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88条申請と足場の届出漏れを防ぐ社内フロー6つ

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

足場の88条申請で届出漏れが起きる理由

1つ目は着工前に足場候補をすべて洗い出すフロー

2つ目は対象条件を数値で確認するフロー

3つ目は工程表から提出期限を逆算するフロー

4つ目は図面・計算書・現場条件を照合するフロー

5つ目は変更時に再判定するフロー

6つ目は記録を残して社内で再利用するフロー

社内フローを形骸化させない運用の考え方

まとめ


足場の88条申請で届出漏れが起きる理由

足場の88条申請で届出漏れが起きる原因は、担当者の注意不足だけではありません。多くの場合、現場内で足場情報を集める仕組み、対象条件を判断する仕組み、提出期限を逆算する仕組み、変更時に再確認する仕組みが整っていないことが原因です。足場そのものは協力会社が計画していても、88条申請の要否判断や工程との整合は、元請側の管理と密接に関係します。そのため、協力会社任せにせず、社内フローとして確認手順を決めておくことが重要です。


「88条申請 足場」で検索する実務担当者は、足場の対象条件を知りたいだけでなく、現場内でどう管理すれば届出漏れを防げるのかに悩んでいることが多いはずです。外部足場、内部足場、つり足場、張出し足場、吹抜け足場、屋上まわりの足場、設備用の部分足場など、建築工事や改修工事では複数の足場が発生します。大きな外周足場は管理されやすい一方で、部分的な増設足場や専門工事業者が手配する足場は見落とされやすくなります。


88条申請の対象となる足場は、足場の種類、高さ、設置期間などによって判断されます。つり足場や張出し足場、高さ10m以上の構造の足場で、組立開始から解体完了までの期間が60日以上になるものは、特に早い段階で確認が必要です。また、届出は足場の組立開始日から逆算して準備する必要があるため、対象に該当するかどうかの判断が遅れると、図面、計算書、社内確認、協力会社との修正対応が間に合わなくなる可能性があります。


届出漏れは、最初の判断時だけでなく、工事途中の変更時にも起こります。当初は対象外と判断していた足場でも、工程遅延によって設置期間が延びる、上部に足場を増設する、張出し部を追加する、養生範囲を広げる、別工区の足場と接続するなどの変更により、再確認が必要になる場合があります。最初の判断根拠が記録されていなければ、変更時に何を見直すべきか分からなくなります。


足場の88条申請を確実に管理するには、個人の経験や記憶に頼らず、社内フローとして確認の入口を作ることが大切です。着工前に足場候補を洗い出し、対象条件を数値で確認し、工程から提出期限を逆算し、図面と現場条件を照合し、変更時に再判定し、記録を次回に活用する。この流れを社内で標準化すれば、担当者が変わっても同じ品質で確認しやすくなります。


この記事では、足場の88条申請で届出漏れを防ぐための社内フローを6つに分けて解説します。単なる制度説明ではなく、現場で実際に使える管理手順として、元請側が整えるべき確認の流れを整理します。


1つ目は着工前に足場候補をすべて洗い出すフロー

届出漏れを防ぐ社内フローの1つ目は、着工前に足場候補をすべて洗い出すことです。88条申請の要否は、対象になる足場を把握していなければ判断できません。大きな外部足場だけを確認していると、内部足場、吹抜け足場、設備用足場、部分的な張出し足場、専門工事業者が手配する足場を見落とす可能性があります。


足場候補の洗い出しでは、まず工事全体で高所作業が発生する場所を確認します。外壁、屋根、庇、塔屋、屋上設備、吹抜け、階段室、高天井、外部階段、看板、設備配管、外構構造物、搬入口、仮設通路など、足場や作業床を使う可能性がある箇所を拾います。足場業者が担当するものだけでなく、各専門工事業者が独自に用意する仮設作業床も確認対象に含めます。


この段階では、まだ88条申請の対象かどうかを決めきる必要はありません。重要なのは、対象になる可能性がある足場を一覧に載せることです。未確定の足場、仮計画の足場、後から必要になりそうな足場も、候補として管理します。最初から候補に入っていれば、工程や図面が固まった段階で再確認できます。候補に入っていなければ、そもそも判断の機会がなくなります。


社内では、着工前会議や施工計画会議の中に「足場候補の洗い出し」を必ず入れると効果的です。建築担当、安全担当、仮設担当、設備担当、外装担当、内装担当、協力会社担当がそれぞれの工事範囲を確認し、足場が必要になりそうな作業を出します。現場代理人や工事責任者だけで判断すると、専門工事側の足場を見落とすことがあります。


洗い出した足場候補は、一覧で管理します。一覧には、足場名称、設置場所、使用目的、関係工種、足場種類、想定高さ、想定設置期間、組立予定時期、解体予定時期、協力会社、88条申請の一次判定、未確定事項を記録します。最初は空欄があっても構いません。むしろ、空欄があることで、どの情報を追加で確認すべきかが分かります。


注意すべきなのは、「足場」という名称で呼ばれていない仮設作業床です。現場では、作業台、仮設ステージ、仮設通路、内部作業床、棚足場、仮設デッキなど、さまざまな名称で呼ばれることがあります。名称が違っても、実態として足場に該当する可能性があるものは確認対象に入れます。呼び方ではなく、構造、支持方法、高さ、設置期間、作業内容で判断することが重要です。


改修工事や店舗改修では、着工後に追加足場が発生しやすくなります。既存図面と現況が違う、解体後に補修範囲が増える、設備の追加工事が発生する、検査後に是正が必要になるといった場合です。着工前の洗い出し段階で、追加足場が発生しそうな箇所も候補として記録しておけば、変更時にすぐ再確認できます。


元請側の社内フローでは、足場候補の洗い出しを協力会社任せにしないことが大切です。協力会社は自社が担当する足場は把握していますが、他工種や後工程で必要になる足場まで把握しているとは限りません。元請側が現場全体を見て足場候補を集約し、関係者に共有することで、届出漏れの入口を減らせます。


2つ目は対象条件を数値で確認するフロー

届出漏れを防ぐ社内フローの2つ目は、対象条件を数値で確認することです。足場の88条申請では、足場の種類、高さ、設置期間などが重要な判断要素になります。これらを「高そう」「長そう」「対象かもしれない」といった感覚で扱うと、担当者によって判断が変わります。社内フローでは、必ず数値と根拠資料で確認することが必要です。


まず確認するのは足場の種類です。つり足場、張出し足場、その他の構造の足場なのかを整理します。つり足場や張出し足場は、通常の地上支持の足場とは異なり、支持方法や荷重条件の確認が特に重要です。また、一般的な足場でも高さ10m以上になる場合は、設置期間と合わせて確認が必要になります。足場の名称だけでなく、どこで支持するのか、どのような構造なのかを確認します。


次に確認するのは高さです。高さは、最大高さを確認します。建物の一部だけが高い場合や、地盤に高低差がある場合は、最大高さの位置を明確にする必要があります。平面図上で最大高さが発生する場所を確認し、立面図や断面図で基準面からの高さを確認します。基準面が道路面なのか、地盤面なのか、床面なのか、仮設基礎なのかを曖昧にしないことが重要です。


高さの確認では、作業床高さだけでなく、足場全体の構造上の高さを確認します。図面に記載された数値が何を示しているのかを確認しなければ、対象判断を誤る可能性があります。作業床高さ、手すりを含む高さ、足場最上部高さが混同されることがあるため、協力会社に数値の定義を確認します。


設置期間は、組立開始から解体完了までの期間として整理します。実際に作業をする日数だけではなく、足場が設置されている期間を確認します。外壁作業が終わっても、検査、是正、設備工事、養生撤去、解体準備のために足場が残る場合があります。工程表の作業期間だけを見て判断すると、設置期間を短く見積もることがあります。


社内フローでは、対象条件を確認するための入力項目を決めておくと効果的です。足場種類、支持方法、最大高さ、基準面、組立開始日、解体完了日、設置日数、使用目的、増設予定、養生範囲、対象判定、判定者、確認日を記録します。このように数値と判断者を残すことで、後から確認しやすくなります。


対象外と判断する場合も、必ず根拠を残します。例えば、高さが10m未満である、設置期間が60日未満である、つり足場や張出し足場に該当しないなど、どの条件に基づいて対象外としたのかを記録します。対象外の根拠が残っていれば、後から高さ変更や期間延長があった時に再判定しやすくなります。


対象条件の確認は、協力会社の回答をそのまま転記するだけでは不十分です。協力会社から受け取った図面、工程表、計算書、施工計画と照合し、元請側でも数字を確認します。協力会社が「対象外」と回答していても、工程表では設置期間が長くなっている場合や、立面図では10mを超えている場合があります。社内フローとして、回答と資料の整合を確認することが大切です。


また、対象条件の確認は一度で終わりではありません。設計変更、工程変更、足場増設、部分撤去、工期延長が発生した場合は、対象条件を再確認します。社内フローでは、初回判定日と最終確認日を分けて管理すると、変更への対応がしやすくなります。数値で管理しておけば、変更時にどの項目が変わったのかをすぐ把握できます。


3つ目は工程表から提出期限を逆算するフロー

届出漏れを防ぐ社内フローの3つ目は、工程表から提出期限を逆算することです。88条申請の対象になる足場では、対象だと分かってから慌てて書類を作るのでは遅くなる場合があります。組立開始日を基準に、図面作成、計算書作成、元請確認、社内審査、修正対応、提出準備に必要な期間を逆算して管理する必要があります。


まず、足場の組立開始日を明確にします。工程表に「足場工事」と書かれていても、それが資材搬入日なのか、組立開始日なのか、使用開始日なのかが曖昧なことがあります。88条申請の段取りでは、実際に足場の組立に入る日を基準に考える必要があります。資材搬入や仮置きが先行する場合も、工程上の位置づけを確認します。


次に、提出期限だけでなく、中間期限を設定します。足場図面をいつまでに受け取るか、計算書をいつまでに受け取るか、元請側の確認をいつまでに終えるか、指摘修正をいつまでに完了するか、社内審査をいつ行うか、提出予定日はいつかを工程表に組み込みます。提出日だけを管理していると、図面修正にかかる時間を見落としやすくなります。


工程表から逆算する際は、協力会社の作業期間も考慮します。足場図面や計算書は、協力会社が現場条件を把握し、設計図や配置図を確認し、必要に応じて現地調査を行ったうえで作成します。元請側から情報提供が遅れると、協力会社の資料作成も遅れます。社内フローでは、元請が協力会社へ渡す情報の期限も決めておくことが重要です。


足場の88条申請で提出遅れが起きる原因の一つは、工事工程と申請工程が別々に管理されていることです。現場の工程表では足場組立日が決まっているのに、申請準備の工程が別管理になっていると、提出準備が遅れていても気づきにくくなります。足場の対象判定と申請準備を、総合工程表や着工準備リストに組み込むことが有効です。


複数工区や複数棟がある現場では、足場ごとに組立開始日が異なることがあります。全体の着工日だけで管理すると、一部の工区の足場が先行して組まれる場合に対応できません。社内フローでは、足場単位で組立開始日と提出期限を管理します。第1期、第2期、増設部分、内部足場など、個別に日付を持たせることが大切です。


工程変更が発生した場合も、提出期限を再確認します。組立開始日が前倒しになる場合は特に注意が必要です。工期短縮のために足場を早めて組むことが決まっても、申請準備が追いつかなければ問題になります。工程会議で足場組立日の変更が出た場合は、88条申請への影響を確認するルールにしておく必要があります。


また、設置期間の延長も工程表で確認します。当初は60日未満の予定だった足場が、工事遅延や追加作業で60日以上になる可能性があります。対象外と判断していた足場でも、設置期間が延びる場合は再判定が必要です。工程表の更新時には、足場の解体完了日が変わっていないかを確認します。


元請側の社内フローでは、足場の申請準備を「安全書類の一部」ではなく、「工程管理の一部」として扱うことが重要です。工程表から提出期限を逆算し、中間期限を設定し、変更時に再確認することで、届出漏れや提出遅れを防ぎやすくなります。


4つ目は図面・計算書・現場条件を照合するフロー

届出漏れを防ぐ社内フローの4つ目は、図面、計算書、現場条件を照合することです。88条申請の対象条件を確認し、提出期限を管理していても、図面や計算書の内容が現場条件と合っていなければ、申請資料としても施工計画としても不十分です。社内フローでは、協力会社から資料を受け取った後に、元請側で照合する手順を決めておく必要があります。


まず確認するのは、平面図です。平面図では、足場の設置範囲、建物との位置関係、敷地境界、道路、隣地、仮囲い、資材置場、搬入経路、昇降設備、第三者動線との関係を確認します。足場の外周ラインだけが描かれていても、現場条件との関係が分からなければ不十分です。特に狭小地、道路沿い、隣地に近い現場では、離隔寸法や作業帯を確認します。


次に、立面図を確認します。立面図では、最大高さ、基準面、作業床の段数、壁つなぎ、控え、補強、養生範囲、昇降設備の高さ方向のつながりを確認します。高さが対象条件に関係するため、最大高さが読み取れることが重要です。作業床が作業対象に合っているか、養生範囲が計算条件と合っているかも確認します。


断面図では、建物との離れ、作業床幅、建地位置、庇やバルコニーとの干渉、地盤の高低差、敷地境界との関係を確認します。平面図や立面図では問題がないように見えても、断面図で見ると作業床から作業対象まで遠い、足場が境界に近すぎる、建物の出っ張りと干渉するといった問題が見つかることがあります。


計算書では、図面に示された足場条件と計算前提が一致しているかを確認します。高さ、スパン、幅、壁つなぎ間隔、養生材の有無、積載荷重、使用条件が図面と合っているかを見ます。計算そのものの専門的な確認は協力会社や有資格者が行うとしても、元請側は現場条件と計算前提がずれていないかを確認する必要があります。


現場条件との照合も欠かせません。図面は最新の建築図や配置図をもとに作成されているか、現地の地盤高低差や既存構造物、架空線、電柱、設備、外構、隣地建物、道路付属物が反映されているかを確認します。改修工事では既存図面と現況が違うことが多いため、現場写真や実測結果と照合します。


図面間の整合も重要です。平面図では足場が全周に描かれているのに、立面図では一部しかない、立面図の高さと計算書の高さが違う、平面図の昇降設備位置と施工計画書の位置が違うといった不整合は、提出前に修正します。社内フローでは、資料を個別に確認するのではなく、同じ項目を横断して照合することが有効です。


照合結果は、指摘事項として記録します。口頭で修正依頼をすると、どの図面のどこを直すのかが曖昧になりやすいです。図面番号、改訂日、指摘内容、対応者、修正期限、修正完了確認日を記録しておけば、提出前の確認漏れを減らせます。修正後は、最新図面が現場と申請資料の両方に反映されているかを確認します。


元請側が図面・計算書・現場条件を照合する目的は、協力会社の資料を疑うことではありません。現場全体の条件を最も把握している元請側が、協力会社の専門資料と現場実態をつなぐことが目的です。この照合フローがあることで、届出漏れだけでなく、施工時の手戻りや安全上の見落としも防ぎやすくなります。


5つ目は変更時に再判定するフロー

届出漏れを防ぐ社内フローの5つ目は、変更時に再判定することです。足場の88条申請で届出漏れが起きるのは、着工前だけではありません。工事途中の変更によって、当初は対象外だった足場が対象条件に近づいたり、申請済みの内容と実際の足場がずれたりすることがあります。変更時の再判定フローがなければ、現場判断で変更が進み、届出漏れや申請内容との不整合が発生する可能性があります。


再判定が必要になりやすい変更には、足場の増設、上部追加、張出し部の追加、つり構造への変更、設置期間の延長、養生範囲の拡大、壁つなぎ位置の変更、作業床の追加、昇降設備の移設、部分撤去、別工区足場との接続があります。これらは、足場の高さ、種類、構造、荷重条件、設置期間、安全対策に影響する可能性があります。


社内フローでは、どのような変更があったら再判定するのかを明確にしておく必要があります。現場担当者が「軽微な変更」と思っても、88条申請の対象条件や届出内容に影響する場合があります。判断に迷った場合は、安全担当者や仮設担当者に確認するルールにしておくと、現場判断だけで変更が進むことを防げます。


変更時の再判定では、まず変更内容を整理します。変更箇所はどこか、足場種類は変わるのか、最大高さは変わるのか、設置期間は延びるのか、既設足場と接続するのか、作業床や荷重条件は変わるのか、第三者動線に影響するのかを確認します。この情報が整理されていなければ、申請への影響を判断できません。


次に、当初の判断根拠と比較します。当初対象外とした理由が、高さ10m未満だったのか、設置期間60日未満だったのか、つり足場や張出し足場に該当しなかったのかを確認します。変更後にその条件が変わっていないかを見ます。当初の判断根拠が記録されていなければ、再判定に時間がかかります。


申請済みの足場で変更が発生した場合は、提出済み資料との整合を確認します。平面図、立面図、断面図、計算書、工程表、施工計画書のどこが変わるのかを確認し、必要に応じて資料を更新します。特に高さ、スパン、壁つなぎ、養生範囲、設置期間、昇降設備の位置が変わる場合は、資料間の整合を取り直します。


部分撤去時も再判定が必要です。足場を撤去するだけなら問題がないように見えますが、残った足場の端部、壁つなぎ、控え、作業床の連続性、昇降動線が変わる場合があります。残置部分を引き続き使用するなら、変更後の安全性を確認します。解体順序によっては、一時的に不安定な状態が生じる可能性もあります。


工程変更による設置期間延長は、届出漏れにつながりやすい変更です。現場では工期延長に意識が向き、足場の設置期間が延びたことが申請判断に影響するかどうかの確認が抜けることがあります。工程会議で足場解体日が変更された場合は、対象条件を再確認することを社内ルールにします。


変更時の再判定結果は、必ず記録します。変更前後の条件、再判定日、判定者、協力会社への確認内容、図面改訂の有無、申請への影響を残します。記録があれば、後からなぜ変更して問題ないと判断したのかを説明できます。変更時の再判定フローは、届出漏れ防止だけでなく、現場の安全管理にも直結します。


6つ目は記録を残して社内で再利用するフロー

届出漏れを防ぐ社内フローの6つ目は、記録を残して社内で再利用することです。足場の88条申請に関する確認を毎回ゼロから行っていると、担当者によって判断品質に差が出ます。過去の判断、図面修正、提出時の指摘、変更時の対応を記録として残し、次回の工事で活用できる仕組みを作ることが重要です。


記録として残すべき内容は、足場候補一覧、対象条件の判定結果、判定根拠、図面、計算書、工程表、協力会社との確認内容、提出日、控え、変更履歴、現場写真、点検記録、次回への注意点です。特に、対象外と判断した足場についても根拠を残すことが重要です。対象外の判断は記録されにくいですが、後から変更が発生した時に重要な情報になります。


記録は、現場ごとに保管するだけでなく、社内で検索しやすい形にしておくと有効です。似たような建物規模、足場種類、工期、改修内容の工事があった場合、過去の資料を参考にできます。もちろん、現場条件は毎回異なるため過去資料をそのまま使うことはできませんが、確認項目や注意点を引き継ぐことで、準備時間を短縮できます。


届出漏れを防ぐためには、社内審査の記録も重要です。誰が、いつ、どの資料を確認し、どの指摘を行い、どのように修正されたのかを残します。口頭確認だけでは、後から経緯を追えません。特に大きな現場や複数工区の現場では、担当者が途中で変わることもあるため、記録が引き継ぎ資料になります。


図面の改訂履歴も必ず残します。足場図面は、設計変更や工程変更に合わせて何度も修正されることがあります。最新版がどれか分からない状態になると、申請資料と現場配布資料が食い違う可能性があります。図面番号、改訂日、改訂内容、配布先を管理し、古い図面が現場で使われないようにします。


現場写真や位置情報の記録も有効です。足場を設置する前の現況、組立後の状態、増設箇所、変更箇所、壁つなぎや補強、昇降設備、資材置場、搬入経路、危険箇所を写真で残しておけば、後から状況を確認しやすくなります。改修工事や狭小地では、図面だけでは現場条件が伝わりにくいため、写真記録が特に役立ちます。


社内で再利用するためには、記録の形式を簡単にすることも大切です。細かすぎる様式は現場で運用されにくくなります。足場候補一覧、対象判定シート、変更時確認シート、提出前チェックシート、記録保管先を決めるだけでも、届出漏れ防止に大きく役立ちます。現場担当者が忙しい中でも続けられる仕組みにすることが重要です。


また、過去の届出漏れやヒヤリハットを社内で共有することも有効です。どの段階で見落としたのか、なぜ再判定が行われなかったのか、どの資料が不足していたのかを整理すれば、次回のフロー改善につながります。単にミスを責めるのではなく、仕組みとして防げるようにすることが大切です。


元請側の社内フローでは、記録を保管するだけでなく、次の現場で使うことまで考えます。足場の88条申請は、現場ごとに条件が異なる一方で、確認すべき流れには共通点があります。過去記録を社内資産として活用すれば、担当者の経験に頼りすぎず、安定した申請管理ができるようになります。


社内フローを形骸化させない運用の考え方

足場の88条申請で届出漏れを防ぐには、社内フローを作るだけでは不十分です。実際に現場で使われなければ、チェック表や手順書は形骸化します。重要なのは、現場担当者が忙しい中でも運用できる簡潔な仕組みにすることです。


まず、確認の入口を明確にします。足場を新設する時、増設する時、設置期間が延びる時、上部作業が追加される時、張出しやつり構造が検討される時、作業床や昇降設備を変更する時は、必ず88条申請への影響を確認するというルールを決めます。入口が明確であれば、現場担当者が迷った時に相談しやすくなります。


次に、責任者を明確にします。足場協力会社、現場代理人、安全担当者、仮設担当者、工事担当者のうち、誰が対象判定を取りまとめるのかを決めます。全員が気にしている状態は、実際には誰も責任を持っていない状態になりがちです。社内フローでは、取りまとめ担当と確認者を分けるとよいです。


フローは、工程会議や着工前会議に組み込むことが重要です。別の安全書類として単独管理すると、工程変更が反映されにくくなります。週次工程や月間工程を更新するたびに、足場の組立開始日、解体予定日、増設予定、変更予定を確認すれば、設置期間の延長や前倒しに気づきやすくなります。


協力会社との連携も社内フローに含めます。足場業者から図面や計算書を受け取るだけでなく、元請側から現場条件、工程、作業内容、第三者動線、資材置場、搬入経路を正しく伝えます。協力会社は、元請から提供された情報をもとに計画を作るため、元請側の情報整理が不十分だと、図面や計算書にも不足が出やすくなります。


また、提出前の最終確認を決めておくことも大切です。対象判定、提出期限、平面図、立面図、断面図、計算書、工程表、現場条件、変更予定の有無を確認します。提出直前に大きな不備が見つかると工程に影響するため、最終確認だけでなく、その前の中間確認も必要です。


社内フローを維持するには、現場で使いやすい管理表が有効です。足場候補一覧、対象条件、提出期限、資料受領状況、修正状況、変更時再判定を一つの管理表で見られるようにすると、確認漏れを防ぎやすくなります。複雑なシステムでなくても、項目が整理されていれば運用できます。


現況確認の精度を上げることも、届出漏れ防止に役立ちます。足場の高さや設置範囲、敷地境界、搬入経路、資材置場、危険箇所が曖昧だと、図面や対象判定にずれが生じます。現場写真や位置情報を活用して、協力会社と同じ情報を共有できる状態を作ることが大切です。


このような現況確認や記録管理には、LRTKのようなiPhone装着型GNSS高精度測位デバイスの活用が有効です。足場の設置予定位置、敷地境界、建物外周、地盤の高低差、搬入経路、資材置場、増設予定箇所、危険箇所などを高精度な位置情報付きで記録できれば、足場候補の洗い出し、図面照合、変更時の再判定、社内記録の共有がしやすくなります。足場の88条申請そのものを置き換えるものではありませんが、届出漏れを防ぐ社内フローを現場情報で支える実務ツールとして活用できます。


まとめ

88条申請と足場の届出漏れを防ぐには、担当者個人の注意力に頼るのではなく、社内フローとして確認手順を整えることが重要です。足場の対象条件は、種類、高さ、設置期間などで判断されますが、現場では複数の足場、部分足場、増設足場、専門工事業者が使う足場が混在します。これらを最初に洗い出せなければ、申請要否の判断そのものが抜けてしまいます。


1つ目のフローは、着工前に足場候補をすべて洗い出すことです。外部足場だけでなく、内部足場、吹抜け足場、設備用足場、部分足場、追加予定の足場まで一覧化します。2つ目は、対象条件を数値で確認することです。足場種類、最大高さ、基準面、設置期間、組立開始日、解体完了日を記録し、感覚ではなく根拠をもって判定します。


3つ目は、工程表から提出期限を逆算することです。足場の組立開始日を基準に、図面作成、計算書作成、元請確認、社内審査、修正対応、提出日を工程に組み込みます。4つ目は、図面、計算書、現場条件を照合することです。平面図、立面図、断面図、計算書、工程表が互いに整合し、実際の現場条件を反映しているかを確認します。


5つ目は、変更時に再判定することです。増設、上部追加、張出し部追加、設置期間延長、養生範囲変更、部分撤去、昇降設備変更が発生した場合は、対象条件や申請内容への影響を再確認します。6つ目は、記録を残して社内で再利用することです。対象判定、判断根拠、図面、計算書、工程表、変更履歴、現場写真を残しておけば、次回の工事や変更時の確認に活用できます。


社内フローを実際に機能させるには、確認の入口、責任者、工程会議での確認タイミング、協力会社との情報共有、提出前の最終確認、記録保管先を明確にすることが大切です。足場の88条申請は、書類提出だけの問題ではなく、現場の安全、工程、施工性、第三者対応に関わる管理業務です。社内で再現性のあるフローを整えれば、届出漏れや提出遅れ、施工時の手戻りを減らし、安全で効率的な足場計画につなげることができます。


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