top of page

足場の88条申請で足場種類ごとに見る判断軸7つ

タイマーアイコン.jpeg
この記事は平均9分15秒で読めます
万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

足場種類ごとに88条申請の判断軸を分ける理由

1つ目は外部足場で高さと設置期間を見ること

2つ目はつり足場で支持方法と作業範囲を見ること

3つ目は張出し足場で荷重の流れと固定条件を見ること

4つ目は内部足場で床条件と高天井作業を見ること

5つ目は棚足場・作業床で使用目的と積載条件を見ること

6つ目は移動式や一時使用の足場で実態と存置期間を見ること

7つ目は増設・混在足場で全体条件を再確認すること

足場種類ごとの判断を社内で安定させる実務フロー

まとめ


足場種類ごとに88条申請の判断軸を分ける理由

足場の88条申請を判断する際に重要なのは、足場を一括りにして見ないことです。現場では「外部足場」「内部足場」「つり足場」「張出し足場」「棚足場」「作業床」「仮設ステージ」「一時足場」など、さまざまな呼び方が使われます。しかし、88条申請の実務では、名称だけで判断するのではなく、足場の種類、支持方法、高さ、設置期間、作業内容、荷重条件、第三者動線への影響を組み合わせて確認する必要があります。


「88条申請 足場」で検索する実務担当者が迷いやすいのは、外部足場のような分かりやすい足場だけではありません。例えば、建物外周の一部だけに設ける足場、吹抜けや高天井の内部足場、庇や看板まわりの張出し足場、橋梁や設備架台のつり足場、短期間だけ使う作業床などは、規模が小さく見えるため確認が後回しになりがちです。しかし、足場の種類によっては、見た目の規模よりも構造上のリスクや管理上の注意点が大きくなる場合があります。


足場の88条申請では、一般的に足場の種類、高さ、設置期間が重要な判断軸になります。つり足場や張出し足場のように、支持方法が通常の地上支持と異なる足場は、早い段階で確認が必要です。また、外部足場や内部足場などであっても、高さが10m以上で、組立開始から解体完了までの期間が60日以上になる場合は、対象条件との関係を確認します。ここで大切なのは、工事の規模ではなく、足場そのものの条件を見ることです。


足場種類ごとに判断軸を分ける理由は、危険の出方が異なるからです。外部足場では高さ、壁つなぎ、養生、第三者動線が重要になります。つり足場では支持点、吊り材、落下防止、作業床の安定が重要になります。張出し足場では荷重の流れ、固定先、補強、風の影響が重要になります。内部足場では床荷重、天井高さ、作業床、施設利用者との分離が重要になります。棚足場や作業床では、使用目的、積載荷重、開口部対策が重要になります。


現場では、複数種類の足場が混在することも多くあります。建物外周には外部足場、吹抜けには内部足場、庇まわりには張出し足場、屋上設備には部分足場、改修範囲の下には第三者防護を設けるといったように、一つの工事の中で複数の判断軸が必要になります。この場合、外部足場だけを確認して安心してしまうと、別の足場の申請要否や安全対策を見落とす可能性があります。


また、足場の呼び方は業者や工種によって異なります。ある業者は「作業台」と呼び、別の業者は「内部足場」と呼び、元請側では「仮設ステージ」と呼んでいる場合があります。呼び方が違っても、実態として足場に該当する可能性があるものは確認対象に入れるべきです。判断では、名称よりも、作業員が乗るか、どこで支持しているか、どの高さで使うか、どれくらいの期間設置するかを見る必要があります。


足場種類ごとの判断軸を整理しておくと、社内確認や協力会社との打ち合わせがしやすくなります。「これは外部足場だから高さと期間を確認する」「これは張出し部があるから荷重の流れと固定先を確認する」「これは内部足場だから床荷重と第三者動線を確認する」というように、確認項目を分けられるからです。結果として、届出漏れ、図面不備、計算条件のずれ、施工時の手戻りを減らしやすくなります。


この記事では、足場の88条申請で足場種類ごとに見る判断軸を7つに分けて解説します。外部足場、つり足場、張出し足場、内部足場、棚足場、移動式や一時使用の足場、増設や混在足場のそれぞれについて、実務担当者が提出前や着工前に確認すべきポイントを整理します。


1つ目は外部足場で高さと設置期間を見ること

足場種類ごとの判断軸として、最も基本になるのが外部足場です。外部足場は、建物の外壁、屋根、庇、外部設備、看板、外装改修、塗装、防水、補修などで広く使われます。現場で最も目立つ足場であるため管理されやすい一方で、建物全周に設置する場合、部分的に設置する場合、工区ごとに段階的に設置する場合など、条件が変わりやすい足場でもあります。


外部足場でまず確認すべき判断軸は、高さです。建物の階数や外壁高さだけでなく、足場を実際に設置する地盤面からの最大高さを確認します。敷地に高低差がある場合、道路側と敷地奥で足場高さが変わります。建物の一面だけを改修する場合でも、その面の地盤が低ければ、想定よりも足場高さが大きくなることがあります。高さは立面図や断面図で確認し、基準面を明確にします。


外部足場では、設置期間も重要です。外壁作業そのものは短くても、足場は組立、養生、作業、検査、是正、解体まで残ります。工程表上の「外壁工事期間」だけでは足場の存置期間を正しく判断できません。組立開始日から解体完了日までを確認し、期間が60日以上になる可能性があるかを整理します。工程遅延や追加工事で解体日が後ろ倒しになる場合も、再確認が必要です。


外部足場で見落とされやすいのは、部分的な上部足場です。外壁全体ではなく、屋上笠木、塔屋、庇、看板、外部設備まわりだけに足場を追加する場合があります。工事範囲が小さいため軽く見られがちですが、上部に設ける足場は高さが大きくなることがあります。外部足場の判断では、建物全体の標準高さだけでなく、部分的に高くなる箇所を確認します。


外部足場では、壁つなぎや控えも重要な判断軸です。高さがある足場では、足場を安定させるために建物との固定や補強が必要になります。立面図で壁つなぎの位置や間隔が分かるか、平面図や断面図で実際に固定できる位置かを確認します。改修工事では既存外壁の仕上げや開口部、設備配管により、標準的な壁つなぎ配置ができない場合があります。


養生範囲も外部足場では重要です。外壁改修、塗装、防水、解体、補修では、メッシュシートや防護材を設けることがあります。養生は落下物や飛散対策として重要ですが、風の影響を受ける条件にもなります。養生範囲が立面図に示されているか、計算書や補強条件と合っているかを確認します。道路側や隣地側、出入口上部では、第三者への影響も考慮します。


外部足場では、敷地境界や道路との関係も確認します。足場の外側ライン、建地、敷板、控え、養生、防護棚、作業帯が敷地内に収まるかを平面図で確認します。狭小地や道路沿いの現場では、足場本体は敷地内でも、組立作業や資材搬入時に道路や隣地に影響することがあります。88条申請の判断とは別に、施工計画としても整理が必要です。


外部足場は、複数工種が使うことが多い足場です。外壁工事、設備工事、看板工事、検査、是正、清掃などが同じ足場を使う場合、設置期間や作業床の使用条件が変わります。最初の工種だけで判断せず、後工程まで含めて高さ、期間、荷重、動線を確認します。


元請側や施工者は、外部足場について、最大高さ、基準面、設置期間、壁つなぎ、養生、第三者動線をまとめて確認します。外部足場は一般的な足場に見えますが、現場条件によっては申請判断や安全対策に大きな差が出ます。工事範囲ではなく、足場全体の条件で判断することが重要です。


2つ目はつり足場で支持方法と作業範囲を見ること

2つ目の判断軸は、つり足場です。つり足場は、下から建地を立てる通常の足場と異なり、上部や構造物から吊る形で作業床を設ける足場です。橋梁、梁下、吹抜け、設備架台、屋根下、外部構造物、床下作業などで使われることがあります。地上から足場を立てにくい場所で有効ですが、支持方法や落下防止、作業床の安定に特に注意が必要です。


つり足場で最初に確認すべき判断軸は、どこで支持しているかです。吊り元となる構造物、吊り材、固定方法、荷重の伝達先を確認します。既存建物や構造物を利用する場合、その部分が荷重を受けられるかを確認する必要があります。図面上で吊り元の位置が示されているか、断面図や詳細図で固定方法が分かるかを確認します。


つり足場では、作業床の範囲も重要です。どの範囲に作業床を設けるのか、作業員がどこから乗り込むのか、作業床が連続しているのか、端部や開口部がどこにあるのかを確認します。下から支えられている足場と違い、作業床の安定や揺れ、吊り材の間隔が重要になります。作業内容に対して十分な作業床があるかを確認します。


つり足場の判断では、足場の高さだけでなく、落下リスクを見ることが重要です。作業床の下に第三者動線や道路、設備、機械、既存施設がある場合、工具や材料の落下対策が必要です。平面図や断面図で下部に何があるのか、立入禁止範囲や防護範囲をどうするのかを確認します。つり足場では、上部作業と下部空間の関係を必ず見ます。


昇降方法も重要です。つり足場へどこから入るのか、通常の足場や建物内部から乗り移るのか、昇降設備を設けるのかを確認します。乗り移り部は危険になりやすいため、手すり、開口部対策、作業床の固定、表示、立入制限を計画します。図面上で昇降経路が分からない場合は、現場で危険な移動が発生する可能性があります。


つり足場では、荷重条件の確認も欠かせません。作業員の人数、材料の仮置き、工具、撤去材、作業内容によって吊り材や支持点にかかる荷重が変わります。計算書や施工計画書の前提が、実際の使用方法と合っているかを確認します。点検や軽作業のつもりで計画したつり足場を、補修や撤去材の仮置きに使う場合は注意が必要です。


既存構造物を吊り元にする場合、現況確認も重要です。既存図面に示されている梁や下地が実際に使える状態か、劣化や腐食、仕上げ材の影響がないかを確認します。改修工事では、既存構造物の状態が不明なことがあります。吊り元が不明確なまま計画を進めると、安全性に大きな問題が生じます。


つり足場では、組立時と解体時の手順も通常の足場以上に重要です。どの順序で吊り材を設置するのか、作業床をどう組むのか、未完成部分への立入をどう防ぐのか、解体時に一時的に不安定な状態にならないかを確認します。施工計画書には、組立・使用・解体の各段階での安全対策を具体的に記載する必要があります。


つり足場は、足場範囲が小さく見えても、支持方法や落下リスクが大きな判断軸になります。元請側は、つり足場という名称が出た時点で、吊り元、荷重、作業床、昇降方法、下部防護、組立解体手順を重点的に確認します。通常の外部足場と同じ感覚で判断しないことが重要です。


3つ目は張出し足場で荷重の流れと固定条件を見ること

3つ目の判断軸は、張出し足場です。張出し足場は、建物や構造物から外側へ張り出す形で作業床を設ける足場です。地上に建地を立てられない場所、道路や出入口を確保したい場所、庇や外壁の一部、設備まわり、看板工事、外部構造物の補修などで使われることがあります。張出し足場では、荷重がどこに流れるのか、どこで固定するのかを正確に確認することが重要です。


張出し足場で最初に見るべき判断軸は、支持部です。張出し部をどこで支えているのか、既存建物に荷重をかけるのか、梁や床、壁、金物、控えで支えるのかを確認します。通常の地上支持の足場と違い、張出し部の荷重は固定先や支持部に集中することがあります。図面や詳細図で支持方法が分かるかを確認します。


荷重の流れも重要です。作業員、作業床、材料、工具、養生、風の影響がどこに伝わるのかを考えます。張出し足場では、外側に荷重がかかるため、固定部や補強部に大きな力が生じる場合があります。計算書や施工計画の前提が、実際の作業内容と合っているかを確認します。軽作業のつもりで計画した足場に、材料を仮置きする場合は特に注意が必要です。


固定条件は、既存建物の状態に左右されます。新築工事であれば構造体への固定を計画しやすい場合がありますが、改修工事では、外壁仕上げ、開口部、既存下地、庇、設備、看板、配管などが固定位置に影響します。張出し足場の固定先が仕上げ材だけになっていないか、構造的に有効な位置に固定できるかを確認することが重要です。


張出し足場では、作業床の端部対策も重要です。外側に張り出すため、作業床端部や開口部、乗り移り部が危険箇所になりやすいです。手すり、中さん、幅木、落下物防止、開口部管理を図面と計画書に反映します。作業員がどこから張出し足場へ入るのか、乗り移り部分に危険がないかも確認します。


第三者動線との関係も注意が必要です。張出し足場は、道路、歩道、出入口、駐車場、共用通路の上部や近くに設けられることがあります。足場本体が敷地内にあっても、張出し部や作業範囲が第三者の頭上にかかる場合は、防護棚、立入禁止、誘導、作業時間の制限が必要になります。平面図と断面図で、張出し部分がどこまで出るのかを確認します。


張出し足場では、風の影響も確認します。張出し部に養生材を設ける場合、風を受ける面積が増えます。養生範囲と補強条件、固定条件が合っているかを確認します。特に建物角部や高所、開けた場所では、通常より慎重に見る必要があります。


施工手順も重要です。張出し足場は、組立途中で一時的に不安定な状態になる可能性があります。どの順序で支持部を設け、どの段階で作業床を張り出し、どの時点で使用可能とするのかを計画書に落とします。現場判断で先に作業床を使うことがないように、使用開始前点検を明確にします。


元請側は、張出し足場について、足場の面積や作業期間の短さだけで判断しないことが大切です。張出し足場では、荷重の流れ、固定先、補強、作業床端部、第三者動線への影響が判断軸になります。図面、計算書、現況を照合し、通常の外部足場とは別の視点で確認します。


4つ目は内部足場で床条件と高天井作業を見ること

4つ目の判断軸は、内部足場です。内部足場は、建物内部の吹抜け、高天井、階段室、ホール、倉庫、工場、機械室、エントランス、天井設備まわりなどで使われます。外部足場に比べて第三者から見えにくく、工事範囲も限定的に見えるため、88条申請の確認や安全計画が後回しになることがあります。しかし、内部足場でも高さ、設置期間、床条件、作業内容によっては慎重な確認が必要です。


内部足場で最初に確認すべき判断軸は、床条件です。内部足場は建物内の床に建地や支柱を立てることが多いため、床が足場荷重を受けられるかを確認します。床仕上げ、床下地、スラブ、仮設養生、床開口、段差、不陸、設備配線、床下空間などの条件によって、足場の安定性や養生方法が変わります。


高天井作業では、高さの確認が重要です。天井照明、空調設備、ダクト、スプリンクラー、天井仕上げ、梁下、吹抜け上部の補修などでは、内部であっても足場が高くなることがあります。屋内だから安全と考えるのではなく、床面から作業床または足場上部までの最大高さを確認します。高さ10m以上になる場合や長期間設置する場合は、対象条件との関係を確認します。


内部足場では、作業床の位置と作業対象の関係も重要です。天井設備や上部壁面に対して作業床が低すぎると、脚立や踏み台を使いたくなる不安全状態が生じます。逆に作業床が高すぎると、作業姿勢が不自然になります。立面図や断面図で、作業対象に対して適切な高さに作業床があるかを確認します。


内部足場では、施設利用者や他工種との動線分離も重要です。店舗、事務所、工場、倉庫、公共施設、共同住宅などを使いながら改修する場合、足場の近くを利用者や従業員が通ることがあります。仮囲い、立入禁止範囲、作業時間、案内表示、照明、避難経路を計画します。内部足場は屋内にあるため、外部から見えにくく、利用者が接近しやすい点に注意が必要です。


資材搬入も内部足場では大きな判断軸です。足場材を建物内部へ運ぶには、出入口、廊下、エレベーター、階段、搬入口、床養生を確認する必要があります。通路が狭い場合や営業中の施設では、搬入時間や動線を分ける必要があります。足場材の仮置きが避難経路や通路を塞がないかを確認します。


内部足場では、天井設備や既存設備との干渉も見ます。照明、空調機、配管、配線ラック、防災設備、天井点検口、梁、吊りボルトなどが足場や作業床に干渉する場合があります。既存図面に記載されていない設備があることも多いため、現地確認が重要です。足場を組んだ後に設備と干渉すると、作業床の変更や組み替えが必要になります。


内部足場の設置期間も確認します。作業自体は短期間でも、天井仕上げ、設備調整、検査、是正、清掃、復旧まで足場が残ることがあります。施設を使いながら工事する場合は、作業しない時間帯に足場をどう管理するかも重要です。第三者が近づけない状態を維持できるか、夜間や休日の管理をどうするかを計画します。


元請側は、内部足場について、床条件、高さ、作業床、施設利用者動線、資材搬入、既存設備干渉を重点的に確認します。内部足場は外部足場より目立ちにくいからこそ、早めに足場候補として洗い出し、88条申請の対象条件や安全対策を確認することが大切です。


5つ目は棚足場・作業床で使用目的と積載条件を見ること

5つ目の判断軸は、棚足場や作業床です。棚足場や広い作業床は、天井工事、設備工事、内装工事、塗装、補修、点検、解体、搬入作業などで使われます。現場では「足場」というより「作業床」「仮設ステージ」「作業台」と呼ばれることもありますが、作業員が乗って高所作業を行う場合は、足場としての確認が必要になることがあります。


棚足場や作業床で最初に見るべき判断軸は、使用目的です。点検だけに使うのか、補修作業を行うのか、材料を仮置きするのか、複数人で作業するのか、撤去材を扱うのかによって、安全対策が変わります。名称が同じ作業床でも、使用目的によって積載荷重、作業床幅、開口部対策、昇降設備、周辺区画が変わります。


積載条件は特に重要です。作業員が乗るだけなのか、工具や材料を置くのか、設備機器や撤去材を一時的に置くのかを確認します。棚足場は広い作業床になることがあるため、便利な仮置き場所として使われやすいです。しかし、計画以上の材料を置くと、荷重条件が変わります。計画書には、材料仮置きの範囲や禁止箇所を示すことが望ましいです。


作業床の高さも確認します。棚足場は内部作業で使われることが多いため、屋内だから低いと思われがちですが、高天井や吹抜けでは高さが大きくなることがあります。作業床の高さ、足場全体の高さ、基準面を確認します。高さが10m以上になる場合や、設置期間が長くなる場合は、対象条件との関係を整理します。


作業床の端部や開口部対策も重要です。広い作業床には、昇降口、荷上げ開口、設備開口、作業床の切欠き、端部が発生することがあります。手すり、幅木、開口部のふた、表示、立入禁止、復旧ルールを計画します。作業床が広いほど、端部や開口部が見落とされやすくなります。


昇降設備とのつながりも見ます。作業床へ安全に上がれるか、材料を持って移動できるか、昇降口周辺に十分なスペースがあるかを確認します。作業床が広い場合、昇降設備が一か所だけでは移動距離が長くなることがあります。作業内容や避難経路を考慮して、昇降位置を検討します。


棚足場や作業床では、下部空間の利用状況も確認します。作業床の下を第三者や他工種が通る場合、落下物対策や立入禁止が必要になります。上部作業と下部作業が重なる場合は、上下作業の制限や時間帯分離を検討します。平面図で作業床の下部に何があるのかを確認することが重要です。


使用期間も判断軸です。短期間だけ使う作業床でも、工程変更や追加作業で存置期間が延びる場合があります。点検後の是正や追加工事が発生しやすい現場では、設置期間を余裕を持って確認します。作業日数ではなく、組立開始から解体完了までの期間で見ることが大切です。


元請側は、棚足場や作業床について、「足場」という名称かどうかではなく、実態として高所作業用の仮設床かどうかを確認します。使用目的、積載条件、高さ、端部対策、昇降設備、下部空間への影響を整理することで、申請要否と安全対策を判断しやすくなります。


6つ目は移動式や一時使用の足場で実態と存置期間を見ること

6つ目の判断軸は、移動式や一時使用の足場です。現場では、短時間の作業や局所的な改修のために、移動式の足場、簡易的な作業床、一時的な足場が使われることがあります。これらは「すぐ動かす」「一時的に使う」「小規模だから問題ない」と考えられやすく、88条申請や安全計画の確認から漏れやすい足場です。


移動式や一時使用の足場で最初に見るべき判断軸は、実態です。名称が移動式、簡易、仮設、一時使用であっても、実際にどの高さで作業し、どの期間現場に置かれ、どのように使われるのかを確認します。呼び方だけで対象外と判断せず、足場の種類、支持方法、高さ、設置期間、使用方法を見ます。


一時使用の足場でも、現場に長く残る場合があります。作業自体は数日でも、次の作業や検査、是正のためにそのまま存置されることがあります。移動式の足場も、使わない時に現場内に置かれたままになる場合があります。設置期間や存置期間を確認せずに「一時使用」と判断すると、実際の管理とずれる可能性があります。


高さも確認します。移動式や簡易的な足場は低いものが多い一方で、高天井や設備作業では高さが大きくなる場合があります。内部作業だから、短時間だからという理由で高さ確認を省略しないことが重要です。作業床の高さ、足場全体の高さ、使用する場所の床面や地盤面を確認します。


移動式の場合は、移動経路と使用場所も確認します。床の段差、不陸、傾斜、床開口、配線、設備、扉、什器、他工種の作業範囲が移動に影響します。移動中に第三者と接触しないか、使用時に固定やブレーキが適切か、作業員が乗ったまま移動しない運用になっているかを計画します。


一時使用の足場では、使用ルールが曖昧になりやすいです。誰でも使える状態で置かれていると、計画外の工種が使う可能性があります。点検用として設置した足場を、別の作業で材料置場として使うこともあります。使用者、使用範囲、使用時間、材料仮置きの可否、使用後の片付けを明確にすることが大切です。


第三者動線との関係も見ます。店舗、施設、事務所、工場、共同住宅などを使いながら改修する場合、移動式や一時使用の足場が通路や出入口に置かれることがあります。作業中は区画していても、作業後に通路に残っていると危険です。保管場所、立入禁止、表示、夜間や休憩時の状態を確認します。


移動式や一時使用の足場は、正式な足場図面が作成されにくい場合があります。しかし、一定の高さや期間、構造条件によっては、図面や計画書で確認する必要があります。少なくとも、足場候補一覧に載せ、種類、高さ、設置期間、使用場所、使用者を記録しておくべきです。


元請側は、「一時使用だから申請確認は不要」と決めつけないことが重要です。実態としてどのように使うのか、どれくらいの期間残るのか、どの高さで作業するのかを確認します。移動式や一時使用の足場は、管理が緩くなりやすいからこそ、実態と存置期間を判断軸にする必要があります。


7つ目は増設・混在足場で全体条件を再確認すること

7つ目の判断軸は、増設や混在足場で全体条件を再確認することです。現場では、最初から一種類の足場だけで完結するとは限りません。外部足場に張出し部を追加する、内部足場を高天井部に増設する、外部足場と仮設通路を接続する、部分的につり足場を併用する、棚足場と昇降設備を組み合わせるなど、複数種類の足場が混在することがあります。


増設時に最初に確認すべきなのは、増設後の足場全体の条件です。増設部分だけを見るのではなく、既設足場と一体で使うのか、別足場として独立しているのかを確認します。一体で使う場合は、全体の最大高さ、設置期間、荷重条件、壁つなぎ、補強、作業床の連続性を見直します。


混在足場では、足場種類ごとの判断軸が重なります。例えば、外部足場に張出し部を追加する場合、外部足場としての高さと設置期間だけでなく、張出し足場としての支持方法や荷重の流れも確認します。内部足場に棚足場を追加する場合、内部足場としての床条件に加えて、棚足場としての積載条件や作業床端部を確認します。


設置期間も再確認します。増設が発生すると、既設足場の解体が遅れることがあります。当初は60日未満の予定だった足場が、追加工事や是正対応によって60日以上になる場合があります。対象外と判断していた足場でも、増設や期間延長によって再判定が必要になることがあります。


高さの再確認も重要です。上部に足場を追加する、塔屋や屋上設備まわりに増設する、地盤の低い側へ足場を延長する場合、最大高さが変わる可能性があります。改修範囲が少し広がっただけでも、高さが10m以上になることがあります。増設後の最大高さを立面図や断面図で確認します。


構造条件の再確認も必要です。増設部分が既設足場に接続される場合、既設足場に追加荷重や水平力がかかることがあります。壁つなぎ、控え、補強、スパン、養生範囲が当初条件のままでよいかを確認します。計算書の前提が増設後の状態に合っているかも確認します。


部分撤去との組み合わせにも注意します。作業が終わった部分を撤去し、別の部分を増設する場合、足場全体の形状や端部が変わります。残った足場の安定性、昇降経路、作業床の連続性、第三者動線への影響を確認します。撤去は安全側に見えても、残置部分の条件が変わることがあります。


混在足場では、図面の整合が特に重要です。平面図、立面図、断面図、詳細図、計算書、工程表が最新の状態になっているかを確認します。増設部分だけ別図になっている場合、既設足場との接続や範囲が分かりにくくなることがあります。図面上で、既設部分、増設部分、撤去部分を区別して表示することが望ましいです。


元請側は、足場変更が出た時に「足場種類が変わっていないか」「高さが変わっていないか」「設置期間が延びていないか」「既設足場への荷重が変わっていないか」「第三者動線への影響が変わっていないか」を確認するフローを持つべきです。増設や混在足場は、届出漏れや図面不整合が起きやすいため、変更時の再判定を必ず行うことが重要です。


足場種類ごとの判断を社内で安定させる実務フロー

足場種類ごとの判断を社内で安定させるには、足場を一括りにせず、種類ごとに確認項目を分ける仕組みを作ることが大切です。担当者の経験だけで判断すると、外部足場は確認できても、内部足場や一時使用の足場、張出し部、増設足場を見落とすことがあります。社内フローとして、足場候補を洗い出し、種類ごとに判断軸を当てはめる運用が有効です。


まず、着工前に現場で使う足場候補をすべて洗い出します。外部足場、内部足場、つり足場、張出し足場、棚足場、作業床、移動式、一時使用、増設予定の足場を一覧化します。専門工事業者が自社で用意する足場も含めます。名称が足場でなくても、作業員が乗って高所作業をする仮設設備は確認対象に入れます。


次に、足場種類を分類します。通常の外部足場なのか、つり足場なのか、張出し足場なのか、内部足場なのか、棚足場や作業床なのか、移動式や一時使用なのかを整理します。分類が難しい場合は、支持方法、作業床の位置、荷重の流れ、使用方法で判断します。複数の性質を持つ場合は、厳しめに複数の判断軸で確認します。


そのうえで、種類ごとの確認項目を当てはめます。外部足場では高さ、設置期間、壁つなぎ、養生、第三者動線を見ます。つり足場では吊り元、支持方法、下部防護、乗り移り部を見ます。張出し足場では荷重の流れ、固定先、補強、張出し範囲を見ます。内部足場では床条件、高天井、施設利用者動線を見ます。棚足場や作業床では使用目的、積載条件、開口部対策を見ます。移動式や一時使用では実態、使用場所、存置期間を見ます。


対象条件は数値で確認します。最大高さ、基準面、組立開始日、解体完了日、設置期間を記録します。対象外と判断する場合でも、根拠を残します。変更時に再確認するためには、最初の判断根拠が必要です。感覚ではなく、図面や工程表に基づいて判断することが重要です。


図面と計算書の整合も確認します。平面図、立面図、断面図、計算書、施工計画書が、足場種類ごとの条件を正しく反映しているかを見ます。つり足場や張出し足場で支持方法が図面に示されていない場合、内部足場で床条件が不明な場合、棚足場で積載条件が不明な場合は、協力会社へ確認します。


変更時の再判定フローも作ります。増設、部分撤去、作業床追加、設置期間延長、養生範囲変更、支持方法変更が発生した場合は、足場種類ごとの判断軸で再確認します。外部足場に張出し部が追加されれば、外部足場と張出し足場の両方の観点で見ます。内部足場が高天井部へ延長されれば、高さと床条件を再確認します。


社内で判断を安定させるには、記録管理も重要です。足場候補一覧、対象判定、図面、計算書、工程表、現場写真、変更履歴を残します。過去の類似工事でどの足場が対象になったか、どこで指摘が出たかを蓄積すれば、次回の判断がしやすくなります。担当者が変わっても、判断の品質を維持できます。


現況確認もフローに含めます。足場種類ごとの判断では、図面だけでは分からない現場条件が多くあります。敷地境界、地盤の高低差、既存建物、床条件、搬入経路、第三者動線、危険箇所を現地で確認し、写真や位置情報で記録します。現況情報を協力会社へ共有することで、図面や計算書の精度も上がります。


こうした現況確認や足場種類ごとの記録整理には、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスを活用する方法があります。外部足場の設置予定位置、張出し部の位置、内部足場の作業範囲、搬入経路、敷地境界、地盤高低差、第三者動線、危険箇所などを高精度な位置情報付きで記録できれば、足場種類ごとの判断根拠を整理しやすくなります。足場の88条申請そのものを置き換えるものではありませんが、現況把握、協力会社との図面すり合わせ、変更時の再判定、次回工事への引き継ぎを効率化する実務ツールとして活用できます。


まとめ

足場の88条申請で足場種類ごとに見る判断軸を整理することは、届出漏れや安全対策の抜けを防ぐために重要です。足場は一種類だけではなく、外部足場、つり足場、張出し足場、内部足場、棚足場、移動式や一時使用の足場、増設や混在足場など、現場ごとにさまざまな形で使われます。名称や規模だけで判断せず、支持方法、高さ、設置期間、作業内容、荷重条件、第三者動線への影響を確認することが大切です。


1つ目は、外部足場で高さと設置期間を見ることです。最大高さ、基準面、組立開始から解体完了までの期間、壁つなぎ、養生、第三者動線を確認します。2つ目は、つり足場で支持方法と作業範囲を見ることです。吊り元、荷重、作業床、昇降方法、下部防護を確認します。3つ目は、張出し足場で荷重の流れと固定条件を見ることです。支持部、固定先、補強、張出し範囲、第三者への影響を確認します。


4つ目は、内部足場で床条件と高天井作業を見ることです。床荷重、作業床高さ、施設利用者動線、既存設備との干渉を確認します。5つ目は、棚足場や作業床で使用目的と積載条件を見ることです。材料仮置き、作業人数、開口部対策、下部空間への影響を整理します。6つ目は、移動式や一時使用の足場で実態と存置期間を見ることです。短時間の使用に見えても、実際の高さ、使用場所、存置期間を確認します。


7つ目は、増設や混在足場で全体条件を再確認することです。既設足場に張出し部を追加する、内部足場を延長する、つり足場を併用するなど、複数の足場種類が混ざる場合は、それぞれの判断軸を組み合わせて確認します。増設後の最大高さ、設置期間、荷重条件、図面整合、第三者動線を再判定することが重要です。


足場種類ごとの判断を安定させるには、社内で足場候補を洗い出し、種類ごとに確認項目を当てはめ、数値と図面で根拠を残すフローが必要です。協力会社の専門知識と、元請側が持つ現場全体の情報を組み合わせれば、88条申請の対象判断だけでなく、現場で安全に使える足場計画へつなげやすくなります。足場を一括りにせず、種類ごとのリスクと確認軸を押さえることが、実務担当者に求められる重要な管理ポイントです。


LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上

LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。

LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。

 

製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、

こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

bottom of page