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法面測量の新技術と方法:点群活用で精度向上と大幅な効率化

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

法面測量の目的と重要性

日本の道路沿いや造成地には、多くの「法面」と呼ばれる人工斜面があります。法面は土砂崩れや崩落を防ぐために整形された斜面で、インフラの安全と長期安定性を支える重要な構造です。こうした法面が適切な勾配・形状で施工され、また時間経過や豪雨などによる変形がないか確認するために、法面測量が欠かせません。測量技術者や土木施工管理者は、工事中や完成後に法面の形状を正確に測定し、設計通りに造成されているか、異常が発生していないかをチェックします。


法面測量の目的は大きく分けて二つあります。一つは施工時の品質管理です。盛土や切土によって形成される法面が、設計図に示された勾配や高さで仕上がっているか(出来形)を確認します。もう一つは維持管理・災害対応です。完成した法面が経年変化で劣化・変状していないか定期的に点検し、必要に応じて補修計画を立てます。また地震や豪雨による斜面崩壊(災害対応)時には、速やかに被害範囲や崩落土量を把握し、安全な復旧作業の計画を立てる必要があります。これらの場面で正確な法面測量データがあることが、現場の安全確保と効率的な施工・維持管理に直結します。


従来手法の課題(人手・時間・安全性)

従来の法面測量は主に人工的な観測によって行われてきました。測量スタッフがトータルステーションやレベルなどの測量機器を用い、法面上の要所となる点(法肩や法尻、斜面上の数点)を一つひとつ測定します。場合によっては法面に直接スタッフが立ち入って巻尺や傾斜計で角度・距離を測ることもあります。しかしこの従来手法にはいくつかの課題がありました。


第一に、人手と時間がかかることです。広い法面を測量するには複数人のスタッフで何度も測点を移動しながら作業する必要があり、完了までに長時間を要しました。測定できる点数にも限りがあるため、斜面全体の形状を把握するには断面ごとの計測結果を図面化して推測するしかなく、詳細な地形変化を見落とす可能性もありました。第二に、安全性の問題です。急傾斜の法面での作業は常に滑落や落石の危険が伴います。特に崩壊の恐れがある災害現場では、従来の測量方法で人が立ち入るのは大きなリスクとなります。また足場の悪い場所での機器設置や測量作業は、作業員の負担も大きいものでした。


さらに、従来手法では測定データの記録・共有にも手間がかかりました。現地で取得した数値を手作業で図面にまとめ、報告書を作成する必要があり、測量結果を後から別の目的で再利用することは容易ではありませんでした。これらの課題がある中で、近年ではより効率的かつ安全に法面を計測できる新技術が求められるようになっています。


点群データを用いた新たな法面測量手法の技術的背景と手順

近年登場したのが、3次元の点群データを活用した法面測量手法です。点群データとは、対象物の表面を多数の点で表現した3D計測データで、各点にX・Y・Zの座標(位置)情報が含まれます。レーザースキャナーや写真測量(フォトグラメトリ)によって法面全体をスキャンすることで、数万〜数百万もの測点からなる高密度な点群を取得できます。従来は法面上の一部の点しか測れませんでしたが、点群を使えば斜面全体の形状をデジタルに「丸ごと採寸」することが可能となります。


新しい測量手順としては、まずレーザー計測機器やドローンなど適切な機材を用意します。例えば、地上型のレーザースキャナーを三脚に据えて法面に向けて360°レーザーを照射すれば、一度のスキャンで広範囲の斜面の点群データを取得できます。あるいは小型無人航空機(ドローン)で法面上空から複数の写真を撮影し、専用ソフトで写真測量を行って高密度点群を生成する方法も取られています。現場の状況や規模に応じて適した方法を選択し、法面全域のデータを収集します。


点群取得後の処理手順としては、各測定データに測量基準となる座標を与える作業があります。RTK-GNSS(リアルタイムキネマティック測位)による高精度な座標取得を併用すれば、取得した点群を公共座標系に直接紐付けることが可能です。これにより法面の点群データを地図上の座標で正確に位置付けられるため、設計図や他の地形データと重ね合わせて解析できます。また複数回スキャンを行った場合は、各点群同士の位置合わせ(レジストレーション)処理を経て統合します。


完成した3次元点群データから、必要な測量成果を得ることができます。例えば、任意の位置で縦断面・横断面を切って法面勾配や高さを測ったり、斜面の表面積を計算したりといった解析がソフトウェア上で自在に行えます。斜面全体がデジタル化されているため、現場で測り忘れた箇所が後から見つかっても、点群上で追加計測することが可能です。こうした新手法は、精度向上大幅な効率化を同時に実現できる点で画期的です。ベテランの職人の勘に頼らずとも、実測に基づく客観的なデータで法面の形状を把握・管理できるようになりました。


スマホ測量やAR表示などICT活用の具体例

3次元点群を活用した法面測量は、国土交通省が推進するICT施工(i-Construction)の流れにも沿った最新技術です。具体的なICT活用例として、近年注目されているのがスマホ測量と現場でのAR表示です。


例えば、無人航空機ドローンによる写真測量は既に多くの現場で活用されていますが、さらに手軽な手法としてスマートフォンを用いた測量が登場しています。最新のスマートフォンにはLiDAR(ライダー)センサーや高性能カメラが搭載されており、専用アプリと組み合わせることで周囲の3Dスキャンや高精度な位置計測が可能です。小型GNSS受信機をスマホに取り付けてRTK測位を利用すれば、単独でセンチメートル級の測位精度を得ることもできます。従来は高価な測量機器が必要だった作業が、スマホ一台で実現できるスマホ測量は、中小の建設業者や自治体職員でも導入しやすい手法として広まりつつあります。


AR(拡張現実)技術の活用も法面管理に有用です。スマホやタブレットの画面越しに、現地の映像に重ねて3次元モデルや測量結果をAR表示できれば、図面だけでは分かりにくい法面の状況を直感的に把握できます。例えば、出来形で取得した法面の点群データと設計モデルを現場で重ね合わせ、ずれている箇所をその場で色分け表示するといった確認が可能です。あるいは、施工前の斜面上にARで仮想的に設計構造物(擁壁や法枠工など)を表示し、完成イメージを関係者で共有するといった使い方も考えられます。これらICT技術の具体例は、従来にはない方法で現場の測量・施工管理をサポートし、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押ししています。


出来形・出来高管理への応用とクラウド連携

点群を用いた法面測量技術は、施工管理の出来形管理や工事進捗の出来高管理にも大きなメリットをもたらします。


まず出来形管理についてです。完成した法面の形状を点群データで余すところなく計測すれば、設計モデルとの差異を網羅的に検査できます。従来は完成後に一部の断面を切って高さを計測し、図面と照合するといった検査が主流でした。しかし点群計測によって斜面全体を記録しておけば、法尻から法肩までどの部分をとっても設計通りの勾配・厚みが確保されているか確認できます。国土交通省も「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」を策定し、トンネルやダム、法面工事などで点群データを活用した品質検査を推進しています。例えばトンネル掘削ではレーザースキャンで内空断面を点群計測し、設計断面との差をカラーマップで可視化するといった手法が取られています。法面でも、点群を使えば人手では測りにくい複雑な地形も含めて検査できるため、検査漏れを防ぎ品質管理の信頼性向上につながります。


出来高管理の面でも、点群データは威力を発揮します。工事前後の地形をそれぞれ点群で取得し比較することで、切土や盛土など土工量(体積)を正確に算出できます。これまで出来高(施工量)の算出は、工事前後の測量データから図面上で断面積を求め、それに延長を掛けるといった手計算が必要でした。点群を用いることで、ソフトウェアが自動的に三次元形状の差分から盛土・掘削量を集計してくれるため、算出作業が大幅に効率化されます。数字の根拠となる計測データもしっかり残るため、発注者との出来高確認もスムーズです。


これらの点群データはクラウドサービスと連携して管理することで、さらに利活用の幅が広がります。現場で取得した膨大な測量データもクラウド上に保存しておけば、安全にバックアップされると同時に社内外で即時共有が可能です。例えば、法面をスキャンした直後にその点群をクラウドにアップロードし、離れた事務所で上司や発注者がデータを確認するといったリアルタイムな情報共有が実現します。またクラウド上に蓄積された3Dデータは、将来の維持管理や別工事で再利用できる資産となります。一度取得した点群を使って数年後の変化を比較したり、災害発生時に最新データとして活用したりと、測量データの二次利用価値も高まります。このように、点群計測とクラウド連携により、法面の出来形・出来高管理はより精密かつ効率的で、かつデータの信頼性が高いプロセスへと進化しています。


国や自治体での導入動向・事例(公的事業・災害復旧)

国土交通省や地方自治体でも、法面測量への点群技術導入が進んでいます。国交省はi-Constructionの一環でICT施工を推進しており、法面工事にも3次元測量技術を取り入れた試行要領(例:「ICT活用工事(法面工)実施要領(案)」)を公開しています。これらの要領では、出来形管理の測定において法面全体を面的に計測し、ソフト上で法長や法高を算出・検査する手法が示されています。従来のように部分的な測量ではなく、ドローン空撮や地上レーザー計測で取得した点群データを用いて検査を行うことで、品質管理の高度化と効率化を図る狙いがあります。実際、熊本市や佐賀県など複数の自治体でICT法面工事の試行が行われ、点群データを活用した出来形管理や出来高算出が実施されています。


災害復旧の現場でも点群測量は重要な役割を果たしています。前述のように、災害直後にドローンで被災斜面を撮影して3Dモデル化すれば、二次災害のリスクを冒さずに崩壊状況を把握できます。例えば2021年7月に静岡県熱海市で発生した大規模土石流では、被災前に公開されていた基盤地形の点群データと、災害後に取得された点群を比較することで、崩落した土砂の体積が迅速に算定されました。また崩壊の起点となった不適切な盛土箇所の存在も、点群データの差分から判明しています。この事例は、点群計測が災害対応で原因解明や復旧計画立案に大きく寄与した一例です。


公的機関では他にも、保有する点群データをオープンデータ化する動きも見られます。静岡県は「バーチャル静岡」として県内のレーザ測量による地形点群データを公開し、防災やインフラ管理への活用を促進しています。国土地理院も全国規模で航空レーザによる高精細な地形データ整備を進めており、こうした官公庁の取り組みが民間の測量・設計業務を後押ししています。点群データの有用性が認知されるにつれ、今後はさらに多くの公共事業で3次元測量技術が標準採用され、法面の安全管理や災害対策に役立てられていくでしょう。


実務担当者への導入メリット(業務効率、安全性、報告資料対応)

新技術による法面測量の数々の利点は、実際に現場を預かる技術者たちにとっても魅力的です。以下に、本手法を導入する主なメリットを整理します。


業務効率の向上・省力化: 点群計測の導入で測量作業は飛躍的にスピードアップします。従来は半日かかっていた法面断面測量が、ドローンで数十分・スマホ測量なら数分程度で完了するケースもあります。一人でも測量可能なため人員手配の負担も減り、空いた人員を他の作業に充てることができます。

安全性の向上: 遠隔から測量できるため、危険な斜面に人が立ち入る回数を最小限にできます。足場の不安定な場所や崩壊の恐れがある法面でも、機械やドローンに任せれば二次災害のリスクを減らせます。高所作業や悪天候下での測量も、安全な場所から計測できる安心感があります。

精度と信頼性の向上: デジタルな3Dデータに基づく測量は、ヒューマンエラーや見落としを減らします。多角的にデータを検証できるため、成果品の品質に対する信頼性が高まります。例えば、出来形管理の検査記録として点群データを保存しておけば、後から監督者や第三者が確認しても客観的な裏付けが取れます。

報告資料作成の効率化: 点群データを活用すれば、従来は手間のかかった報告図書の作成も容易になります。3次元モデルから自動で断面図や縦横断図を生成したり、法面の変位を色で示した図を出力したりできるため、発注者へのわかりやすい説明資料を迅速に用意できます。写真や図面だけでは伝わりにくい情報も、3DビューやARを使って提示することで関係者の理解が深まります。

データ資産の蓄積と活用: 一度取得した点群測量データはクラウドに蓄積しておくことで、将来にわたって活用できます。定期点検のたびに過去データと比較すれば劣化傾向を数量的に把握でき、また災害時には平常時データとの比較で被害評価が即座に行えます。測量データが社内の財産として蓄積されることで、長期的なコスト削減やノウハウの共有にもつながります。


以上のように、点群技術を用いた法面測量は現場にもたらすメリットが大きく、今や測量技術者・施工管理者にとって無視できない存在となっています。効率・安全・品質のすべてを向上できる手法として、現場への導入検討価値は高いでしょう。


LRTKによる簡易測量の活用法

ここまで紹介した点群計測やICT技術を、誰もが手軽に活用できるようにするツールも登場しています。その一例が、スマートフォンを使った万能測量システムLRTKです。LRTK(エルアールティーケー)は小型GNSS受信機と専用アプリから構成されており、普段使っているスマホに装着・起動するだけで高精度な簡易測量が行えます。特別な測量資格がなくても直感的に操作でき、現場の測量から点群データ取得、クラウド保存まで一貫して対応可能な優れものです。


LRTKの簡易測量機能には次のような特徴があります。


写真測位: スマホで撮影する写真に高精度な位置座標タグを付与できます。法面の現況写真を撮れば、その撮影地点の座標が自動記録されるため、後から写真上で寸法を計測したり、撮影地点を地図上で正確に示したりできます。

AR表示: 設計モデルや測量で得た点群データを、その場で実景に重ねて表示できます。スマホ画面を通じて、法面上に仮想のラインや構造物を投影したり、計測した点の位置を可視化したりできるため、現場での直感的な確認・指示出しが可能です。

クラウド同期: 測量データはリアルタイムにクラウドと同期されます。現場で記録した座標や点群が即座にクラウド上に保存・共有されるため、データ紛失の心配がなく、オフィスに戻ってからの転送作業も不要です。複数人で同じデータにアクセスし、進捗を確認するといった協働もスムーズに行えます。

一脚測定: スマホとLRTKデバイスを専用ポール(一脚)に取り付ければ、一人で簡単にポイントの測定が行えます。ポールの先端を測りたい地点に当て、スマホのボタンを押すだけでその点の座標を取得できます。従来のように二人でポールと機械を操作する必要がなく、狭所や高所でも機動的に座標取得が可能です。

点群生成: スマホ内蔵のLiDARやカメラを用いて、周囲の環境をスキャンし点群データを生成できます。法面の一部を短時間でスキャンして3Dモデル化し、変状箇所の記録や出来形の簡易チェックに利用できます。取得した点群にはRTKによる位置情報が付与されているため、後処理なしで現地座標系の3Dデータとして扱えます。

体積算出: LRTKアプリ上で点群データの体積計算ができます。例えば法面崩壊土砂のボリュームや盛土量を、現地でスキャンした点群から即座に算出可能です。これにより、災害現場での初動対応や工事出来高の迅速な算定に役立ちます。


このようにLRTKを活用すれば、高度な3D測量を誰もが手軽に実践でき、現場のDXを強力に推進できます。初期投資も小さく、既存のスマホを活用して導入できるため、中小企業から自治体まで幅広く利用が広がっています。国土交通省が推進するi-Constructionへの対応ツールでもあり、今後の標準的な測量手法の一つとして注目されています。是非、法面管理にもLRTKのような最新ツールを取り入れ、その精度と効率性を現場で実感してみてはいかがでしょうか。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

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