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全国道路基盤地図等データベースの形式で迷わない5知識

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

全国道路基盤地図等データベースを業務で使おうとすると、最初に迷いやすいのが「どの形式を見ればよいのか」「表示されている地図と、手元で扱う図面や空間データをどうつなげればよいのか」という点です。道路基盤地図情報は、道路工事完成時の道路形状をもとに道路構造を表現した2次元のGISデータであり、道路台帳附図は道路法第28条で調製・保管が定められた道路台帳の図面です。全国道路基盤地図等データベースは、直轄国道等の道路基盤地図情報と道路台帳附図を一元的に管理する仕組みとして位置づけられています。Xroad


目次

全国道路基盤地図等データベースの形式を理解する前提

知識1 表示形式と業務利用形式を分けて考える

知識2 道路基盤地図情報と道路台帳附図の違いを押さえる

知識3 レイヤ構成と地物単位でデータを見る

知識4 座標・縮尺・重ね合わせ条件を確認する

知識5 更新時期と受け渡し形式を運用に組み込む

形式選びで失敗しない実務の進め方

まとめ


全国道路基盤地図等データベースの形式を理解する前提

全国道路基盤地図等データベースの形式を考えるとき、最初に押さえるべきことは、これは単なる一枚の地図画像ではなく、道路に関する複数種類の資料やデータを扱うための入口だという点です。実務担当者が検索するときには、「地図として見たい」「図面として確認したい」「GIS上で重ねたい」「CAD系の図面作成に使いたい」「台帳整備や照合作業の根拠にしたい」など、目的が混在しがちです。この目的の違いを整理しないまま形式だけを追いかけると、表示できるのに編集できない、重ねられるのに証明資料としては使えない、図面として読めるのに座標精度の判断ができない、といった迷いが生まれます。


全国道路基盤地図等データベースで扱う情報は、大きく見ると、道路基盤地図情報と道路台帳附図という二つの性格を持つ資料に分けて理解すると整理しやすくなります。道路基盤地図情報は、道路工事完成時の道路の形をもとに道路構造を表現した2次元のGISデータとして説明され、車道や距離標など複数の地物別にレイヤが区分されるものです。一方、道路台帳附図は、道路法上の道路台帳に関係する図面であり、道路管理実務の中で保管・参照されてきた図面資料としての性格が強いものです。Xroad


ここで重要なのは、どちらも「道路を表すデータ」ではあるものの、作られた目的、更新のされ方、読み取れる内容、業務で使う際の注意点が同じではないということです。道路基盤地図情報は、道路構造を空間データとして扱いやすい一方、すべての区間が常に同じ密度で整備されているとは限りません。道路基盤地図情報の国道データは、2006年度以降の道路工事等の成果物として納品された図面に基づくものとされ、道路工事がなかった区間などでは表示されない場合があると示されています。道路基盤地図


道路台帳附図についても、画面で閲覧できるからといって、現況や権利関係をそのまま確定できる資料として扱うのは危険です。道路台帳附図の記載内容は調製時のものであり、更新時期などの関係で道路形状が現況と異なる場合があること、道路区域の境界線は土地の境界や権利関係を表すものではないことが注意事項として示されています。道路基盤地図 そのため、形式を選ぶ前に、まず「何を確認するために使うのか」を明確にする必要があります。


実務では、閲覧、照合、編集、出力、納品、説明という段階ごとに必要な形式が変わります。画面上で道路区域や路線の概略を確認する段階では、閲覧しやすい形式が便利です。既存の道路台帳、測量成果、現地調査結果、工事完成図などと重ね合わせる段階では、座標を持つ空間データとして扱える形式が重要になります。関係者に説明する段階では、誰でも開きやすい図面形式や文書形式が有効です。最終的な保管や更新では、後から再利用できる編集可能な形式や属性情報を保持できる形式が求められます。


つまり、全国道路基盤地図等データベースの形式で迷わないためには、「どの形式が正しいか」ではなく、「どの目的に対して、どの形式が適しているか」を判断する姿勢が必要です。形式は単独で評価するものではなく、業務の流れ、確認対象、精度要件、関係者の利用環境、更新ルールと一体で考えるものです。この前提を持つだけで、データを見た瞬間の迷いはかなり減ります。


知識1 表示形式と業務利用形式を分けて考える

全国道路基盤地図等データベースを初めて扱うとき、多くの実務担当者が混同しやすいのが、画面で見える形式と、業務で加工・確認するための形式の違いです。ブラウザ上で道路基盤地図情報や道路台帳附図を確認できると、それだけで手元の業務にもそのまま使えるように感じます。しかし、閲覧できることと、編集できること、座標を保持したまま重ねられること、正式な確認資料として使えることは別の問題です。


表示形式は、利用者が内容をすばやく把握するためのものです。道路の位置、対象区間、図面の有無、作図範囲、道路構造の概略などを確認するには非常に有効です。地図画面上で対象箇所を探し、路線や区間を確認し、必要に応じて図面を開くという流れは、従来の紙資料や個別ファイルを探す作業よりも効率的です。特に、複数の区間を横断的に見る場合や、現地調査前に大まかな状況を把握する場合には、表示形式の利便性が大きくなります。


一方で、業務利用形式は、単に見るだけでなく、他の資料と照合したり、図面に取り込んだり、位置を比較したり、属性を確認したりするために必要です。たとえば、道路台帳付図の更新作業では、既存図面、現況測量、工事完成図、占用物件資料、境界確認資料などと突き合わせる場面があります。このとき、画面表示だけでは判断が難しく、座標、縮尺、線種、レイヤ、属性、作成時点、元資料の性格を確認できる形式が必要になります。


表示形式だけに頼ると、画面上では一致して見えるものの、拡大すると線の位置がずれている、印刷すると縮尺が変わってしまう、他の図面に取り込むと座標が合わない、といった問題が起こります。逆に、業務利用形式だけにこだわりすぎると、初期確認に時間がかかり、そもそも対象区間を探す作業が非効率になります。したがって、最初は表示形式で対象を絞り込み、その後に業務利用形式で正確に確認するという二段階の考え方が実務的です。


形式を分けて考える際には、「閲覧用」「確認用」「編集用」「保管用」「共有用」という区分を持つと便利です。閲覧用は、地図画面で場所や範囲を確認するための形式です。確認用は、図面として内容を読み取り、関係者間で同じ見た目を共有するための形式です。編集用は、CADやGISなどの汎用的な作図・空間処理環境で取り扱うための形式です。保管用は、将来の更新や監査に備えて元データの性格を残す形式です。共有用は、庁内外や委託先、現場担当者に誤解なく渡すための形式です。


この区分を持つと、形式選びの失敗が減ります。たとえば、現地調査班に渡す資料であれば、編集性よりも見やすさと位置の把握しやすさが重要になります。図面修正を委託する場合は、編集可能な線や面、レイヤ構成、座標情報の保持が重要になります。道路区域や幅員の説明資料として使う場合は、元資料の調製時点や注意事項を添えて、見た目だけで断定しない運用が必要です。


全国道路基盤地図等データベースの形式で迷う原因の多くは、この目的区分を省略してしまうことにあります。「使える形式はどれか」と聞く前に、「何に使う形式なのか」を決めることが先です。表示形式は入口として使い、業務利用形式は判断や加工のために使う。この切り分けができるだけで、データ取得後の混乱は大きく減らせます。


知識2 道路基盤地図情報と道路台帳附図の違いを押さえる

全国道路基盤地図等データベースの形式を理解するうえで、道路基盤地図情報と道路台帳附図の違いは避けて通れません。どちらも道路に関する情報ですが、同じ意味で使うと判断を誤ります。道路基盤地図情報は、道路構造を地物ごとに整理した2次元のGISデータとして使いやすい情報です。道路台帳附図は、道路台帳に関係する図面として、道路区域、路線、幅員、構造物、管理上必要な情報を読み取るための資料です。


道路基盤地図情報は、地図データとしての扱いやすさが特徴です。車道、歩道、分離帯、距離標、構造物などが地物単位で整理されていれば、道路空間を要素ごとに把握しやすくなります。線、面、点の違いを意識しながら見ることで、道路の中心線だけでは分からない構成を確認できます。道路管理、維持修繕、占用協議、交通安全対策、災害対応、工事計画など、さまざまな業務で基礎情報として使える可能性があります。


ただし、道路基盤地図情報は、現地のすべてを常に最新状態で網羅している万能データではありません。工事完成時の成果物をもとに整備される性格があるため、工事の有無、納品状況、更新時期、対象区間によって整備状況に差が出ることがあります。画面上にデータが表示されないからといって道路が存在しないわけではなく、逆にデータが表示されているからといって現況と完全に一致しているとも限りません。この点を理解せずに形式だけを見て判断すると、業務上の確認漏れにつながります。


道路台帳附図は、図面としての読み取りが中心になります。道路区域、幅員、路線の範囲、管理区間、距離標、付属施設などを確認する資料として役立ちます。ただし、道路台帳附図も調製時点の情報であり、現況と異なる場合があります。さらに、図面が紙から電子化されたもの、過去のCADデータを変換したもの、縮尺や用紙サイズの条件があるものなど、元資料の状態によって見え方や精度感が変わります。道路基盤地図


形式面で見ると、道路基盤地図情報は、地物とレイヤの構成を意識して扱う必要があります。道路台帳附図は、図面の読み取り条件、縮尺、作成年月、更新履歴、作図範囲を意識して扱う必要があります。つまり、道路基盤地図情報は「空間データとしてどう使うか」、道路台帳附図は「図面資料としてどう読むか」が重要になります。この違いを把握しておくと、同じ道路区間を確認していても、どちらの資料で何を判断すべきかが明確になります。


実務では、両者を対立させるのではなく、相互に補完させることが大切です。道路基盤地図情報で地物の位置や道路構成を把握し、道路台帳附図で管理上の記載内容や図面上の整理を確認する。そのうえで、現地測量や現地写真、管理者保管資料、工事完成資料と照合する流れが望ましいです。特に、境界、幅員、区域、構造物位置など、判断の重い項目では、一つの形式だけで結論を出さず、複数資料の整合性を見る必要があります。


「道路基盤地図情報があるから道路台帳附図はいらない」「道路台帳附図があるからGISデータは不要」と考えるのではなく、目的に応じて両方を見ることが現実的です。地物を扱うなら道路基盤地図情報、図面記載を確認するなら道路台帳附図、現況判断をするなら現地資料との照合。この三段階で考えると、形式選びに迷いにくくなります。


知識3 レイヤ構成と地物単位でデータを見る

全国道路基盤地図等データベースの形式を実務で扱ううえで、レイヤ構成と地物単位の理解は非常に重要です。道路を一枚の線として見るだけであれば、一般的な道路地図でもある程度の確認はできます。しかし、道路管理の実務では、車道、歩道、路肩、分離帯、法面、構造物、距離標、管理境界など、道路空間を構成する要素を分けて見る必要があります。形式を正しく読むとは、単にファイルの種類を知ることではなく、どの地物がどのレイヤに整理され、どの業務判断に使えるかを理解することです。


道路基盤地図情報では、地物ごとにレイヤが分かれる考え方が基本になります。たとえば、面として扱うべきもの、線として扱うべきもの、点として扱うべきものが混在します。面の地物は範囲や面積、道路空間の広がりを把握するのに向いています。線の地物は中心線、境界線、区画線、構造物の縁など、連続する形状を確認するのに向いています。点の地物は距離標や標識的な位置情報など、特定地点を把握するのに向いています。


この違いを無視すると、形式の扱いを誤ります。たとえば、面データを単なる輪郭線として扱ってしまうと、道路空間の広がりや重なりを正しく確認できません。線データを面の境界として過信すると、幅員や区域の判断を誤ることがあります。点データを路線全体の代表位置のように扱うと、距離や区間の解釈にずれが生じます。地物の種類は、データの意味そのものに関わるため、見た目だけで判断しないことが大切です。


レイヤ構成を見るときには、まず表示されている地物が何を表しているのかを確認します。同じ道路上に複数の線や面が表示されている場合、それぞれが道路区域、車道端、歩道、区画、構造物、距離標など、異なる意味を持つ可能性があります。見た目が似ていても、業務上の意味は異なります。特に、道路区域に関する線と、現地の構造物や舗装端を示す線は、同じように見えても判断の根拠が違います。


次に、レイヤの表示順と重なりを確認します。道路空間のデータでは、面、線、点が重なって表示されることがあります。表示順によって一部の地物が隠れたり、線が太く見えたり、境界が一致しているように見えたりすることがあります。画面上で一致して見えても、実際にはわずかなズレがある場合もあります。拡大縮小を変えながら確認し、必要に応じてレイヤを一つずつ表示して、地物ごとの位置関係を確認することが重要です。


また、属性情報の確認も欠かせません。地物の形状だけでなく、路線番号、区間、距離標、管理区分、作成時点、種別などの属性が付いている場合、図形と属性の整合を確認することで、データの使い方が明確になります。図形だけを取り込んで属性を見ないと、どの地物が何を意味するのか分からなくなり、後工程で修正や確認に時間がかかります。逆に、属性だけを見て図形の位置関係を確認しないと、実際の道路空間との対応が曖昧になります。


レイヤ構成と地物単位を理解しておくと、業務上の説明もしやすくなります。関係者に対して「この線は道路区域を示すものではなく、構造物の位置を示すものです」「この面は車道部分の表現であり、管理境界とは別に確認が必要です」と説明できれば、誤解を防げます。全国道路基盤地図等データベースの形式を使いこなすうえでは、ファイルを開けることよりも、開いた後に地物の意味を読み分ける力が重要です。


知識4 座標・縮尺・重ね合わせ条件を確認する

形式で迷わないための四つ目の知識は、座標、縮尺、重ね合わせ条件の確認です。全国道路基盤地図等データベースを実務で使う場合、既存の道路台帳、都市計画図、地籍関係資料、工事図面、測量成果、現地取得データなどと重ね合わせる場面が多くあります。このとき、データ形式が対応しているだけでは不十分です。座標の前提、縮尺の前提、作成時点、図面の変換履歴が合っていないと、重ね合わせ結果を正しく読めません。


まず確認すべきは、座標の扱いです。地図画面上では自然に重なって見えるデータでも、手元の作図環境やGIS環境に取り込むと位置がずれることがあります。原因としては、座標参照系の違い、測地系の違い、図面原点の扱い、単位の違い、変換時の丸め、元図の歪みなどが考えられます。道路台帳附図のように過去資料をもとにしている場合、元の図面が必ずしも現代の座標管理に完全対応しているとは限りません。


次に縮尺の確認が必要です。道路台帳附図は、原本の用紙サイズや縮尺に注意する必要があり、利用状況によっては正確な縮尺で表示・印刷されない場合があるとされています。道路基盤地図 これは、画面上の見た目や印刷物だけで距離や幅員を判断する危険性を示しています。特に、道路幅員、境界線、構造物位置、占用物件との離隔などを確認する場合は、画面上の長さをそのまま根拠にせず、元資料の縮尺条件と座標情報を確認する必要があります。


重ね合わせでは、背景地図との一致だけで判断しないことも重要です。背景地図は視覚的な位置把握には便利ですが、道路台帳附図や道路基盤地図情報の精度確認そのものを保証するものではありません。背景地図、航空写真、現地測量、道路基盤地図情報、道路台帳附図は、それぞれ作成目的も更新時期も異なります。ある資料とは一致していても、別の資料とはずれることがあります。そのズレが誤差なのか、更新時期の違いなのか、道路改良による現況変化なのかを見極める必要があります。


実務での確認では、基準点や距離標、交差点、橋梁、法定外の構造物ではなく道路管理上の基準になりやすい地点など、複数の確認点を使って重ね合わせの傾向を見るとよいです。一点だけが合っていても全体が合っているとは限りません。逆に、一点だけがずれていても全体が使えないとは限りません。道路は線状に長く続くため、区間の始点、中間点、終点、交差部、曲線部、構造物周辺など、複数箇所でズレの方向と大きさを確認することが大切です。


座標や縮尺の確認は、専門担当だけの作業に見えますが、実は発注者、道路管理者、設計担当、調査担当、現場担当の全員に関係します。なぜなら、重ね合わせの前提を共有していないと、同じ図面を見ていても判断が分かれるからです。ある人は「道路区域線が現況舗装とずれている」と考え、別の人は「元図の縮尺や変換の影響だ」と考えるかもしれません。形式を扱う段階で、座標と縮尺の前提を明記しておけば、後工程の手戻りを減らせます。


形式選びでは、開ける形式かどうかだけでなく、座標情報を保持できるか、縮尺条件を説明できるか、他資料との重ね合わせに使えるか、変換後に図形や属性が崩れないかを確認します。特に、編集用に変換したデータを再度保管する場合は、元データ、変換後データ、編集後データを区別して管理することが重要です。どの段階でどの座標条件になったのかが分からなくなると、後から精度確認ができなくなります。


知識5 更新時期と受け渡し形式を運用に組み込む

全国道路基盤地図等データベースの形式で迷わないためには、更新時期と受け渡し形式を運用に組み込むことが欠かせません。データ形式は、取得した瞬間だけの問題ではありません。取得後に誰が確認し、誰が修正し、誰が承認し、どの状態を正本として保管し、次回更新時に何を引き継ぐのかまで決めておかないと、形式の違いがそのまま業務の混乱につながります。


道路に関する情報は、時間の影響を強く受けます。道路改良、舗装修繕、交差点改良、歩道整備、構造物補修、占用物件の移設、区域変更、管理移管などによって、現況や管理情報は変化します。全国道路基盤地図等データベースで確認できる情報も、元資料の作成時点や提出時点、更新時期の影響を受けます。したがって、形式を選ぶときには、データの種類だけでなく、そのデータがいつの状態を表しているのかを確認する必要があります。


受け渡し形式では、相手が何をするのかを基準に決めることが重要です。閲覧だけでよい相手には、見た目が崩れにくく、開きやすい形式が向いています。図形を編集する相手には、線や面、レイヤ、座標、属性を保持できる形式が必要です。照合を行う相手には、元資料の説明、縮尺、座標条件、作成時点、注意事項を一緒に渡す必要があります。保管を担当する部署には、変換前の元データ、確認済みデータ、修正履歴を区別して渡す必要があります。


よくある失敗は、確認用に出力した形式を編集用として使ってしまうことです。見た目を固定するための形式は、関係者間で同じ内容を確認するには便利ですが、図形や属性を正しく編集する用途には向かない場合があります。逆に、編集用の形式をそのまま説明資料として渡すと、相手の環境によって表示が変わったり、不要なレイヤまで見えてしまったり、誤って編集されるおそれがあります。形式には役割があり、役割を越えて使う場合には注意が必要です。


更新運用では、ファイル名やフォルダ分けだけに頼らず、データの状態を記録することが大切です。たとえば、取得日、対象路線、対象区間、元資料の種類、変換の有無、座標条件、確認者、修正者、確認結果、未確認事項などを記録しておくと、後から再確認しやすくなります。道路管理の実務では、数か月後や数年後に同じ区間を再確認することがあります。そのとき、過去にどの形式で何を確認したのかが分からないと、同じ作業を繰り返すことになります。


また、委託業務で全国道路基盤地図等データベースを使う場合は、発注段階で受け渡し形式を明確にしておくべきです。成果品として必要なのは、図面として見られる資料なのか、編集可能なデータなのか、属性付きの空間データなのか、確認記録なのか、現地調査結果との照合表なのかを整理します。ここが曖昧なまま業務を進めると、納品直前に形式の再変換や追加整理が必要になり、精度確認や説明責任にも影響します。


更新時期と受け渡し形式は、地味ですが実務では非常に大きな意味を持ちます。形式の迷いは、最初のデータ取得時だけでなく、後から誰かがそのデータを再利用するときに表面化します。だからこそ、取得時点で「この形式は何のために使うのか」「いつの情報なのか」「どの形式を正本として残すのか」「変換後のデータはどこまで信用できるのか」を決めておくことが重要です。


形式選びで失敗しない実務の進め方

全国道路基盤地図等データベースを実務で使うときは、いきなり形式を選ぶのではなく、確認目的から逆算する進め方が効果的です。最初に、対象業務が道路管理、台帳更新、現地調査、設計照合、占用協議、境界確認、維持修繕、説明資料作成のどれに近いのかを整理します。同じデータでも、目的によって見るべき項目や必要な形式は変わります。


次に、対象区間を明確にします。道路は延長が長く、区間ごとに整備状況や資料の有無が変わることがあります。路線名だけでなく、起点側、終点側、距離標、交差点名、橋梁名、管理区間、工区など、複数の手がかりで対象範囲を絞り込みます。対象範囲が曖昧なまま形式を選ぶと、必要のないデータを大量に取得したり、肝心な区間を見落としたりします。


そのうえで、まず表示形式で概略を確認します。対象区間に道路基盤地図情報があるか、道路台帳附図があるか、作図区間がどのように示されているか、周辺の道路や交差点との関係がどうなっているかを確認します。この段階では、精密な判断よりも、必要資料の有無と範囲の把握が目的です。画面で確認した内容は、後で再確認できるように、対象区間、確認日、確認者、気づいた点を記録しておくとよいです。


次に、図面として読むべき資料と、空間データとして扱うべき資料を分けます。道路台帳附図は、図面記載を確認する資料として扱い、縮尺や調製時点に注意します。道路基盤地図情報は、地物やレイヤを確認する資料として扱い、座標や属性の扱いに注意します。この段階で、どちらの資料を主に使うのかを決めるのではなく、何をどちらで確認するのかを分けることが大切です。


続いて、手元の資料と照合します。既存の道路台帳、過年度成果、測量図、現地写真、工事資料、補修履歴、占用資料などがある場合は、全国道路基盤地図等データベースの情報と重ねて確認します。ここで重要なのは、ズレを単純に誤りと決めつけないことです。ズレには、作成時期の違い、座標変換の違い、元図の縮尺、現況変化、図化方法の違いなど、複数の原因があります。ズレを見つけたら、位置、方向、大きさ、対象地物、関係資料を記録して、判断材料を増やします。


最後に、成果として残す形式を決めます。現地調査用、庁内確認用、委託先作業用、説明用、保管用では、最適な形式が異なります。現地調査用には、位置が分かりやすく、必要な注記が入った資料が向いています。庁内確認用には、元資料との関係や注意事項が分かる資料が必要です。委託先作業用には、編集可能なデータと仕様説明が必要です。説明用には、誤解を招かない見た目と補足文が重要です。保管用には、元データと変換後データ、確認記録を分けて残すことが求められます。


この流れを定着させると、形式選びは個人の経験に頼る作業ではなくなります。誰が担当しても、目的確認、対象区間の整理、表示確認、資料分類、照合、成果形式の決定という流れで判断できます。全国道路基盤地図等データベースは便利な入口ですが、実務で価値を出すには、入口から成果物までの流れを設計することが必要です。


まとめ

全国道路基盤地図等データベースの形式で迷わないためには、ファイルの種類や画面の見え方だけを追うのではなく、目的、資料の性格、レイヤ構成、座標条件、更新運用を一体で考えることが大切です。道路基盤地図情報は、道路構造を地物単位で把握しやすい2次元のGISデータとして活用できます。道路台帳附図は、道路台帳に関係する図面資料として、管理上の記載内容を確認するために役立ちます。ただし、どちらも現況や権利関係を単独で確定する万能資料ではありません。


実務担当者が最初に行うべきことは、どの形式が正しいかを探すことではなく、何を確認したいのかを明確にすることです。閲覧したいのか、図面として読みたいのか、重ね合わせたいのか、編集したいのか、保管したいのかによって、必要な形式は変わります。表示形式と業務利用形式を分け、道路基盤地図情報と道路台帳附図の違いを押さえ、レイヤと地物の意味を読み取り、座標や縮尺の前提を確認し、更新時期と受け渡し形式を運用に組み込むことが、形式で迷わないための基本です。


特に道路管理の現場では、データベース上の情報と現地の状況をつなぐ作業が重要になります。画面上で確認した道路区域、幅員、構造物、作図区間などは、現地調査や測量成果と照合してこそ実務判断に使いやすくなります。そこで、現地で取得する位置情報の精度や記録方法もあわせて整えると、データベースの活用効果は高まります。道路台帳附図の確認、道路基盤地図情報との照合、現地写真や点検記録の整理を進める際には、LRTK(iPhone装着型GNSS高精度測位デバイス)を活用することで、現地で得た高精度な位置情報を道路管理資料と結び付けやすくなります。全国道路基盤地図等データベースを画面上で見るだけに終わらせず、現地確認、更新判断、資料整理まで一連の業務に生かすことが、これからの道路管理実務では重要です。


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