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直轄国道の完成検査前に整えるべき提出資料7点

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

直轄国道の工事で完成検査を迎える前は、現場を仕上げるだけでなく、施工の根拠を説明できる資料を整えておくことが重要です。完成検査では、工事目的物が設計図書や契約変更の内容に沿って完成しているか、出来形・品質・写真・協議記録などが矛盾なく整理されているかが確認されます。直轄国道は一般交通を確保しながら施工する場面が多く、道路管理、交通規制、占用物件、維持管理への引き継ぎまで意識した資料整理が求められます。


道路法上の道路には、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道があります。一般国道のうち指定区間とされる区間は、国が直轄で管理する区間として扱われ、実務上、直轄国道と呼ばれることがあります。ただし、提出書類の名称、提出・提示の区分、電子納品の方法、検査時に求められる資料の範囲は、契約書、特記仕様書、共通仕様書、監督職員の指示、各地方整備局や事務所の運用によって異なります。この記事の7点は、公式に一律で定められた固定リストではなく、完成検査前に確認しておきたい代表的な資料群として整理したものです。


また、工事完成図書を電子成果品として納品する場合は、電子納品に関する要領・基準や事前協議の内容に従って、フォルダ構成、管理情報、ファイル形式、写真や図面データの整合を確認する必要があります。完成検査前の資料整理は、紙の束や電子ファイルを集める作業ではありません。施工の事実を後から追跡でき、検査後の維持管理にも使える状態へ整える作業です。


目次

直轄国道の完成検査で提出資料が重要になる理由

資料1 工事完成図書と電子成果品

資料2 出来形管理資料

資料3 品質管理資料と材料確認資料

資料4 工事写真と不可視部分の記録

資料5 協議・承諾・変更関係資料

資料6 安全管理・交通規制・関係機関調整資料

資料7 産業廃棄物・建設副産物・環境関係資料

完成検査前に資料全体を点検する実務ポイント

まとめ 現場記録を検査対応から維持管理までつなげる


直轄国道の完成検査で提出資料が重要になる理由

直轄国道の完成検査では、完成した構造物、舗装、排水施設、防護柵、道路付属物などの外観だけで判断されるわけではありません。検査では、設計図書、施工計画、契約変更、現場での協議、出来形、品質、写真、完成図が一連の流れとして説明できるかが重要になります。現場で実際に行ったことが資料として残っていなければ、施工自体に大きな問題がなくても、追加説明や再整理が必要になる可能性があります。


直轄国道は、交通量が多い区間や沿道利用が活発な区間で施工することがあります。警察、自治体、占用企業者、沿道施設、隣接工区、維持管理担当など、複数の関係者と調整しながら進める工事も少なくありません。そのため、完成検査前に整える資料は、工事を終えるためだけの書類ではなく、供用後の道路管理に引き継ぐ記録でもあります。舗装の打換え範囲、管路や側溝の位置、防護柵の延長、橋梁補修の施工範囲、路面切削の深さ、区画線や標識の復旧位置などは、後日の補修、事故対応、占用協議、災害復旧で参照されることがあります。


完成検査前に資料が乱れている現場では、似たような不具合が起こりがちです。完成図と出来形図の数量が合わない、工事写真の撮影位置が分からない、材料承諾と実際に使用した材料の記録がつながらない、協議で決まった変更内容が数量計算に反映されていない、交通規制の実施記録と施工日がずれている、といった状態です。こうした不整合は、検査直前にまとめて直そうとしても、原因を追うのに時間がかかります。


したがって、完成検査対策は工期末に始めるものではなく、着手時から資料の出口を決めておくことが重要です。工事の種類や発注条件によって資料名や提出方法は異なりますが、確認すべき観点には共通点があります。最終的には、契約書、特記仕様書、共通仕様書、施工管理基準、写真管理基準、電子納品要領、監督職員との協議内容を優先し、自社の工事に合わせて不足なく整えることが大切です。


資料1 工事完成図書と電子成果品

最初に整えるべき資料は、工事完成図書と電子成果品です。完成図書は、工事の最終成果を発注者へ引き渡すための中心資料であり、完成検査後の維持管理にも使われる重要な資料です。直轄国道の工事では、道路施設の位置、構造、数量、施工範囲を後から確認できる状態にしておく必要があります。完成図が実際の施工内容と一致していなければ、将来の補修、占用協議、災害対応、別工事との取り合いで支障が出るおそれがあります。


完成図書で特に確認したいのは、発注図、変更図、出来形図、完成図の関係です。発注時の図面からどのような変更があり、最終的にどの形で完成したのかを説明できる状態にします。舗装工であれば、施工延長、幅員、舗装構成、打換え範囲、路肩や取付部の処理が分かることが重要です。排水構造物であれば、側溝、集水桝、管渠、流末、勾配、接続部の位置が確認できるようにします。橋梁補修であれば、補修範囲、使用材料、施工数量、既設部との境界を明確にします。


電子成果品として納品する場合は、電子ファイルを保存するだけでは不十分です。発注者との事前協議や適用される電子納品要領に従い、フォルダ構成、ファイル名、管理情報、図面データ、写真データ、オリジナルファイル、閲覧用ファイルの整合を確認します。工事名、路線名、施工場所、工期、受注者名、発注者名などの基本情報が、他の資料と一致しているかも重要です。工事名の表記ゆれ、日付の誤り、図面番号の欠番、最終版ではないファイルの混入は、検査前に見つかりやすい不備です。


完成図書では、最新版管理も欠かせません。施工中に図面を何度も修正した場合、現場で使った図面、協議で添付した図面、最終的な完成図が別々に残っていることがあります。検査前には、どれが最終版なのかを明確にし、古い図面を誤って提出しないようにします。ファイル名に作成日や版数を入れるだけでなく、図面内の作成年月日、変更履歴、図面番号も確認します。電子データと紙出力を併用する場合は、同じ内容になっているかも点検してください。


直轄国道の完成図書では、道路管理者が後日使いやすいことも大切です。座標、測点、距離標、起終点、上下線、車線、歩道側、民地側、河川側などの位置関係が曖昧だと、資料の価値が下がります。延長の長い道路工事では、同じような構造物が連続するため、写真番号や出来形測定箇所と図面上の位置が結び付くように整理しておくと、検査時の説明も容易になります。


資料2 出来形管理資料

次に重要なのが出来形管理資料です。出来形管理資料は、設計図書で求められた形状、寸法、数量、位置、高さ、延長、厚さなどが、実際に満たされていることを示す資料です。完成検査では、現地確認と書類確認が連動します。検査で現地の気になる箇所を資料で確認し、資料で気になる箇所を現地で確認することがあるため、出来形管理資料は現場とつながっていなければなりません。


道路工事で確認されやすい出来形には、舗装厚、路盤厚、幅員、横断勾配、縦断高さ、切削深さ、延長、区画線延長、側溝や縁石の据付高さ、集水桝の位置、防護柵の支柱間隔、標識基礎の寸法、法面整形、構造物の出来形などがあります。工種によって管理項目は異なりますが、測定値、設計値、規格値、差、判定、測定位置が明確であることが基本です。単に合格と記載するだけでなく、どこを、いつ、誰が、どの基準で測定したのかを追える状態にします。


出来形管理資料で注意したいのは、数量計算書や完成図との整合です。出来形表では延長が一つの数値になっているのに、完成図では別の延長になっている場合、検査では理由を確認されることがあります。現場条件により施工範囲が変わった場合は、協議資料、変更図、出来形図、数量計算書、出来形管理表が同じ考え方で整理されていなければなりません。特に舗装工や区画線工では、施工延長や面積が複数の資料に出やすいため、検査前に横並びで照合すると効果的です。


測定位置の分かりやすさも重要です。測点、距離標、構造物番号、桝番号、車線名、上下線別、左右別などを使い、検査時に同じ場所を確認できるようにします。出来形測定表だけを見ても位置が分からない場合は、出来形図や位置図と連動させます。工事写真にも同じ測点や構造物番号を入れておくと、書類確認と写真確認がつながります。現場代理人や主任技術者が説明できるだけでなく、資料だけを見た第三者にも伝わる状態を目指してください。


出来形管理では、規格値内に入っているかだけでなく、施工管理として妥当な傾向かも確認されることがあります。測定値が極端にそろい過ぎている場合は、測定方法や記録方法の説明を求められる可能性があります。反対に、ばらつきが大きい場合は、施工管理上の対応や再確認の記録が重要です。出来形の不備は完成後に修正しにくいことが多いため、検査前に不足を見つけるのではなく、施工の各段階で測定と記録を完了させる運用が欠かせません。


資料3 品質管理資料と材料確認資料

3点目は、品質管理資料と材料確認資料です。出来形が形や寸法を示す資料であるのに対し、品質管理資料は使用材料や施工品質が基準を満たしていることを示す資料です。直轄国道は供用後の交通荷重、降雨、凍結融解、維持管理作業などの影響を受けるため、完成時の見た目だけでなく、材料や施工品質の裏付けが重要になります。


舗装工では、路盤材料、アスファルト混合物、乳剤、現場密度、温度管理、締固め、厚さ、平坦性などの記録が関係します。コンクリート構造物では、配合、スランプ、空気量、塩化物量、圧縮強度、打込み時刻、養生、型枠脱型、鉄筋配置、かぶり、継目処理などが確認対象になり得ます。鋼材、二次製品、防護柵、標識、排水施設などでは、材料承諾、納品書、試験成績、製品検査、現場受入確認の資料が必要になる場合があります。


材料確認資料では、承諾を受けた材料と実際に使った材料が一致しているかを確認します。施工計画書や材料承諾書ではある材料を予定していたのに、納品記録や写真では別の規格が使われているように見える場合、検査前に経緯を整理しておく必要があります。現場条件により同等品へ変更した場合は、協議、承諾、品質証明、使用範囲、数量をつなげて整理します。材料の変更が供用後の維持管理に影響することもあるため、曖昧なままにしないことが大切です。


品質管理資料で起こりやすい不備は、試験日と施工日の不整合です。材料試験の記録が施工後の日付になっている、現場密度試験の位置が出来形図と合わない、コンクリート供試体の採取日と打設記録が一致しない、といったケースです。検査では数値そのものだけでなく、施工の流れとして自然かどうかも確認されることがあります。日付、施工箇所、ロット、数量、写真、試験結果を横断的に見直しておくと、説明に迷いにくくなります。


品質管理資料は専門的な数値が多いため、検査前には要点を説明できるようにしておくことも重要です。すべての試験票を細かく読むだけでなく、どの工種で、どの管理項目を、どの頻度で確認し、結果がどうだったかを整理します。不合格値や再試験があった場合は、隠すのではなく、原因、是正、再確認、最終判定を資料で追えるようにします。問題が起きた記録そのものよりも、問題に対して適切に対応した記録が残っていないことの方が大きなリスクになります。


資料4 工事写真と不可視部分の記録

4点目は、工事写真です。工事写真は、完成後には見えなくなる施工過程を説明する資料です。直轄国道の完成検査では、現地で確認できるものと確認できないものがあります。舗装の下層、埋戻し前の管渠、基礎砕石、鉄筋、アンカー、橋梁補修の下地処理、排水構造物の接続部などは、完成後に直接確認することが難しくなります。そのため、不可視部分の写真は、検査時の説明において重要な根拠になります。


工事写真で大切なのは、何を示す写真なのかが一目で分かることです。撮影対象、測点、工種、撮影日、施工段階、寸法確認、黒板情報、位置関係が整理されていなければ、写真の枚数が多くても説明力は高まりません。写真枚数を増やすこと自体が目的ではなく、必要な場面を適切に撮り、完成図や出来形資料と結び付けることが目的です。特に道路工事では似た景色が続くため、撮影位置が分からなくならないよう注意します。


不可視部分の写真では、施工前、施工中、検測、完了の流れを意識します。掘削完了後の床付け、基礎材の厚さ確認、配筋状況、型枠、打設、養生、埋戻し、転圧、舗装復旧といった一連の流れが写真で追えると、検査時に説明しやすくなります。寸法を示す場合は、スケールの当て方、撮影角度、測定値の読み取りやすさにも注意します。黒板に数値が書いてあっても、写真上で実際の寸法確認ができなければ、補足説明が必要になることがあります。


工事写真は、出来形管理資料や品質管理資料と同じ整理番号で管理すると効果的です。測点、構造物番号、施工日、工種名が共通していれば、検査で質問を受けたときに該当写真を探しやすくなります。写真帳を時系列だけで並べると、施工の流れは分かりやすい一方で、特定の構造物を探しにくいことがあります。工事の内容に応じて、工種別、箇所別、時系列のどれを主軸にするかを検討してください。


写真の不備は後から取り返しにくい代表例です。完成後に撮り直せる写真は限られます。夜間施工、交通規制内作業、舗装工、埋設物近接施工、橋梁補修などは、施工中に必要な写真を逃すと、完成検査前に代替資料を整えることが難しくなります。検査前の段階では、写真があるかどうかだけでなく、写真で何が説明できるかを確認してください。写真の説明文も、抽象的な表現ではなく、工種、箇所、施工段階、確認内容が伝わる文章にします。


資料5 協議・承諾・変更関係資料

5点目は、協議、承諾、変更関係資料です。直轄国道の工事では、設計図書どおりに進められない場面があります。地下埋設物の位置が想定と異なる、交通規制時間に制約がある、沿道出入口を確保する必要がある、既設構造物の状態が図面と違う、関係機関との調整で施工手順が変わるなど、現場条件によって判断が必要になります。その判断を記録として残すのが、協議・承諾・変更関係資料です。


完成検査では、変更された結果だけでなく、なぜ変更したのか、誰と協議したのか、どの資料で承諾されたのか、契約変更や数量変更にどう反映されたのかが確認されることがあります。施工者側が現場で合理的に判断した内容でも、協議記録が残っていなければ、後から根拠を説明するのが難しくなります。口頭で了解を得たつもりの内容ほど、検査前に問題になりやすいため、打合せ記録や協議書類として残すことが大切です。


協議資料では、図面、写真、数量、施工方法、工程、安全対策、品質への影響を一体で整理します。側溝の位置を変更した場合は、変更理由、既設構造物との関係、排水勾配、完成図への反映、出来形測定位置、数量増減、関係者への影響を説明できるようにします。舗装範囲を変更した場合は、変更前後の範囲、施工面積、交通規制計画、隣接工区との取り合い、完成写真をつなげます。単独の協議書だけでなく、関連資料全体で矛盾がないことが重要です。


承諾関係資料では、施工計画、使用材料、施工方法、仮設方法、品質確認方法などが実際の施工と一致しているかを確認します。承諾を受けた内容と違う方法で施工している場合は、その後の再協議や変更承諾の有無を確認する必要があります。施工中は現場対応を優先しがちですが、完成検査前に見ると、承諾資料と施工記録のずれは目立ちます。協議が発生した時点で、完成図、数量、写真、品質記録に反映する流れを作っておくと、検査前の負担を減らせます。


変更関係資料では、最終契約数量との整合が重要です。出来形数量、数量計算書、変更設計資料、出来形図、完成図が一致していなければ、検査時に説明が必要になります。小規模な追加施工や現地合わせの補修は、数量の反映漏れが起きやすい箇所です。直轄国道の工事では、施工範囲が道路管理上の台帳や維持管理資料に関わることもあるため、変更箇所を軽く扱わず、最終成果に反映させる必要があります。


資料6 安全管理・交通規制・関係機関調整資料

6点目は、安全管理、交通規制、関係機関調整に関する資料です。直轄国道の工事では、一般交通を通しながら施工することがあり、工事目的物の品質と同じく安全管理も重要です。完成検査では、構造物の出来形や品質だけでなく、施工中に安全管理が行われていたか、交通規制が計画に沿って実施されたか、関係機関との調整が記録されているかを確認する場面があります。


安全管理資料には、施工計画書に基づく安全対策、作業手順、リスクの抽出、現場巡視、作業員教育、新規入場者教育、重機作業計画、吊荷作業、掘削作業、夜間作業、熱中症対策、災害防止活動などの記録が含まれます。道路工事では、作業員の安全だけでなく、通行車両、歩行者、自転車、沿道施設利用者の安全も考える必要があります。工事区域内だけでなく、規制の始まりから終わりまでを含めて管理していたことを示せる資料を整えます。


交通規制資料では、規制図、規制実施記録、保安施設の配置、交通誘導員の配置、夜間視認性、歩行者動線、出入口確保、迂回案内、緊急車両対応などを確認します。計画図どおりに規制したつもりでも、現場条件に合わせて配置を変えた場合は、その理由や実施状況を記録しておくと説明しやすくなります。直轄国道では、短時間の規制や夜間施工が行われることもあるため、施工日、規制時間、施工箇所、写真、作業内容の整合が重要です。


関係機関調整資料も見落とせません。道路工事では、警察、自治体、占用企業者、沿道施設、バス事業者、学校、地域住民、隣接工区などとの調整が発生することがあります。地下埋設物の近接施工では、事前照会、試掘、立会、位置確認、保護措置、復旧確認の記録が必要になる場合があります。沿道出入口を切り回した場合や歩道通行を変更した場合は、利用者への安全配慮を示す資料があると、施工中の管理状況を説明しやすくなります。


安全管理や交通規制の資料は、完成後に直接形として残りにくいものです。しかし、事故や苦情、第三者被害を防ぐうえでは重要です。完成検査前には、施工計画書に書いた安全対策が実際に行われたこと、交通規制計画と実施記録が整合していること、変更があった場合に協議や記録が残っていることを確認します。現場の安全活動記録が日々の作業日報と結び付いていると、施工管理の信頼性が高まります。


資料7 産業廃棄物・建設副産物・環境関係資料

7点目は、産業廃棄物、建設副産物、環境関係資料です。直轄国道の工事では、舗装版、路盤材、コンクリート塊、建設発生土、伐採材、汚泥、既設構造物の撤去材など、さまざまな副産物が発生することがあります。これらを適切に分別、搬出、処理、再資源化した記録は、該当工事では完成検査前に整理しておきたい資料です。現場がきれいに片付いていても、搬出先や処理数量の記録が不十分であれば、管理状況を説明しにくくなります。


産業廃棄物関係では、契約、許可、運搬、処分、数量、日付、搬出車両、処分先、最終確認の流れが追えることが重要です。撤去した舗装材やコンクリート塊の数量が、設計数量、出来形数量、搬出記録、処理記録と大きく異なる場合は、理由を説明できるようにします。現場条件により発生数量が増減した場合は、協議資料や数量計算書にも反映します。副産物の数量は、出来形や変更契約とも関係するため、単独で確認するのではなく、他資料との整合を見ます。


建設発生土を扱う場合は、発生場所、搬出先、土質、数量、運搬経路、受入確認、再利用の有無などを整理します。道路工事では、掘削土を現場内で流用する場合もあれば、場外へ搬出する場合もあります。現場内流用を行った場合は、どこで発生し、どこに使ったのかが分かるようにしておく必要があります。発生土の扱いは環境面だけでなく、数量精算や施工品質にも関わるため、曖昧な記録は避けるべきです。


環境関係資料では、騒音、振動、粉じん、濁水、油流出防止、伐採、周辺清掃、苦情対応などの記録が対象になります。直轄国道は沿道に住宅、店舗、学校、事業所が近接することもあり、夜間施工や大型車両の出入りが周辺環境に影響する場合があります。施工計画書で環境対策を定めている場合は、実施状況の記録を残します。散水、清掃、防音対策、濁水処理、資材置場の管理、燃料や油脂類の保管状況などは、写真と日報で確認できるようにするとよいでしょう。


環境・副産物関係の資料は、完成検査の直前にまとめると抜けが出やすい分野です。搬出のたびに伝票や写真を整理し、月単位または工種単位で数量を照合しておくと、最後の確認が楽になります。処理記録だけでなく、撤去前、積込、運搬、処分先受入、現場清掃完了までの流れが写真や記録で追えると、検査時の説明力が高まります。施工中の環境配慮を資料として残すことは、工事の社会的信頼性を示すことにもつながります。


完成検査前に資料全体を点検する実務ポイント

7点の資料を個別に整えるだけでは、完成検査前の準備としてはまだ不十分です。最終的には、資料全体を横断して矛盾がないかを点検する必要があります。完成検査で指摘されやすいのは、個別資料の不足だけでなく、資料間の不一致です。完成図では施工範囲が広がっているのに変更協議が見当たらない、出来形数量と処理数量が合わない、写真では別の日に施工しているように見える、品質試験の箇所が出来形図に載っていない、といった不整合は、検査前の総点検で発見できます。


資料点検では、まず工事の起点から終点までを一本の流れとして見ます。施工範囲、測点、構造物番号、図面番号、写真番号、出来形測定箇所、品質試験箇所、協議番号、変更数量を関連付けます。道路工事では、延長方向に同じ工種が連続するため、測点や距離標の表記が少し違うだけで別の場所のように見えることがあります。上り線、下り線、山側、海側、民地側、中央分離帯側などの表記も統一しておくと、検査時の説明がスムーズになります。


次に、日付の整合を確認します。施工計画、材料承諾、施工日、品質試験、出来形測定、写真撮影、協議、変更、完成図作成の日付が、施工の流れとして自然になっているかを見ます。資料の日付は単なる事務情報ではなく、手続きが適切な順番で行われたことを示す要素です。承諾前に施工したように見える、試験前に使用したように見える、協議前に変更施工したように見える状態は、検査時に説明が必要になります。


電子データの点検も重要です。ファイルが開けるか、破損していないか、最終版が入っているか、不要な作業中ファイルが混入していないか、同じ資料が複数の場所に重複していないかを確認します。閲覧用ファイルと編集用ファイルの内容が異なる場合も注意が必要です。電子納品では、フォルダ構成や管理情報の不備が検査前の差し戻しにつながることがあります。提出前に社内で開封確認を行い、発注者側が見たときに迷わない構成にしておきます。


完成検査前には、説明担当者の準備も欠かせません。現場代理人、主任技術者または監理技術者、書類担当、写真担当、測量担当などが、それぞれの資料の場所と内容を把握しておく必要があります。検査中に質問を受けたとき、担当者しか分からない資料があると、回答に時間がかかります。主要な変更点、出来形の特徴、品質管理上の注意点、交通規制で苦労した点、不可視部分の写真位置などは、事前に説明できるように整理しておくと安心です。


最後に、完成検査は不備を探す場であると同時に、工事の成果を引き継ぐ場でもあるという視点を持つことが大切です。直轄国道の工事は、完成後も多くの人が利用し、維持管理が続きます。提出資料は、検査を通すためだけの書類ではなく、将来の道路管理を支える情報です。現場で得た事実を正確に、分かりやすく、再利用しやすい形で残すことが、実務担当者に求められる資料整理の本質です。


まとめ 現場記録を検査対応から維持管理までつなげる

直轄国道の完成検査前に整えるべき提出資料は、工事完成図書と電子成果品、出来形管理資料、品質管理資料と材料確認資料、工事写真、協議・承諾・変更関係資料、安全管理・交通規制・関係機関調整資料、産業廃棄物・建設副産物・環境関係資料の7点に整理できます。これらは別々の書類に見えますが、実際には相互に関係しています。完成図は出来形とつながり、出来形は写真とつながり、品質管理は材料承諾とつながり、変更資料は数量と完成図に反映され、安全・環境資料は施工過程の信頼性を支えます。


完成検査前の資料整理で重要なのは、抜けを埋めることだけではありません。現場で起きたことを、第三者が後から追える形に整えることです。どこで、何を、いつ、どのように施工し、どの基準で確認し、どのような結果だったのかを、図面、写真、数値、協議記録で説明できる状態にします。直轄国道では交通への影響や維持管理への引き継ぎも大きいため、資料の分かりやすさは工事全体の信頼性にも関わります。


検査直前に慌てないためには、施工中から記録の取り方を標準化し、写真、位置情報、測定値、帳票、図面を連動させることが大切です。現場で記録した情報が後から探せない、写真の場所が分からない、測定値と図面が結び付かないという状態では、完成検査前の負担が大きくなります。反対に、日々の記録が位置と時間にひも付いて整理されていれば、完成図書、出来形資料、写真整理、協議資料の確認が効率化します。


直轄国道の完成検査は、施工者にとって工事の締めくくりであり、道路管理者にとっては維持管理の出発点です。完成検査前の資料整理を、単なる事務作業ではなく、現場の品質を証明し、将来に引き継ぐための実務と捉えることが重要です。契約図書や発注者の運用を確認しながら、現場記録を正確に整理し、検査対応と維持管理の両方に使える完成図書へつなげてください。


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