目次
• 88条申請の着工前スケジュールは逆算で組むことが重要です
• 手順1 対象工事に該当するかを最初に確認する
• 手順2 14日前と30 日前のどちらが関係するかを整理する
• 手順3 着工日ではなく対象作業開始日を確定する
• 手順4 必要書類と担当者を洗い出す
• 手順5 図面と施工計画の確定日を決める
• 手順6 社内確認と協力会社確認の日程を組み込む
• 手順7 提出日と変更時の再確認日を設定する
• 着工前スケジュールを組むときの実務上の注意点
• 現場確認をスケジュールに組み込む意味
• まとめ
88条申請の着工前スケジュールは逆算で組むことが重要です
88条申請の着工前スケジュールを組むときは、工事開始日から逆算して、申請対象の確認、必要書類の準備、図面と施工計画の確定、関係者確認、提出前チェック、提出完了までを工程に入れることが重要です。「88条申請 何日前」と検索する実務担当者の多くは、提出期限だけでなく、実際にいつから準備すれば遅れないのか、着工前にどの順番で資料をそろえればよいのかを知りたい状況にあります。
88条申請は、労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出として扱われるもので、対象となる工事や設備、作業内容に応じて、仕事の開始日の14日前まで、または工事開始の30日前までといった期限が関係します。一定の建設工事では仕事の開始日の14日前までの届出が関係し、一定の建設物や機械等の設置、移転、主要構造部分の変更などでは30日前までの届出が関係する場合があります。
ここで大切なのは、14日前や30日前を準備開始日だと考えないことです。これらは提出期限であり、書類作成や関係者確認を始める日ではありません。提出期限までに書類 を完成させるには、その前に現地確認、図面整理、施工計画作成、協力会社資料の回収、安全衛生対策の確認、社内承認、提出前チェックが必要です。
着工前スケジュールを組まずに進めると、提出期限直前に資料不足が見つかることがあります。図面が古い、施工方法が未確定、協力会社から作業手順が届いていない、資格者情報が不足している、安全担当者の確認が終わっていない、といった状況です。こうした不備は、提出期限を知っていても、工程に申請準備を入れていなければ起こります。
また、88条申請では、工程表上の着工日だけでなく、実際に対象作業が始まる日を確認する必要があります。本体工事の前に、仮設、足場、解体準備、重機搬入、資材搬入、仮囲い、作業ヤード整備などが始まる場合があります。その中に届出対象に関係する作業が含まれている場合、提出期限の基準日は本体工事の着工日より前になる可能性があります。
そのため、着工前スケジュールは、単に「提出日を決める」だけでは不十分です。対象作業開始日を基準に、暦日上の提出期限を確認し、さらに土日祝日、閉庁日、社内休業日、協力会社の稼働日を考慮して、実際に提出できる日を設定します。加えて、提出日より前に社内完成日を置くことで、修正や追加確認に対応できる余裕を作ります。
本記事では、88条申請の着工前スケジュールを組む手順を7つに分けて解説します。提出期限を守るだけでなく、現場実態に合った施工計画と安全衛生対策を整え、着工前の手戻りを減らすための実務的な進め方として活用できます。
手順1 対象工事に該当するかを最初に確認する
88条申請の着工前スケジュールを組む最初の手順は、対象工事に該当するかを確認することです。対象かどうかが分からないまま工程を組むと、後から届出が必要だと判明したときに、提出期限に間に合わない可能性があります。着工日を決める前、または着工日が仮決定された段階で、まず対象性を確認します。
対象工事の確認では、工事件名だけで判断しないことが重要です。同じ改修工事、設備工事、解体工事、土木工事であっても、作業の規模、構造、作業高さ、掘削深さ、仮設物、使用機械、危険有害作業の有無によって、届出の要否や期限が変わる場合があります。工事件名ではなく、実際に何を、どこで、どのような方法で行うのかを分解して確認します。
たとえば、工程表では準備工と書かれている作業の中に、仮設物の設置や重機作業が含まれていることがあります。また、設備工事の中に、機械等の設置、移転、主要構造部分の変更が含まれる場合もあります。こうした内容は、工事名だけでは分かりにくいため、施工計画や作業内容を具体的に確認する必要があります。
対象性の確認は、現場担当者、施工管理担当者、安全衛生担当者、必要に応じて協力会社の担当者を交えて行うのが確実です。現場担当者は実際の作業内容を把握していますが、法令上の届出要否をすべて判断できるとは限りません。安全衛生担当者は届出の観点を把握していますが、現場の細かい工程を知らない場合があります。両者の情報を合わせることで、見落としを減らせます。
過去に類似工事で88条申請を行った実績がある場合は、過去の書類を参考にできます。ただし、過去書類をそのまま当てはめるのは危険です。今回の工事では作業範囲、規模、施工方法、使用機械、仮設条件、現場条件が異なる可能性があります。過去の届出実績は参考資料として使い、今回の工事条件で改めて確認します。
対象工事に該当するかを早期に確認すれば、その後のスケジュールを現実的に組めます。該当する場合は、提出期限、必要書類、関係者確認、提出先をすぐに整理します。該当しない場合でも、判断根拠を社内で共有しておくと、後から確認を求められたときに説明しやすくなります。
着工前スケジュールの出発点は、対象工事かどうかの確認です。この判断が遅れると、すべての準備が後ろ倒しになります。まず対象性を確認し、その結果に応じて申請準備の工程を組むことが、期限超過を防ぐための第一歩です。
手順2 14日前と30日前のどちらが関係するかを整理する
対象工事に該当する可能性がある場合は、次に14日前と30日前のどちらの期限が関係するかを整理します。88条申請では、一定の建設工事で仕事の開始日の14日前までの届出が関係する場合があり、一定の建設物や機械等の設置、移転、主要構造部分の変更などで30日前までの届出が関係する場合があります。大規模な建設工事などでは提出先や期限の扱いが異なることもあります。
実務で起こりやすいミスは、「88条申請は14日前」とだけ覚えて、30日前の可能性を見落とすことです。14日前提出だと思ってスケジュールを組んでいたところ、実際には30日前の届出が必要だったと分かれば、すでに期限に間に合わない可能性があります。特に、設備や機械の設置、移転、主要構造部分の変更が関係する場合は、早い段階で期限区分を確認する必要があります。
期限区分を確認する際は、工事の種類、設備の内容、機械の種類、仮設物の内容、作業規模、構造物の条件を整理します。建設工事としての届出なのか、機械 や設備の設置に関係する届出なのかによって、必要な資料や確認内容も変わります。どちらに該当するか迷う場合は、社内の安全衛生担当者や関係窓口に早めに相談できるよう、スケジュールに確認期間を入れておきます。
14日前と30日前の違いは、単なる日数の違いではありません。準備に必要な期間、図面や施工計画の確定日、関係者確認の締切、社内承認のタイミングが大きく変わります。30日前までの提出が必要な場合、工事開始の30日前に書類作成を始めるのでは遅く、45日前から60日前程度の準備期間を見ておく方が安全です。
14日前までの提出が必要な場合でも、実務上は工事開始予定日の30日前から準備を始めるのが望ましいです。14日前は提出期限であり、準備開始日ではありません。図面作成、施工計画、協力会社資料、社内確認、修正、提出前チェックを考えると、2週間では不足することがあります。
期限区分を整理したら、工程表に暦日上の提出期限と実際の提出予定日を分けて記載します。暦日上の提出期限は、対象作業開始日から14日前または30日前を逆算した日です。実際の提出予定日は、土日祝日、閉庁日、社内休業日、確認者の稼働日を考慮して、その期限より前に設定します。
この段階で、提出期限だけでなく、社内完成日も決めておくと後工程が安定します。社内完成日は、提出期限より数日前に設定し、不備や修正があっても対応できる余裕を作ります。14日前と30日前のどちらが関係するかを早めに整理することで、着工前スケジュール全体の精度が高まります。
手順3 着工日ではなく対象作業開始日を確定する
88条申請の着工前スケジュールを組むうえで、必ず確認すべきなのが対象作業開始日です。工程表上の着工日と、88条申請の提出期限を計算する基準日は、必ずしも一致しません。着工日だけを基準にしてスケジュールを組むと、届出対象に関係する作業が先に始まり、提出期限を誤る可能性があります。
現場では、本体工事の前に、仮設、足場設置、解体準備、重機搬入、資材搬入、仮囲い、測量、作業ヤード整備などが行われることがあります。これらの作業が単なる準備に見えても、その中に届出対象に関係する内容が含まれていれば、対象作業開始日として扱う必要がある場合があります。
たとえば、工事全体の着工日は月曜日でも、前週に協力会社が現場入りして仮設や足場の準備を始めることがあります。また、工程表では準備工とだけ書かれていても、その中に重機作業や危険作業が含まれることがあります。このような場合、本体工事の着工日を基準に14日前や30日前を計算すると、実際の対象作業に対して遅れるおそれがあります。
対象作業開始日を確定するには、工程表を作業単位に分解します。準備工、仮設工、搬入、設置、解体、組立、撤去などの各作業について、届出対象に関係するものがないかを確認します。工程表が大まかな場合は、現場責任者や協力会社に実際の作業開始日を確認します。
また、協力会社の現場入り 日も重要です。元請側の着工日より前に協力会社が対象作業に関係する準備を行う場合、その日が提出期限の基準になる可能性があります。元請の工程表だけでなく、協力会社の作業予定も確認しておくことが大切です。
実務では、工程表に「申請基準日」を設定すると管理しやすくなります。申請基準日とは、88条申請の期限を逆算するために使う対象作業開始日です。着工日とは別に申請基準日を明示しておけば、工程変更があったときにも、提出期限への影響を判断しやすくなります。
対象作業開始日が確定したら、その日から14日前または30日前を暦日で逆算します。そのうえで、土日祝日や閉庁日を確認し、実際の提出予定日を前倒しで設定します。対象作業開始日を正しく押さえることは、着工前スケジュール全体の基礎になります。
手順4 必要書類と担当者を洗い出す
対象工事、提出期限、対象作業開始日を確認したら、次に必要書類と担当者を洗い出します。88条申請は、届出様式だけで完了するものではありません。工事概要、工程表、図面、施工計画、安全衛生対策、使用機械、資格者情報、協力会社資料など、工事内容に応じた複数の資料が必要になります。
必要書類を洗い出す際は、今回の工事の内容に合わせて確認します。配置図、平面図、立面図、断面図、仮設計画図、作業範囲図、機械配置図、搬入経路図、作業手順書、施工体制表、安全衛生計画、資格者情報などが関係する場合があります。どの資料が必要になるかは、工事の種類や届出内容によって変わります。
ここで重要なのは、書類名だけでなく、誰が作成し、誰が確認し、いつまでに提出するかを決めることです。担当者が曖昧な資料は、期限直前まで誰も動かないことがあります。図面は設計担当者、施工方法は施工管理担当者、作業手順は協力会社、安全対策は安全衛生担当者、現場条件は現場担当者が確認するなど、役割を明確にします。
協力会社から受け取る資料は、早めに依頼します。作業手順、使用機械、資格者、作業人員、施工体制、仮設計画などは、協力会社側の確認や承認が必要な場合があります。提出期限直前に依頼すると、資料が間に合わない、内容が標準版のままで現場条件に合っていない、修正依頼の時間が足りないといった問題が起こります。
また、必要書類の洗い出しでは、過去書類の流用に注意します。過去の類似工事の資料を参考にすることは有効ですが、工事件名、場所、日付、作業範囲、使用機械、仮設計画、危険箇所、安全対策が今回の現場に合っているかを必ず確認します。過去資料をそのまま使うと、古い情報が残る可能性があります。
必要書類を一覧化したら、提出期限から逆算して各資料の締切を設定します。14日前までの提出が必要な場合でも、書類一式は提出期限の数日前にそろっている必要があります。30日前までの提出が関係する場合は、さらに早く資料を集めます。資料がそろった後にも確認と修正が必要であることを忘れてはいけません。
必要書類と担当者を早めに洗い出すことで、申請準備の遅れを防げます。着工前スケジュールでは、書類を作る作業だけでなく、情報を集める作業、確認する作業、修正する作業まで見込んでおくことが大切です。
手順5 図面と施工計画の確定日を決める
88条申請の着工前スケジュールでは、図面と施工計画の確定日を必ず決めます。提出期限に間に合わない原因として多いのは、申請書そのものではなく、添付図面や施工計画が未確定であることです。提出日だけを決めても、図面と施工計画が固まっていなければ、申請書類は完成しません。
図面には、配置図、作業範囲図、仮設計画図、機械配置図、搬入経路図、立面図、断面図などが関係します。これらは、施工方法や安全衛生対策を説明するための重要な資料です。現場実態と合わない図面、古い版の図面、仮設計画が反映されていない図面を使うと、提出後に修正が必要になる可能性があります。
施工計画では、作業の順序、使用機械、作業人員、仮設物、搬入方法、資材置場、重機配置、立入禁止範囲、安全設備などを整理します。施工計画が曖昧なままでは、安全衛生対策も具体化できません。どの作業でどのような危険があり、どの対策を講じるのかを明確にするには、施工方法が固まっている必要があります。
図面と施工計画の確定日を決める際は、提出期限から逆算します。14日前までの提出が必要な場合でも、対象作業開始日の21日前前後には主要な図面と施工計画の原案をそろえておくと、確認と修正の時間を確保できます。30日前までの提出が関係する場合は、さらに前倒しで確定日を設定します。
現地確認もこの段階に組み込みます。図面上では問題がないように見えても、現場では搬入経路が狭い、作業ヤードが不足している、架空線が近い、既設構造物が支障になる、第三者動線と重なるといった問題が見つかることがあります。現地確認が遅れると、図面修正と施工計画修正が提出直前に発生する可能性があります。
図面と施工計画の版数管理も重要です。複数の修正版がある場合、どれが最新か分からなくなることがあります。ファイル名、作成日、版数、変更内容を整理し、申請に使用する提出版を明確にします。提出後に現場で使用する図面と、申請に添付した図面が違うと、着工前の安全打合せでも混乱します。
図面と施工計画の確定日は、着工前スケジュールの中でも重要な節目です。この日が遅れると、社内確認、協力会社確認、提出前チェック、提出日がすべて後ろ倒しになります。提出期限を守るためには、図面と施工計画の確定日を早めに設定し、現地確認と修正期間を含めて管理することが必要です。
手順6 社内確認と協力会社確認の日程を組み込む
88条申請の着工前スケジュールでは、社内確認と協力会社確認の日程を必ず組み込みます。書類を作成しただけでは提出できません。現場責任者、安全衛生担当者、施工管理担当者、設計担当者、協力会社などが内容を確認し、必要に応じて修正する時間が必要です。
社内確認では、対象工事の判断、提出期限、対象作業開始日、工事概要、図面、施工計画、安全衛生対策、使用機械、資格者情報、添付書類の有無を確認します。現場責任者は施工実態との整合を確認し、安全衛生担当者は危険源と対策を確認します。施工管理担当者は工程や作業手順との整合を見ます。それぞれの確認観点が異なるため、確認者を明確にすることが大切です。
協力会社確認では、実際の作業手順、使用機械、作業人員、資格者、施工体制、仮設計画が申請書類と合っているかを確認します。協力会社から提出された資料が標準版のままで、今回の現場条件が反映されていないことがあります。その場合は、現場固有の危険箇所や作業条件を追記してもらう必要があります。
確認日程は、初回確認と最終確認に分けて設定すると効果的です。初回確認では、図面、施工方法、安全対策の方向性を確認します。ここで大きな修正が必要になっても、提出期限までに対応できるようにします。最終確認では、修正内容、添付漏れ、日付、提出先、提出方法、控え管理を確認します。
提出期限直前に初回確認を行うのは避けるべきです。提出期限当日に不備が見つかっても、協力会社資料の差し替えや図面修正、安全対策の追記に対応できない可能性があります。14日前までの提出が関係する場合でも、提出期限の数日前には最終確認を終えておく必要があります。
また、社内確認者や協力会社の稼働日も考慮します。土日祝日、社内休業日、担当者の出張や不在、協力会社の休業日があると、確認や修正が進みません。期限計算では暦日だけでなく、実際に確認できる営業日を確保します。
確認依頼をするときは、何を確認してほしいのかを明確にします。単に「確認お願いします」と伝えるだけでは、確認範囲が人によって変わり、見落としが発生しやすくなります。施工方法、図面、対象作業開始日、安全対策、使用機械、資格者など、確認項目を具体的に伝えることで、確認の質が上がります。
社内確認と協力会社確認の日程をスケジュールに入れることで、提出前の停滞を防げます。88条申請は、作成よりも確認と修正に時間がかかることがあります。確認工程を前倒しで確保することが、着工前スケジュールを安定させるポイントです。
手順7 提出日と変更時の再確認日を設定する
最後に、提出日と変更時の再確認日を設定します。88条申請の着工前スケジュールでは、提出期限だけでなく、実際に提出する日を前倒しで決めることが重要です。14日前や30日前は提出が完了しているべき期限であり、その日に書類を完成させる考え方では余裕がありません。
提出日は、暦日上の提出期限より前に設定します。たとえば、14日前までの提出が必要な場合でも、15日前や16日前、可能であればさらに前に提出できるようにします。提出期限が土日祝日や閉庁日に近い場合は、前の開庁日までに提出できるよう、さらに前倒しします。
提出方法もスケジュールに影響します。窓口へ持参する場合は、開庁日、開庁時間、移動時間を確認します。郵送の場合は、発送日ではなく到達や受付のタイミングを意識します。電子申請の場合でも、添付ファイル、入力内容、社内アカウント、承認手続き、システム利用準備を確認します。どの方法でも、期限当日に初めて提出作業を行うのは避けるべきです。
提出前チェック日も提出日より前に設定します。届出様式、添付図面、施工計画、安全衛生対策、資格者情報、協力会社資料、日付、提出先、提出方法、控え保管先を確認します。作成者だけでなく、別の担当者が確認することで、日付の誤りや添付漏れを見つけやすくなります。
さらに重要なのが、変更時の再確認日を設定しておくことです。建設現場では、工程、施工方法、使用機械、仮設計画、協力会社、作業範囲が変更されることがあります。変更が発生した場合、申請内容に影響するかどうかを確認する必要があります。提出前であれば書類修正が必要になり、提出後であっても計画と現場実態の整合を確認する必要があります。
特に、対象作業開始日の前倒しには注意が必要です。対象作業が前倒しになると、14日前や30日前の提出期限も前倒しになります。すでに組んだスケジュールが使えなくなる可能性があるため、工程変更時には日数計算をやり直します。
変更時の再確認では、対象作業開始日、提出期限、図面、施工計画、安全衛生対策、協力会社資料、資格者情報を見直します。変更内容が軽微に見えても、安全対策や添付図面に影響することがあります。誰が影響確認を行い、誰が修正し、誰が最終確認するのかを決めておくと、変更時の混乱を減らせます。
提出日と変更時の再確認日を設定することで、着工前スケジュールは完成します。提出して終わりではなく、着工まで計画と現場実態が合っているかを確認し続けることが、88条申請を実務に活かすうえで重要です。
着工前スケジュールを組むときの実務上の注意点
88条申請の着工前スケジュールを組むときは、日付だけでなく、実際に作業できる日を意識する必要があります。14日前や30日前を暦日で逆算しても、提出先の閉庁日、土日祝日、社内休業日、協力会社の休業日が重なると、実務上の作業可能日は少なくなります。
まず、暦日上の提出期限と、実際の提出予定日を分けて管理します。暦日上の提出期限は、対象作業開始日から14日前または30日前を逆算した日です。実際の提出予定日は、その期限より前の開庁日や営業日に設定します。期限日が休日に当たる場合は、前倒しが必要です。
次に、社内完成日を提出予定日より前に設定します。社内完成日とは、届出様式、添付図面、施工計画、安全衛生対策、協力会社資料がそろい、提出前チェックができる状態になる日です。提出予定日と社内完成日が同じだと、不備が見つかったときに対応できません。
また、初回確認日と最終確認日を分けることも重要です。初回確認では、施工方法、図面、安全対策の大枠を確認します。最終確認では、修正反映、添付漏れ、日付、提出方法を確認します。初回確認と最終確認を同じ日にすると、修正時間が不足しがちです。
着工前スケジュールでは、現地確認の日程も必ず入れます。図面上では問題がないように見えても、現場では搬入経路が狭い、架空線が近い、既設構造物が支障になる、第三者動線と重なる、作業ヤードが不足するといった問題が見つかることがあります。現地確認が遅れると、図面や施工計画の修正が提出直前に発生します。
協力会社の資料提出期限も前倒しで設定します。協力会社からの初回提出後に、内容確認や修正依頼が発生することを前提にします。標準手順書のままでは現場条件に合わない場合や、資格者情報、使用機械、作業人員が不足している場合があります。再提出まで見込んだ日程にすることが大切です。
さらに、着工前スケジュールは一度作って終わりではありません。工程変更、施工方法変更、協力会社変更、使用機械変更が起きた場合は、スケジュールを更新します。特に対象作業開始日が前倒しになる場合は、提出期限も前倒しになるため、すぐに日数計算をやり直します。
実務上は、工程表に88条申請のタスクを正式に入れることが有効です。対象確認、期限区分確認、対象作業開始日確認、必要書類洗い出し、図面確定、施工計画確定、協力会社資料回収、社内確認、修正、提出前チェック、提出完了を工程表に入れます。これにより、申請準備が担当者個人の頭の中だけで管理される状態を避けられます。
現場確認をスケジュールに組み込む意味
88条申請の着工前スケジュールでは、現場確認を早い段階で組み込むことが重要です。申請書類は机上で作成できますが、内容が現場実態に合っていなければ、着工後に手戻りや安全上の問題が生じます。現場確認は、申請書類の品質を高めるための重要な工程です。
現場確認では、作業範囲、搬入経路、資材置場、重機配置、仮設物の位置、立入禁止範囲、第三者動線、既設構造物、架空線、埋設物、高低差、地盤条件、周辺道路などを確認します。これらは、施工計画や安全衛生対策に直接関係します。
図面だけでは、現場の細かな条件を把握できないことがあります。たとえば、図面上では十分な作業スペースがあるように見えても、実際には既設設備や資材、段差、通路制限がある場合があります。搬入経路が図面上では確保されていても、実際には車両の進入が難しいことがあります。このような情報は、現場を確認しなければ分かりません。
現場確認を早めに行えば、図面や施工計画の修正時間を確保できます。提出期限直前に現地確認を行うと、問題が見つかっても修正する時間がありません。14日前までの提出が関係する場合でも、対象作業開始予定日の30日前前後には現地確認の段取りを進めるのが望ましいです。30日前までの提出が関係する可能性がある場合は、さらに前倒しします。
現場確認の結果は、写真、位置情報、図面への書き込み、メモとして残します。口頭だけで共有すると、関係者間で認識がずれることがあります。危険箇所、作業範囲、搬入経路、仮設位置を記録しておけば、施工計画や安全衛生対策に反映しやすくなります。
また、現場確認は対象作業開始日の確認にも役立ちます。工程表では準備工とされている作業が、実際には届出対象に関係する場合があります。現場で何をいつ始めるのかを確認することで、日数計算の基準日を正確に設定できます。
現場確認をスケジュールに組み込むことは、書類のためだけではありません。着工前の安全打合せ、協力会社説明、作業員への注意喚起にもつながります。88条申請の提出書類と現場作業を一致させるためには、現場確認を早めに行い、その結果を図面と施工計画に反映することが必要です。
まとめ
88条申請の着工前スケジュールを組むには、対象工事の確認から始め、14日前と30日前のどちらが関係するかを整理し、着工日ではなく対象作業開始日を確定することが重要です。そのうえで、必要書類と担当者を洗い出し、図面と施工計画の確定日を決め、社内確認と協力会社確認の日程を組み込み、提出日と変更時の再確認日を設定します。
88条申請では、14日前や30日前という期限だけを覚えていても十分ではありません。これらは提出期限であり、準備開始日ではありません。書類作成、図面整理、施工計画、安全衛生対策、協力会社資料、社内確認、修正、提出前チェックをすべてその前に終えておく必要があります。
特に重要なのは、工程表上の着工日と対象作業開始日を混同しないことです。本体工事の前に、仮設、足場、解体準備、重機搬入、設備設置などが始まる場合、申請期限の基準日が前倒しになる可能性があります。対象作業開始日を申請基準日として工程表に明示し、そこから逆算してスケジュールを組むことが大切です。
また、土日祝日、閉庁日、社内休業日、協力会社の稼働日も考慮します。暦日で14日前や30日前を確認しつつ、実際に提出できる営業日を前倒しで確保します。提出期限当日に提出するのではなく、社内完成日と提出予定日を早めに設定し、不備や修正に対応できる余裕を持つことが重要です。
現場条件の確認や図面との照合を効率化したい場合は、iPhone装着型GNSS高精度測位デバイスであるLRTKを活用することで、作業範囲、搬入経路、危険箇所、仮設位置などを高精度な位置情報とともに記録しやすくなります。88条申請そのものは書類手続きですが、その前提となる現況把握と施工計画の精度が高まれば、着工前スケジュールの手戻りを減らし、期限に余裕を持った申請準備につなげやすくなります。
LRTKで現場の測量精度・作業効率を飛躍的に向上
LRTKシリーズは、建設・土木・測量分野における高精度なGNSS測位を実現し、作業時間短縮や生産性の大幅な向上を可能にします。国土交通省が推進するi-Constructionにも対応しており、建設業界のデジタル化促進に最適なソリューションです。
LRTKの詳細については、下記のリンクよりご覧ください。
製品に関するご質問やお見積り、導入検討に関するご相談は、
こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。ぜひLRTKで、貴社の現場を次のステージへと進化させましょう。

