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360度カメラを教育現場で使う実践例6つ

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万能の測量機LRTKの説明

著者: LRTKチーム

目次

360度カメラが教育現場で注目される理由

実践例1:校外学習や施設見学を教室で追体験する

実践例2:実験や実習の手順を全方向から記録する

実践例3:体育や部活動の動きを客観的に振り返る

実践例4:防災教育や避難訓練を現場感のある教材にする

実践例5:学校施設やキャンパス案内を分かりやすく共有する

実践例6:研究発表や探究学習の記録を立体的に残す

360度カメラを教育現場に導入する前に整理すべきこと

撮影後の共有と管理で注意すべきこと

360度カメラ活用を次の段階へ進める考え方


360度カメラが教育現場で注目される理由

360度カメラは、前方だけでなく周囲全体を一度に記録できる撮影機材です。一般的なカメラでは、撮影者が向けた方向だけが映像として残ります。一方で360度カメラは、教室、実習室、体育館、校庭、校外学習先など、その場全体の雰囲気をまとめて記録できます。教育現場では、授業内容そのものだけでなく、児童生徒の動き、教員の立ち位置、教材の配置、周囲の環境、グループ活動の様子など、多くの情報が同時に発生します。360度カメラは、こうした複数の情報を後から確認できる形で残せる点に大きな特徴があります。


「360度カメラ」で検索する実務担当者の多くは、単に機材の性能を知りたいだけではなく、実際にどのような場面で使えるのか、導入した場合に教育活動の何が改善されるのかを知りたいはずです。教育現場では、授業改善、実習記録、安全教育、学校広報、施設管理、探究学習、遠隔共有など、さまざまな目的で360度カメラを活用できます。ただし、導入するだけで効果が出るわけではありません。撮影対象、共有方法、個人情報の扱い、閲覧する端末、保管ルール、授業設計とのつながりを整理しておく必要があります。


特に教育現場では、撮影した映像を「見るための記録」にとどめず、「学びを深めるための素材」として扱うことが重要です。例えば、校外学習の様子を360度で残せば、欠席した児童生徒への共有だけでなく、事後学習での振り返りにも使えます。理科実験や職業実習を記録すれば、手順確認や安全指導に役立ちます。体育や部活動では、動きの全体像を確認することで、指導者と学習者が同じ映像を見ながら改善点を共有できます。


この記事では、360度カメラを教育現場で使う実践例を6つに分けて解説します。小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学、研修施設、教育委員会、学校法人、民間教育機関など、幅広い現場で応用しやすい観点を中心に整理します。


実践例1:校外学習や施設見学を教室で追体験する

360度カメラの代表的な活用例が、校外学習や施設見学の記録です。博物館、資料館、工場、農場、地域施設、歴史的建造物、自然観察地などを訪問した際、通常の写真や動画では一部の方向しか記録できません。撮影者が注目した展示物や説明者は残せても、周囲の配置、児童生徒の反応、空間の広がり、展示物同士の関係までは残りにくいものです。360度カメラを使うと、見学場所の全体像を記録できるため、教室に戻った後でも現地の雰囲気を追体験しやすくなります。


例えば、地域学習で古い街並みを訪れた場合、建物の正面だけを撮影するのではなく、道路幅、周辺の看板、歩道の状況、隣接する建物、交通の流れなども同時に記録できます。児童生徒が後から映像を見返すことで、「なぜこの場所に商店が集まっているのか」「昔の道幅と現在の交通量は合っているのか」「観光地として分かりやすい案内になっているか」といった観察視点を持ちやすくなります。単なる思い出の記録ではなく、社会科、総合的な学習、地域探究の教材として活用できます。


また、校外学習に参加できなかった児童生徒への共有にも有効です。欠席者に対して通常の写真を見せるだけでは、現地の空間を理解しにくい場合があります。360度映像であれば、自分で視点を動かしながら見られるため、実際にその場に立っているような感覚で確認できます。特別な事情により長時間の移動が難しい児童生徒にとっても、学習機会を補完する手段になります。


施設見学では、事前学習にも360度カメラを活用できます。初めて訪問する場所では、集合場所、入口、移動経路、見学エリア、注意すべき場所を事前に見せておくことで、当日の混乱を減らせます。特に大人数での移動や、安全管理が必要な施設では、事前に空間を把握しておくことが安心につながります。教員側も、危険箇所や説明しやすい位置を事前に確認できるため、引率計画を立てやすくなります。


360度カメラを校外学習で使う場合は、撮影の目的を明確にすることが大切です。現地のすべてを長時間撮影し続けるのではなく、学習テーマに関係する場所を選び、短い単位で記録する方が後から使いやすくなります。例えば、「入口から展示室までの導線」「主要展示の前」「説明を受けた場所」「振り返りで使いたい観察ポイント」など、撮影場面を事前に決めておくと、教材化しやすい映像になります。


実践例2:実験や実習の手順を全方向から記録する

理科実験、技術、家庭科、農業、工業、看護、介護、調理、美術、情報、建築、測量など、手順を伴う授業では、360度カメラが非常に役立ちます。実験や実習では、教員の手元だけでなく、器具の配置、周囲の安全確認、他の生徒の動き、作業台全体の状態が重要になります。通常のカメラで手元だけを撮影すると、周辺環境との関係が分かりにくく、後から振り返ったときに「なぜこの位置に置いたのか」「周囲との距離は適切だったのか」が判断しづらくなります。


360度カメラを実習室の中央や作業台付近に設置すれば、作業全体の流れを記録できます。例えば理科実験では、薬品の取り扱い、加熱器具の位置、観察者の立ち位置、記録係の動き、安全距離などを後から確認できます。教員が授業後に映像を見返すことで、説明のタイミング、児童生徒が迷いやすい工程、危険な動作が発生しやすい場面を把握できます。次回の授業改善にもつながります。


職業教育や専門教育では、作業手順の標準化にも活用できます。熟練者が行う作業を360度で記録しておけば、単なる手順書では伝わりにくい身体の向き、道具の置き方、周囲への注意配分を教材化できます。例えば調理実習では、包丁の扱いだけでなく、まな板、食材、加熱器具、洗い場、周囲の生徒との距離を確認できます。介護実習では、利用者役への声かけ、ベッド周辺の動線、補助者の立ち位置などを振り返る材料になります。


実習では、失敗の振り返りにも360度カメラが有効です。作業がうまくいかなかった場合、通常の映像では原因が画面外にあることがあります。例えば、器具の準備不足、周囲との接触、順番の誤り、班内の役割分担の偏りなどは、正面映像だけでは見落とされがちです。360度映像であれば、映像内で視点を動かしながら原因を探ることができ、児童生徒自身が改善点に気づきやすくなります。


ただし、実験や実習で使う際には、安全と個人情報の扱いに注意が必要です。危険物や機密性の高い作業、個人の失敗が強く残る場面では、撮影範囲と共有範囲を限定するべきです。教育目的で撮影すること、誰が閲覧するのか、どの期間保管するのかを事前に説明しておくと、安心して活用できます。また、音声も記録される場合があるため、発言内容への配慮も必要です。


360度カメラは、実習の「全体を一度で見直せる教材」を作るための道具として有効です。特に、手順、安全、配置、役割分担が重要な授業では、通常の動画よりも多くの情報を残せます。教員の説明だけに頼らず、児童生徒が自分の動きを客観的に確認できる点が大きな価値になります。


実践例3:体育や部活動の動きを客観的に振り返る

体育や部活動では、動きの全体像を把握することが重要です。球技、陸上、ダンス、武道、体操、集団行動などでは、個人のフォームだけでなく、周囲との距離、位置取り、タイミング、視線、声かけ、空間の使い方が成果に大きく影響します。一般的なカメラでは、撮影方向に入っている選手や生徒しか確認できず、画面外で起きている動きは見えません。360度カメラを使うことで、体育館やグラウンドの一部を広く記録し、後からさまざまな視点で振り返ることができます。


例えば球技の授業では、ボールを持っている生徒だけでなく、周囲の生徒がどの位置に動いていたか、パスコースがどこにあったか、守備側がどのようにスペースを埋めていたかを確認できます。映像を一時停止しながら視点を動かせば、教員が「この場面では右側に空いているスペースがあった」「味方との距離が近すぎた」「守備の戻りが遅れた」といった指導をしやすくなります。生徒も、自分が見えていなかった周囲の状況を理解できます。


ダンスや表現運動では、隊形や全体のバランスを確認するのに向いています。正面からの映像だけでは、奥行きや横の広がり、立ち位置のずれが分かりにくい場合があります。360度カメラを中央付近に置けば、全員の位置関係を確認しやすくなり、隊形移動のタイミングや距離感を振り返れます。生徒自身が映像を見ながら修正点を話し合うことで、主体的な学習にもつながります。


部活動では、練習の質を高める目的で活用できます。指導者が常に全員を見ていることは難しく、特に大人数の練習では、見落としが発生しやすくなります。360度映像を残しておけば、練習後に全体の動きを確認できます。個別のフォーム確認には通常のカメラが適している場合もありますが、チーム全体の連動、待機中の姿勢、練習メニュー間の切り替え、声かけの様子などは360度カメラの方が把握しやすい場面があります。


体育や部活動での活用では、撮影する目的を生徒に共有することが大切です。監視のためではなく、動きを客観的に確認し、上達につなげるための記録であることを説明する必要があります。映像を全員で見る場合は、個人を責める使い方ではなく、改善点を建設的に話し合う教材として扱うことが重要です。


また、屋外で使用する場合は設置場所にも注意が必要です。ボールが当たりにくい場所、転倒時に危険にならない場所、通行の邪魔にならない場所を選ぶ必要があります。三脚を使う場合は、安定性を確保し、強風や接触で倒れないように配慮します。体育館では、床を傷つけない設置方法や、競技中の動線を妨げない配置を考えることが必要です。


360度カメラは、体育や部活動において「その場では見えなかった動き」を後から発見するための道具です。動作の細部だけでなく、空間全体の使い方を学ぶことで、個人技術とチーム活動の両方を改善しやすくなります。


実践例4:防災教育や避難訓練を現場感のある教材にする

教育現場で重要性が高い分野の一つが、防災教育と安全教育です。避難経路、危険箇所、集合場所、階段、出入口、校庭、通学路などは、平面図や文章だけでは十分に理解しにくい場合があります。360度カメラを使えば、実際の空間を教材化し、児童生徒や教職員が現場感を持って確認できます。


避難訓練では、訓練中の様子を360度で記録することで、後から移動経路や混雑状況を確認できます。例えば、廊下のどの場所で列が詰まりやすいのか、階段でどのような動きが発生しているのか、集合場所までの流れに無理がないかを見直せます。通常のカメラでは特定の方向しか映りませんが、360度カメラなら前後左右の動きを同時に確認できるため、避難行動全体の検証に適しています。


防災教育では、危険予測の教材としても使えます。校内の廊下、理科室、家庭科室、体育館、校庭、通学路などを360度で撮影し、児童生徒に「危険になりそうな場所はどこか」「地震のときに落下しそうなものはあるか」「雨の日に滑りやすい場所はどこか」と考えさせることができます。写真よりも視野が広いため、実際に現場を歩いているような感覚で確認できます。


通学路安全にも活用できます。交差点、見通しの悪い道、歩道のない道路、車の出入りが多い場所などを360度で記録しておけば、交通安全指導の教材になります。児童生徒に映像を見せながら、どの方向から車や自転車が来る可能性があるか、どこで一時停止すべきか、雨天時や夕方に見えにくくなる場所はどこかを考えさせることができます。保護者や地域関係者と課題を共有する際にも、言葉だけより状況を伝えやすくなります。


教職員研修にも効果があります。新任教員や異動してきた教職員に対して、校内の避難経路や安全上の注意点を説明する場合、紙の資料だけでは実際の動線を理解しにくいことがあります。360度映像を使えば、職員室から避難経路、特別教室、体育館、校庭までの流れを事前に確認できます。学校全体の安全管理を共通理解にしやすくなります。


防災教育で360度カメラを使う場合は、撮影のリアリティを高める一方で、不安を過度にあおらないようにする配慮も必要です。目的は恐怖を与えることではなく、危険を予測し、落ち着いて行動できる力を育てることです。そのため、映像を見せるだけでなく、「どのように行動すれば安全か」「事前に何を整えておくべきか」という前向きな学習につなげることが大切です。


360度カメラは、防災教育を平面的な説明から、空間を使った具体的な学習へ変える可能性があります。学校内外の環境を現実に近い形で共有できるため、児童生徒、教職員、保護者、地域が同じ状況認識を持ちやすくなります。


実践例5:学校施設やキャンパス案内を分かりやすく共有する

360度カメラは、学校施設やキャンパス案内にも活用できます。入学希望者、保護者、転入予定者、地域関係者、外部講師、実習先関係者などに向けて、学校の雰囲気や施設の特徴を伝える際、通常の写真だけでは空間の広さや配置が伝わりにくいことがあります。360度カメラで教室、図書室、体育館、実習室、食堂、校庭、ホール、研究室、寮、共有スペースなどを撮影すれば、閲覧者が自分で視点を動かしながら施設を確認できます。


学校説明会やオープンキャンパスでは、来校できない人に向けた情報提供として役立ちます。遠方に住んでいる家庭、日程が合わない保護者、体調や移動の都合で参加しにくい人に対して、学校施設の様子を分かりやすく伝えられます。特に専門学校や大学では、実習設備、研究施設、スタジオ、工房、実験室などの環境が進路選択の判断材料になります。360度映像であれば、設備の一部だけでなく、学習空間全体の雰囲気を伝えやすくなります。


校内案内の効率化にもつながります。新入生や保護者に対して、入学前に校内の主要施設を見せておくと、初日の不安を減らせます。職員室、保健室、相談室、図書室、体育館、昇降口、避難場所などを事前に確認できれば、学校生活を始める際の心理的な負担が軽くなります。特に大きなキャンパスや複数棟に分かれた学校では、360度映像が道案内の補助として役立ちます。


学校広報では、施設の魅力を伝えるだけでなく、教育方針や学びの環境を具体的に示すことが重要です。例えば、少人数学習の教室、探究学習のためのスペース、ものづくりの実習室、地域交流の場などを360度で見せることで、学校が大切にしている学びの姿勢を表現できます。単なる施設紹介ではなく、「この場所でどのような学びが行われるのか」を文章と組み合わせて伝えると、より実用的なコンテンツになります。


また、外部業者や関係者への説明にも使えます。施設改修、設備導入、清掃、警備、保守点検、イベント準備などでは、関係者が現地を確認する必要があります。360度映像を共有すれば、現地訪問前の確認資料として使えます。もちろん、正確な寸法や詳細な設備情報が必要な場合は別途確認が必要ですが、空間の雰囲気や配置を共有するには有効です。


学校施設を360度で撮影する場合は、整理整頓と個人情報への配慮が欠かせません。掲示物、名簿、個人作品、顔が写る可能性のある場所、個人名が記載されたロッカーや机などには注意が必要です。公開範囲が広い場合は、撮影前に不要な情報を片付ける、人物が写らない時間帯に撮影する、公開前に映像を確認するなどの手順を整えるべきです。


360度カメラによる施設案内は、学校の魅力を伝えるだけでなく、関係者の不安を減らし、説明の手間を減らす効果があります。教育現場の実務担当者にとっては、広報、入試、総務、施設管理、保護者対応など、複数の業務にまたがって使える活用方法です。


実践例6:研究発表や探究学習の記録を立体的に残す

探究学習、課題研究、卒業制作、地域連携学習、研究発表会などでは、学習の成果だけでなく、活動の過程を記録することが重要です。360度カメラを使うと、発表者だけでなく、展示物、聞き手、会場全体、質疑応答の様子をまとめて記録できます。これにより、学びの場そのものを振り返ることができます。


例えば、ポスター発表や展示発表では、通常のカメラだと発表者かポスターのどちらかに焦点が偏りがちです。360度カメラを発表スペースに設置すれば、説明している生徒、掲示物、模型、見学者、質問者の位置関係を同時に記録できます。後から映像を見返すことで、発表者の話し方だけでなく、聞き手がどの部分に注目していたか、質問がどのタイミングで出たか、展示の配置が分かりやすかったかを確認できます。


探究学習では、フィールドワークの記録にも向いています。地域調査、自然観察、まち歩き、施設調査、インタビュー前後の現地記録などで360度映像を残しておくと、後から班で情報を整理しやすくなります。現地で気づかなかった看板、地形、通行量、周囲の施設、危険箇所などを後から見つけられることもあります。調査結果をまとめる際に、現地の状況を説明する資料として活用できます。


研究発表会の運営改善にも役立ちます。会場内の動線、発表ブースの配置、聴講者の流れ、混雑しやすい場所、音が重なりやすい場所などを確認できます。翌年度の会場設計や発表時間の調整、案内表示の改善に使えます。学校行事や成果発表会は毎年実施されることが多いため、記録を残して改善に活かす価値があります。


児童生徒にとっても、360度映像は自己評価の材料になります。発表中の自分の姿を見るだけでなく、聞き手がどのように反応しているか、資料が見やすい位置にあったか、班員同士の連携が取れていたかを確認できます。これにより、次の発表に向けた改善点を具体的に考えやすくなります。単に「声を大きくする」「分かりやすく話す」といった抽象的な反省ではなく、「質問者の方向を見て話す」「模型を説明するときは少し横に立つ」「聞き手が近づきやすい配置にする」といった実践的な改善につながります。


研究発表や探究学習で360度カメラを使う場合は、成果物の権利や個人情報にも配慮が必要です。児童生徒の作品、研究内容、個人名、顔、声が記録されるため、公開範囲を慎重に決める必要があります。校内限定で使うのか、保護者に共有するのか、外部に公開するのかによって、事前の同意や編集作業が変わります。特に外部公開を前提にする場合は、撮影場所、映り込み、発表内容の確認を徹底することが重要です。


360度カメラは、探究学習の「場」と「過程」を記録する道具として有効です。成果物だけでは見えない学びのプロセスを残せるため、評価、振り返り、次年度改善、学校広報に活かしやすくなります。


360度カメラを教育現場に導入する前に整理すべきこと

360度カメラを教育現場で効果的に使うには、導入前の整理が欠かせません。まず考えるべきことは、何のために撮影するのかです。校外学習の記録なのか、授業改善なのか、安全教育なのか、学校広報なのか、実習手順の標準化なのかによって、必要な撮影方法も共有方法も変わります。目的が曖昧なまま機材を導入すると、最初だけ使われて、その後は保管されたままになる可能性があります。


次に、誰が撮影するのかを決める必要があります。教員が撮影するのか、ICT担当者が支援するのか、児童生徒が学習活動として扱うのかによって、運用ルールが変わります。児童生徒が使う場合は、機材の扱い方、持ち運び、撮影範囲、プライバシーへの配慮を事前に指導する必要があります。教員が使う場合でも、撮影後のデータ整理や共有まで含めて担当を決めておかないと、活用が継続しにくくなります。


撮影する場所と時間も重要です。授業中に撮影する場合、児童生徒の顔や声が記録されます。公開する予定がなくても、校内で共有するだけでも配慮は必要です。保護者への説明、校内ルール、同意の取得、データ保管期間、削除方法などを整理しておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。教育現場では、便利さだけでなく、安心して使える運用が求められます。


また、閲覧環境も確認する必要があります。360度映像は通常の写真や動画よりもデータ量が大きくなる場合があります。校内ネットワークでスムーズに閲覧できるか、教室の端末で再生できるか、共有先の端末で操作しやすいかを事前に確認しておくべきです。撮影はできても、再生や共有がうまくいかなければ授業では使いにくくなります。


保管方法も重要です。撮影データを個人の端末に置いたままにすると、後から探しにくくなり、担当者が変わったときに活用できなくなります。年度、学年、教科、行事名、撮影場所、利用目的などの分類ルールを決めておくと、教材として再利用しやすくなります。教育現場では年度ごとに担当者が変わることも多いため、属人的な管理を避けることが大切です。


360度カメラの導入では、最初から大規模に使うより、用途を絞って始める方が定着しやすくなります。例えば、最初の一年は校外学習の振り返りと防災教育に限定する、実習記録は特定の授業だけで試す、学校案内は主要施設だけ撮影する、といった始め方が現実的です。小さく始めて、効果が見えた用途を広げていくことで、無理なく運用できます。


撮影後の共有と管理で注意すべきこと

360度カメラの活用では、撮影そのものよりも、撮影後の共有と管理が重要になる場合があります。教育現場では、撮影データをどのように教材化し、誰に見せ、どの範囲で保管するかを明確にしておく必要があります。特に児童生徒が写っている映像は、扱いを誤ると個人情報や肖像に関する問題につながる可能性があります。


まず、共有範囲を目的に合わせて分けることが大切です。授業内の振り返りだけに使う映像、教職員研修で使う映像、保護者に共有する映像、外部広報に使う映像では、必要な確認レベルが異なります。授業内で一時的に見るだけなら比較的扱いやすい場合もありますが、外部公開する場合は、映り込みや発言内容をより慎重に確認する必要があります。


次に、映像をそのまま長時間見せるのではなく、学習目的に合わせて見せ方を工夫することが重要です。360度映像は情報量が多いため、児童生徒が何を見ればよいか分からなくなることがあります。教員が「この場面では周囲の安全確認に注目しましょう」「この場面では班の役割分担を見ましょう」「この位置から避難経路を確認しましょう」と視点を与えることで、教材としての効果が高まります。


撮影データの名前付けも実務上は大切です。日付だけのファイル名では、後から何の映像か分からなくなります。行事名、学年、教科、場所、用途が分かる名前にしておくと、再利用しやすくなります。例えば、校外学習、理科実験、防災訓練、施設案内などの分類を作り、年度ごとに整理すると、担当者が変わっても引き継ぎやすくなります。


データの保存期間も決めておくべきです。すべての映像を永久に残す必要はありません。授業改善用の一時的な記録は一定期間後に削除する、教材として使う映像は確認済みのものだけ残す、外部公開用は管理者が承認したものだけ保管するなど、用途ごとのルールがあると安全です。学校全体で共通ルールを作ることで、担当者ごとの判断差を減らせます。


また、360度映像は周囲全体が映るため、撮影者が意図していない情報も入りやすい点に注意が必要です。掲示板の個人名、机上の資料、ホワイトボードの内容、児童生徒の顔、会話、外部の人の映り込みなどが含まれることがあります。公開前には必ず映像全体を確認し、必要に応じて撮影し直す、公開範囲を限定する、編集するなどの対応が必要です。


教育現場で360度カメラを継続的に使うには、便利さと安全性の両立が欠かせません。撮影しやすい仕組み、探しやすい保管方法、安心して共有できるルールを整えることで、授業や学校運営に無理なく取り入れられます。


360度カメラ活用を次の段階へ進める考え方

360度カメラは、教育現場の記録や共有を大きく変える可能性があります。校外学習を教室で追体験する、実験や実習の手順を全方向から振り返る、体育や部活動の動きを客観的に確認する、防災教育を現場感のある教材にする、学校施設を分かりやすく案内する、探究学習や研究発表の過程を立体的に残すなど、活用範囲は広がっています。


一方で、360度カメラは「空間を丸ごと記録する」道具であるため、どこで撮影したのか、どの位置から撮影したのかという情報も重要になります。特に校外学習、通学路安全、施設点検、フィールドワーク、防災教育、地域調査などでは、映像と位置情報を組み合わせることで、記録の価値がさらに高まります。映像だけでは「どの地点の記録か」が後から曖昧になることがありますが、正確な位置情報とひも付ければ、教材、点検記録、調査資料として扱いやすくなります。


教育現場での活用をさらに進めるなら、360度カメラで撮影した空間情報と、高精度な位置情報を組み合わせる発想が有効です。例えば、校外学習で撮影した地点を地図上で整理する、通学路の危険箇所を位置付きの360度記録として残す、学校施設の点検箇所を正確な位置とともに管理する、フィールドワークの調査地点を後から再確認できるようにする、といった使い方が考えられます。


このような運用では、iPhoneに装着して使えるGNSS高精度測位デバイスであるLRTKが自然に役立ちます。LRTKを使うことで、現場で取得した位置情報を高精度に扱いやすくなり、360度カメラで残した映像や写真、調査メモを「どこで記録したものか」と結び付けやすくなります。教育現場における校外学習、防災点検、地域調査、施設管理、探究学習の記録を、単なる映像データではなく、位置に基づいた学習資産として整理しやすくなります。


360度カメラは、見たものを残す道具です。そこにLRTKのような高精度測位を組み合わせると、見た場所まで正確に残すことができます。教育現場での記録を、授業の振り返りだけで終わらせず、次年度の教材、地域学習の蓄積、安全管理の資料、探究活動の証拠として活かしたい場合、360度映像と高精度な位置情報を組み合わせる視点が重要になります。360度カメラを導入する際は、撮影できる範囲だけでなく、記録した情報をどのように整理し、どのように再利用するかまで考えることで、教育現場での活用効果をより高められます。


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