要ですか?
標定点(GCP)は、オルソ生成結果を現実の座標系に合わせ込むための基準点です。必須ではありませんが、高い測量精度が求められる場合には設置を強く推奨します。標定点が無い場合、ドローンのGPSだけを頼りに位置合わせを行うため、特に絶対座標の精度は数メートル程度と粗くなりがちです。一方、標定点を適切に用いれば、数センチレベルまで精度を高めることも可能です。最近はRTK対応ドローンも登場しており、それらを使えば標定点を減らすこともできますが、検証用にいくつかの既知点を測っておくとより安心です。
オルソ画像作成にはどんなソフトウェアやPCが必要ですか?
従来、オルソ画像や点群を生成するには、写真測量ソフトウェア(SfMソフト)を高性能なパソコンにインストールして処理する必要がありました。大量の写真を処理するため、メモリやGPUを豊富に搭載したワークステーションが望ましいとされてきました。しかし近年は、クラウド上で写真データを解析して結果を提供してくれるサービスも登場しています。そのようなクラウドサービスを使えば、ユーザー側のPC性能に関係なくウェブブラウザからオルソ生成を実行でき、専門ソフトを自前で用意する必要も ありません。例えばLRTKのクラウドサービスでは、写真をアップロードするだけで自動で点群データやオルソ画像が生成されるため、高価なPCや高度なソフトの操作スキルがなくても安心です。
初心者でもドローンでオルソ画像を作成できますか?
はい、ポイントを押さえれば初心者の方でもドローンでオルソ画像を作成可能です。本記事で紹介したように、フライト前の計画策定や機材準備、適切な撮影手順を踏めば、基本的なオルソ画像は十分得られます。また最近では、クラウドサービスやユーザーフレンドリーなアプリの登場で、写真データをアップロードするだけで自動処理してくれる環境も整ってきました。最初は小規模なエリアから練習し、徐々にコツを掴んでいけば、専門業者に頼らずともご自身でドローン写真測量を活用できるようになるでしょう。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
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