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88条申請対象の足場をくさび式で判断する6項目

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

くさび式足場で88条申請の判断を誤りやすい理由

1項目目はくさび式という名称だけで対象外にしないこと

2項目目は最大高さと基準面を正確に確認すること

3項目目は組立開始から解体完了までの設置期間を見ること

4項目目は壁つなぎ・控え・補強の条件を確認すること

5項目目は作業床・昇降設備・積載条件を確認すること

6項目目は増設・部分撤去・仕様変更時に再判定すること

くさび式足場の判断を社内で安定させる実務フロー

まとめ


くさび式足場で88条申請の判断を誤りやすい理由

くさび式足場は、建築工事、改修工事、外壁補修、塗装、防水、設備工事、店舗改修、住宅改修など、幅広い現場で使われる足場です。部材同士をくさびで緊結して組み立てるため、現場では比較的なじみのある足場として扱われることが多くあります。そのため、実務では「いつも使っているくさび式だから」「一般的な足場だから」「枠組足場や特殊足場ではないから」という感覚で、88条申請の確認が軽く扱われることがあります。


しかし、足場の88条申請を判断する際に重要なのは、くさび式かどうかという名称だけではありません。足場の種類、支持方法、高さ、設置期間、構造条件、使用方法、変更の有無を確認する必要があります。くさび式足場であっても、高さが一定以上になり、組立開始から解体完了までの期間が長くなる場合は、届出対象に該当する可能性があります。また、くさび式の一部に張出し部や特殊な補強、上部増設が含まれる場合は、通常の地上支持の足場としてだけでは判断できません。


「88条申請 足場」で検索する実務担当者が迷いやすいのは、くさび式足場が現場でよく使われるため、特別な届出確認が必要な足場として意識されにくい点です。外部足場としてくさび式を使う場合、建物の高さや設置期間によって判断が変わります。部分改修でくさび式を使う場合でも、足場の最大高さが10m以上になることがあります。工期が延びれば、当初は対象外と考えていた足場でも再確認が必要になる場合があります。


くさび式足場では、部材の組み方やスパン、手すり、作業床、壁つなぎ、控え、昇降設備、養生の条件が現場ごとに変わります。図面上は標準的な足場に見えても、狭小地、道路沿い、隣地近接、庇やバルコニーまわり、外部設備まわりでは、標準配置から外れる箇所が出ることがあります。そこを現場判断で変更すると、計算条件や安全対策との整合が崩れる可能性があります。


また、くさび式足場は組立や変更の自由度が高い一方で、増設や部分撤去が発生しやすい足場でもあります。外壁の追加補修、上部作業の追加、設備工事の追加、検査後の是正、工程変更などにより、足場範囲が広がる、上部に段を追加する、一部を残して撤去する、といった変更が起こります。変更後の高さ、設置期間、壁つなぎ、作業床、養生範囲が当初計画と変わる場合は、88条申請への影響も含めて再判定する必要があります。


くさび式足場の判断で大切なのは、足場の形式に慣れていることと、届出要否の確認を省略することは別だという点です。普段使いの足場だからこそ、社内で確認フローを決め、対象条件を数値で確認し、図面と現場条件を照合する必要があります。この記事では、88条申請対象の足場をくさび式で判断するために見るべき6項目を、実務担当者向けに整理します。


1項目目はくさび式という名称だけで対象外にしないこと

くさび式足場で最初に確認すべき項目は、名称だけで対象外と判断しないことです。足場の88条申請では、くさび式か枠組式かという呼び方だけで届出要否が決まるわけではありません。実際にどのような構造で、どの高さまで組み、どれくらいの期間設置し、どのような作業に使うのかを確認する必要があります。


現場では、くさび式足場は標準的な外部足場として使われることが多くあります。外壁工事、塗装、防水、補修、設備工事などで日常的に使われるため、特別な確認が不要な足場のように見える場合があります。しかし、一般的な足場であっても、高さが10m以上で、組立開始から解体完了までの期間が60日以上になる場合は、88条申請の対象条件との関係を確認する必要があります。くさび式だから対象外という判断はできません。


また、くさび式足場の中に特殊な部分が含まれる場合もあります。例えば、地上に建地を立てにくい場所で張出し部を設ける、庇やバルコニーを避けるために一部を変則的に組む、上部に部分足場を増設する、道路側や隣地側で控えや補強を特別に設けるといったケースです。図面全体の名称がくさび式足場であっても、一部の構造が通常の標準構成と異なる場合は、その部分の安全性や対象条件を確認します。


くさび式足場の判断では、まず足場種類を正確に整理します。通常の外部足場なのか、内部足場として使うのか、張出し部があるのか、つり構造に近い部分があるのか、棚足場や作業床として使うのかを確認します。同じくさび式部材を使っていても、使用する場所や支持方法によって確認すべき内容は変わります。


次に、足場の使用目的を確認します。点検だけに使うのか、塗装や補修に使うのか、外装材や設備部材を扱うのか、撤去材を仮置きするのか、複数工種が使うのかによって、作業床や積載荷重、養生範囲が変わります。くさび式足場は組み替えやすいため、当初の使用目的から後で用途が広がることがあります。申請判断では、実際の使用予定を確認することが大切です。


対象外と判断する場合でも、判断根拠を残します。例えば、高さが10m未満である、設置期間が60日未満である、つり足場や張出し足場に該当する部分がない、というように、対象外の理由を記録します。根拠が残っていないと、工程変更や増設が発生した時に再判定が難しくなります。特にくさび式足場は現場で変更されやすいため、最初の判断根拠が重要です。


協力会社へ確認する際も、「くさび式なので対象外ですか」と聞くのではなく、「最大高さは何mですか」「基準面はどこですか」「組立開始から解体完了まで何日ですか」「張出し部や特殊な支持方法はありますか」「作業床に材料を置く予定はありますか」と具体的に確認します。足場の名称ではなく、判断に必要な条件を一つずつ確認することが重要です。


施工者や元請側は、足場候補一覧にくさび式足場を入れ、対象条件を他の足場と同じように確認します。くさび式は一般的だからこそ、慣れによる見落としが起きやすい足場です。名称だけで判断せず、構造、条件、工程、使用方法を整理することが、88条申請対象を正しく見極める第一歩です。


2項目目は最大高さと基準面を正確に確認すること

2項目目は、くさび式足場の最大高さと基準面を正確に確認することです。くさび式足場で88条申請対象になるかどうかを判断する際、高さは非常に重要な要素です。建物の階数や工事範囲の大きさではなく、足場を設置する位置の基準面から、足場全体がどの高さまで組まれるのかを確認する必要があります。


くさび式足場は、外壁に沿って建物全体または一部に設置されることが多いです。建物の一部だけの改修であっても、作業対象が上部にあれば、足場は高くなります。例えば、庇上部、屋上端部、外壁上部、看板、外部設備、塔屋まわりの作業では、改修範囲が狭くても足場高さが10m以上になる可能性があります。工事範囲が小さいから低い足場とは限りません。


高さの確認で大切なのは、最大高さを見ることです。建物の複数面に足場を設置する場合、地盤面の高さが場所によって異なることがあります。道路側では低く見える足場でも、敷地奥や側面の地盤が低い場合は、そちらが最大高さになることがあります。平面図で足場設置範囲を確認し、立面図や断面図で最大高さがどこに発生するかを見ます。


基準面も明確にする必要があります。高さが地盤面からなのか、道路面からなのか、床面からなのか、仮設ステージや敷板上からなのかが曖昧なままでは、判断が不安定になります。くさび式足場の図面に高さ寸法が記載されていても、その基準面が明記されていない場合は、協力会社に確認し、図面に追記してもらうことが望ましいです。


高さには、作業床高さと足場全体高さがあります。作業床高さだけが記載されている場合、手すりや最上部材を含む足場全体の高さが読み取れないことがあります。88条申請の対象判断や安全計画では、どの高さを見ているのかを整理する必要があります。施工者は、図面上の高さ数値が何を示しているのかを確認します。


高低差のある敷地では、断面図が重要です。くさび式足場の平面図や立面図だけでは、地盤の段差、法面、擁壁、スロープ、地下階、ピットとの関係が分かりにくいことがあります。断面図で足場の建地位置、基準面、建物との離れを確認し、最大高さを判断します。地盤の高低差が反映されていない図面では、実際の高さを見誤る可能性があります。


内部でくさび式部材を使う場合も、高さ確認は必要です。吹抜け、高天井、階段室、倉庫、工場、ホールなどでは、屋内でも足場高さが大きくなることがあります。内部足場では床面から作業床または足場上部までの高さを確認し、設置期間と合わせて対象条件を見ます。外部足場だけでなく、内部で使うくさび式足場も一覧に入れて確認します。


高さは、増設や変更によって変わりやすい項目です。当初は10m未満だった足場に、上部作業の追加で数段増設する場合があります。外壁調査後に補修範囲が上部へ広がる場合もあります。変更後に最大高さが10m以上になる場合は、対象条件を再確認します。くさび式足場は増設しやすいからこそ、変更時の高さ確認が重要です。


元請側は、提出前に最大高さ、基準面、図面上の高さ表記、計算書の高さ条件が一致しているかを確認します。立面図では10m未満に見えるのに、断面図や現地では地盤が低く実際には10m以上になるような不整合を防ぐためです。最大高さと基準面を正確に確認することは、くさび式足場の88条申請判断の中心になる項目です。


3項目目は組立開始から解体完了までの設置期間を見ること

3項目目は、組立開始から解体完了までの設置期間を見ることです。くさび式足場は、比較的スピーディーに組立や解体ができる印象があるため、短期工事の足場として扱われることがあります。しかし、88条申請の判断では、実際に作業する日数ではなく、足場を組み立ててから解体が完了するまでの期間を確認する必要があります。


外壁工事や改修工事では、作業そのものが数週間でも、足場はその前後を含めて長く存置されることがあります。足場組立、養生設置、作業準備、外壁作業、乾燥、検査、是正、追加工事、養生撤去、解体までを含めると、足場存置期間は作業期間より長くなります。工程表に書かれた工種の作業期間だけで判断すると、設置期間を短く見積もる可能性があります。


設置期間は、足場ごとに確認します。建物全周を一度に組む場合は全体の組立開始日と解体完了日を見ます。工区ごとに段階的に組む場合は、第1工区、第2工区、増設部分、残置部分ごとに日付を確認します。くさび式足場は工区ごとに組み替えたり、部分的に延長したりしやすいため、全体工程だけでなく足場範囲ごとの存置期間を整理することが大切です。


設置期間で注意したいのは、工程変更です。当初は60日未満の予定だった足場でも、天候不良、材料納期、追加補修、発注者確認、検査、是正対応により、解体日が後ろ倒しになることがあります。対象外と判断していたくさび式足場でも、設置期間が延びれば再確認が必要です。工程表が更新された時は、足場の解体完了日も確認します。


また、複数工種が同じくさび式足場を使う場合、設置期間が長くなりやすいです。外壁作業が終わった後に、設備工事、看板工事、塗装、防水、検査、是正、清掃が続く場合があります。各工種が少しずつ足場を使うことで、足場が長く残ることがあります。元請側は、足場を使う全工種の予定を確認し、設置期間を判断します。


使用していない期間も存置期間に含めて考えます。作業が一時中断していても、足場が組まれたままであれば、安全管理が必要です。休工日、天候待ち、検査待ち、材料待ち、発注者確認待ちの期間も含めて、足場の存置期間を確認します。実作業日数だけを見ると、設置期間を過小評価してしまいます。


設置期間は、申請提出期限の管理にも関係します。対象になる可能性がある場合は、組立開始日から逆算して図面、計算書、施工計画、社内確認を進めます。くさび式足場は、現場で組立日を前倒ししやすい場合があります。工期短縮や他工種調整で足場組立が早まる時は、提出準備が間に合うかを確認します。


設置期間の確認は、平面図や立面図だけではできません。工程表、協力会社の施工予定、元請の総合工程、各工種の作業予定を照合する必要があります。計画書には、組立開始日、使用期間、解体完了日を明記し、変更時には再確認する運用を入れます。


施工者は、くさび式足場の設置期間を「工事期間」ではなく「足場存置期間」として管理します。組立開始から解体完了までの日数を確認し、60日以上になる可能性があるかを見ます。期間延長の可能性がある場合は、早めに安全担当者や協力会社と再判定します。設置期間を正しく見ることが、届出漏れを防ぐ重要な判断軸です。


4項目目は壁つなぎ・控え・補強の条件を確認すること

4項目目は、くさび式足場の壁つなぎ、控え、補強の条件を確認することです。くさび式足場は部材を緊結して組み上げる足場ですが、高さが出るほど足場全体の安定性を確保するための固定や補強が重要になります。88条申請の判断では、対象条件だけでなく、計画書や図面に安全対策が適切に反映されているかを確認する必要があります。


まず確認すべきなのは、壁つなぎの位置と間隔です。立面図で、どの高さに、どの間隔で壁つなぎを設けるのかが分かるかを見ます。計算書や施工計画の前提と、図面上の壁つなぎ位置が一致していることも重要です。図面では標準的な配置になっていても、現場では開口部や設備、外装材の都合で取れない箇所がある場合があります。


改修工事では、壁つなぎを取れる位置が制約されやすくなります。既存外壁の仕上げ、下地、開口部、庇、バルコニー、看板、配管、外部設備などが干渉する場合があります。くさび式足場を標準配置で計画していても、実際には固定位置を変更しなければならないことがあります。その場合、現場判断だけで変更せず、協力会社や設計担当に確認する必要があります。


控えや補強も重要です。壁つなぎが取りにくい面、道路側や隣地側、張出し部、上部増設部、養生シートを張る面、地盤条件が不安定な箇所では、控えや補強を追加することがあります。図面や計画書に、どの箇所を標準仕様とし、どの箇所に追加補強を入れるのかが示されているかを確認します。


くさび式足場では、部材の組み替えや増設が比較的行いやすい一方で、変更によって壁つなぎや補強条件が変わることがあります。例えば、上部に数段増設する、足場を横方向に延長する、養生範囲を広げる、昇降設備を追加する場合、当初の壁つなぎ条件で足りるのかを確認する必要があります。変更時は図面と計算条件を再確認します。


養生材との関係も重要です。メッシュシート、防音シート、落下防止ネットなどを設ける場合、足場が風を受けやすくなります。くさび式足場では、養生範囲が立面図に示されているか、壁つなぎや補強の条件が養生ありの条件に対応しているかを確認します。作業途中で養生範囲を追加する場合も、再確認が必要です。


地盤や支持部の状態も補強条件に関係します。くさび式足場の建地をどこに立てるのか、敷板やベースの条件はどうなっているのか、地盤が沈下しないか、埋戻し直後ではないか、側溝や地下構造物の上ではないかを確認します。足場が安定するためには、壁つなぎだけでなく、足元の支持条件も重要です。


壁つなぎ、控え、補強の条件は、計画書に運用ルールとしても落とします。固定位置を変更する場合は誰に確認するのか、強風後にどこを点検するのか、養生を変更する場合に再確認するのかを明記します。図面に描くだけでなく、現場で管理できる形にすることが大切です。


元請側は、くさび式足場の図面を見て、壁つなぎや補強が標準記載になっているだけで安心しないことが重要です。実際の建物形状、既存物、養生、増設予定、地盤条件と合っているかを確認します。くさび式足場の安全性は、部材の種類だけでなく、固定と補強の実効性に大きく左右されます。


5項目目は作業床・昇降設備・積載条件を確認すること

5項目目は、作業床、昇降設備、積載条件を確認することです。くさび式足場は、作業床や手すりを組み合わせて現場に合わせた構成にできるため、作業内容に合った計画になっているかを確認することが重要です。88条申請の対象判断だけでなく、現場で安全に使える足場かどうかを判断するための重要な項目です。


まず、作業床の位置を確認します。外壁補修、塗装、防水、設備取付、看板工事、検査、是正など、作業内容に対して適切な高さに作業床があるかを立面図で確認します。足場全体の高さが十分でも、作業床の段が作業対象と合っていなければ、作業員が無理な姿勢で作業することになります。必要な作業範囲に作業床が連続しているかも確認します。


作業床の幅と有効スペースも重要です。くさび式足場では、建物との離れ、手すり、幅木、外壁の凹凸、配管、庇、バルコニーなどによって、実際に使える幅が変わることがあります。断面図で作業床幅と建物との距離を確認し、作業員が安全に立てるか、材料を扱えるか、通行できるかを見ます。


昇降設備の位置も確認します。作業員がどこから足場に入り、どの作業床へ移動するのかを平面図と立面図で確認します。昇降設備が作業範囲から遠すぎる場合、作業員が足場上を長距離移動することになり、材料運搬や緊急時対応にも影響します。複数面や複数工区で足場を使う場合は、各作業範囲へ安全にアクセスできるかを見ます。


昇降口や荷上げ開口の安全対策も必要です。作業床に開口がある場合、手すり、幅木、表示、立入禁止、使用後の復旧を計画します。昇降設備の周辺に材料を置くと通行の妨げになるため、作業床上の仮置きルールも確認します。くさび式足場では、現場で作業床や開口位置を調整することがあるため、変更時の管理も重要です。


積載条件は、作業内容と合わせて確認します。作業員が通行するだけなのか、材料や工具を置くのか、撤去材を一時的に置くのか、複数人で同時に作業するのかによって、作業床にかかる荷重が変わります。計算書や施工計画書の前提が、実際の使用方法と合っているかを確認します。


くさび式足場は、現場で便利な作業床として使われやすいため、計画外の材料仮置きが発生しやすいです。通路部分、昇降口付近、端部付近、開口部付近に材料を置くと、転倒や落下のリスクが高まります。計画書には、材料を置ける範囲、置いてはいけない範囲、作業終了時の片付けルールを明記します。


複数工種が使う場合は、積載条件が変わる可能性があります。外壁工事の後に設備工事が足場を使う、看板工事で部材を扱う、検査後に是正作業が入るといった場合、当初の軽作業条件と違う使い方になることがあります。元請側は、各工種がどのように足場を使うのかを整理し、協力会社に伝える必要があります。


作業床、昇降設備、積載条件は、図面と現場運用の両方で確認します。図面上で位置や範囲を確認し、計画書で使用ルールを明確にし、現場で点検や朝礼に反映します。くさび式足場の88条申請判断では、高さや期間だけでなく、実際の使い方まで確認することが重要です。


6項目目は増設・部分撤去・仕様変更時に再判定すること

6項目目は、増設、部分撤去、仕様変更時に再判定することです。くさび式足場は、現場に合わせて組み替えや増設をしやすい足場であるため、工事途中で形状や使用条件が変わることがあります。当初の判断が正しくても、変更後の条件によって88条申請の対象判断や安全対策を見直す必要があります。


増設が発生する場面としては、外壁調査後に補修範囲が広がる、上部に追加作業が発生する、設備工事が追加される、看板や庇まわりの作業が加わる、検査後に是正範囲が増えるなどがあります。くさび式足場では、数スパンだけ横に延長する、上部に数段追加する、別面へ回り込むといった変更が比較的行いやすいため、現場判断で進みやすい点に注意が必要です。


増設時には、増設後の最大高さを確認します。上部への追加により、足場全体の高さが10m以上になる場合があります。既設足場に接続する場合は、増設部分だけでなく、足場全体の高さ、荷重、壁つなぎ、補強条件を確認します。平面図、立面図、断面図、計算書が増設後の状態に更新されているかを見ます。


設置期間の再確認も必要です。増設や追加作業により、解体予定日が後ろ倒しになることがあります。当初は60日未満の予定だった足場でも、追加工事や是正により60日以上になる可能性があります。対象外と判断していた場合でも、期間延長が発生したら再判定します。工程表の更新時には、足場の解体完了日を必ず確認します。


部分撤去時にも注意が必要です。足場を一部撤去すると、残った足場の端部、作業床の連続性、昇降経路、壁つなぎ、控え、養生範囲が変わる場合があります。撤去は安全側の作業に見えることがありますが、残置部分を引き続き使用する場合は、変更後の安全性を確認しなければなりません。部分撤去後の点検を計画書に入れておくことが重要です。


仕様変更も再判定の対象です。作業床の幅を変える、昇降設備の位置を移す、養生シートを追加する、壁つなぎ位置を変える、材料仮置きを始める、別工種が足場を使うといった変更は、足場の使用条件や計算条件に影響する可能性があります。くさび式足場では現場で変更しやすいからこそ、変更時の確認ルールを決めておく必要があります。


仕様変更時には、協力会社への確認を必ず行います。作業員や現場担当者が「少しだけだから」と判断して変更すると、図面や計算書と実際の足場がずれる可能性があります。高さ、範囲、支持方法、壁つなぎ、補強、養生、積載荷重に関わる変更は、協力会社と元請側で確認し、必要に応じて図面を更新します。


変更記録も重要です。変更日、変更内容、変更理由、変更後の高さ、設置期間、対象判断、図面改訂、協力会社確認、点検結果を残します。記録があれば、後から判断経緯を確認できます。対象外と判断したくさび式足場でも、変更後に条件が変わる場合があるため、初回判断と変更履歴をセットで管理します。


くさび式足場の再判定では、変更後の全体像を見ることが大切です。増設部分だけ、撤去部分だけ、仕様変更部分だけを見るのではなく、足場全体として高さ、期間、構造、作業床、動線、安全対策がどう変わったかを確認します。変更時に再判定する仕組みがあることで、届出漏れや施工時の手戻りを防ぎやすくなります。


くさび式足場の判断を社内で安定させる実務フロー

くさび式足場の88条申請判断を社内で安定させるには、慣れや経験に頼らず、確認項目をフロー化することが重要です。くさび式足場は一般的に使われる足場であるため、現場では「いつもの足場」として扱われやすくなります。しかし、届出対象の判断では、毎回、高さ、設置期間、構造条件、使用方法を確認する必要があります。


まず、着工前にくさび式足場を使う箇所をすべて洗い出します。外部足場、内部足場、部分足場、屋上まわり、庇まわり、看板まわり、吹抜け、高天井、設備用足場、増設予定箇所を確認します。専門工事業者が自社でくさび式部材を使う場合も、元請側が一覧に入れます。名称が作業台や仮設ステージであっても、実態として足場に該当する可能性があれば確認します。


次に、足場ごとに基本条件を整理します。設置場所、使用目的、最大高さ、基準面、組立開始日、解体完了日、設置期間、壁つなぎの有無、養生範囲、使用工種を記録します。対象条件の判断は、これらの数値と図面をもとに行います。未確定の項目がある場合は、いつまでに確定するかを決めます。


図面確認では、平面図、立面図、断面図を照合します。平面図では足場範囲、敷地境界、道路、隣地、資材置場、搬入経路を確認します。立面図では最大高さ、作業床、壁つなぎ、養生範囲を確認します。断面図では建物との離れ、作業床幅、地盤条件を確認します。計算書がある場合は、高さ、スパン、壁つなぎ、養生、積載条件が図面と合っているかを見ます。


現場条件の確認もフローに含めます。くさび式足場は標準部材で組める一方、現場条件によって標準配置から外れることがあります。地盤高低差、狭小地、既存設備、庇、バルコニー、外部配管、看板、隣地、道路、架空線、搬入経路を現地で確認します。図面だけで判断せず、現場写真や実測情報を協力会社と共有します。


工程管理では、組立開始日と解体完了日を足場ごとに確認します。対象になる可能性がある場合は、提出期限を逆算して図面作成、計算書作成、社内確認、修正対応を工程に入れます。工程変更で組立日が前倒しになる場合や解体日が後ろ倒しになる場合は、88条申請への影響を再確認します。


変更時の再判定ルールも必要です。増設、上部追加、横方向延長、部分撤去、養生追加、壁つなぎ変更、昇降設備移設、材料仮置きの追加、別工種使用が発生した場合は、再確認の対象にします。現場判断だけで変更せず、協力会社と元請側で図面や計算条件を確認します。変更後の点検と記録も残します。


社内記録として、対象判定、判断根拠、図面、計算書、工程表、協力会社確認、変更履歴、現場写真を保管します。くさび式足場は使用頻度が高いため、過去の類似現場の記録が次回の判断に役立ちます。どの条件で対象になったのか、どの変更で再判定したのかを蓄積すれば、社内の判断品質が安定します。


現況確認や記録管理を効率化する方法として、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用する選択肢があります。くさび式足場の設置予定位置、建物外周、敷地境界、地盤の高低差、搬入経路、資材置場、増設予定箇所、危険箇所を高精度な位置情報付きで記録できれば、平面図や断面図との照合、協力会社との情報共有、変更時の再判定がしやすくなります。足場の88条申請そのものを置き換えるものではありませんが、くさび式足場の現況把握、判断根拠の整理、図面すり合わせ、次回工事への引き継ぎを効率化する実務ツールとして活用できます。


まとめ

88条申請対象の足場をくさび式で判断する際は、くさび式という名称だけで対象外と考えないことが重要です。くさび式足場は一般的に使われる足場ですが、届出要否は名称ではなく、足場の種類、高さ、設置期間、支持方法、使用条件、変更の有無によって判断します。普段から使い慣れた足場だからこそ、確認を省略しない社内フローが必要です。


1項目目は、くさび式という名称だけで対象外にしないことです。通常の外部足場なのか、内部足場なのか、張出し部や特殊な支持方法があるのか、実態を確認します。2項目目は、最大高さと基準面を正確に確認することです。工事範囲が小さくても、足場全体の高さが10m以上になる場合があります。地盤高低差や基準面を明確にし、立面図や断面図で確認します。


3項目目は、組立開始から解体完了までの設置期間を見ることです。作業日数ではなく、足場存置期間を確認します。当初は短期予定でも、検査、是正、追加工事、天候不良により設置期間が延びる場合があります。4項目目は、壁つなぎ、控え、補強の条件を確認することです。標準配置だけでなく、現場の開口部、外装、設備、地盤、養生範囲との整合を見ます。


5項目目は、作業床、昇降設備、積載条件を確認することです。作業床が作業内容に合っているか、昇降経路が安全につながっているか、材料仮置きや複数工種使用により荷重条件が変わらないかを確認します。6項目目は、増設、部分撤去、仕様変更時に再判定することです。くさび式足場は変更しやすいため、上部追加、横方向延長、養生追加、設置期間延長が発生した場合は、対象条件と安全対策を見直します。


くさび式足場の判断を安定させるには、着工前に使用箇所を洗い出し、足場ごとに高さ、期間、支持方法、使用目的を数値で管理し、図面と現場条件を照合することが大切です。変更時には再判定し、判断根拠と図面改訂を記録します。くさび式は一般的で使いやすい足場ですが、88条申請の実務では、一般的であることを理由に確認を省略せず、現場条件に応じて丁寧に判断することが安全で確実な施工管理につながります。


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