top of page

直轄国道の沿道イベント利用で許可漏れを防ぐ5手順

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均7分で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

直轄国道の沿道で、マルシェ、地域祭り、展示、清掃活動、啓発キャンペーン、歩行者向けの滞留空間づくりなどを行う場合、担当者が迷いやすいのは、国道だから国へ相談すれば足りるのか、警察への道路使用許可も必要なのか、歩道上に少し置くだけなら申請不要なのかという判断です。直轄国道は、一般国道のうち国が管理する区間を指す実務上の呼び方ですが、国道番号だけで管理主体や手続先を判断するのは安全ではありません。対象地点の道路管理者、道路区域、交通への影響、関係機関との協議を一つずつ確認する必要があります。


許可や協議の漏れは、開催直前のレイアウト変更、搬入計画の見直し、関係者説明のやり直しにつながることがあります。本記事では、直轄国道の沿道イベント利用で許可漏れを防ぐために、実務担当者が押さえるべき5手順を、計画初期から当日管理まで一連の流れで解説します。なお、道路占用許可や道路使用許可の要否は、場所、時間、設置物、交通状況、地域の運用によって変わるため、最終判断は必ず所管窓口へ確認してください。


目次

直轄国道の沿道イベント利用で許可漏れが起きる理由

手順1 道路管理者と道路区域を最初に確定する

手順2 占用と使用を分けて許可の要否を棚卸しする

手順3 設置物と動線を図面化して関係先協議を前倒しする

手順4 申請書類と運営計画を同じ情報でそろえる

手順5 当日運用と変更管理で許可条件を守り切る

許可漏れを防ぐための実務チェックポイント

まとめ 直轄国道の沿道イベントは記録と共有で安全に進める


直轄国道の沿道イベント利用で許可漏れが起きる理由

直轄国道の沿道イベントで許可漏れが起きる大きな理由の一つは、担当者が道路を使うという行為を一つの手続として捉えてしまうことです。実際には、道路管理者が見る道路占用の観点と、警察が見る道路使用の観点は別です。歩道や道路区域内にテント、のぼり、案内看板、受付台、仮設の展示物、休憩用の椅子などを置く場合は、道路占用許可の要否や占用物件としての可否を確認する必要があります。一方で、来場者の列、歩行者の迂回、車両の出入り、荷さばき、交通誘導、パレード的な移動、撮影や呼び込みなどは、交通の安全と円滑に関わるため、道路使用許可の要否を確認する必要があります。


国が管理する国道の道路占用許可申請は、オンラインまたは書面で道路管理者へ申請できるとされています。書面の場合は、必要事項を記入した様式を最寄りの国道事務所または出張所へ提出する流れが案内されています。また、申請にあたっては、まず占用したい道路の道路管理者を確認することが求められています。直轄国道という言葉だけで判断せず、対象地点が本当に国管理区間なのか、道路区域にどこまで含まれるのかを確認することが第一歩です。


許可漏れは、悪意よりも認識のずれから生じます。主催者は、歩道の端に置くだけ、短時間だから大丈夫、前年も同じ場所で行った、と考えがちです。しかし、行政側は、道路区域、設置物の寸法、通行幅、視認性、緊急車両、視覚障害者誘導用ブロック、交差点やバス停との関係、周辺交通への影響を確認します。特に直轄国道は、地域内の生活道路であると同時に、広域交通や物流を担う幹線道路でもあります。沿道イベントが地域活性化に役立つ内容であっても、安全確認や必要な手続を省略できるわけではありません。


もう一つの落とし穴は、会場そのものが民有地や公共広場であっても、参加者の列、案内看板、搬入車両、誘導員、仮設サインが道路側へはみ出すことです。主会場が道路外なら道路手続は不要と思い込むと、入口前の滞留、歩道上の受付、車道際の搬入、横断誘導などが抜け落ちます。沿道イベントでは、会場境界線だけでなく、人、物、車両、音、表示がどこまで道路や一般交通に影響するかを基準に考える必要があります。


さらに、自治体の後援や地域団体の主催があると、公共性があるから簡略に進むはずだと期待されることがあります。地域活性化やにぎわい創出に資する路上イベントなどについて、道路占用許可や道路使用許可の手続を円滑に進めるための弾力的な運用が示されていることは事実です。ただし、それは許可が不要になるという意味ではありません。道路管理上の支障、交通安全、地域合意、設置物の管理、原状回復などを確認したうえで、必要な手続を整えることが前提です。


したがって、直轄国道の沿道イベントでは、最初にどの許可が必要かを一回で断定しようとするより、道路管理者の確認、道路占用の有無、道路使用の有無、自治体や施設管理者との調整、当日運用の条件という順番で分解するほうが安全です。本記事の5手順は、その分解作業を実務に落とし込むための流れです。


手順1 道路管理者と道路区域を最初に確定する

直轄国道の沿道イベント利用で最初に行うべきことは、イベント名や企画書を整えることだけではなく、対象地点の道路管理者と道路区域を確定することです。国道と呼ばれる道路でも、すべてが同じ窓口で管理されているわけではありません。国が管理する区間もあれば、地方公共団体が管理する区間もあります。国が管理する国道の場合は、最寄りの国道事務所や出張所などが相談先になりますが、地方公共団体が管理する区間であれば相談先は変わります。ここを誤ると、申請先違い、協議のやり直し、資料の作り直しが発生します。


実務では、イベントの企画段階で、会場予定地の住所、交差点名、国道番号、上下線、歩道の有無、占用や使用を予定する位置、最寄りの管理窓口を整理します。可能であれば、位置図だけでなく、道路台帳図や現地写真に近いレベルで、どの範囲が道路区域に含まれるかを確認します。歩道、植樹帯、側溝、法面、橋梁部、高架下、地下歩道入口付近、道路予定区域などは、見た目では敷地境界が分かりにくいことがあります。沿道施設の前面空地に見えても道路区域である場合があり、逆に道路に見えても別の施設管理者の土地である場合もあります。


この段階で重要なのは、イベントをどこで行うかだけでなく、イベントに関係するものがどこに置かれるかを洗い出すことです。受付、待機列、仮設電源、案内看板、誘導用のカラーコーン、音響機器、記録用機材、救護スペース、出店者の荷物、搬入車両の一時停車場所まで含めて、道路区域に触れる可能性を確認します。小さな備品であっても、歩行者の通行幅を狭めたり、視覚障害者誘導用ブロックをふさいだり、交差点付近の見通しを悪くしたりすれば、許可や協議の検討対象になります。


道路占用制度では、占用許可の審査において、物件が道路法上の対象に該当すること、道路の敷地外に余地がないためやむを得ないこと、占用の期間、場所、物件の構造などが基準に適合することなどが確認されます。公共性、計画性、安全性も考慮されるため、単に空いている場所を選ぶのではなく、なぜその場所でなければならないのか、通行や道路構造にどのように支障を生じさせないのかを説明できる準備が必要です。


担当者が見落としやすいのは、道路区域の確認を申請直前に回してしまうことです。企画、出店募集、広報、警備発注が進んだ後に、予定していた歩道幅では安全な通行幅を確保できない、設置物の位置をずらす必要がある、搬入経路が使えない、と判明すると調整負荷が大きくなります。直轄国道では、道路構造や交通量の制約が強い場所も多いため、道路区域と管理者の確定は、会場決定と同じタイミングで進めるのが安全です。


また、相談時には、道路を少し使いたいという抽象的な説明ではなく、何月何日、何時から何時まで、どの場所に、何を、どの寸法で、誰が管理し、終了後にどう撤去するのかを伝えられる状態にします。初回相談で完璧な図面がなくても、現地写真に予定位置を示した資料があるだけで、窓口側は論点を整理しやすくなります。結果として、道路占用許可だけでなく、道路使用許可や自治体調整が必要かどうかも早めに見えてきます。


手順2 占用と使用を分けて許可の要否を棚卸しする

道路管理者と道路区域を確認したら、次に行うのは、道路占用許可と道路使用許可を分けて要否を棚卸しすることです。直轄国道の沿道イベントでは、この二つを混同すると許可漏れが起きやすくなります。道路占用許可は、道路上や道路区域内に工作物、物件、施設などを設け、一定の時間や期間にわたって道路の一部を占める行為に関係します。道路使用許可は、道路を本来の通行目的とは異なる形で使い、交通の妨害や危険を生じさせるおそれがある行為に関係します。


警察庁の説明では、道路使用許可が必要な行為として、道路で工事や作業を行う行為、道路に工作物を設ける行為、場所を移動しないで露店や屋台などを出す行為、道路で祭礼行事やロケーションなどを行う行為が示されています。具体的な行為は各都道府県の道路交通規則で定められる場合があります。また、ライフライン等の設置工事、工作物の設置、露店、オープンカフェの設置を伴うイベントなどでは、道路使用許可と道路占用許可の両方が必要となる場合があります。


実務上は、イベントの全要素を、置くもの、動くもの、集まる人、止まる車、知らせる表示に分けると整理しやすくなります。置くものには、テント、机、椅子、看板、のぼり、展示台、発電機、柵、プランター、仮設照明などがあります。動くものには、パレード、搬入出、巡回スタッフ、清掃活動、誘導、撮影などがあります。集まる人には、来場者の列、観覧者、出店者、関係者の待機、受付前の滞留などがあります。止まる車には、荷下ろし、一時停車、関係車両、緊急車両の動線確保が含まれます。知らせる表示には、案内板、注意喚起、広告、誘導表示、横断案内などがあります。


この棚卸しで大切なのは、イベント本体だけでなく準備と撤収を含めることです。開催時間中は道路上に物を置かない計画でも、設営時に車道を一部使う、歩道に資材を仮置きする、撤収時に来場者と搬出車両が交錯するということはよくあります。許可条件は当日の本番だけでなく、設営開始から原状回復完了までを対象として考える必要があります。許可漏れを防ぐには、タイムスケジュール上の短時間の道路利用も見逃さないことが重要です。


さらに、道路占用と道路使用のほかに、自治体のイベント届、火気使用、食品提供、騒音、屋外広告、消防、保健、施設管理、近隣説明などが必要になる場合があります。これらは道路手続そのものではありませんが、道路上の出店、調理、発電機、音響、看板、夜間照明などと密接に関わります。道路占用や道路使用の協議で、関係機関と調整済みかを確認されることもあるため、道路手続だけを単独で進めるのではなく、関係許認可や届出を一枚の管理表で把握するほうが安全です。


棚卸しの段階では、不要だと思うものも一度書き出すことをおすすめします。たとえば、道路上には出店しないが歩道上に案内員を立てる、車道規制はしないが来場者が横断歩道に集中する、看板は道路外に置くが道路から見えるように掲出する、といったケースです。結果として許可不要と判断されるものもありますが、検討した記録を残しておけば、後から説明しやすくなります。許可漏れを防ぐ実務では、必要な申請だけを記録するのではなく、不要と判断した理由も残すことが大切です。


手順3 設置物と動線を図面化して関係先協議を前倒しする

許可の要否を棚卸ししたら、次は設置物と動線を図面化します。直轄国道の沿道イベントでは、文章だけの企画書では安全性を判断しきれません。道路管理者も警察も、最終的には、どこに何を置き、歩行者や車両がどこを通り、危険がどこに発生し得るかを見ます。そのため、平面図、位置図、現況写真、設置物の寸法、交通誘導員の配置、来場者の流れ、搬入出経路、緊急時の退避先を早めに図面へ落とし込むことが重要です。


図面化で最も重視すべきなのは、歩行者の通行空間です。歩道上にテントや看板を置く計画がある場合、残る通行空間が十分か、車いすやベビーカーが通行できるか、視覚障害者誘導用ブロックを避けているか、バス停や横断歩道、交差点、車両乗入口に支障がないかを確認します。来場者が増えたときに、列が自然にどちらへ伸びるかも考えます。図面上では余裕があっても、実際には人が立ち止まる場所、写真を撮る場所、受付で説明を受ける場所に滞留が生じます。滞留は設置物ではありませんが、交通への影響という意味では重要な管理対象です。


車両動線も同じように具体化します。出店者や運営スタッフの搬入車両がいつ、どの方向から入り、どこで停車し、何分程度で荷下ろしし、どこへ退出するのかを決めます。国道沿いでは、短時間の停車でも後続車両や自転車、歩行者に影響する場合があります。特に交差点付近、バス停付近、横断歩道付近、車両乗入口付近では、停車や荷扱いの可否を慎重に確認する必要があります。必要に応じて、搬入時間を分散する、道路外の荷さばき場所を確保する、歩道上の台車移動経路を指定するなどの対策を検討します。


関係先協議は、完成した申請書を提出するだけの場ではなく、計画を安全な形に調整する場として使うべきです。道路管理者には、道路区域、設置物、占用期間、原状回復、維持管理、道路構造への影響を相談します。警察には、交通規制の有無、歩行者誘導、車両動線、横断需要、周辺道路への影響、警備体制を相談します。自治体や地域関係者には、広報、住民説明、ごみ処理、騒音、公共交通、近隣施設との調整を相談します。協議先ごとに関心が異なるため、同じ企画書を渡すだけでなく、それぞれの判断に必要な情報を補うことが大切です。


警察庁は、大規模工事や地域活性化に資するイベント等について、実施場所、時間、形態により交通への影響や合意形成の状況が異なるため、円滑に道路使用許可手続を進めるには十分な時間的余裕をもって事前相談するよう示しています。直轄国道沿いのイベントも、規模の大小にかかわらず、早めの協議が計画変更の余地を確保する鍵になります。


図面化した資料は、申請用だけでなく、主催者内部の共通認識にも使います。担当者、警備員、出店者、設営会社、自治体職員、地域団体がそれぞれ違うイメージを持ったまま進めると、当日に、ここに置くつもりだった、ここは通れると思っていた、という食い違いが起きます。図面に番号を振り、最新版の日付を入れ、変更履歴を残しておけば、許可条件と現場運用を一致させやすくなります。


手順4 申請書類と運営計画を同じ情報でそろえる

関係先との事前協議で方向性が固まったら、申請書類と運営計画を同じ情報でそろえます。許可漏れだけでなく、申請後の補正や当日の条件違反を防ぐには、道路占用許可申請、道路使用許可申請、イベント企画書、警備計画、設営図、出店者説明資料、当日マニュアルの内容が一致していることが重要です。書類ごとに開催時間、設置位置、撤去時間、責任者名、緊急連絡先、誘導員数が違っていると、審査側にも現場側にも混乱が生じます。


まず、イベントの基本情報を一つの原本として管理します。イベント名、主催者、責任者、連絡先、開催日、予備日、設営時間、開催時間、撤収時間、占用場所、使用場所、設置物、来場見込み、搬入出計画、雨天時対応、中止判断、緊急対応を一元化します。各申請書や添付資料は、この原本から転記する形にすると、情報のずれを減らせます。担当者が複数いる場合は、誰が最新版を管理するかを明確にします。


道路占用の添付資料では、位置図、平面図、断面図、設置物の構造や寸法、現況写真、占用期間、管理方法、撤去方法などが重要になります。道路使用の添付資料では、場所や区間の見取図、道路使用の方法や形態を補足する資料、交通誘導員配置、資機材配置、来場者動線、搬入出経路などが重要になります。警察庁の説明でも、道路使用許可申請には申請書のほか、道路使用の場所または区間の付近の見取図や、道路使用の方法または形態を補足するために必要とされる書類が挙げられています。


申請書類をそろえる際には、許可を受ける対象期間を慎重に設定します。イベント本番だけでなく、設営、準備、リハーサル、搬入、撤収、清掃、原状回復まで含めて道路に影響がある時間を確認します。たとえば、開催時間は午前から夕方まででも、早朝にテントを設置し、夜に撤去するなら、道路占用や道路使用の対象時間は本番より長くなる可能性があります。許可期間外に資材を置いたり、車両を停めたりすると、意図せず条件違反になるおそれがあります。


また、変更が発生したときの扱いも事前に確認します。出店者数が増える、テント位置が変わる、雨天対策で屋根や重りを追加する、来場者見込みが増える、搬入車両が変わる、といった変更は、軽微に見えても審査内容に影響する場合があります。許可後の変更が認められる範囲と、新たな申請や協議が必要な範囲を把握しておけば、開催直前の判断ミスを防げます。


申請書類と運営計画を一致させるうえで、出店者や協力団体への説明も欠かせません。主催者が許可を取得していても、出店者が勝手に看板を追加する、歩道側に商品を並べる、発電機を別位置に置く、搬入車両を予定外の場所に停めると、現場全体として許可条件から外れることがあります。出店者説明資料には、使用可能範囲、設置できる物、掲出できる表示、搬入出時間、禁止事項、緊急連絡先を明記し、当日も現場責任者が確認できるようにします。


手順5 当日運用と変更管理で許可条件を守り切る

許可を取得したら終わりではありません。直轄国道の沿道イベントで本当に重要なのは、許可条件を当日の現場運用で守り切ることです。許可漏れの問題は、申請しなかった場合だけに起きるものではありません。申請時の計画と当日の実態がずれた場合にも、結果として許可範囲外の道路利用が発生します。特に屋外イベントでは、天候、来場者数、出店者の到着遅れ、機材トラブル、交通状況、近隣からの要望によって、現場判断が必要になる場面が多くあります。


当日は、最初に現場責任者が許可条件と設置位置を確認します。許可証、申請図面、最新の運営マニュアル、緊急連絡先をすぐ参照できる状態にし、設営前に関係者で範囲を共有します。テントの脚、重り、看板、コード、誘導資機材が図面どおりか、通行空間が確保されているか、視覚障害者誘導用ブロックや横断歩道付近に支障がないか、搬入車両が予定外の場所に止まっていないかを確認します。設営完了時の写真を残しておくと、後から状況を説明しやすくなります。


来場者が増えた場合の対応も、許可条件の範囲内で行う必要があります。列が伸びたからといって、予定外の歩道部分へ誘導柵を広げたり、車道寄りに案内員を立たせたり、追加看板を置いたりすると、道路占用や道路使用の条件に影響することがあります。事前に、列の折り返し位置、満員時の入場制限、別待機場所、案内方法を決めておくと、現場判断が安定します。人の流れは図面上の線どおりには動かないため、現場責任者は常に滞留と交錯を観察する必要があります。


変更管理では、誰が判断できるかを明確にします。出店者、警備員、設営担当者がそれぞれ良かれと思って配置を変えると、全体として許可条件から外れる可能性があります。配置変更、時間変更、車両動線変更、追加掲出、資機材追加は、現場責任者に集約し、必要に応じて道路管理者や警察に連絡する運用にします。小さな変更でも、日時、理由、変更内容、判断者、確認先を記録しておけば、事後対応がしやすくなります。


撤収時も油断できません。イベント終了後は、来場者の帰宅動線と出店者の撤収動線が重なりやすく、日没後は視認性も下がります。設営時よりも疲労や焦りが出やすいため、資材の仮置き、車両の一時停車、歩道上の荷物、清掃漏れに注意します。道路占用者には、占用物件に起因して道路構造や交通に支障が生じることを防ぐため、占用物件を適正に維持管理する責任があります。イベント終了後の原状回復までを管理対象に含めることが大切です。


当日運用で役立つのは、紙の許可証や図面だけではなく、現地写真、位置情報、時刻、担当者メモを一体で残す記録です。設営前、設営完了時、開催中の混雑時、撤収開始時、撤収完了時の状態を記録しておけば、次回開催時の改善にも使えます。直轄国道沿いのイベントは、同じ場所で継続開催されることも多いため、記録が蓄積されるほど、次年度の協議、図面作成、出店者説明が効率化します。


許可漏れを防ぐための実務チェックポイント

直轄国道の沿道イベントで許可漏れを防ぐには、担当者の経験だけに頼らず、確認の順番を固定することが重要です。最初に道路管理者を確認し、次に道路区域を確認し、そのうえで道路占用と道路使用を分けて検討します。さらに、道路外に見える場所でも道路区域に含まれる可能性があること、道路上に物を置かなくても人や車両の動きが交通に影響する可能性があることを前提にします。この順番を守るだけで、見落としの多くは防ぎやすくなります。


実務で特に確認したいのは、設置物の有無よりも、道路に影響する要素の有無です。テントや看板を置くかどうかだけでなく、来場者が歩道に並ぶか、出店者が台車で歩道を移動するか、案内員が道路側に立つか、撮影や呼び込みで人が立ち止まるか、搬入車両が一時停車するか、音響や照明が周辺交通に影響しないかを確認します。直轄国道では、歩道が広く見える場所でも、自転車、歩行者、バス利用者、沿道店舗利用者が混在していることがあります。現地の時間帯別の使われ方を見ずに計画すると、当日になって支障が出ることがあります。


次に、関係者の役割分担を明確にします。主催者、申請担当、現場責任者、警備担当、設営担当、出店者窓口、自治体担当、道路管理者との連絡窓口、警察との連絡窓口が曖昧なまま進むと、必要な情報が止まります。許可申請を外部に任せる場合でも、主催者が内容を理解していなければ、当日運用で条件を守れません。申請書を作った人と現場を動かす人が違う場合は、許可条件の引き継ぎ会を行うと安全です。


また、前年実績を過信しないことも大切です。毎年同じ名称のイベントでも、開催日、時間、来場者数、出店数、周辺工事、バス停の位置、歩道状況、交通量、近隣施設の営業状況が変われば、必要な調整も変わります。特に道路工事や沿道開発が進んでいる区間では、前年の図面がそのまま使えないことがあります。過去資料は出発点として有用ですが、最新版の現地確認と関係先協議で更新する必要があります。


許可漏れを防ぐうえでは、主催者内部の言葉遣いも重要です。道路は使わないと言うのではなく、道路区域内に設置する物はないが、来場者の歩行動線が歩道を通る、会場は民有地だが、案内看板を国道歩道側に向ける、搬入は道路外で行うが、一時的に国道沿いの出入口を車両が利用する、というように、道路との関係を具体的に表現します。抽象的な説明は、関係者の誤解を招きます。


最後に、許可条件、協議結果、図面、現地写真、変更履歴を一つの案件記録として残します。許可漏れは、担当者交代時に起きやすい問題でもあります。前年の担当者しか経緯を知らない、どの窓口に何を確認したか残っていない、最終図面がどれか分からない、当日の変更理由が記録されていないという状態では、次回も同じ確認を繰り返すことになります。記録は単なる保管ではなく、次の許可漏れを防ぐための資産です。


まとめ 直轄国道の沿道イベントは記録と共有で安全に進める

直轄国道の沿道イベント利用では、地域のにぎわい創出や公共的な活動を実現する一方で、幹線道路としての安全性と円滑な交通を守る必要があります。許可漏れを防ぐためには、直轄国道という名称だけで判断せず、対象地点の道路管理者と道路区域を確認することから始めます。そのうえで、道路占用許可と道路使用許可を分けて考え、設置物、人の流れ、車両動線、表示、準備撤収まで含めて道路への影響を棚卸しします。


本記事で紹介した5手順は、特別な大規模イベントだけのものではありません。小規模な啓発活動、歩道沿いの受付、沿道施設と連携した展示、地域清掃、短時間のキャンペーンでも、道路区域に物や人の動きが関わるなら同じ考え方が必要です。手続が必要かどうか分からない段階こそ、現地情報を整理し、早めに関係先へ相談することが、結果として手戻りを減らす進め方になります。


直轄国道の沿道イベントで失敗しにくい担当者は、許可申請を単なる書類提出として見ていません。道路管理者や警察との協議を通じて、計画の危険箇所を早めに見つけ、図面と運営計画を修正し、当日の現場に伝わる形へ落とし込んでいます。反対に、許可証を取得しただけで安心し、出店者や設営担当への共有が弱いまま当日を迎えると、現場で条件外の設置や動線変更が起きやすくなります。


これから直轄国道沿いでイベントを企画する場合は、まず現地確認の写真、道路区域のメモ、設置候補位置、歩行者動線、搬入出経路を記録し、関係者が同じ情報を見られる状態をつくることをおすすめします。現地の記録が正確であれば、協議資料も申請書類も当日マニュアルも整えやすくなります。許可漏れを防ぐ実務は、現場で見たことを正しく残し、関係者へすばやく共有することから始まります。


現地確認、写真記録、位置情報付きメモ、関係者共有を効率化したい場合は、紙の図面、共有フォルダ、チェックリスト、写真台帳、位置情報付きの記録ツールなどを組み合わせ、誰が見ても同じ状況を確認できる仕組みを整えることが有効です。直轄国道の沿道イベントでは、特定の担当者の記憶に頼らず、現場の状態を正確に残す仕組みが、許可漏れ防止と安全な運営の土台になります。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page