目次
• RTK端末のデータ出力が重要になる理由
• データ出力形式を確認しないと起きやすい問題
• 形式1 CSV形式で座標一覧を扱えるか
• 形式2 CADや図面ソフトで使える形式に出力できるか
• 形式3 GISや地図表示で使える形式に出力できるか
• 形式4 写真やメモと紐づいた形式で出力できるか
• 形式5 測位状態や精度情報を含めて出力できるか
• 形式6 クラウド共有や帳票化に使いやすい形式で出力できるか
• RTK端末のデータ出力を現場運用に落とし込む方法
• まとめ
RTK端末のデータ出力が重要になる理由
RTK端末は、衛星測位に補正情報を組み合わせることで、高精度な位置情報を現場で取得できる端末です。施工管理、現況測量、杭位置確認、出来形管理、点検記録、施工写真の位置管理、設備位置の確認など、現場で座標を扱う多くの業務に活用できます。
ただし、RTK端末で座標を取得できることと、その座標を実務で使えることは同じではありません。現場で取得した座標を、図面、表計算、CAD、GIS、クラウド、帳票、点検台帳、出来形資料に渡せなければ、後工程で手入力や変換作業が発生します。つまり、RTK端末を導入する際は、測位精度や操作性だけでなく、どの形式でデータを出力できるかを確認することが重要です。
現場では、取得した座標をさまざまな形で使います。測点一覧として確認する場合もあれば、CAD図面に重ねる場合もあります。地図上で確認したい場合、写真と一緒に報告書へ入れたい場合、点検台帳へ登録したい場合、クラウドで関係者へ共有したい場合もあります。用途によって必要な出力形式は異なります。
例え ば、杭位置確認では、測点名、設計座標、実測座標、差分を表形式で整理したい場合があります。現況測量では、測った点をCADや地図上に表示したい場合があります。点検記録では、座標だけでなく写真やメモも一緒に管理したい場合があります。出来形管理では、測位状態や測定日時、測定者、精度情報も残したい場合があります。
データ出力形式が不十分だと、現場でせっかく取得した情報が後工程で使いにくくなります。座標は出力できるが測点名が出ない、写真との紐づきが消える、座標系が変わる、XとYが逆になる、高さの意味が分からない、測位状態が出力されないといった問題が起きることがあります。
「RTK 端末」で検索する実務担当者にとって、端末選定時にデータ出力形式を確認することは非常に重要です。現場で速く測れても、事務所で整理に時間がかかるなら、導入効果は限定的です。測る、記録する、出力する、確認する、共有するという流れ全体で使いやすいかを見る必要があります。
この記事では、RTK端末のデー タ出力で確認すべき形式を6つに整理して解説します。CSV、CAD、GIS、写真やメモ、測位状態、クラウドや帳票化まで、現場実務で後から困らないために確認すべきポイントをまとめます。
データ出力形式を確認しないと起きやすい問題
RTK端末のデータ出力形式を確認しないまま導入すると、現場では測れているのに、事務所で使いにくいという問題が起きやすくなります。これは、RTK端末導入時によく見落とされるポイントです。
最も多い問題は、出力した座標が図面や測点表と合わないことです。端末上では正しく表示されていても、出力したファイルでは座標系が違う、緯度経度で出力される、平面直角座標の系番号が違う、単位が違う、XとYの列が想定と違うといったことがあります。これに気づかずCADや表計算に取り込むと、測点が大きくずれる場合があります。
次に、測点名や属性が失われる問題があります 。現場では測点名、施工前後、再測、確認済み、写真あり、要確認といった情報を入力していても、出力時に座標値だけになってしまう場合があります。これでは後からどの点が何を意味するのか分かりにくくなります。
写真やメモとの紐づきが消える問題もあります。施工管理や点検記録では、座標だけでなく写真やメモが重要です。出力形式によっては、写真ファイルが別フォルダに分かれ、どの写真がどの測点に対応するのか分からなくなることがあります。これでは報告書作成や点検台帳登録に手間がかかります。
測位状態や精度情報が出力されないことも問題です。RTK端末で取得した座標がFIX状態だったのか、FLOAT状態だったのか、補正情報が入っていたのか、測定時の精度表示がどうだったのかが分からないと、後からデータの信頼性を判断しにくくなります。出来形管理や重要な杭位置確認では、測定条件の記録が特に重要です。
また、クラウドや帳票化との連携が不十分な場合もあります。現場ではデータが見えていても、関係者に共有できない、帳票に貼り付ける時に整形が必要、写真と座標を手作業で合わせる必要があると、事務所作業が増えます。現場作業は効率化しても、後処理に時間がかかれば、全体の効果は小さくなります。
出力形式の確認不足は、導入後に気づくと修正が難しいことがあります。現場で大量の測点を取得した後に、出力形式が社内のCADや帳票に合わないと分かると、変換作業や再整理が必要になります。最悪の場合、現場に戻って再測することにもなりかねません。
RTK端末のデータ出力は、現場作業と事務所作業をつなぐ重要な部分です。導入前に、実際の業務で使う形式へ出力できるか、出力後に図面や帳票で正しく使えるかを確認することが大切です。
形式1 CSV形式で座標一覧を扱えるか
RTK端末のデータ出力で最初に確認したい形式は、CSV形式です。CSVは、座標一覧を表形式で扱う際に便利な形式です。表計 算ソフトや多くの業務ソフトで読み込みやすく、測点名、座標、標高、属性、メモなどを一覧で確認できます。
施工管理や現況測量では、取得した測点を一覧で確認したい場面が多くあります。測点名、X座標、Y座標、高さ、測定日時、測定者、測位状態、写真の有無、メモを表として整理できれば、測定漏れや異常値を確認しやすくなります。CSV形式で出力できるかどうかは、RTK端末の実務利用で基本的な確認項目です。
CSV出力で最初に確認すべきなのは、どの座標系で出力されるかです。端末画面では平面直角座標で表示しているのに、CSVでは緯度経度で出力される場合があります。逆に、内部で変換された座標が出力される場合もあります。出力される座標が、現場で使う図面や測点表と同じ基準かを確認します。
次に、列の内容と順番を確認します。X座標、Y座標、高さ、点名、メモ、測定日時などがどの列に出るのかを見ます。ソフトによってはXとYの扱いが異なる場合があり、列を逆に取り込むと点の位置が大きくずれます。社内で 使うテンプレートに合わせられるかも確認します。
高さの列も注意が必要です。出力される高さが標高なのか、楕円体高なのか、アンテナ高補正後の測点高さなのかを確認します。出来形管理や地盤高確認に使う場合、高さの意味が分からないCSVは使いにくくなります。高さを使わない作業でも、後から3次元データとして利用する可能性があるなら、出力内容を確認しておくべきです。
測点名や属性が出力されるかも重要です。座標だけが出力されても、どの点が何を示しているか分からなければ、後工程で整理が必要になります。杭番号、工区、施工前後、再測、採用値、参考値、写真あり、要確認などの属性がCSVに含まれるかを確認します。
文字コードや日本語の扱いも実務では重要です。測点名やメモに日本語を使う場合、出力後に文字化けしないかを確認します。特に社内の表計算ソフトや帳票システムに取り込む場合、事前にテストしておくと安心です。
CSV出力は便利ですが、そのまま使えるとは限りません。日付形式、座標の小数桁、区切り文字、列名、単位が社内の運用に合っているかを確認します。必要に応じて、出力後の整形手順やテンプレートを用意します。
RTK端末のCSV出力は、現場データを表形式で確認し、帳票や集計へつなげるための基本形式です。導入前に、少数の測点で出力テストを行い、社内の図面、帳票、表計算の流れで問題なく使えるかを確認することが重要です。
形式2 CADや図面ソフトで使える形式に出力できるか
RTK端末のデータ出力で次に確認すべきなのは、CADや図面ソフトで使える形式に出力できるかです。建設や土木の現場では、取得した座標を図面上に重ねて確認することが多くあります。CADや図面ソフトへスムーズに取り込めるかどうかは、実務上とても重要です。
RTK端末で測った点をCAD図面に重ねることで、設計位置との差、施工済み範囲、出来形確認点、現況点、支障物の位置を視覚的に確認できます。座標一覧だけでは分かりにくい位置関係も、図面上で確認すれば理解しやすくなります。
CAD連携で確認すべきことは、出力形式そのものです。直接CAD形式で出力できるのか、CSVを経由してCADへ取り込むのか、点データとして取り込むのか、線やポリラインとして扱えるのかを確認します。現況測量では、点だけでなく、道路端、側溝、フェンス、法肩、法尻などを線として扱いたい場合もあります。
次に、座標系が図面と合っているかを確認します。CAD図面が公共座標や平面直角座標で作られていれば、RTK端末の出力座標を重ねやすくなります。一方、CAD図面が任意座標で作られている場合、RTK端末の測定点をそのまま重ねても合わない場合があります。この場合は、基準点を使った位置合わせや座標変換が必要です。
単位の確認も重要です。RTK端末の出力座標はメートル単位であることが多い一方、CAD図面がミリメートル単位で作られている場合があります。単位を誤ると、点の位置や図面の大きさが合いません。取り込み時に単位変換が必要かを確認します。
点名や属性の表示方法も確認します。CAD上に測点名を表示したいのか、点だけでよいのか、測点種別ごとにレイヤーを分けたいのかを決めます。測点名が表示できれば、杭番号や出来形確認点を図面上で確認しやすくなります。レイヤー分けができれば、現況点、設計点、再測点、写真点などを整理しやすくなります。
写真やメモとの関係も考えます。CAD上に点は表示できても、写真やメモへのリンクが失われる場合があります。施工管理や点検記録で写真が重要な場合は、CAD出力だけでなく、写真管理やクラウド共有との連携も確認します。
CADに取り込んだ後の確認も必要です。代表点を図面上で見て、現地の既知点や設計点と合っているかを確認します。全体がずれている場合は、座標系、系番号、図面基準、単位 を見直します。一部だけずれている場合は、測点取り違えや測位不安定を疑います。
CADや図面ソフトで使える形式に出力できることは、RTK端末のデータを施工管理に活かすための重要な条件です。現場で測った座標を図面上で確認できれば、関係者との認識合わせや異常値確認がスムーズになります。
形式3 GISや地図表示で使える形式に出力できるか
RTK端末のデータ出力では、GISや地図表示で使える形式に対応しているかも確認すべきです。GISや地図表示は、広い現場、複数現場、点検記録、設備管理、維持管理、現況確認で役立ちます。CAD図面とは別に、地図上で位置を確認したい場面は多くあります。
GISや地図表示に使える形式では、緯度経度や地理座標として測点を扱うことが多くあります。RTK端末で取得した座標を地図上に表示できれば、現場全体の位置関係、複数地点の分布、点検箇所、設備位置、支 障物の位置を把握しやすくなります。
施工管理では、現場内の細かな図面照合にはCADが向いている場合があります。一方で、広域の設備管理、道路沿いの点検、太陽光発電所の設備位置、複数現場の比較、巡回点検の記録ではGISや地図表示が便利です。RTK端末のデータをどの範囲で使うかによって、必要な出力形式が変わります。
確認すべきことは、地図で使える座標形式で出力できるかです。緯度経度、地理座標、地図アプリやGISで読み込めるファイル形式などに対応しているかを確認します。平面直角座標で取得したデータを地図に載せる場合は、適切な変換が必要になることがあります。
また、測点名や属性を地図上で確認できるかも重要です。点だけが表示されても、何の点か分からなければ実務では使いにくくなります。設備名、点検対象、異常箇所、写真有無、確認日、担当者などの属性が地図上で見られると、維持管理や点検で使いやすくなります。
写真やメモとの連携も確認します。GISや地図上で点を選んだ時に、現地写真やメモが確認できれば、現場状況の把握が早くなります。点検記録や補修履歴では、位置だけでなく状態を確認できることが重要です。
座標系の変換にも注意します。GISや地図表示では、使用する座標系がCADや測量成果と異なる場合があります。変換時に位置がずれないか、出力後に代表点で確認します。特に平面直角座標から地図表示用の座標へ変換する場合は、測地系や系番号を正しく扱う必要があります。
現場で取得したデータを地図上で共有できると、現場に詳しくない関係者にも位置を説明しやすくなります。発注者、管理者、点検担当者、別現場の担当者と共有する際にも有効です。図面がなくても位置を把握しやすい点が、GISや地図表示のメリットです。
RTK端末のデータをGISや地図表示に使える形式で出力できるかは、長期的なデ ータ活用にも関わります。現場単位の施工管理だけでなく、維持管理、点検台帳、設備管理へ広げたい場合は、導入前に必ず確認すべき形式です。
形式4 写真やメモと紐づいた形式で出力できるか
RTK端末のデータ出力で重要なのが、写真やメモと紐づいた形式で出力できるかです。施工管理や点検記録では、座標値だけでは現場状況を十分に説明できません。写真やメモが座標と一緒に扱えるかどうかが、後工程の使いやすさを大きく左右します。
現場では、測点ごとに写真を撮影したり、メモを残したりすることがあります。杭、鋲、構造物、法面、支障物、異常箇所、補修箇所、出来形確認点などは、座標だけでなく現地の状態を確認できる写真が重要です。写真があることで、後からどの点を測ったのか、何を確認したのかが分かりやすくなります。
RTK端末やアプリで写真とメモを測点に紐づけて保存できても、出力時にその紐づきが失われる場合があります。座標一覧だけ出力され、写真は別フォルダに保存され、ファイル名との対応が分からない状態では、整理に時間がかかります。導入前に、写真やメモがどのように出力されるかを確認することが重要です。
確認すべきことは、測点名と写真ファイル名が対応しているかです。測点ごとに写真がフォルダ分けされるのか、CSVに写真ファイル名が記載されるのか、クラウド上でリンクとして残るのかを確認します。写真の対応関係が明確であれば、報告書作成や点検台帳への転記が楽になります。
メモの出力も重要です。現場で入力した注意事項、測位状況、施工前後、再測理由、要確認事項が出力されるかを確認します。メモが端末内でしか見られない場合、事務所側で活用しにくくなります。テキストとしてCSVに出るのか、帳票に反映されるのか、クラウド上で確認できるのかを確認します。
写真の位置情報の意味も整理します。撮影位置を示すのか、対象物の位置を示すのか、測点に対 する添付写真なのかを明確にします。点検記録では、撮影者の位置よりも対象物の位置が重要な場合があります。出力形式だけでなく、記録ルールも合わせて決める必要があります。
写真の容量や出力方法にも注意します。写真枚数が多い場合、出力ファイルが大きくなります。クラウドから一括ダウンロードできるか、フォルダ構成が分かりやすいか、写真の画質や圧縮設定はどうなるかを確認します。現場写真を報告書や台帳に使う場合、必要な画質を保てるかも重要です。
写真やメモと紐づいた出力ができれば、RTK端末のデータは単なる座標一覧ではなく、現場状況を持った記録になります。施工管理、点検、出来形確認、維持管理で使いやすいデータにするためには、写真やメモの紐づきが出力後も保たれることが大切です。
形式5 測位状態や精度情報を含めて出力できるか
RTK端末のデータ出力では、測位状態や精度情報を含めて出力できるかも確認すべきです。座標値だけが出力されても、その点がどのような測位状態で取得されたのかが分からなければ、後からデータの信頼性を判断しにくくなります。
RTK端末では、測位状態としてFIX、FLOAT、単独測位などが表示されることがあります。杭位置確認や出来形管理など、高精度が必要な業務では、FIX状態で取得された座標かどうかが重要です。FLOAT状態や補正情報が不安定だった点は、正式値ではなく参考値として扱うべき場合があります。
測位状態が出力データに含まれていれば、事務所側で後から確認できます。現場担当者が測った時には覚えていても、時間が経つとどの点がどの状態だったか分からなくなります。測位状態が記録として残れば、再測対象の判断やデータ採用の根拠になります。
精度表示も重要です。水平精度、高さ精度、推定精度、補正情報の状態などが出力できるかを確認します。ただし、精度表示は推定値であり、真の位置との差を必ず示すものではありません。そ れでも、測定時の状態を判断する材料として有効です。
補正情報の有無や更新状態も出力できると便利です。補正情報が入っていたのか、どの補正方式だったのか、測定時に通信が安定していたのかを後から確認できれば、データ品質の評価に役立ちます。特に通信が不安定な現場では重要です。
測定日時や測定者も出力項目として重要です。いつ誰が測った点なのかが分かれば、作業履歴を追いやすくなります。再測や修正が発生した場合も、どのデータが最新か判断しやすくなります。
アンテナ高や機器設定が出力できるかも確認します。高さを扱う業務では、アンテナ高の記録が重要です。測定時のアンテナ高が分からなければ、高さ方向の信頼性を後から確認しにくくなります。
測位状態や精度情報を含む出力は、出来形管理や検査、社内品質管理で特に役立ちます。座標値だけでなく、測定条件が残っていれば、測定データの説明力が高まります。逆に、測位状態が不明なデータは、重要な判断に使いにくくなります。
導入前には、実際に測点を取得し、出力ファイルにどの情報が含まれるか確認します。必要な情報が出ない場合は、別の形式で出力できるか、クラウド上で確認できるか、手動で補足する必要があるかを検討します。
RTK端末のデータ出力では、座標値そのものだけでなく、その座標がどの条件で取得されたのかを残すことが重要です。測位状態や精度情報を出力できるかは、データ品質を守るための重要な確認項目です。
形式6 クラウド共有や帳票化に使いやすい形式で出力できるか
RTK端末のデータ出力で最後に確認すべきなのは、クラウド共有や帳票化に使いやすい形式で出力できるかです。現場で取得したデータは、現場担当者だけが見るものではありません。事務所、管理者、設計者、協力会社、発注者、点検担当者など、さまざまな関係者が確認する可能性があります。
クラウド共有に対応している場合、現場で取得した座標、写真、メモをすぐに関係者と共有できます。現場にいない人が図面上で測点を確認し、写真やメモを見ることができれば、確認や判断のスピードが上がります。測定漏れや異常値に早く気づけることもメリットです。
ただし、クラウドで見られることと、データとして出力できることは別です。クラウド上では便利に表示できても、帳票や社内システムへ渡す時に出力形式が不十分だと、後処理が必要になります。クラウド閲覧、データダウンロード、帳票出力のそれぞれで何ができるか確認します。
帳票化では、測点名、座標、写真、メモ、測定日時、測位状態、担当者、判定などを整理して出力したい場合があります。出来形管理、点検報告、施工写真台帳、現況確認資料では、座標一覧だけでなく写真付きの資料が必要になること があります。
確認すべきことは、出力したデータが社内の帳票様式に合うかです。測点ごとの写真が入るのか、メモが入るのか、座標表示の桁数や単位を調整できるのか、必要な項目を選べるのかを確認します。帳票に毎回手作業で貼り付ける必要がある場合、事務所作業の負担が増えます。
共有先の閲覧方法も重要です。関係者が専用ソフトを持っていなくても見られるのか、ブラウザで確認できるのか、ファイルとして渡せるのか、権限管理ができるのかを確認します。発注者や協力会社と共有する場合は、相手が無理なく確認できる形式が望ましいです。
クラウド共有では、同期状態にも注意します。現場で測定したデータがクラウドへ上がっていなければ、共有先では見られません。通信が弱い現場では、座標だけ同期され、写真が未同期になる場合もあります。作業後に同期完了を確認する運用が必要です。
また、長期保存やデータ再利用も考えます。施工中だけでなく、竣工後の維持管理や点検に使う場合、クラウド上のデータをどの形式で保存できるかが重要です。後からCSVや写真一式を取り出せるか、図面付きで確認できるか、帳票として残せるかを確認します。
クラウド共有や帳票化に使いやすい形式で出力できれば、RTK端末の導入効果は現場だけでなく事務所にも広がります。測ったデータをそのまま報告、共有、管理に使えることが、現場DXにつながる重要なポイントです。
RTK端末のデータ出力を現場運用に落とし込む方法
RTK端末のデータ出力を現場運用に落とし込むには、どの形式で出せるかを確認するだけでなく、現場で測ったデータがどの業務に流れていくかを整理する必要があります。測定、保存、出力、確認、共有、帳票化までの流れを決めておくことで、後工程の手戻りを減らせます。
まず、出力先を明確にします。表計算で座標一覧を確認するのか、CAD図面に重ねるのか、GISや地図で管理するのか、写真付き帳票を作るのか、クラウドで共有するのかを決めます。出力先によって必要な項目や形式が変わります。
次に、社内の標準形式を決めます。CSVの列順、座標系、単位、測点名の付け方、属性項目、写真ファイル名、メモの扱いを統一します。担当者ごとに出力方法が違うと、事務所での整理に時間がかかります。標準形式を決めれば、データを受け取る側も処理しやすくなります。
作業前には、少数のテストデータで出力確認を行います。実際に測点を取得し、CSV、CAD、GIS、クラウド、帳票など、使う予定の形式に出力して確認します。図面上の位置が合うか、測点名が文字化けしないか、写真が紐づいているか、測位状態が出るかを確認します。
現場では、出力後に使いやすいデータになるよう、測点名や属性を入力します。現場での入力を省略しすぎると、出力後に意味が分からないデータになります。一方で、入力項目が多すぎると現場負担が増えます。必要最小限の項目を決めて標準化することが大切です。
作業後には、出力前にデータを確認します。測定漏れ、点名ミス、写真不足、異常値、測位状態の不明な点がないかを見ます。現場にいるうちに確認できれば、再測や写真の追加が可能です。出力してから不備に気づくと、修正に時間がかかります。
出力後には、受け取り側で確認します。CADに読み込んだ点が図面と合っているか、GIS上で位置が合っているか、帳票に写真とメモが入っているかを確認します。出力元では正しく見えていても、取り込み先で座標系や単位がずれる場合があります。
また、出力したデータの保存場所と版管理を決めます。再測後のデータ、採用値、参考値、古いデータが混在すると、後からどれを使うべきか分からなくなります。ファイル名、保存先、更新日、担当者、図面版を記録しておくと安心です。
RTK端末のデータ出力を現場運用に落とし込むには、形式だけでなく、データの流れ全体を設計することが重要です。現場で測った情報が、事務所や関係者にそのまま使える形で届くようにすることで、RTK端末の導入効果を高められます。
まとめ
RTK端末のデータ出力で確認すべき形式は、CSV、CADや図面ソフト、GISや地図表示、写真やメモとの紐づき、測位状態や精度情報、クラウド共有や帳票化に関わる形式です。現場で座標を取得できても、後工程で使いやすい形式に出力できなければ、導入効果は限定的になります。
最初に確認したいのは、CSV形式で座標一覧を扱えるかです。CSVは、測点名、座標、高さ、測定日時、属性、メモを一覧で確認するために便利です。ただし、座標系、列順、XとYの扱い、単位、高さの意味、文字コードを確認しなければ、表計算や帳票で使いにくくなる場合があります。
次に、CADや図面ソフトで使える形式に出力できるかを確認します。RTK端末で測った点を図面に重ねられれば、施工位置、出来形確認点、現況点、支障物の位置を視覚的に確認できます。図面の座標基準、単位、レイヤー、測点名の表示、写真との紐づきを確認することが重要です。
GISや地図表示で使える形式も重要です。広い現場、複数現場、点検記録、設備管理では、地図上で位置を確認できることが役立ちます。緯度経度や地図用形式に対応しているか、属性や写真が地図上で確認できるか、座標変換が正しく行われるかを確認します。
写真やメモと紐づいた形式で出力できるかも、施工管理や点検では大きなポイントです。座標だけでは現場状況を十分に説明できません。測点ごとに写真ファイル、メモ、測点名が対応しているかを確認し、出力後も紐づきが失われないようにします。
測位 状態や精度情報を含めて出力できるかも確認します。FIXで取得したのか、FLOATだったのか、補正情報が入っていたのか、水平精度や高さ精度はどうだったのかが分からないと、後からデータの信頼性を判断しにくくなります。出来形管理や重要な杭位置確認では、測定条件の記録が特に重要です。
クラウド共有や帳票化に使いやすい形式で出力できるかも見落とせません。現場で取得したデータを事務所や関係者がすぐ確認できるか、写真付き帳票にしやすいか、社内の報告様式へ反映しやすいかを確認します。クラウド上で見えるだけでなく、必要な形式で取り出せるかも重要です。
RTK端末のデータ出力は、現場作業と事務所作業をつなぐ重要な工程です。導入前には、少数のテストデータを取得し、実際にCSV、CAD、GIS、クラウド、帳票へ流して確認することが有効です。測点名、座標系、写真、メモ、測位状態が想定通りに扱えるかを事前に確認すれば、本番作業での手戻りを減らせます。
RTK端末を活用する際は、測ることだけを目的にせず、測ったデータをどのように出力し、どの業務で使うのかを考えることが大切です。現場で取得した座標、写真、メモ、測位状態が、図面、帳票、点検台帳、クラウド共有にスムーズにつながれば、施工管理、現況測量、杭位置確認、出来形管理、点検記録の効率化につながります。
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