公共測量や地形測量、建設測量に携わる測量技術者の皆様にとって、近年登場した日本の衛星測位システム「みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)」は見逃せない技術です。みちびきが提供するセンチメートル級測位補強サービス(CLAS)により、従来は基地局や通信回線が不可欠だったRTK-GNSS測位にも大きな変革が起きています::。国土地理院もこの技術に注目し、公共測量への活用に向けた検証や支援を進めています。さらに、スマートフォンと組み合わせて誰でも手軽にRTK測位を行える「LRTK」の登場で、公共測量から施工管理まで幅広い場面でセンチメートル精度の測位が現実的になってきました。本記事では、みちびき(QZSS)とCLASの概要、RTK測位技術との関係、公共測量作業規程で求められるGNSS測量の要件とLRTKの仕組みについて詳しく解説し、公共・工事測量の双方で活用でき る可能性に迫ります。
みちびき(QZSS)とCLASがもたらす高精度測位
日本版GPSとも言われる準天頂衛星システム「みちびき」は、既存のGNSS(GPS等)を補完・補強して日本全国で安定した測位を可能にする目的で導入されました:。4機体制のみちびき衛星は日本のほぼ天頂に留まる軌道を採るため、山間部や高層ビル街でも複数衛星の同時受信がしやすくなっています。またGPS単独では5~10m程度だった測位精度も、みちびき利用で1m〜数cm程度に飛躍的向上します:。特にみちびきの提供するセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)は、基準局や通信インフラなしで実現する「衛星経由のRTK補正」とも言える画期的な技術です:。
CLASは国土地理院の電子基準点ネットワーク(GEONET)から算出した誤差情報を、準天頂衛星の電波(L6帯)に載せて全国に送信する仕組みです:。ユーザーはCLAS対応受信機でみちびきの信号を受信するだけで、自身の測位にリアルタイムで補正を適用でき、単独測位では数メートルの誤差が数セ ンチメートルの高精度に収まります::。最大のメリットは、利用者が自前の基地局を設置したり携帯通信で補正データを受信したりする必要がない点です:。日本国内であればどこでも均一な精度で測位でき、携帯圏外の山間部や海上でも運用可能です:。しかも衛星からの補強信号受信自体は無料(対応機器の準備は必要)であり、高精度測位の敷居を大きく下げるものです。
国土地理院もこの技術に着目しており、CLASの測位精度や公共測量への適用性を検証する実証実験が各地で行われています。例えば公益財団法人日本測量調査技術協会と協力した検証では、みちびきCLASによる測位で水平位置6cm・高さ12cm以内という公共測量で実用可能な精度が得られています:。特に条件の良い地点では10分間の平均観測により水平3cm程度まで精度向上する結果も報告されました:。また、建設大手の実証ではRTK方式と遜色ない精度が確認されており、ダム工事への応用も検討されています(西松建設による実証:)。このように、みちびきCLASは公共測量やインフラ工事に耐え得るだけの精度を示しつつあり、高精度測位の新しい選択肢として期待が高まっています。
もっとも、CLAS測位を公共測量に用いるにあたっては注意点もあります。国土地理院の実証では、衛星配置や電離層の影響で不安定解(float解)が発生する時間帯も観測されました:。そのため、数分程度の観測を行い平均値を取ることや、時間帯を変えて複数回観測して結果を比較するといった精度担保策が有効と報告されています:。初期解(FIX解)が出るまで数秒〜1分程度を要する場合もあり、精度の悪いデータを除去したり再初期化する運用も実用上検討すべきとされています:。このような平均化測位や複数回の再観測といった工夫は、従来のRTK-GNSS測量でも推奨されてきた手法です。みちびきCLASを賢く使うことで、基地局無しでもこれまでのRTK測量と同等の結果が得られる可能性が広がっています。
公共測量におけるRTK-GNSS測量の要件
国土地理院の公共測量作業規程においても、GNSSを用いた測量(GNSS測量)は正式な手法として位置付けられており、特にネットワーク型RTK-GNSSによる測量手法が普及しています。公共測量の基準点測量や水準測量でRTK-GNSSを適用する際には、精度確保のためにいくつかの要件・基準が定められています。主なポイントは次のとおりです。
• 基準局との接続:公共測量で得た座標は国家測地系に基づく必要があるため、測量地域付近の既知点(電子基準点や三角点)に基づいて測位を行うことが求められます。ネットワーク型RTK(VRS方式など)の場合、仮想基準点は電子基準点網から計算されるため自動的に国家座標に接続されますが、独立型RTKでは現地の既知点に自前の基地局を設置して測位するのが原則です:。みちびきCLASの場合も、原理上は電子基準点網に基づく補正情報を使うため国家座標と整合した測位が可能です。いずれの場合も、既知点への測定や既存座標との比較を行い、測位結果にズレがないか確認する手順が重要です。
• 測位時間と平均化:RTK-GNSS測量では瞬時にセンチメートル級の位置が得られるとはいえ、環境要因による誤差を低減し信頼性を高めるため一定時間の観測と平均化が推奨されます。例えば公共基準点の観測では、1点あたり少なくとも1~2分程度は安定したFIX解を保持し、その間のデータを平均して座標値を決定する方法がとられます::。さらに可能であれば時間をおいて2回以上観測し結果を比較することで、偶発的誤差の影響を排除します:。国土 地理院の手引きでも、RTK単独観測法において異なる時間帯での複数観測や平均化処理により精度を担保することが示されています:。
• 平面直角座標系・高さ基準への変換:公共測量の成果は、日本測地系(JGD2011または新しいJGD2022)に基づく平面直角座標系の座標値で記録・提出します。また高さ(標高)についても東京湾平均海面などを基準とした正確な標高系で示す必要があります。GNSSで得られる経緯度や楕円体高をそのまま使うのではなく、所定の座標系への変換を行わなければなりません::。例えば現場が東京都内であれば「JGD2011(またはJGD2022)/平面直角座標系○系」(○は地域に応じた系番号)でXY座標を表し、高さはジオイドモデルを用いて求めた正平均海面(ORGN標高)に換算します。測量機器やソフトではこの変換を自動で行える機能が求められます。
• 既知点を用いたローカライズ:上記の座標系変換に関連して、現場ごとにローカライズ(既知点による座標補正)を行うケースも多くあります::。たとえば過去の工事で設定された独自の基準座標系や局所座標に合わせる必要がある場合、現地の既知点(複数)をGNSSで観測し、その既知点の真の座標値との差からシフト・回転・スケール補正量を算 出します::。公共測量の標準では3点以上の既知点を用いてヘルマート変換(7パラメータ変換)により高精度に座標補正することが推奨されています::。ローカライズにより、新たに測位する点も既存の図面座標と高い整合性を持たせることができます。
• 観測記録と保存:公共測量では、観測の経過や結果を詳細に記録し、測量成果とともに保存する義務があります。観測日時、使用機器、衛星数やDOP値、FIX/Floatの状態、平均観測時間、得られた座標値などを測量野帳や記録表に残し、後日の検査や検証に耐えられるようにします。測量業者はこれら観測記録を一定期間(通常7年間程度)保存することが求められ、万一のトラブル時には提出できるよう管理しなければなりません。また観測データ(GNSS生データやRTCM記録)があればそれも保存が望ましいでしょう。紙での記録だけでなく電子データでの保管・バックアップも推奨されており、クラウドサービスの活用も有効です。
以上のように、公共測量でRTK-GNSS測量を行う際には精度と信頼性を確保するための決まりや工夫があります。みちびきCLASは新しい技術とはいえ、基本的な考え方は従来のRTK測量と同様であり、「複数の既知点への結合」「十分な観測時間の確保と平均化」「国家座標系への変換」「丁寧な記録保存」がカギとなります。それでは、このような要件に対してスマートフォンを使った最新のRTKシステムであるLRTKがどのように対応できるのかを見ていきましょう。
スマホで実現する高精度測位 – LRTKの仕組み
近年登場した LRTK は、スマートフォンやタブレットを利用した超小型のRTK-GNSS測位システムです。東京工業大学発のスタートアップであるレフィクシア社が開発した製品で、iPhoneやAndroid端末に装着できる手のひらサイズ・125g程度の受信機ハードウェアと専用アプリ、そしてクラウドサービスから構成されます::。スマホの背面カバーに取り付けられる受信機は、従来の測量機器に比べて圧倒的にコンパクトで、内蔵バッテリーと高感度アンテナを備え、必要なときにポケットから取り出して1人1台で測量に使える手軽さを実現しています::。
LRTK受信機は3周波対応(L1/L2/L5帯など)で、多彩なGNSS衛星信号を捉えます:。このため測位の初期化(FIX解取得)が速く、マルチパスや電離層誤差への耐性も高いという利点があります。補正情報の受信手段も柔軟で、インターネット経由のネットワーク型RTK(Ntripクライアント機能)に対応するほか、準天頂衛星みちびきから直接CLAS信号を受信することも可能です:。つまり、携帯電波の届かない山間部や災害現場でも、みちびき衛星経由でリアルタイムにセンチメートル測位が可能となります::。この「通信圏外対応」の特徴は、防災分野でも評価されており、実際に能登半島地震の被災現場でインフラ途絶の中LRTKが活躍した例もあります::。
専用のスマホアプリ「LRTKアプリ」を起動すると、Bluetooth接続で受信機と連携し測位がスタートします。アプリ上ではリアルタイムに測定点の位置(経緯度や高さ)が表示され、必要に応じて測位モードや座標系の設定を行えます:。たとえば、日本国内で公共測量に使うなら事前にJGD2011/2022の平面直角座標系を選択しておけば、測定データは自動的にその座標系に変換されます:。LRTK受信機を既知点に据えて基地局モードにすることも可能で、もう1台をローバーとして使えば独立型RTKとして運用することもできます:(もっとも前述のように単独でもCLASやVRSで補正を受けられるた め、通常は1台運用で足ります)。測位結果は逐次スマホ画面に表示され、Fix状態や位置精度指標も確認できます。測量用ポールや一脚に固定して使えば、従来のGNSS測量機と同様に安定した姿勢で観測できます:。
LRTKの測位精度は実測でも折り紙付きです。固定した状態でLRTKアプリの平均化測位機能を使用し60回の測定平均を取ったところ、単一の瞬間測位では水平方向12mmだった標準偏差が平均化後は8mmに向上したとの報告があります:。10mm未満の精度で測位できるというのは、従来の高性能RTK機器に匹敵する本格的な性能と言えるでしょう。さらに上位モデルでは受信機の傾斜補正機能も備え、ポールが多少傾いても正確な測位が可能になるなど、現場での実用性を追求した機能が盛り込まれています::。
LRTKが公共測量要件に対応できるポイント
それでは、前章で挙げた公共測量におけるGNSS測量の要件に対し、LRTKがどのように対応しているかを具体的に見てみましょう。小型ながらプロ仕様のLRTKには、公共測量で求められる精度管理やデータ処理機能がしっかりと組み込まれています。
• 基準点への接続とローカライズ: LRTKアプリでは測位前に既知点座標を入力したり、座標系を選択したりする設定画面があります:。例えば現地に電子基準点や三角点がある場合、その公式座標値をアプリに登録しておけば、LRTK受信機を設置して基地局モードに切り替えるだけでその点を起点とした測量網を構築できます:。また、複数の既知点を観測してローカライズするワークフローにも対応可能です。LRTKアプリで各既知点を測定・記録し、後からクラウド上でその差分を解析してシフト量を適用するといった使い方もできます。実際の公共測量では少なくとも3点以上で精度検証するのが望ましいため、LRTKでも複数点の測定とデータ比較を容易に行えるようになっています。既知点測定モードで平均化しながら観測すれば、高精度な基準点成果も得られるでしょう。
• 平均化測位と複数回観測: LRTKアプリには「平均化測位」機能が標準で搭載されており、一定時間静止して連続測位した結果の平均座標を自動計算できます::。ユーザーがあらかじめ平均化の時間や測定回数を指定しておけば、その間のデータを統計処理してくれるため、手作業で計算する必要がありません:。例えば基準点測量の場面では、60秒間のデータを平均することでミリオーダーの精度向上が期待できます:。また、LRTKはワンタッチで測位を開始・停止できる手軽さがあるので、時間を変えて2回・3回と同じ点を測り直すことも苦になりません。得られた複数回の測位結果をアプリ内で比較したり、明らかに外れたデータを除外したりする作業も容易です。平均化+複数回測定のアプローチがボタン操作で実践できるため、公共測量の精度管理にも十分対応できるでしょう。
• 座標系(JGD2011/2022)変換と高さの計算: LRTKは国内の主要な測地系と座標投影に対応しており、アプリ上で日本の平面直角座標系を選択可能です:。測位した地点の緯度経度は、自動的に指定した平面直角座標(X,Y)に変換されます:。また高さ方向も充実しており、ジオイド高(GSIが提供するモデル)による標高変換に対応しています:。アプリ画面にはWGS84楕円体高だけでなく「JGD2011の正高(標高)」や「ジオイド高」が同時に表示され、利用者はその場で海抜高さを把握できます:。JGD2022の座標系にも順次対応が進められており、新しい基準への移行にも柔軟に対応可能です。これらの座標変換はクラウドに頼らず端末内でリアルタイム計算されるため、電波の届かない山中でも問題ありません。測量成果を国家座標で即座に得られる点は、公共測量で必須の要件を満たしています。
• 観測点記録の自動保存と管理: LRTKアプリで測位した全ての点は日時・位置・測位状態とともに自動記録されます:。例えば点を観測して保存ボタンを押すと、その点の緯度経度、平面直角座標値、標高、ジオイド高、観測日時、Fix/Floatステータス、衛星数などの情報がまとめてアプリ内に保存されます:。さらに点名やメモをその場で入力することもでき、紙の野帳に手書きで記録していた作業をデジタルで完結できます::。「平均化測位」で得た座標の場合は平均観測時間や回数も内部に保持されるため、後でどのように計測した点なのか履歴が追跡可能です。測量者は現場でメモ帳を取り出す必要がなく、記録漏れや書き間違いも防止できます。
• クラウドによるデータ保管と共有: LRTKのもう一つの強みがクラウドサービスとの連携です。アプリで記録された測位データはワンタップでLRTKクラウドにアップロードでき、インターネット経由で安全に保管されます:。クラウド上では各測点が地図上にプロットされ、点名・日時・座標・メモといっ た情報をあとからPCで一覧確認できます:。これにより、事務所に戻ってから紙の記録を転記したり誤記をチェックしたりする手間が大幅に軽減されます:。また、クラウドに保存されたデータは自動的にバックアップされるため、測量記録の長期保存にも最適です。公共測量の記録保存義務にも対応しやすく、紙媒体より確実にデータを残せるでしょう。さらに、クラウド上のデータは発注者や同僚と共有することもできます。共有用の一時URLを発行してパスワードを設定すれば、受け取った相手はログイン不要でウェブマップ上に成果を表示できます:。CSVや汎用測量データ形式(SIMA形式など)でのダウンロードにも対応しており、納品用の成果作成もスムーズです:。このようにクラウド活用によりデータ管理と共有が容易な点も、現代の公共測量ニーズにマッチしています。
以上のように、LRTKはハード面・ソフト面の両方で公共測量の要求に応える機能を備えています。RTK-GNSS測量の専門知識がない人でも扱いやすい直感的なUIで、測位開始/停止やデータ保存、座標系の切り替えといった操作も簡単です:。短時間のトレーニングさえ受ければ、測量士でなくとも現場担当者自身が自分のスマホで測量を行える時代が来ています:。これは人的リソースが限られる公共測量・調査の現場にとって大きなメリットと言えるでしょう。
工事測量への応用事例 – 出来形・土量・杭打ちでの活用
LRTKは公共測量だけでなく、建設現場での日常的な測量・計測業務にも大きな力を発揮します。その携帯性と汎用性、そしてクラウド連携によるリアルタイム共有は、施工管理の様々なシーンで活用できます。以下に代表的な応用事例を挙げます。
• 出来形測量・納品管理:道路や造成地などの出来形管理では、完成した地形や構造物の形状を正確に測定して設計値との差異を確認します。LRTKがあれば、担当者が現場を歩きながら要所要所のポイントを測ってクラウドにアップロードし、即座にオフィスで確認するといった運用が可能です:。従来は測量班が来るのを待ったり、紙図面に手書きで記録して持ち帰る必要がありましたが、LRTKなら現場で測ったデータがその場で電子化され共有されます。高精度な位置情報付きで写真撮影もできるため::、出来形箇所の状況を写真と座標セットで記録して報告書にまとめることも簡単です。出来形測量の迅速化と確実なデータ管理に貢献します。
• 土量・体積計測:土工事における盛土や掘削の土量算出にもLRTKが役立ちます。LRTKアプリには連続測位機能があり、移動しながら1秒間に最大10点の座標を自動取得して軌跡として記録できます:。これを使えば、山積み土砂の表面や掘削面を歩いて測定することで細かな点群データを取得でき、クラウド上で即座に3次元形状を可視化できます::。取得した点群データから距離や面積、体積を計算する機能もアプリ・クラウドに備わっており:、現場でざっと土量を把握したい場合にも有用です。従来はトータルステーションやレーザースキャナを要した作業が、LRTKとスマホ1台で代替できる可能性があります。
• 杭打ち・墨出し(位置出し):建設現場での杭打ち位置の出稿や基礎位置の墨出し作業にも、高精度GNSSは活用されています。LRTKは小型軽量なため杭頭に取り付けて位置誘導に使ったり、オプションの一脚を利用して地面に先端を当てながらポイントマーキングしたりと自在に使えます:。アプリ上であらかじめ施工図の座標値を入力しておけば、現在位置と目標位置の差を見ながら誘導することもできます(将来的にはAR表示によるナビゲーション機能も考えられます)。墨出し精度もセンチメートル級となるため、重要構造物の位置決めでも安心です。従来は測量士がトランシットやTSで立会いしていた杭打ちも、LRTKを使えば施工管理技術者自身が確認しながら進めら れるため、1人測量による省力化が図れます。
• その他の活用:LRTKはこのほか、橋梁やトンネル内での測位補助(屋外で現在地取得後、短時間なら屋内移動しても相対位置を維持する機能)や:、遠隔で触れない場所の座標計測(カメラとセンサーを用いた非接触ターゲット測位機能):など、ユニークな機能も備えています。例えば高所の設備点検で、カメラに映る対象物の座標をAR的に測定するといったことも可能です:。測量以外に維持管理や点検分野への応用も期待できるでしょう。これらの付加機能もすべて位置情報がクラウドに記録され共有できるため、現場とオフィスの情報伝達がシームレスになります。
以上のように、LRTKは「測る」「記録する」「伝える」という現場測量の一連の流れを劇的に効率化します。従来別々の機器や工程が必要だった作業をオールインワンでこなし、しかも専門人員に頼らず誰もが扱えるツールとして提供される点が画期的です。これはまさに国土交通省が推進するi-Construction(現場のICT活用による生産性向上)の流れにも合致しており、今後ますます工事測量の現場で採用が広がるものと思われます。
おわりに:公共・工事測量を支えるLRTKの可能性
衛星測位技術の進歩とスマートデバイスの融合によって、公共測量・建設測量の現場は大きな転換期を迎えています。準天頂衛星みちびきの登場で、日本全国どこでも高精度な測位補強が受けられるようになり、国土地理院もその利活用に向けた環境整備(基準系への補正サービス等:)を進めています。こうした流れの中、スマホで使えるRTKシステムLRTKは、公共測量の厳しい要件を満たしつつ日常の工事測量にも活用できる柔軟性を持ったソリューションとして注目されています。
LRTKの強みは、一つのプラットフォームで公式基準点測量から施工管理までシームレスに対応できる点です。基準点測量では既知点に基づく高精度な座標を測定し、そのまま工事測量では出来形や杭打ちのチェックに同じ機材を使って測る、といったことが可能になります。データはクラウドで一元管理されるため、公共測量成果と工事施工データを結び付けて管理することも容易です。例えば設計段階の座標系・高 さ基準で基準点をLRTKで観測し、それをもとに出来形を測定してクラウドに蓄積しておけば、後から設計値との差異を解析したり報告書をまとめたりする作業がスムーズになります。紙図面やUSBメモリでデータを持ち運ぶ必要もなく、情報共有のスピードも格段に上がるでしょう。
公共測量の品質確保と工事現場の省力化という、一見異なる二つの課題に対し、LRTKは「高精度」「手軽さ」「データ管理力」で応えています。国土地理院が定める基準をクリアする精度と機能を備えつつ、現場の即戦力ツールとして誰でも使える利便性を両立したLRTKは、まさに次世代の測量スタイルを具現化した存在と言えます。みちびきRTK技術とLRTKの可能性は、これからの測量・施工の現場に新たな価値をもたらすことでしょう。ぜひこの機会にLRTKの導入を検討してみてはいかがでしょうか。最先端技術を味方につけて、公共測量・工事測量の両面で業務効率と精度向上を実現していきましょう。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
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