top of page

出来形確認も安心!みちびき×LRTKによる高精度測位で測量誤差ゼロを目指す

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均4分で読めます
万能の測量機LRTKの説明

出来形確認とセンチ級測位の必要性

道路や造成、構造物の施工現場では、設計図通りに仕上がっているかを確認する「出来形確認」が不可欠です。出来形確認が不十分だと安全性や品質に影響するだけでなく、補修コストの増大や工期延長のリスクも高まります。従来はトータルステーションや測量レベルなどの機器を使用していましたが、操作の複雑さや記録ミス、計測時間の長さといった課題がありました。近年ではGNSS測位技術の進化により、センチメートル級の精度で位置が測定できるようになりました。RTK(リアルタイムキネマティック)測位を利用すれば、GPS単独測位で生じていた数メートル単位の誤差を数センチまで低減できます。スマートフォンと連動するLRTK(スマホ用RTKユニット)のようなソリューションを導入すれば、専門的な機器を用意しなくても高精度測位が可能となり、現場管理者や技術者の負担を大幅に軽減できます。スマホやクラウドを活用した測量システムも普及しつつあり、現場担当者が手軽にセンチ級測位を実現できる環境が整ってきています。国土交通省が推進するi-Construction(アイ・コンストラクション)では、ICT測量や3次元データを活用した施工管理が必須とされており、これにより出来形検査にも従来以上の精度と効率が求められるようになっています。こうした背景から、現場にICT技術を導入したデジタル化(DX)が加速しています。


RTK-GNSS測位の基礎

RTK測位では、既知座標を持つ基準局(ベース局)と移動局が同時に衛星信号を受信し、その差分から移動局の位置をリアルタイムに補正します。国土地理院や民間企業が提供するネットワーク型RTKサービス(Ntrip)では、インターネット経由で複数の基準局データを利用して補正情報を取得できます。これにより長距離でも高精度を維持しやすく、基線長が長い場合でも精度低下を抑えられます。RTKにより従来のGPS測位の数メートル誤差を数センチまで改善できるため、現場での微小なズレも高精度に把握可能です。スマホ対応のLRTK機器であれば、専用アプリで座標系設定や補正情報の取得も容易に行えます。


みちびき(準天頂衛星システム)CLAS補正の特徴

「みちびき」は日本の準天頂衛星システム(QZSS)の衛星群で、日本全域をカバーする高精度測位サービスを提供しています。CLAS(センチメータ級補強サービス)はみちびき衛星から送信される補正情報で、GNSS観測誤差をリアルタイムに補正します。CLASの特徴は、携帯回線やインターネットを必要とせず、電波が届く範囲であればいつでも補正信号を受信できる点です。山間地や海上など通信が困難な場所でも、CLAS対応の受信機があれば追加コストなしで数センチの測位精度が得られます。CLAS補正情報はL6帯の衛星信号を通じて送信され、国内ほぼ全域で利用可能なことも大きなメリットです。みちびき衛星は常に日本上空に配置されているため、都市部のビル陰や谷間などでも衛星視野が確保しやすく、衛星配置に起因する測位ロストが起こりにくい利点があります。一方で、CLASを利用するにはL6帯信号を受信できる専用機器が必要で、初期投資が多少かかります。また測位自体はGNSS単独測位がベースなので、十分な空の見通し(マルチパスの少ない環境)が前提となります。


ネットワークRTK(Ntrip)補正の利点と注意点

ネットワークRTKでは、国内に整備された電子基準点網(GEONET)や民間のRTK補正サービスを利用します。利用者は移動局の受信機をインターネットに接続し、Ntripプロトコル経由で補正データを受信します。代表的な民間サービスでは通信基地局に設置した数千局の基準点データを使い、全国どこでもセンチ級精度が得られるように整備されています。Ntrip方式の利点は、携帯通信網を介するため都市部でも安定して接続でき、リアルタイムに高精度測位が可能な点です。また、サービス契約を行えば現場ごとに基準局を設置する手間が省けます。しかしNtrip型RTKはインターネット接続が前提であるため、トンネル内や通信の届かない山間部では利用できません。通信遅延が発生すると補正適用が遅れて精度低下を招く場合があるため、通信品質には注意が必要です。さらに、Ntripサービスによっては契約料や利用料が発生する場合があります。


CLASとネットワークRTKの比較と使い分け

みちびきCLAS補正とネットワークRTKはそれぞれ異なる特性を持つため、現場状況に応じて使い分けることが重要です。CLAS補正は携帯通信に依存しないため、山間地や河川、災害時の孤立現場など通信環境の悪い場所での測位に適しています。LRTKのようにCLAS対応受信機があれば、スマホだけで通信圏外でも連続測位が可能です。逆に、都市部や携帯電波が安定している場所ではネットワークRTKを使うことで常時高精度補正を得られ、通信費用のみで安定した測位が行えます。誤差特性の面では、CLASは衛星から直接補正情報を得るため、複数台で広範囲に使いやすいというメリットがありますが、受信機性能や衛星配置により精度が変動しやすい点があります。一方Ntripでは複数基準局による補正データを利用するため、環境変化に強く遠距離でも誤差減少が期待できます。ただし通信状況に依存するリスクは常にあります。CLASは誰でも無料で利用できる一方、Ntripサービスは契約料や使用料が必要になる場合がある点も覚えておきましょう。一般的には、車両やドローンなど広域移動にはNtripが便利で、携帯電波の届かない現場や災害時にはCLASを優先使用するといった使い分けが考えられます。


測量誤差要因とLRTK補正による軽減策

出来形確認で誤差を招く主な要因には以下のようなものがあります。これらはLRTKとみちびき補正を組み合わせて活用することで大幅に低減できます。


ヒューマンエラー(操作ミス・誤記): 従来の手作業では数値入力のミスや記録忘れが生じやすいです。LRTKシステムではスマートフォンで測位と同時にデータがデジタル化されるため、手書きや二重入力によるエラーを防げます。撮影した写真に自動で測位タグが付与されるため、写真と測位結果を紐付けて出来形報告書に活用できます。

座標系の不整合: 測量結果と設計図の座標系が異なるとズレが発生します。LRTKアプリでは日本測地系(JGD2011)などの平面直角座標系を事前に設定でき、ジオイドモデル(国土地理院公開)も適用可能です。平面・高さともに統一した座標系で測位すれば、設計図との比較も自動で一致します。

基準点精度のばらつき: 既存の基準点や仮設点の位置精度が低いと全体に誤差が生じます。ネットワークRTKでは多数の高精度基準点を使えるため、現場に独自の基準局を置く必要がなく、長距離でも誤差が安定します。また、みちびきCLAS対応LRTK受信機なら携帯圏外でも衛星から直接補正情報を得られるため、基準点の精度不足による不安定さが解消されます。

天候・衛星配置: 雨天や電離層活動期にはGNSS精度が低下しやすいですが、LRTKはGPS/GLONASS/みちびき/GalileoなどマルチGNSS対応であり、3周波対応で電離層遅延の影響も軽減できます。みちびき衛星は常に日本の真上近くにあるため、衛星の少ない条件下でも受信性が高く、衛星配置の悪化による精度変動を最小限に抑えます。


出来形確認の流れ(点群取得→ヒートマップ→再施工判断)

最新の出来形確認フローは以下の通りです。センチ級測位技術を活用し、現況と設計図のズレを簡単に評価できます。


点群の取得: LRTK対応スマートフォンやハンディスキャナーで現況地形をスキャンします。スマホに軽量なGNSSアンテナを取り付けて歩くだけで、絶対座標付きの高密度点群が取得できます。60m先まで測定できるモデルもあり、大規模現場でも訓練不要で簡単に点群データを生成可能です。

ヒートマップ作成: 取得した現況点群を設計図データとクラウドソフト上で重ね合わせます。ソフトは差分を検知し、設計通りの箇所は緑、許容範囲内は黄色、基準超過は赤に色分けした「出来形ヒートマップ」を自動生成します。赤色で示された箇所は高さや位置が設計とズレているため、施工ミスや土量不足のサインとして直ちに把握できます。

再施工判断: ヒートマップで検出された誤差領域を基に再施工の指示を出します。例えば盛土不足で赤くなった区画には追加盛土を行い、過剰な盛土は整形します。再施工後には再度同様の工程で点群を取得して比較し、出来形が設計通りに修正されているかを確認します。


これらの工程をデジタルツールで完結できるため、作業時間は大幅に短縮され、検査精度も飛躍的に向上します。現場で点群から直接体積計算も可能で、施工後の土量確認まで一気通貫で実施できます。


平面・縦断・標高方向の精度確保法

出来形確認では、平面方向(XY位置)、縦断方向(プロファイル)および標高方向(高さ)それぞれの精度を担保する必要があります。以下の対策で精度を確保します。


平面方向: LRTK測位自体がセンチメートル級の精度を出せるうえ、同じ測点を複数回観測して平均化する「単点観測法」で相対精度をさらに向上できます。複数の既知点(測量基準点)を使った網平均計算を行えば、広範囲でも測位誤差を分散させて均一化できます。

縦断方向: 道路や管渠の縦断計画線に沿った測量では、LRTKを用いた連続歩測が効果的です。歩いた軌跡から縦断プロファイルを作成でき、現況の縦断線を直感的に把握できます。スマホアプリ上で設計縦断図と現況を即座に照合できるので、縦断面での誤差をその場で確認しやすくなります。

標高方向: 標高値は国土地理院のジオイドモデルで楕円体高から補正する必要があります。LRTKアプリにもジオイド高の設定機能があるため、観測データから即座に実際の地盤高を算出できます。また、多数点を連続観測して平均化することで個別の誤差を低減し、既知の水準点で高さを検査して必要であれば水準測量で再補正することで、高さ誤差を最小限に抑えます。


AR表示・カメラ記録・クラウド報告の活用で効率化

AR(拡張現実)表示やスマホカメラによる記録、クラウド共有を組み合わせることで、出来形検査とその記録作業を簡素化・標準化できます。例えば、取得した設計図面や既存埋設管の3DデータをAR表示すると、スマホ画面上に実物大のモデルが重なって見えます。LRTKのような絶対座標付きARなら、ユーザーが歩き回ってもモデルは正しい位置に表示されるため、受発注者間で施工イメージを容易に共有できます。また、スマホで撮影した写真には自動でGNSS位置や日時がタグ付けされるため、複数の写真を公共座標系で正確に重ね合わせて比較できます。この機能で出来形を視覚的に検証しながら、写真付き報告書作成も効率化できます。さらに、これらのデータはクラウドで即共有可能です。現場で生成した点群データやヒートマップ、測位写真はクラウド上に蓄積されるため、遠隔地の管理者もすぐに成果を確認できます。


AR表示: 設計図や埋設物の境界をARで表示し、現場の位置と高低差を直感的に把握

GPSタグ付き写真: 測位データ付きの写真で現況を記録し、報告書作成を大幅に省力化

クラウド共有: 得られた成果物(点群・体積計算・ヒートマップ)をクラウドで一元管理し、担当者間でリアルタイムに共有

自動報告: クラウド上で点群や測定データを自動解析し、体積・面積・距離などの成果を報告書形式で生成できます。これにより提出資料作成の作業効率がさらに向上します。


これらのテクノロジーを活用すれば、従来手作業だった出来形チェックの記録プロセスもデジタル化され、検査の高速化・標準化につながります。


LRTK導入の手軽さと属人化解消

LRTKはスマートフォンに装着するだけで使える軽量なRTK受信機で、従来の大型測量機器と比べて導入が極めて容易です。バッテリーやアンテナを含む全機能がスマホユニットに凝縮されており、片手で測位作業を完結できます。専門的な設定や熟練の操作は不要で、アプリ起動後は数タップで測位が開始できます。そのため、ベテラン技術者がいなくても現場作業を標準化でき、個人に依存しない体制構築が可能です。さらにLRTKは通信圏外対応機能を備え、みちびきCLAS補正を直接受信できるため、山間地や災害現場でも安定した高精度測位を継続できます。取得したデータはスマホから自動でクラウドにアップロードされるので、オフィスや遠隔地でもリアルタイムに共有できます。これにより検査工程のDX化と生産性向上が同時に実現します。従来は数百万円規模の測量機器が必要だった作業も、数十万円程度のスマホソリューションで代替できるようになりました。既存の測量機器と併用しながら段階的に導入することも可能で、投資コストを抑えつつ現場の精度を高められます。スマホ完結のセンチ級測位はこれからの出来形管理における新しいスタンダードとなるでしょう。


まとめ

センチメートル級の高精度測位を現場に取り入れると、出来形誤差の劇的な低減や再施工の削減につながり、品質管理が飛躍的に向上します。みちびきCLAS補正とネットワークRTK補正を適切に使い分け、スマホ連動のLRTKソリューションで作業を標準化すれば、測量精度は従来をはるかに上回るレベルになります。施工現場のDX化が進む中、これらの技術は今後ますます重要になるでしょう。LRTKを活用し、スマホ完結で手軽にセンチ級測位を実現し、現場の生産性向上とミス削減を目指しましょう。これらの取り組みにより、従来の測量作業では得られなかった効率化と精度向上が期待できます。先進技術を積極的に取り入れ、未来の建設現場を築きましょう。現場の生産性と品質を飛躍的に向上させるチャンスといえます。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page